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検索結果 » 平成28年 第391回 市議会定例会(開催日:2016/06/10) »

一般質問2日目(福田佐和子)

質問者:福田佐和子

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(西岡照夫君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。19番福田佐和子さん。
      〔19番 福田佐和子君登壇〕
○19番(福田佐和子君) おはようございます。
 私は、通告をしてあります市内中学校生徒の自死について、1、重大事態に対する市長、教育長の認識と御遺族への対応について、2、いじめ防止対策推進法は生かされたのかについて、3、南国市調査専門委員会の人選と報告内容について、4、子供の命を守るための今後の課題と取り組みについてお尋ねをいたします。
 一人の大切な命が絶たれたという重い事実を関係者とともに市民がしっかりと受けとめ、今後二度と繰り返さないために、これからできることを確認するために、その思いで質問をいたします。
 この議会で再び南国市の子供の命が絶たれたことについて発言することになろうとは思ってもいませんでした。本当に残念でなりません。今回もまた何の力にもなれず、生徒さんにも御遺族にも大変申しわけない思いでいっぱいです。本当に申しわけありません。Kさんの御冥福を心からお祈りしながら質問させていただきます。
 病気や事故などではなく理由がわからないまま突然大切な子供さんを亡くされた御遺族の悲しみ、悔しさを考えますと、安易な気持ちで質問することはできませんが、御遺族の皆さんが悲しみの底から少しでも立ち上がることができるように、そして二度と同じようなことが起きることがないようにと心から願いながらお尋ねいたします。
 突然の死から9カ月、今も嘆き悲しむことさえできない、そんな状況におられる御遺族の心情を御理解の上、市長、教育長には誠意ある答弁を求めたいと思います。同時に、決して二度と繰り返さない、そのためには事実を明らかにし、南国市の全ての子供の命を守るという決意を市民に表明されることを強く要請しておきたいと思います。
 8年前、大篠小学校5年生の虐待死事件は、今も折に触れ名前が出るなど、市民の中には救えた命として悲しみとともに後悔の念が消えておりません。検証委員会では、市教委を初め学校内での情報共有、通報の徹底、気づいた先生の話を受けとめなかった民間人校長、児童相談所の体制、警察の対応などが厳しく指摘をされ、改善を目指していたはずです。何よりも子供の命が最優先だと肝に銘じたのではなかったでしょうか。当時の議会で市長は、今回の虐待だけでなく、不登校やいじめ問題についても対応を講じるべきだと答弁しています。教育長は情報の把握が十分でなかった、このことを認めておられます。市長、教育長のもとで検証委員会の提言に基づき、今日まで取り組みや改善が図られてきたのではないでしょうか。提言が生かされ実行されていれば、今回も救えた命ではなかったでしょうか。学校内でたびたびSOSを発信していたのに、誰にも届かずじまいだったことが悔しくてたまりません。まだ15歳、お母さんが命がけで産んで、家族で育てた大切な子供です。同じ母親の一人としてこれ以上の悲しみはありません。御遺族の願いに応え、事実に基づく対策を求めるために4点についてお尋ねをいたします。
 まず、1点目は、中学生の自死という重大事態が起きたことについての市長、教育長の認識と対応についてお尋ねをいたします。
 3月31日、調査報告書を求め、高新に記事が掲載をされました。昨年9月に県中央部の中学3年生の男子生徒が自殺しているのが見つかった。地元の教育委員会から諮問を受けた調査専門委員会がまとめた報告書からは、少年が置かれていた状況の一端をうかがい知ることができる。ゲームやガンダムのプラモデルづくりが好き。妹の面倒見がよい。挨拶ができると近所で評判。学校では一人でいることが多い。人とのかかわりを積極的に求めない。学校生活の満足度を確かめるアンケートでは、フォローが必要な要支援群に常に属していたという。在校生ら500人にアンケートをして5カ月かけてまとめられた報告書、これをベースに生徒の死の背景、経過をたどった、という記事であります。
 しかし、その中で両親のお話として、少年の父親と母親は本紙の取材に対し、報告書は核心に触れておらず、到底納得できる内容ではない。再調査をしてほしいと語った。父親はこういう形で調査し、結果をまとめてもらったことは評価すると話す一方、少年の自殺後に学校が行った在校生へのアンケートで、いじめと考えられる情報が複数寄せられていることを強調。火のない所に煙は立たないと思う。大事な部分が未解明でこれをもって「はい、そうですか」と言えるわけがないと無念さをにじませた。その上で、報告書はいじめを正すような内容であるべきなのに、息子の人格など個人的な側面にウエートが置かれ過ぎている印象を受ける。この内容でいじめの再発防止につながるとは思えない、と言われています。学校側の対応に関する記述が少ないことも納得できない一因といい、学校ができたこと、できなかったことが整理されていないと指摘する。要支援群に属していた少年に日常的にどう接していたのか、3年1学期に行われたアンケートを少年が提出せず自宅に持ち帰っているが、それにどう対処したかなどについて記載が不備だとし、息子のこの行動をなぜ放置したのかと疑問を持つくだりもあったと話しました。このようなことが二度と起こってほしくない。息子の死を通じて多くの人に学校やいじめのことを考えてもらいたいと両親は語っているという記事の内容でございました。
 また、その後御遺族の方から寄せられたお手紙でも、調査報告書が出されて2カ月たちました。第三者委員会、調査報告書、学校、市教委の曖昧な態度、対応、全てに失望しました。報告書をもとに市教委、学校に対し質問をしても、報告書に関することは答えられないの一点張りで、我々の納得のいくような回答は何ひとつ得られずじまいでした。それぞれの調査を専門的な分野から見た分析、それ以上は何の根拠も持たない。委員会と報告書は一体誰のための何のためだったのでしょうか。ただはっきりと見えたことは、市教委、学校の醜い仲間内でのかばい合いに必死になっている姿と我々無力者に対する対応のモラルの低さでした。今回の問題、学校だけに責任を押しつけようとしているわけではありません。しかし、学校として全く落ち度がなかったわけでもないはずです。認めて謝罪をすべきではないでしょうか。市教委は学校に対しての指導をすべきではないでしょうか。ただ委員会を立ち上げました、調査報告書を出しました、以上やるべきことはやりましたでは、第三者委員会の立ち上げそのこと自体、無意味なことだったのではないでしょうか。他県もこのような終わり方、曖昧な終わり方をしているのでしょうか。市教委、学校がともに態度が、時間が解決し、騒ぎが治まるのを身を潜めて待っているとしか受け取れないような状態です。今後、またこういう問題が起こったとき、何の参考にも解決の教訓にもならないでしょう。もう少し問題を真摯に受けとめ、真摯に取り組んでいただきたいと思います、ということです。
 突然理由もわからないまま子供さんを亡くした御遺族に対して、市長、教育長はどのような認識のもとでどう対応されてきたのでしょうか。御遺族の思いを真摯に受けとめた対応ができたのか、まずお尋ねをいたします。
 次に、2点目は、いじめ防止対策推進法はどのように生かされたか、についてお尋ねをいたします。
 資料を議長のほうから配付をしていただいておりますので、その中にもいじめ防止対策推進法が全文載せられております。5年前に起きた大津市のいじめ自殺の後、2013年6月にいじめ防止対策推進法が制定をされました。これらに基づき南国市でも施行されているはずです。この推進法の目的は、この法律は、いじめが、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止策等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することとされております。中には定義もありますし、またいじめの禁止、第4条では、児童等はいじめを行ってはならないということが明確にうたわれておりますし、地方公共団体の責務、学校の責務、教育委員会の責務、保護者の責務も同時にうたわれております。
 そこでお尋ねをしたいと思いますが、この法律に基づいて施行された南国市のいじめ防止対策、具体的な運用の状況と今回の重大事態においてこの項目がどう生かされたのか。特に重大事態に対しては大変な状況になったわけですから、そのことについてお尋ねをしたいと思います。市教委の取り組みと学校の現場で先生と生徒が共有し合えるどのような取り組みがされたのでしょうか、お聞きをいたします。
 次に、調査特別委員会の(以下、第三者委員会といいます。)人選と報告内容について伺います。
 第三者委員会の人選に当たりましては、法の審議過程で保護者の意見にも配慮し、公平・中立性が確保されるように専門家や経験を有する者が入るということが確認をされました。南国市の第三者委員会には、学校現場の経験者が入っていません。弁護士、心理学の専門家とともに、現場での経験者が必要ではなかったでしょうか。
 また、遺族が委員を選定できることについても、突然の事態の中、御家族の皆さんは希望する委員を選定できる、推薦できる状態ではなかったのではないかと想像されます。委員選定の承諾は、少し時間を置くなどの上で決定をされていたのでしょうか、人選の根拠と決定に至るまでの経過についてお尋ねをいたします。
 次に、調査報告書の内容について伺います。
 1点目は、Kさんは1年生のときの人権作文に次のように書いています。いじめを受けていく上で、僕はあることに気がつきました。それは、人それぞれだと思いますが、自分は生きたいのにいじめのせいで死ぬということが怖くなくなるということに気がつきました。なぜ言い切れるかというと、自分のその感情の中で思ったからです。これを書いた直前には、自殺未遂がありました。また、生徒アンケートでも、たくさんのいじめについての記述がありました。
 しかし、この報告書では、いじめが要因だとはしておりません。9月8日には、早々とKさんに対するいじめやトラブル等に関する内容は確認できませんでした、ということが明らかにされております。
 しかし、報告書の中の学校的背景のところにあります、いじめ、からかいのところでは、1年生のときにいじめがあり、教員によって指導が行われた。先ほど読み上げました人権作文では、死ぬということが怖くなくなると訴えていることから、いじめられた体験によって受けた悲しみが継続していること、特に自死が感情の中に存在していたことがわかる。実際に8月26日には先ほど申し上げましたように未遂がされましたが、2年生の9月の体育祭では、交友のない生徒から「そこのけや、殺すぞ」と言われ、「殺せるなら殺してみいや」と言い返してたたかれて鼻血を出す出来事があっております。2年生の終わりに跳び蹴りをされた傷ついた表情をしていたことからも、Kさんがいじめを受けた事実があったと認められますと書かれているのに、なぜいじめが要因だったというふうに特定できなかったのか。遺族の皆さんもまたこれを読んだ私たちも納得がいくものではありません。宿題が間に合わない、勉強が苦手、親にも厳しく怒られている子供はたくさんいます。だからといって自分の命を絶つ子供はいません。いじめが全てでなかったとしても、これだけ大変な思いを学校でしていたのに、いじめが要因にならなかったのは理解できません。この報告書には、一人の子供の命を大事にする視点がない、これはこれを読まれた複数の市民の皆さんからの御意見でした。これでは誰をも訴えることなく亡くなられたKさんに対して、決して許されないことではないでしょうか。アンケートの設問も自分で見たかあるいはKさん本人に聞いたか、友達に聞いたかというものであり、みずから名乗り出ない限りわかりません。多くの情報を寄せてくれたのに、伝聞だからと認めないのも理解できません。調査対象者も1年生に入学してから少なくとも2年間の卒業生や転出の先生がおいでになります。追いかけて調査をしていないというふうに聞きましたが、いじめが要因とならなかった、そのためにも必要な調査ではなかったかと思いますが、遺族も納得できる、いじめが要因でない、その理由をお尋ねをいたします。
 2点目は、3年間在籍したKさんに対して、学校がどう取り組んだかということがありません。担任の先生の個別の対応は出ておりますけれども、小学校のときから学校生活に支援を要するということが毎年引き継ぎがされております。しかし、本人が困らないように情報を共有し、学校全体でどう取り組んできたのかということがありません。自信を取り戻す教育の場が保障されていたのか、いじめはしないとの教育をどのようにしてきたのかがわかりません。学校でできたこと、なぜできなかったかということを明らかにしなければ、幾ら再発防止といっても言葉だけで終わることになります。本人の困難さだけを強調するのではなく、教育の専門家としてどう対応したのか。できないことあればその理由も明らかにすべきではなかったでしょうか。全て学校の責任だと言っているのではありません。家庭と学校それぞれの役割の中で子供は育っています。この報告書を読んだ人は、生徒が亡くなったのに学校のことが報告されていない。子供が大切にされていないのではと言われています。支援が必要だったKさんに対する学校としての取り組みが報告されていないのはなぜか。全員の先生から聞き取りが行われているはずなのに、学校としてのまとめができたはずですが、反映されておりません。なぜ反映をされなかったのか。
 また、生徒アンケートにはいじめの記述がたくさんあるのに、先生からの聞き取りにはいじめの記載が余りありません。生徒みずから訴えない限り、どんなに大変でも学校の中ではそのままになるということなのでしょうか、お聞きをいたします。
 3点目は、未解明の問題があります。この報告書には、第4、未解明の問題、以上が調査専門委員会の認定した事実ですが、そこに記載したとおり、2年生の終わりにKさんに対して跳び蹴りをしていたとされるグループが誰であるか、3年時授業参観終了時にお母さんが聞いた物音が何だったのか、Kさんのワイシャツの破れがどうして生じたのか、これらの点は未解明のままですということになっておりますが、この検証委員会は、さまざまな資料に基づいて事実を検証するということではなかったのでしょうか、この未解明の問題はそのままになるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 次に、4点目、報告書には個人名が書かれています。全国的に見ても名前は出していないのではないでしょうか。この報告書がずっと先まで残るとなると、家族は大変つらい思いが続きます。実名にした理由があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
 次に、5点目は、報告文書には推定や修飾語が多く、第三者委員会でありながら情緒的で客観的な文章とは言えない部分が多々あります。この報告書の終わりには、こんなふうに書かれています。人権作文とワイシャツのほころび、これらはいじめとそのいじめによる苦痛を連想させます。しかし、そのことを生前Kさんに問うと、彼は言葉を濁しました。彼は誰に何を訴えたかったのでしょうか。どうしたら彼の叫びを聞くことができたのでしょうか。あるいは、そうなる前に誰かに発見してほしい、自分をとめてほしい、君はそう言いたかったのですか。我々がこの問いにずっと向き合っていくこと、そしてやがてその答えにたどり着くこと、それが悲しい決断を下したKさんへの返信である、我々はそう考えます。我々は返信しなければならない。この報告書はそのための一歩です、などというような、虐待死事件の検証委員会の終わりの文章とは全く違う中身になっております。この文章の書き方について、諮問した教育委員会は疑問を持たれなかったのでしょうか、お尋ねをいたします。
 最後に、この報告書には4回エピソードという言葉が出てまいります。エピソードというのは、通常どのように使われているのか、聞いておきたいと思います。
 次に、子供の命を守る今後の課題と取り組みについてお尋ねをいたします。
 報告書にも再発防止予防のためにということで書かれておりますが、足立区では、いじめの予防には先生の多忙化を解消するとの一文が入りました。先生が忙し過ぎると、気にかけながらも後回しになり、後手になることがあります。これまでにも先生の多忙化の解消、少人数学級で一人一人の子供に目配りができる学校にと提案をしてまいりました。今回のような苦しみ、悲しみを繰り返さないために、Kさんの命を教訓にし、命を守る取り組み、真摯な取り組みが御遺族からも求められております。再発防止策についてどう取り組むのかお聞きをして、1問を終わります。
○議長(西岡照夫君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 福田議員さんの御質問にお答えをしたいと思います。
 前途ある中学生が、15歳という若さで命を絶たれたことは、まことに残念でなりません。亡くなられた中学生の御家族のお気持ちを察すると、言葉にあらわせないものがございます。ただただ御冥福をお祈り申し上げるばかりでございます。二度とこのような悲劇が繰り返されることのないよう、私たち行政を初め、学校・家庭・地域それぞれの連携の中で次代を担う子供たちの尊い命を守り、育んでいくための取り組みを進めてまいる決意でございます。
 調査専門委員会の報告書や教育委員会が作成いたしました子供の自殺予防リーフレットも拝見いたしました。危機に至るプロセスや自殺の危険性が高い子供の特徴や心理を教職員にもいち早く理解してもらい、自殺直前のサインを見逃さない取り組み、子供たちの周りにゲートキーパーを意図的につくっていく取り組み、そして危険性の高いお子さんは保護者にも協力をいただき、専門機関に確実につないでいく取り組みなどの充実が必要であると考えております。そして、家庭との連携について、教育委員会だけでは難しい場合もあると思いますので、市長部局の関係各課とも連携がしっかり図れるように取り組みを進めてまいる所存でございます。
 以上、答弁といたしますが、福田議員さんに私は申し上げたいことがございます。以前、大篠小学校で虐待死亡事件が発生したとき、あなたは言われました。民間機関から登用された校長先生でなかったら、まるであの事件はなかったかのようなことを言われました。この場で私はそのことに対し、声を少し荒げました。今回、学校現場で教職員が醜いかばい合いをしておる。そしてまた、時間がたって事が治まることを身を潜めて待っている、こういうように断言いたしました。そのような言葉で断言できるわけでございますか。
○議長(西岡照夫君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 本市の中学生の自死につきましては、議員の皆様にその都度御報告させてまいりました。今回、福田議員さんからの御質問に御答弁申し上げるにつきまして、議員の皆様にもお受け取りいただけますよう、議長のお許しをいただきまして少し時間がかかりますが、御質問のありました重大事案への認識と対応について、いじめ防止対策推進法について、市の調査専門委員会の委員の人選と報告内容について、子供の命を守る今後の課題と具体的取り組みについてお答えをさせていただきます。
 このたび本市におきまして、中学生の尊い命が失われたことは、本当に残念でなりません。未来ある若い命が絶たれ、御家族のお気持ちを察しますと、ただただ痛恨のきわみであります。調査専門委員会からいただきました報告書をもとに、現在、再発防止に向けて全市的に取り組みを進めているところでございます。南国市教育委員会は、いじめ防止推進法第12条の規定に基づき、南国市いじめ防止基本方針を策定しております。南国市立小中学校においても、各学校の学校いじめ防止基本方針を策定し、いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処等のための対策を総合的かつ効果的に推進できる指導体制を定め、全ての児童生徒が安心して学校生活を送り、有意義で充実したさまざまな活動に取り組むことができるよう組織的に取り組みを進めておるところでございます。南国市教育委員会では、南国市いじめ防止基本方針の中で、児童生徒がみずから命を絶つという事案が発生した場合は、亡くなられた児童生徒の尊厳を保持しつつ、その死に至った経過を検証し、再発防止策を講ずることを目指して、御遺族の気持ちに十分配慮しながら、国が示しています児童生徒の自殺が起きたときの調査の指針を参考に調査等を行うこととしております。当該指針には、基本調査及び詳細調査の実施等が示されております。本件におきましても、自死の事実を伝えての詳細調査につきまして御両親に御同意をいただき、本指針に沿って詳細調査を行うための第三者による南国市調査専門委員会を立ち上げました。
 調査専門委員会の委員構成につきましては、当該調査の公平性・中立性を確保するため、弁護士、精神科医、学識経験者、心理・福祉の専門家などの専門的知識及び経験を有する者であって、調査対象となる事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない者について、高知弁護士会、高知県精神科医会、高知大学、高知県臨床心理士会、高知県立大学からの推薦により選出されたメンバーで構成しております。
 なお、委員の委嘱に当たりましては、事前に御遺族にも構成メンバーについての確認をいただいております。
 高知弁護士会からは、2名の弁護士の推薦をいただき、1名は岩崎淳司様で、委員長を務めていただいております。もう1名は金子努様です。高知県精神科医会からは、高知大学医学部子どものこころ診療部精神科医師の永野志歩様を推薦いただきました。学識経験者としましては、高知大学から学生総合支援センター室長特任教授の松本秀彦様を推薦いただき、副委員長を務めていただいております。心理の専門家としましては、高知県臨床心理士会から高知大学教育学部准教授の古口高志様を推薦いただきました。福祉の専門家としましては、高知県立大学から看護学部教授の池添志乃様を推薦いただきました。以上の6名の委員の皆様に委員の委嘱をさせていただいております。
 南国市調査専門委員会の発足と調査経過でございますが、9月3日以降、当該中学校での基本調査を行い、その結果を御両親に説明させていただきました。しかし、この調査からは、自死の原因や要因と確定できる事象等を見出すことができませんでした。
 そこで、御両親様にも詳細調査の実施や専門調査委員会等について説明をさせていただき、昨年の9月20日に南国市教育委員会として詳細調査の実施を決定し、9月30日に第1回の調査専門委員会を開催いたしました。南国市教育委員会からは、調査専門委員会に対し諮問を行いました。調査専門委員会が行う詳細調査についての1点目は、児童生徒がみずから命を絶つという事案に至る過程や心理の検証を行い、原因・要因をできる限り明らかにする。2点目は、児童生徒がみずから命を絶つという事案の防止に生かすとし、事実の確認、みずから命を絶つに至る過程や心理の検証、児童生徒がみずから命を絶つことの再発防止、予防のための提言等について調査及び審議を行っていただきました。昨年の9月30日からことしの2月29日の第13回調査専門委員会までの5カ月間、岩崎委員長、松本副委員長のリーダーシップのもと、委員の皆様には本当に誠心誠意調査・審議をいただいたと考えております。
 また、今回のアンケート調査及び1次調査から4次調査までの個別調査に御協力、御理解いただきました生徒の皆さん、保護者の皆様、そして御両親並びに全ての関係者に心から感謝を申し上げたいと思っております。また、感謝いたしているところでございます。
 以下、報告書の内容と具体的な取り組みについては、この後教育次長より説明させていただきます。
○議長(西岡照夫君) 教育次長。
      〔教育次長兼学校教育課長 竹内信人君登壇〕
○教育次長兼学校教育課長(竹内信人君) 教育長に引き続きまして、私のほうから報告書の内容について、要旨を説明をさせていただきます。
 福田議員さんの御質問にありました内容と重なるところもありますが、お許しをいただきたいと存じます。
 報告書では、基本調査及び詳細調査により得られた情報を調査専門委員会が整理・分析し、該当生徒の生い立ちと家庭環境、中学校入学から3年生の9月1日までにあった出来事、これらのことについて事実認定を行うとともに、事実認定された内容や資料をもとに自死に至る心理過程について分析や考察を行い、再発のための提言をまとめていただいております。
 まず、中学校入学から3年生の9月1日までにあった出来事についてでございます。
 御自宅では個室を与えられていましたが、部屋の扉に鍵はつけられていませんでした。パソコンも携帯電話も持たされていませんでした。該当生徒は、1年生の1学期にあるグループからいじめを受けました。からかわれたり、たたかれたりという内容でございました。該当生徒は、このいじめを教員に話しました。教員は、そのグループと保護者、該当生徒と御両親を学校に呼んで和解の場を持ちました。それからはこのグループと一緒に遊ぶ姿も見られ、いじめは確認されていません。
 ところが、1年生の夏休みの終わりに該当生徒が自殺未遂をするということがありました。父親が発見して事なきを得ました。しかし、父親が原因を聞いても話をしてくれませんでした。教員もこの自死未遂を知り、該当生徒に事情を聞きましたが、該当生徒は何でもない、大丈夫と言っただけで多くを語りませんでした。その直後に該当生徒が提出した人権作文には、いじめを受けていく上で僕はあることに気がつきました。それは人それぞれだと思いますが、自分は生きたいのにいじめのせいで死ぬということが怖くなくなるということに気がつきました。なぜ言い切れるかというと、自分のその感情の中で思ったからです、という言葉が書かれていました。心配した教員が該当生徒にいじめの加害者が誰であるかなどを尋ねましたが、ここでも該当生徒は言葉を濁しました。いじめは忘れることにしている。ゲームで殴ったり蹴ったりして相手を倒すことですっきりさせている、ということは話をしてくれました。教員は、該当生徒には内緒で御両親にこの人権作文のことを相談し、スクールカウンセラーへの相談を勧めるなどしましたが、しかし最終的には該当生徒が希望しなかったため、スクールカウンセラーへの相談は実現しませんでした。
 1年の2学期には、給食当番の決め方が納得できなかったことから、該当生徒は教室で牛乳パックを投げつけるという出来事がありました。これがかえって周りから責められ、うずくまって固まってしまいました。2年生になると、一人でガンダムになり切る物まねをしている姿が女子生徒から不評を買い、距離を置かれる状況がありました。9月の体育祭、競技開始の整列時ある生徒から「殺すぞ」と言われ、該当生徒が「殺せるなら殺してみいや」と言い返したところ、たたかれて鼻血を出すという出来事がありました。これが2つ目のいじめです。10月下旬の合唱コンクールに向けたクラス練習の際、声を出すようにと女子に言われ、泣いたことがありました。11月には所属していたパソコン部の部室に自分のゲームを持ち込んだことを顧問にとがめられ、これを取り上げられるということがありました。それ以来、該当生徒はパソコン部へ行かなくなりました。
 さらに、2年生の終わりに該当生徒が渡り廊下で、同学年の男子2名からすれ違いざまに跳び蹴りをされるという出来事がありました。これが3つ目のいじめです。このときの2人と1年時のグループとの重なりは認められません。
 ここで、いじめの定義について若干補足をいたします。
 以前はいじめというのは、弱い者に対して一方的に、しかも継続的に深刻な苦痛を与えたものがいじめと言われておりました。しかし、平成18年度から文部科学省の定義が変わりまして、現在では一定の人間関係のある者から心身の苦痛を受けたらいじめということになります。
 3年生になると、6月の職場体験でホームセンターにお世話になり、手先の器用さが評価されるなど、その能力を発揮する一方で、7月ごろになると同級生の前で冗談めかして、きょうだるいわ、死にたいなどということがたびたびありました。時には、俺夏休み中に死ぬわ、などと期限を区切るような言い方もありました。夏休み前に、該当生徒が着ていたワイシャツの第2ボタンをとめる穴が破れているところを母親に見せるということがありました。どうしたのかと母親が聞きましたが、その答えは、別にけんかとかそんなんじゃないき、というものでした。この時期好きだったゲームは、進路のことを理由に親から取り上げられていました。また、夏休み中には、俺が死んだらゲームは妹にやるということを妹さんに話すこともありました。
 そして、夏休みの宿題が手つかずのまま9月1日を迎え、該当生徒は自宅の庭先で発見されました。その後、該当生徒の部屋の机の脇から、御本人の筆跡と思われる走り書きが発見されました。封筒の表面に書かれたものです。僕に関係するものは全て処分してください。そして僕のことは永遠に忘れてください、思い出してもいいことなんてないから。このほか遺品としては、該当生徒が通っていた学習塾が御自宅に宛てた通信文や学校で行われ、学校には未提出のままとなっていたアンケートなどがあります。学習塾の先生が書いた通信文には、該当生徒が学校生活が苦痛だと言っていました。かなり心配です、という記載があります。
 また、学校に未提出のアンケートでは……。
      (「議事進行」と呼ぶ者あり)
○議長(西岡照夫君) 議事進行についての動議が出ておりますが、賛成の方は2名ですか。3名ですか。確認しますが、4名。ちゃんと手を挙げてください。
 ただいまの発言についての議事進行の動議が出ましたので、後刻議会運営委員会を開いて措置いたしたいと思います。動議の内容について。
      (「後刻じゃなくて今です。いいですか」と呼ぶ者あり)
 19番福田佐和子さん。
○19番(福田佐和子君) 申しわけありませんが、その中身についてはいただいたものがありますので、私が先ほど質問しました内容について答弁をしていただきたいと思います。で、答えられないということであれば、答えられないというふうに言っていただきたいと思いますが、それを読んで質問時間が終わります。よろしくお願いします。
○議長(西岡照夫君) ただいま福田議員から動議の内容についての質問がございましたが、経過についてを説明をさせていただいておりますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
 なお次長、内容については簡潔に。
      (「それでは続けてよろしいですか」と呼ぶ者あり)
 はい。
○教育次長兼学校教育課長(竹内信人君) また、学校に未提出のアンケートでは、私は一人の大切な人間であるとの質問などに対し、全く当てはまらないと答えております。このほか学校に提出されたアンケートも学校に残されていて、それらには嫌なことや悪口を言われたに丸をつけながら、そのことを学校の先生に相談したいですかとの問いには、いいえに丸をつけております。
 以上、3つのいじめを初めとする出来事や遺品のほかに幾つかいじめを疑わせる情報もありましたが、いずれも調査を進めていく過程で、うわさの域を出ないとの判断に至ったことが報告されております。
 次に、自死に至る心理過程について説明をいたします。
 国の調査から、自殺はある日突然何の前ぶれもなく起きるというよりは、それに先行してさまざまなサインがあらわれることがわかっております。自尊感情が低下した状態、孤立感や無価値観を訴える場合も危険なサインだとされています。また、複数の要因が積み重なることによって自尊感情が低下し、孤立感や無価値観を感じ、自殺行動をとりやすくなります。
 また、自死が起きるのは、特に夏休み明けに最も多いことがわかっています。
 自殺の危機の本質は、耐えがたい、逃げられない、果てしなく続くという苦痛に満ちた感情であり、自殺行動は、問題解決のほかの選択肢の全てが失敗したと思われるときに用いられる問題解決行動だと考えることができます。自殺の予兆行動は、リストカットや自死願望の表明、死後の世界を話題にするといった行動が認められます。一般に児童生徒の自死の予兆は、察知しにくいこともわかっております。そして、該当生徒の心理的な背景につきましては、学校的背景、家庭的背景、個人的背景の観点に従って事実を当てはめ、自死を選択するに至ったのかの考察が報告書で記載されております。
 まず、いじめやからかいについてでございます。
 1年生のときのいじめは、学校の対処により関係者で和解し、その後継続的ないじめは確認できておりません。1年生の9月5日の人権作文での死ぬということが怖くなくなると訴えていることから、いじめられた体験によって受けた悲しみが継続していったことがわかります。
 2年生の9月の体育祭でのトラブル、2年生の終わりに跳び蹴りをされるといったことがありました。また、3年生1学期にはQ−Uアンケート。Q−Uアンケートというのは、一人一人の理解と対応方法とか、学級集団の状態、今後の方針を把握するためのアンケートです。このQ−Uアンケートで無視される、からかわれたりばかにされたりするようなことがあると回答していることから、クラスにいるときは侵害されている感覚が強かったのではないかと考えられます。
 また、学業不振や進路に関する悩みについては、苦手教科があり、相当しんどい思いをして日々の宿題やノートの提出など、提出物に取り組むことができず、学習活動に関する自身の能力への不全感を抱いていった可能性が考えられます。夏休みの宿題は3年間通して完成することができておりません。
 しかし、職場体験学習では、非常に高い能力を発揮し、よい評価を受けていますが、そのような能力が学校において生徒全体の前で評価される機会は少なかったのかもしれません。3年生の進路相談において、志望校については頑張れば進学できるという状態でしたが、提出物が未提出であったため評価が下がることが指摘されています。提出物は大きなプレッシャーと感じた可能性があります。
 また、友人関係での悩み、孤立感についてですが、中学校1年生のときに牛乳当番の決め方が納得できなかったために牛乳パックを投げつけるという事件が起きました。このエピソードからは、納得いかないことに対して言葉で訴えることが苦手であることがわかります。謝罪をしようと思ってもできなかったことから、対人スキルが高くなかったのではないかと推測されます。
 2年のときには、ガンダムになり切る物まねが女子生徒から不評を買い、距離を置かれるという状況が見られました。また、合唱コンクールの練習では、注意され泣いてしまったことがあり、さらに集団の中で居場所を見つけられない気持ちを大きくしていったものと考えられます。こうした状況にもかかわらず、学校を休むことがなく皆勤でした。このことから、我慢強い性格であったものと考えられます。この我慢強さは、強みである反面、適切に解決されてないストレス状況下に長い間さらされていなくてはならず、心理的緊張を高める要因になってしまいかねません。
 また、家庭背景についてでございますが、御両親との不和は認め……。
○議長(西岡照夫君) 次長、少しそういった内容、細かい内容まで踏み込まずに、質問をされた内容をしっかりお答えをいただきたいと思います。
      (「申しわけございません」「報告書の内容の関係です。もうちょっと説明を」
      と呼ぶ者あり)
 報告書の内容。
      (「はい、質問されてますので」「この中で答えてる部分が」と呼ぶ者あり)
 余り細かいところまで……。
○教育次長兼学校教育課長(竹内信人君) 3年生のアンケートでは、家の人と一緒にいると安心できるとか、何でも話したり相談できる友達がいるに対し、全く当てはまらないと回答しております。
 次に、社会的支持についてです。
 さまざまな出来事のたび、家族や先生たちからの声がけサポートが認められています。その一方で、該当生徒が自分をサポートしてくれていると認識できなかった、あるいはサポートにより状況が好転したと感じることができなかった可能性もあります。
 次に、対処機制、防衛とか自己を守る力ということについては、いじめは誰にも相談せず忘れること、ゲームで殴ったりして気分をすっきりさせるというものでした。夏休みに入る前にゲーム機は取り上げられ、ストレス発散の方法がなかった状態だったのかもしれません。同級生の前で死にたい、夏休み中に死ぬ等の発言をしておりますが、それが日常的で冗談めかした表現であったため真意だと捉えられず、サポートにつながることがありませんでした。
 そして、不均衡の持続及び危機状態についても幾つか考えられることが出ております。
 9月1日は自殺が多いという報道に触れた可能性、全く終わらない宿題、休み明けの学級での生活への不安、余り得意でない体育祭といったことが、自殺行動をためらわせていたブレーキを緩めてしまったのかもしれません。
 以上が考察いただいた内容なんですが、これとは別に次の3点が要約されて示されております。
 1つ目は、いじめが直接の原因ではないと捉えている。2つ目が、人間の心理、特に思春期の若者が自死に至る心理過程、これを単純化することは本来難しく、また危険でもある。3つ目が、要約すると内的原因、これは該当生徒の中に潜む要因ですが、自尊感情や自己肯定感の低さと自己実現の困難さ、その一方での我慢強さ。そして外的要因、これを取り巻く要因として、期限厳守の押しつけと終わらない宿題、進学と学業不振、人間関係のストレス、これを解消する唯一のツールであったゲームの学校、家庭での没収、唯一の支援者であった担任である先生の転出。これらの要因が重なり合って、人生そのものが耐えがたい、逃げられない、果てしなく続く苦痛と捉えられ、この苦痛から逃げられる手段として自死が選択されたのではないか、との見解をいただいております。
 このような形で続いては、再発防止、予防に向けてのいただいた6つの提言について説明をさせていただきます。
 1つ目は、自死の背景につながるサインに気づき支援する体制強化でございます。2つ目は、子供にとってのゲートキーパーを見つけ、子供を守る支援、ネットワークをつくることです。3つ目は、必要な専門機関に確実につなぐ支援体制の構築についてです。
○議長(西岡照夫君) 18番土居篤男議員。
○18番(土居篤男君) このままでは2問の質問時間がなくなりますので、本当にあと26分ぐらいしかありませんので、簡潔に。この報告書は福田議員はいただいておりますので、読み上げなくても結構です。福田議員の質問に対する答弁をお願いしたいと思います。
○議長(西岡照夫君) 土居篤男議員に申し上げます。
 質問通告は報告ということも載っておりますので、それについて教育委員会が説明をさせていただいておる内容でございます。そのことを御理解いただきたいと思います。19番福田佐和子さん。
○19番(福田佐和子君) 報告について内容を聞くと、報告内容について聞くというふうに通告をしておりますので、報告全部を最初から最後まで読み上げていただかなくても、先ほど私が何点か質問をした内容についてお答えいただいて、それがお答えできんのであれば、できないというふうに言うてくださればそれで終わりますので。どうもいつもの次長とは違うと思うんですけれども。
○教育次長兼学校教育課長(竹内信人君) それでは、子供の命を守る今後の課題と具体的取り組みについて、お答えをさせていただきます。
 現在教育委員会では、調査専門委員会でいただきました再発防止のため、先ほど申しました6つの提言を受け、市教委として次の再発防止に取り組んでおります。
 まず1点目は、各種調査等、児童生徒から発せられるサインを組織的に把握し対応していく体制の強化を図っております。例えば、Q−Uアンケートの利活用についても、要支援群の児童生徒のアセスメントについては、特に速やかに行い、組織的に支援を行う体制をつくるように取り組みを進めております。
 また、全国学力・学習状況調査での児童生徒質問紙調査においては、自分にはよいところがあると思うや学校に行くのは楽しいと思う、いじめはどんな理由があってもいけないことだと思うなど、自尊感情や学校生活、道徳に関する設問については、調査結果が学校に返ってくるのを待つのではなく、各校で速やかに把握をし、児童生徒一人一人に組織的に対応を行うようにしております。それぞれの調査やアンケートは独立したものとして取り扱うのではなく、子供を中心に据え、多角的に考察をしていく資料としていきます。
 そして、把握したサインについては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、心理や福祉の専門家も交えアセスメントを行っています。特に今年度からは、ふれあい教室に週2日カウンセラーを配置し、全市的な支援や相談窓口として、保護者も相談できる体制づくりや各校のカウンセラーへのフォローができる体制をつくっております。さらに、保幼小中連携においても、引き継ぎシートの活用の徹底を図っております。
 2点目は、教職員の研修等の充実を図っていくことです。
 調査専門委員会の報告をもとに、危機に至るプロセスや自殺の危険性が高い子供の特徴や心理、アセスメントや支援、指導についてまとめた子供の自殺予防リーフレットを作成し、4月13日の全教職員研修にて解説を行い取り組みを進めております。資料については、本日お配りしておりますので、ごらんください。また、8月23日の全教職員研修では、外部講師を招いてゲートキーパー育成研修を行い、青少年の自殺予防教育に取り組んでまいります。
 3点目は、専門家、専門機関等との連携についてです。
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、こども相談係、子育て支援課等、関係機関の支援も受け、医療・心理・福祉等に確実につなぐことができるよう、学校と教育委員会で情報共有を図りつつ、個別の支援を進めております。また、既存の要保護児童対策協議会等の場を通じまして、関係機関との連携や協力や支援の充実を図ってまいります。
 4点目は、自尊感情、自己肯定感を高める取り組みでございます。
 児童生徒が安心して過ごせ、夢や志、自信を持てる学校を実現するためには、全ての教育活動の中に生徒指導の視点やキャリア教育の視点を持って取り組んでいくことが重要になります。現在、指定校で取り組んでおります志育成型学校活性化事業をもとに、全市的な取り組みの充実を図ってまいります。
 5点目は、学習活動の苦手さを克服する支援体制の充実についてです。
 児童生徒一人一人の学力を保障していくためには、各校での授業改善や学力向上の取り組みの充実を図ることや、家庭での協力もいただき家庭学習の定着を図ることが重要ですが、より積極的な学力保障の機会を保障できるよう、昨年度から放課後等学習支援事業により、放課後等の補充学習のための支援員を配置し、学び直しができる機会の確保を行っております。本年度は、昨年度の4校から13校に拡充して実施しております。
 6点目は、御家族への組織的な支援の継続でございます。
 このような取り組みを進めておりますが、それぞれの取り組みについても定期的に検証を行い、学校においては、子供や家族への支援に全力を注ぐとともに、教育委員会におきましては、再発防止に向けた組織や体制づくりの充実を図ってまいりたいと考えております。
 以上、大変長くなりましたが、本事案についての御質問のお答えとさせていただきます。
○議長(西岡照夫君) 19番福田佐和子さん。
○19番(福田佐和子君) いつにない次長の答弁をいただいたわけですけれども、おかげで遺族の皆さんが、どんな思いでこの9カ月教育委員の皆さんや学校とお話をされてきたか、その気持ちがよくわかりました。
 それと、さきに市長に訂正をしておきたいのは、民間人校長については私が言ったのではありません。高知県が委嘱をした虐待死亡事例検証委員会、この中の25ページに、同校の管理職はいわゆる民間人校長であったことから、民間での運営経験には熟達しているとしても、本ケースのような学校現場固有の問題についての知識が就任当初から備わっていると期待することは難しいということで、この検証委員会でしっかりと民間人校長については指摘をされている中身ですから、お間違えないようにいただきたいと思います。
 また、先ほど私が読み上げました御遺族の方からの手紙の中にありました、かばい合いという言葉も、それは遺族の方から寄せられた遺族の思いです。先ほどの次長の答弁を聞けば、この思いを私は共有することができると受けとめました。2点、市長には申し上げておきたいと思います。
 次に、それぞれ答弁はいただけませんでしたが、調査内容以外言えないとするなら、もう再調査をするということ以外にないと思います。調査内容については、当事者の皆さんの同意もいただかなければなりませんから、そのことを私は先に自分の言いたいことは言います、時間がなくなるので。ぜひ再調査をするべきだと思います。
 それと、先ほど教育長から答弁が初めにありました。藤岡君のときには、教育長はこのように答弁をされました。
 本市において、このような痛ましい事故が発生し、事故と言っているんですけれども、子供の尊い命を守れなかったことは、大変申しわけなく深くおわび申し上げます。というふうに答弁をされておりますけれども、痛恨のきわみと先ほど言われましたけれども、御家族に対して、日中お預かりをしている立場の長として、このような謝罪の言葉を御遺族の方にかけられたのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
 そこで、何としても、先ほどの何遍聞いても多分次長と同じ答弁になると思いますから、再調査をすることを提案をいたします。御遺族の皆さんが知りたいのは、報告書にはない学校がどう対処してくれたのか、どう対応してくれたのか、いじめはなかったのかという事実を、不明なところがあるっていうことで調査を終わるのではなく、事実を明らかにしてほしい。その上の合意でなければなりません。今後の対応も残された家族も、それがなければ立ち上がっていくことはできないと思います。突然わけがわからないまま子供さんを亡くされた御遺族の方が、この上先ほどの答弁では、私はさらに傷ついたと思います。こうしたことが再びないように再調査をするべきだということを申し上げたいと思います。
 そして、御遺族のこの調査結果に納得のいかない点については、きちんと話し合いをする。そして情報を提供しなければならないということにもなっておりますから、きちんとその対応ができたのか。先ほどの答弁では見えませんでしたが、御遺族に対してこのことをきちんとお話をしていくこと、このことは教育委員会の責任だと思います。御遺族は決して学校だけに責任があるというふうに言っているのではありません。このことはぜひわかっていただきたいと思います。納得できないのは、先ほど次長も読み上げましたように、いじめの事例がありながら、報告の内容が家庭と本人の問題に集中しているということです。要支援や学力、そして嫌なことをやめてほしいと自分の口から言えない、この生徒に学校はどう対応してくれたのか、そのことを知りたいと言われているのです。調査結果には、遺族の同意が先ほども申し上げましたが必要ですから、法律にも出された調査を調査できるということが明記をされております。ぜひ再調査をすべきではないかと思います。私は、はっきりとお返事をいただきたいと思います、するか、しないかだけでいいですので。このままでは御遺族はもとより、心配しながらこの件を見守っておられる多くの保護者、市民の皆さんにも不信の念を抱かせたままになります。改めて第三者委員会の設置を求めたいと思います。
 第三者委員会の再調査の例では、先ほど教育委員会からいただいた資料の中にも、足立区の例が載っております。5年前のいじめ自殺に対し、第三者委員会が出した自殺との因果関係は不明だとする報告書に両親が納得せず再調査を求め、外部識者に調査を要請をし、その委員会で出した結果は、生徒を侮辱的な呼び方で呼ぶ行為が1年生から繰り返され、いじめと自殺の因果関係は明確であるという報告を出しました。区長はさきの判断が甘かったと謙虚に遺族に対して謝罪をしておられます。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━御遺族の要望どおり再調査すべきだと思いますが、するのかしないのか、お考えをお聞きをいたします。
 そして先ほど、最後にエピソードの意味は、ということをお聞きをしましたが、答弁がありませんでした。この報告書の中には4回エピソードという言葉が出てきます。1カ所目は、自死直前のエピソードとしても。2カ所目は、お父さん、お母さんとの不和のエピソードは認められない。3カ所目は、パソコン部に行かなくなったというエピソード。4カ所目は、牛乳パックを投げつけたというエピソード、というように書かれています。通常エピソードというのは、世に知られていないおもしろい話、あるいは広く知られていない興味ある話の意味で使われていると私は認識をしているんですが、教育委員会はまた別の認識があるのかと思って先ほどお聞きをいたしました。この使い方は、Kさんが追い詰められ、危機的状況にあったにもかかわらず、その状況をエピソードとして認識をしています。あんまりひどい話ではないかと思いまして、別にわけがあるのかと思って聞きましたけれども、深い意味があるのかと、この報告書にあるようにあるのかという思いで聞いたわけですが、残念ながら答弁はありませんでしたので、通常使われている意味を持つ言葉だと受けとめました。
 そこで、1点だけにします。
 調査特別委員会の再調査、するのかしないのか、お聞きをいたします。
○議長(西岡照夫君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) 再調査のことだけで御答弁、よろしゅうございますでしょうか。
 いや、そのお答えだけでよろしゅうございますか。はいわかりました。
 実は御両親様にももう既に御説明を申し上げておりますが、今回は南国市教育委員会が立ち上げた調査専門委員会でございます。この中で調査をし、御遺族の方々にも全て御報告を申し上げました。今1つ訂正をお願いしたいのは、個人名が出ているということを福田議員さんがおっしゃられましたけども、実はお父様にお母様にお渡ししたものは、調査委員会がまとめた原文のまま出してあります。成績とかそういうものを全部出してあります。それはお父様、お母様に御理解いただかないけませんのでそうしておりますが、ほかの方々には全部黒塗りで成績なんかも一切出しておりませんので、その点は御認識をお願いしたいと思います。
 それから、調査専門委員会の再調査とおっしゃられましたが、教育委員会での調査は、5カ月間13回それぞれ追っかけて追っかけて第1次から第4次、それから当該生徒さんが1年生に入学してからのいました教員もずっと転勤先まで追いかけて全部事情聴取はしております。それによって得たこの報告書でございますので、委員会での調査専門委員会は、これで終了でございます。で、御両親様にも御説明申し上げましたように、この報告書にて、いわゆるまだ十分でないというお気持ちがございましたら、その上は首長、南国市でいいますと市長に再調査をお願いするという申し出になります。そのことを市長のほうで御判断されて決定するということになりますので、そのことをお答えさせていただきます。御理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(西岡照夫君) 市長、よろしいですか。ありますか。
 19番福田佐和子さん。
○19番(福田佐和子君) あとは市長判断ということになります。先ほど、これは子どもの人権専門委員というパンフレットですけれども、これは誰だって生まれてからずっと平等、いじめや差別があっちゃあいけないんだというのが配られているはずですけれども、パンフレットなどはよくこういうものが出ますけれども、実際行われているのは、先ほどの質疑のやりとりでも明らかになったように、市民や家族が聞きたい、そのことは明らかにされない。これまでには、こういうことはなかったと思うんです。余りにもなんというか、一人の子供さんが亡くなったのに、余りにもひどい答弁だったというふうに思いますが、もう後の答弁は要りません。後で市長にどうするのかをお聞きをして終わりたいと思うんですけれども。非常に今回質問をして、お母さんたちが大変嫌な思いをされた、いうことがよくわかりました。お母さんたちは本当にいつも言われるんですが、学校だけを問題にしているのではないというふうに言われています。報告は納得できない、これは親からの御意見なので、市長間違わないように。私が言っているのではありません。報告は納得できない、再調査をしてほしい。質問状を3回出したが同じ返事。家庭と本人の原因だけでなく、いじめも入れてほしい。真実を知りたい。いろんな成長、違いを認めようと教えながら、現実はその猶予なし。報告書は教員の聞き取りそのままではないか。調査どうしたか。その後どうするかが大事。早く取り組んでいってくれたら、こんなことにはならなかったのでは。市の子供と受けとめていない。他市はすぐ新聞に出るのに、なぜ出さなかったのか。このまま報告出して終わり、先ほど教育長の答弁がありましたけれども、終わりでは不安です。オープンにしたらいじめはなくなる。今後絶対にいじめはせられんということになってなくなるようになってほしいなど、たくさんの思いが寄せられました。
 しかし、残念ながら教育委員会には、そのことが通じなかった、いうことだけは今回確認ができたと思いますので、これから市民の皆さんと一緒にこのことを御遺族だけでなく、市民の問題として取り組んでいくその思いをお伝えをして、市長の決断をお聞きして終わります。
○議長(西岡照夫君) 市長。
○市長(橋詰壽人君) これは大変重要な問題ですので、私は福田さんが代弁しておるかどうか、その判断もできませんので、やはり御両親あるいは遺族の方々から直接私に、そのルールはちゃんとありますので、そういう中できちっと私の考え方を述べていきたい。そしてあなたの言われるような再調査に向けてという方向で、市長に、今まで教育委員会であったもので、ここで一旦切るとかいう話ではございませんので、これはずっと連続しておりますので、していきたいとこのように思いますが、今私はこだわっております、あなたの発言に。学校教職員が、学校現場で醜いかばい合いをしておる、そんなことを言っていいんですかというと、これは御遺族が言ったとか、御両親が言ったとか言いました。そして、民間校長云々の以前の問題は、これは県が言ったと言いました。だけれども、あなたの言い方は、ここでそれだけを引っ張り出して取り立てて言うから、私はこういう場でもう少し言い方があるんではないかと、そういう意味でのことですよ。ある意味でこの学校現場の方たちも、我々のいわば仲間です。仲間です。そして、息を潜めて治まるのを待っておるなどという言い方は、幾ら他人が言っても、この議会で言うべきことであるかないかという。これはきのうも出ましたが、やっぱり議員さんとしての資質の問題といいますか、そこまで言うと言い過ぎかもわからんですが。みんな聞いておるんですよ、ここへ来てなくっても。議事録として残るんです。だからめっそう聞いて心の痛むようなことはお互いに慎みましょう。
 以上です。