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議会議事録

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一般質問 令和5年度 » 令和5年 第433回市議会定例会(開催日:2023/12/01) »

一般質問14日目(斉藤喜美子)

質問者:斉藤喜美子

答弁者:市長、関係課長


○議長(岩松永治) 7番斉藤喜美子議員。
      〔7番 斉藤喜美子議員発言席〕
○7番(斉藤喜美子) なんこく市政会の斉藤喜美子です。
 さきの市議会議員選挙では、多くの市民の皆様に御支持をいただきまして、無事2期目を迎えることができました。今後も市民の意見、現場の意見を議会で発言していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 今議会では、通告どおりに一問一答で御質問をさせていただきたく思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、1つ目の質問です。
 今こそ歴史と文化のまちを全国へ。
 今までも市長には南国市の歴史文化についての御意見を伺ってまいりましたが、やはりこの土佐のまほろばのよさをしっかりと守り受け継いでいくことこそは、この土地に愛情を持ち、南国市で生活することを誇りと感じるために不可欠と考えております。
 先日11月5日にも、国府史跡保存会主催によります「土佐日記門出のまつり」が執り行われました。御出席されました御感想を市長にお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 「土佐日記門出のまつり」には、副市長の頃から毎回参加させていただいておるところでございますが、本年は40回目の節目の祭りでありまして、40年の長きにわたり、紀貫之顕彰事業として実施していただいております国府史跡保存会の活動に心より敬意を表するところであります。当日は、法要、献花に続き、国府小学校の児童によりますまほろば囃子の演奏や土佐日記の朗読が行われ、その見事な朗読に今回も感心させられたところでした。また、会場には俳句の展示や抹茶やお汁粉の提供もあり、平安情緒を感じさせられるひとときを楽しまさせていただきました。国府地区のたくさんの皆様が参加して行われるこのお祭りは、誉れ高い国府の歴史に対する国府地区の皆さんの思い、郷土愛っていうものが強く感じられ、幅広い世代や地域をつなぎ、国府の連帯感を生み出す伝統の祭りとして、いつまでも続けていただきたいと願うところであります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 参加してくれた地元国府小学校も、今年は滋賀県大津市比叡山にあります紀貫之の墓参を再開し、学びを深めているとのことです。
 11月7日の高知新聞には、祭りに参加してくれた小学生のインタビュー記事が載っており、子供たちは、紀貫之は頭がよくてロマンチックな人だったと思うと答えたり、地元で紀貫之が過ごしていたことは自分たちの誇りと答えたりして、本当に郷土の歴史を学ぶということは、自身の住む地域、そしてそこに住む自分にも誇りを感じるようになれるのだと改めて思った次第です。
 さて、土佐日記門出のまつり終了後は、夕方から懇話会と称して地元の皆様とのお疲れさま会と交流会がございました。私も史跡保存会の会員としても参加をさせていただきました。以前も総会などにも参加させていただいて、地域の皆様は紀貫之、また土佐のまほろばの歴史文化を通して、大変地域活動に熱心にお取組されてるというふうに感じましたが、懇話会にも御参加された市長の、こちらも御感想などをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 当日の夜は懇話会が行われまして、そちらにも参加させていただきました。懇話会は当日のお祭りや紀貫之にまつわる話、また地区や世間の話など活発な会話がなされる中で、にぎわいを持って開催されまして、お酒とともに楽しく過ごす、そのひとときは地域のつながりを広げ、地域力を高めていくために不可欠な行事であるとの感想を持っております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) かなり熱心に、特に女性の住民の皆様がとてもよい御意見を持たれていて感心すると同時に、地域をもっとよりよく次の世代へと残していきたいという強い思いも感じられるところではありました。どんな地域でもそうと思いますけれども、元気な女性を中心とした地域コミュニティーと、また集える場所、次の世代へと語り継いでいきたいという思いがなければ、せっかくの歴史や文化を有する都市でも廃れてしまいます。
 改めて市長にお尋ねいたします。
 南国市は、歴史的にも高知県の中心部として価値の高い場所であったと思うのですが、それに関して市長の思いをお聞かせくださいますでしょうか。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 南国市は、もちろん高知県の中央部に位置しまして、広い平野を有しておることから、稲作をはじめ、生活するのに非常に便利な場所であり、特に国府の地は土佐のまほろばと呼ばれているように、山あり、川あり、風光明媚な土地であるということとともに災害にも強い場所であるということでございます。その国府に隣接する岡豊もしかりでありまして、長宗我部元親も居城を置いたということでございます。
 南国市は、いにしえより便利で生活しやすい場所であり、ポテンシャルの高い場所であるというように思っておるところでございます。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 私は今回の選挙戦で他市町村の議員の皆様にも応援をいただいたのですけれども、市長のおっしゃるとおり、皆さん南国市のポテンシャルの高さや、それを生かせないもったいなさを口にされておりました。中山間しかない地域の方から見たら、広い農地を羨ましいと言われ、また県に一つの空港までのアクセスのよさなどは、高知県の玄関と言われるわけでして、またインターチェンジで車も高速を降りたらすぐ流通の拠点にもなりそうな立地なわけですし、南に下っていけばそこすぐ高知新港となります。南国市にもうないものはなく、県庁ぐらいじゃないかというふうに言う方もいらっしゃいます。
 外から見たら、これから発展するというふうに思われ、羨ましがられているということに関しまして、市長はどのように思われていますでしょうか。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 議員が言われるとおり、本市には広い香長平野がありまして、温暖な気候と広い農地に恵まれ、稲作や施設園芸が盛んな田園都市であります。また、空港や高速道路、鉄道など、優れたアクセス機能を有しており、高知県の交通の要衝となっております。この恵まれた環境を生かして、今本市では企業誘致を行いながら、また定住施策にも取り組んでいるところであります。
 また、本市の豊かな歴史の資源につきましては、対外に情報発信し、認知度を上げることで多くの方々に訪れていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) お隣の高知市では、新市長が11月26日に誕生しております。その市長の市長選の決起大会で、高知市の人口が南国市に流出している、危機感を感じているというふうにおっしゃっていました。南国市は高知市から見ても羨ましいと言われているということです。これから、市長もおっしゃったように、若い人たちもこちらに移住、転住をしていくという、これを高知市のほうから見たら危機感と感じているということです。羨ましがられている町であるという自覚をしっかりと持って、受入れも考えていくべき時期に来ていると思います。
 市長は、若い子育て世代の政策をしっかりしたいと、そしてまた南国市は子育て支援にも今まで取り組んできたとおっしゃっている。今こそそこをしっかり発信していくべきだと考えています。経済活動を活発にされる年代の方が住みやすいまちづくりというのは、今後ますます注目されると思います。これはまさに土佐のまほろばに再び返り咲くチャンスではないかというふうに考えております。
 そして、私は市長は南国市の顔と考えております。どんな自治体にも個性があり、隣町とはまた違うわけでして、それぞれのよさをしっかり把握して市政に生かし、市長自らもPRにもっと関わるようにすれば、国府小学校の児童のように、そこに住むことを誇りに思う気持ちが市民にももっと芽生えると思いますし、住む人の満足度が上がれば、外からも住みたくなる町となると思います。土佐のまほろばと言われ、長宗我部元親の岡豊城、南には戦争遺構もあり、歴史的にも大変文化度の本来高い南国市ですが、それにプラスしまして、もう同僚議員からも質問や意見が出ました朝ドラ「あんぱん」放送決定です。同僚議員の今までの質問と内容が重なるところもあるかと思いますが、この機会を逃すというわけにはいかないと思っておりますので、市長にどのように全国から来られるであろう観光客の皆様に南国市をPRするおつもりなのか、改めてお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 南国市には、紀貫之や国衙跡、また長宗我部元親や岡豊城跡など、歴史上の人物や史跡、さらには日本遺産に認定されました四国遍路の札所であります国分寺や禅師峰寺、戦争遺産としての掩体群など、貴重な歴史と文化がございます。特に紀貫之が記した土佐日記は、南国市国分からの帰路をつづった日記であるということは、あまり全国的には知っている方も少ないのではないでしょうか。
 このたびの「あんぱん」の放送によりまして、多くの皆さんが南国市に注目してくださり、南国市に来てくださることを考えれば、これら南国市の歴史文化を知っていただく貴重な機会にもなると思います。観光客の皆様には、これを機に南国市の歴史文化を知っていただくために、臨時の観光案内所などの設置も行いながら、それらを案内し、また観光ガイドによる案内も充実させるとともに、市や観光協会のホームページ、SNS等を活用したPRをさらに充実させることによりまして、南国市を発信していきたいと考えておるところでございます。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 南国市は本当に歴史文化でもいろいろな史跡がありますので、そちらのほうはやはりPRをこれからもどんどん続けていっていただきたいと思っております。
 それ以上に今回「あんぱん」に関しましては、市長自らのPR活動をされたほうが市内外、南国市のやる気が伝わるのではないかと考えます。ちょっとキャラクターのことに関しましては、いろいろ著作権の関係もあるので全く同じものを使うということがどこまでできるのかは分からないということなのですけれども、市長にはアンパンマンになっていただくぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいと思っております。浜田知事が牧野博士のコスプレをされまして、やっぱりあのくらいはせめてやっていただかないといけないのかなと思っております。アンパンマンが無理なら、やなせたかし先生は晩年ミュージカルもやられておりまして、自らはオイドルと名乗られてテンガロンハット風の御帽子をトレードマークにされておりました。そのあたりならちょっとまねができるのではないかなと思ってるんですけれども、どうでしょうか。市長自らのお取組の姿勢というのが今大変重要な時期となっております。これはもうお願いですけども、ぜひ市長からも市内外に発信をしていただきたいと心からお願いしたいと思っております。
 そして、やなせ先生は本当にこの南国市後免の町で少年時代をお過ごしになられ、晩年は高知や南国市の地域活性化のために、本当に御尽力くださいました。普通には考えられないすばらしい贈物をたくさんしてくださいました。その先生への御恩返しをこの機会にしっかりとすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。先生への御恩返しを南国市はどう考えていますでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) やなせ先生は、南国市で少年時代を過ごされた御縁もあり、ごめん・なはり線などのキャラクターデザインやハガキでごめんなさいイベントの提案、また「ごめんのしょうが飴」の製作提案、後免町駅への愛称「ありがとう駅」の提案やありがとう駅の詩の制作など、様々な面で後免町の活性化に御尽力をいただいてまいりました。
 やなせ先生は、小学校2年から18歳まで後免町で生活されたことから、後免町に対する思いは大きなものがあったのではないかと思うところです。先生への御恩返しは、やはりこの後免町の活性化を図り、南国市を明るく元気なまちとして全国に発信していくことではないかと思っておるところでございます。やなせ先生が少年時代を過ごした町として印象づけることができるような工夫を凝らし、多くの皆さんに注目していただけるまちづくりをしていくことで御恩返しをしてまいりたいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 今回、香美市はやなせ先生生誕の場所であり、アンパンマンミュージアムなどをもう既に有しております。
 ごめん・なはり線の通る香南市は、駅ごとにやなせ先生のお作りになられたキャラクターが立っています。少年時代を過ごされた後免の町を有する南国市としては、やなせ先生のことを紹介する、電車のやなせたかし記念館を造って、路面電車を走らせたらどうか、後免の町で各種あんパンを作って販売して食べ歩きできたらどうだろうか、また予算、スポンサーの企業を募ってみたらどうでしょうか、いろんなアイデアが既に出てきておりまして、今後話合いをされるべきだというふうに思っております。
 後免のある南国市に来られた方が喜ばれてくださったら、人を喜ばすことが大好きだったやなせたかし先生も御満足されるんではないかと思いますし、全国から来られた方が、せめて後免の町でもてなしを受けたと思ってもらえるような取組が必要です。そのために今ここから多くの話合いの場を持つことからアイデアを出し合うべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。1年4か月という時間はもう本当にあっという間ですので、今からすぐに市長自らお取組くださるように、よろしくお願いしたいと思い、1問目を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次の質問に移りたいと思います。
 次の質問は、今回の選挙の在り方と子供たちへの教育についてです。
 まず、投票率を上げるためにどうすればいいかということに関して1つ目の質問をします。
 10月22日に、南国市では市議会議員の選挙と同時に参議院の補欠選挙が行われたわけですけれども、今回の市議会議員選挙と参議院補欠選挙の投票率を教えてください。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 市議会議員選挙は47.30%で、参議院議員補欠選挙は47.16%です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 2つの選挙が同じ場所で行われるということで、同僚議員からも同じような質問もあったと思いますけれども、混乱はありませんでしたか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) それぞれの選挙の期日前投票の期間が違っていたため、多少混乱はあったと思います。また、投票所入場券がそれぞれ郵送されると思われた方もいらっしゃいました。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 期日前投票の期間の問題もあったんですね。自分は投票日に投票所に行きまして投票したんですけれども、地元の投票所というのが、実は投票する人よりかお世話してくださる方とかが、投票立会人の方がとても多くて、こっちが緊張するんで、分かっていながらも2枚投票用紙を渡されて、一瞬あれっていうふうになったので、ほかの投票所での混乱もあったのではないかとちょっと思ったところです。めったにないことにせよ、有権者が大切な一票を投じるわけですので、無効票が少なくなるように一層の御配慮をお願いしたいと思います。
 今年は本当に選挙イヤーだったわけでして、11月26日には高知県知事選もあったわけですけれども、そちらの投票率はどうだったか、教えてください。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 知事選の投票率は、全県で過去最低の42.47%でしたが、南国市においては33.45%で、県下で最も低い投票率となりました。期日前投票の初めの頃は投票者数も多く、投票率はいいのではないかと思ったほどでしたが、中盤から後半にかけて投票率が伸びず、期日前の投票率は10.39%となっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それはかなり残念な結果になりました。
 高知県の動向も私たちの市政にやはり関係してくるわけですから、他人事と思われてしまっているのであれば大きな問題となるかと思います。
 ところで市議会議員選挙の話に戻りますが、年代別の投票率はいかがでしたでしょうか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 市議会議員選挙において4投票所を抽出調査した年代別の投票率については45.22%で、全体の投票率47.30%と比べると2.08ポイント低くなっておりますが、18歳、19歳の投票率は20.33%、20歳から24歳までは21.86%、25歳から29歳は29.79%と、30%を割り込んでおります。65歳から69歳の投票率が一番よく、65.00%となっており、70歳から74歳は63.62%、75歳から79歳は64.98%となっており、この3年代が60%を超えております。30歳から64歳までの間の年代は、年齢が上がっていくほど投票率は大体上がっており、若い世代の投票率が低いものとなっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 今回の投票率を見ると、やはり10代、20代の投票率は相変わらず低いと感じます。自分の子供たちを見ても、なかなかいきなり投票権ができたからといって投票行動に移るかというと、ハードルが高いのではないかとも感じております。
 それでは、次の質問です。
 前回の市議会議員選挙と比べて、今回は投票率が年代別で違っていたらどうか。もし違っていたというなら、その特徴を教えてください。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 前回、元年10月13日の市議選の年代別推定投票率との比較では、18歳から19歳の投票率は3.65ポイント減、20歳から24歳は4.82ポイント増、25歳から29歳は7.90ポイント増、30歳から34歳は7.59ポイント増、35歳から39歳は7.12ポイント増、40歳から44歳は10.22ポイント増、45歳から49歳は0.14ポイント減、50歳から54歳は6.90ポイント増、55歳から59歳は0.10ポイント減、60歳から64歳は5.34ポイント減、65歳から69歳は3.38ポイント増、70歳から74歳は3.22ポイント減、75歳から79歳は6.51ポイント増、80歳以上は3.15ポイント減となっております。
 推定投票率全体では3.38ポイントの増となっておりますことから、20歳から44歳までの年代では、推定投票率全体の平均の上昇分と比べても大きな増となっております。45歳以上については、上昇した年代もあれば低下した年代もあり、傾向ははっきりとはいたしません。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) やはり若い候補者が多く出たことで、その世代の有権者の期待が票として現れたというのであったらすばらしいことだと思います。それだけ南国市の市政に、若い現役世代であっても今まで関心の薄かった方々が参画をされるとしたら、よりよい市民目線の市政をこれまで以上に進めていくことが大切なこととなりますし、御自身の生活にも関係していると分かれば、今後市政にもっと関心を寄せて、御意見もいただけるのではないかと期待をしております。
 高知新聞にもコラムとして、政治離れや議員の成り手不足が課題となる中、今回の市議選は働き盛りの世代の政治参加が投票率向上につながるという好例を示せたと言っていい。市議にとっては1票を投じた価値を市民にどれだけ実感させることができるか、これまで以上に試される4年間となるというふうに文章を載せてありました。もう大変に襟を正すべき内容にもなっておりますけれども、南国市をよくするために、今回の選挙がよい影響を与えることになればと思います。
 ところで、低迷する投票率を上げるために子供の教育も必要と思うのですけれども、市の取組としてはどのようなものがありますか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 将来の有権者となる小中学生に政治、選挙に対する関心を高める取組として、高知県選挙管理委員会が作成した教材「政治の主役は私たち」を小学6年生と中学3年生全員に配布させていただいております。主権者教育アドバイザー制度や出前授業について、各小中学校に周知し、希望する学校を募っております。昨年度は4月に岡豊高校3年生に県選管の出前授業を、11月に北陵中学校1年生に市主催の出前授業を、2年生には主権者教育に関するアドバイザー派遣制度を活用した出前授業を実施しております。
 本年度につきましては、北陵中学校1年生と2年生がアドバイザー派遣事業を活用し、出前授業を12月14日に実施する予定となっております。また、毎年小中学校を通じて明るい選挙標語コンクールやポスターコンクールの募集を行い、児童生徒の作品を啓発コンクールに出品しております。このような事業を実施することにより、次代を担う小中学生に選挙を身近なものとして興味を持ってもらいたいと思っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 投票率を上げるとともに、政治に関心を持ってもらうことも大切です。しかしながら、日本では学校現場においてはなかなか政治的に中立的な立場に立つことが原則だと思いますから、難しい側面はあろうかと思います。学校では授業などにはどこまで中立的な立場の勉強がなされているのでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 政治教育につきましては、教育基本法や学習指導要領にもありますように、尊重されるべきこと、禁止されるべきことが定められており、政治的中立性を確保することが求められております。
 各学校におきましては、政治的関心を持つことができるよう、授業以外でも生徒会選挙において実際の選挙に使用されていた投票箱を使用したり、投票用紙やポスターを学校で作成し使用したり、選挙活動など実施方法を実際の選挙とできるだけ同じになるように努めております。また、自分たちの選んだ生徒会役員が自分たちの学校生活にどのように影響してくるかを実際に体験できる機会となっております。このように子供たちが選挙に対して関心を持てるように、学校教育で様々な取組を行っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 今は18歳から突然投票権ができるわけですから、家庭でももちろんですが、学校でも配慮の上で、できる限りの事前の学習はある程度早期から必要なのではないかと思ってます。今後はこれを機会に投票率を上げるため、市政に関心を持ってもらう取組を南国市もすべきだと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、施設や病院での不在者投票についてお伺いします。
 投票所に行けない施設などの入所の方の投票に対して、南国市はどのような措置を取られていらっしゃるんでしょうか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 施設などに入所されている方の選挙につきましては、その施設が高知県選挙管理委員会が不在者投票のために指定した病院や老人ホーム等である指定病院等である場合は、入所者は病院長が管理する場所で投票を行うことができます。
 その方法については、まず入所者が施設の方に選挙を行いたい旨を申し出ていただき、その施設の担当者が南国市選挙管理委員会に不在者投票請求書等を提出してもらうことになります。そして、市選管から送付先の施設に投票用紙等を送付いたします。施設はそれらを受け取り、入所者は施設内の投票場所で投票を行っていただくことになります。
 入所者は、投票用紙に記入し、投票用紙を内封筒に入れて封をし、その内封筒を外封筒に入れて封をし、外封筒の表面に署名することになります。施設の管理者はそれを受け取り、市選管に送付し、市選管は投票日まで保管し、投票日当日指定投票所に送付し、投票管理者が投票箱に投函することになっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 それでは、不在者投票の申請があった施設数が分かれば教えてください。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 市議選では、県選管が指定している指定病院等は県内で282施設あり、そのうち今回の選挙で本市に不在者投票の申請があった施設は41施設でした。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 高齢化などで入所、入院をされてる方も結構多い数だと思いますが、今回の投票者数の実績は何票でしたか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) ちょうど100票でございました。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 100票は結構な数だと思います。思っている以上に不在者投票をされている方が多いと感じます。
 それでは、入院中や施設入所の方には候補者情報は渡されていますか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 施設には幾つかの市町村の住民の方が入所されているため、立候補者の氏名掲示を行うことができないことになっております。また、選挙公報の配布については、南国市内の住民の方にタウンメールを利用して送っておりますが、施設の入所者には配布されておりません。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、基本的には候補者の情報に関して言えば、入所できる方やできない方の偏りを考えると、何らかの措置を取っていただきたいのですが、例えば投票用紙と一緒に候補者の選挙公報を送ることとかはできませんでしょうか。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) 選挙公報を施設内の投票場所へ持ち込むことはできませんが、施設の担当者から事前に不在者投票を申し出た入所者の方に手渡すことは可能であると思います。選挙公報の刷り上がりの時期や渡し方などに課題はありますが、配布するよう検討したいと思います。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 100票という数は市議会議員の選挙では当落に大きく関係してくる数字ですので、そういう投票をされる方にも今後とも配慮をしていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、学校教育現場の疲弊について質問をさせていただきます。
 まだまだ学校現場では先生方のお忙しさが耳に入るところですけれども、文部科学省では教師のこれまでの働き方を見直し、自らの授業を磨くとともに、その人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることとして、教員の働き方改革が求められております。南国市の先生方の働き方改革はどのように進んでいますか、進捗状況などを御説明ください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 現在、教育現場におきましては教育課題が山積しており、危機的な状況にあると言っても過言ではありません。そのような中で国を挙げて教職員の働き方改革を含め、50年に一度の大改革と位置づけて取り組んでいる最中でございます。
 本市におきましても、働き方改革への取組は早くから行ってまいりました。県下に先駆けて学校事務の効率化、学校給食の公会計化、教職員安全委員会の設置、勤務時間管理、100人プロジェクトによる各種支援員の配置、全市的行事・研修会の削減、夏季休業中の学校閉庁、長期休業明けの短縮授業の施行など、様々な施策は展開してまいりました。しかしながら、一定の効果は見られるものの、全教職員が認識できるほどの多忙化の解消までには至っていないのが現状でございます。部活動の地域移行や授業時数の効率的運用、長期休業の見直し、評価の2期制、民間委託の拡大など、現在検討していることも含め、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えております。教職員の働き方改革が子供たちにとってもよりよい教育活動につながるよう取り組んでまいります。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 南国市では、県下に先駆けて様々な取組をされているようで、さすがだと思います。しかしながら、簡単に改革推進といいましても、結果が出るには試行錯誤が必要となりそうですね。
 子供が6人おりますので、やはりPTA活動でいろいろな学校の先生方と交流をすることが長く続き、以前はあまり気にならなかったのですが、最近になって先生方のお忙しさと疲弊感が半端なく感じられるようになってきております。授業以外の業務が増えて、追いつかないというような話もよく聞きます。最近はお疲れの先生方が多い上に、頑張る先生ほど心の病になられる方も多いと伺いますが、南国市ではそういう傾向はございませんでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 本市において増加しているという傾向はありませんが、例年メンタル面での不調による病気休暇、休職はございます。原因についてはそれぞれ違いますが、風通しのよい職場づくりを呼びかけており、一人で悩むことのないような声がけをすることを管理職にはお願いをしております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 若い先生は人生経験もまだ浅い上に、子供たちとその保護者との関係づくりなど、社会人になったばかりで結構な御負担があるのではないかと気にかかります。
 ところで、我が家の末っ子が小学校6年生なんですけれども、学校の授業時数が6年生だから多いのかなと思っていたんですが、低学年も授業時数が多いという話を聞きました。学校の授業時数には、標準時数と余剰時数というものがあると先日知りましたが、それはどのようなものか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 各学校は教育課程の編成を年度初めに行います。その際には、学習指導要領にあります標準時数に基づいて教科、領域の時数を計画し、それに学校行事を加えて年間指導計画を作成しております。その際、学校行事に含まれない行事や学校行事のための準備の時間、学力の定着のための加力学習などが余剰時間となります。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、国の定める標準時数というのはどのくらいですか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 教科、領域の標準時数は、小学校第1学年が850時間、第2学年が910時間、第3学年が980時間、第4学年、第5学年、第6学年が1,015時間、中学校では全ての学年が1,015時間となっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 前もって、ちょっと昨年度の南国市の小中学校の授業時数をいただいておりまして、これは授業総数の実績数だと思うんですけれども、特に低学年で標準時数を大きく上回っている小学校が、日章小学校、大湊小学校、後免野田小学校、岡豊小学校、白木谷小学校などです。低学年でも1,000時間を超えているので多い印象もあるのですが、学校での教科や学校行事以外の授業時数は、余剰時数を使って主にどのようなことをされているのか、お教えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 学校行事の準備や地域行事への参加、準備、児童生徒会行事、家庭訪問や教育相談、学力の定着のための加力学習などがございます。ただ、この中には教科、領域の授業時間と関連させ、結びつけているものもありますので、各校の年間指導計画に示されていないものが余剰時間となっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) なるほど、学校によっては地域行事への参加が多かったり、教科とそれを関連づけて余剰時数を使われて学習されているというようなことですね。それで多くなっているところがあるけれど、特色ある学校だと、やはりそういうことも起こるかもしれないですね。しかし、そもそも授業時数自体が多いと思うのですが、それにプラス余剰時数を使われていて、子供たちや先生に御負担はかかっていないでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 総授業時数が多いことにより子供や教職員に負担がかかっているのではないかということで、国のほうからも授業時数や学校行事の精選が呼びかけられております。しかし、マンパワー不足による負担が何よりだと考えております。
 小学校の専科教員の配置や加配教員の増員、支援員の配置など、国、県、市挙げて取り組まなければならないと思っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) そうですね。今はなかなか先生の成り手がないということが全国的にも問題になっています。
 お配りいたしました高知新聞の切り抜きですが、教職員7割「幸福」でも、6割「同じ仕事勧めず」ということで、背景に多忙感かというタイトルがついています。まさにこんな感じかと思います。先生の働く環境改善か、成り手を増やすのかが、卵が先か鶏が先かというような話にもなりますが、マンパワー不足はすぐに先生を増やすというわけにはいかないので、先生じゃなくてもできることをおっしゃっていたように、支援員の方にしていただくなどというのも今の段階では必要かと思います。
 国もスクール・サポート・スタッフを倍増するとのことで、先生方の仕事量も2022年度の教員勤務実態調査では小学校教諭の64.5%、小学校教員の77.1%が残業時間上限の月45時間を超え、長時間労働がやはり報告もされている中、何とかできるところから余力を残した働き方にしていただかないと、授業準備不足など、結局質のよい指導ができない、結局子供たちの学力や成長にも悪い影響が出かねないと心配しております。マンパワー不足解消とともに、余剰時数につきましては文科省も過剰に設定されているとの調査結果もあり、各教育委員会、学校において適切にその設定の仕方を検討することが必要と考えていますが、南国市では今後どのような取組をされるお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 校長会を通じまして、総授業時数を大きくオーバーしている学校へは令和6年度以降の教育課程編成におきまして見直すことを前提に点検を行うようお願いしておりますし、年度の途中につきましてもできる範囲でお願いをしております。
 また、学校行事につきましても、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組む施策の中で、それぞれの学校行事の教育的価値を検討し、学校としての体制を保つためのものや前例のみにとらわれて慣例的に行っている部分をやめ、教育上真に必要とされるものに精選することや、より充実した学校行事にするため、行事間の連携や統合を図ることなど、学校行事の精選、重点化を図る必要があるとされておりますので、地域や保護者の理解を得ながら見直す必要があると考えております。各学校における授業時数や学校行事の在り方の見直しを行うことなどにより、持続可能な教育環境の構築に向けて取り組む必要があると考えております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 学校行事や地域の特色ある取組に関しましては、子供たちの人格形成、本来の教育に必要な部分と感じるところですので、ある一定を確保しておいていただきたいです。そもそも授業が多過ぎるのか、それともほかに問題点があるのか、今後改善されていくことを願い、本質問は今回はこれまでとさせていただきます。
 次に、農業と食料安全保障について御質問させていただきます。
 他の市町村からは羨ましいと言われるくらい多くの広い農地を有する南国市ですが、反面現実には日本でもトップクラスのスピードで進む少子・高齢化の波が農業担い手分野にも及んでおり、耕作放棄地ではないかと思われる場所もかなり多く見られてきております。同僚議員からも同じような質問がありましたので、重複している部分もあるかと思いますが、御答弁よろしくお願いいたします。
 国営圃場整備も進む一方で、小さな圃場に関しましては今後、高齢化が進むと耕作ができなくなる懸念をどうしても抱えていると思いますが、それに対応するために地域計画が進められていると伺います。地域計画について、またそれが農業振興にどう役立っていくのか、分かりやすくお答えください。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 地域計画についての御質問にお答えをいたします。
 今後、社会の高齢化や人口減少の本格化によりまして、農業者の減少や耕作放棄地が拡大し、地域の農地が適切に利用されなくなることが危惧をされております。そこで、農地が利用されやすくなるよう農地の集約化等に向けた取組を加速化することが喫緊の課題となっております。そこで、これまでの人・農地プランを法定化いたしまして、地域での話合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を定め、それを実現すべく地域内外から農地の受け手を幅広く確保しつつ、農地中間管理機構を活用した農地の集約化等を進めるため、農業経営基盤強化促進法等の改正法が令和4年5月に成立をし、令和5年4月に施行されました。
 また、地域計画は、農業者や地域の方々の話合いにより策定される将来の農地利用の姿を明確化した設計図として、おおむね10年後を見据え、誰がどのように農地を使って農業を進めていくのかを地域の話合いに基づきまとめていく計画で、担い手や10年後に目指すべき農地利用の方針を反映した計画として策定をするものでございます。
 そして、その策定による農業振興につながる効果でございますが、幾つか例を挙げさせていただきますと、10年後の地域内の個々の農地を誰が耕作するかなどの見通しをつけることができる、地域内で何をどんな栽培方法で作っていくかなど、進むべき地域の農業の方向を定めることができる、今後農業をしていく人が耕作しやすい営農環境を考える機会にできる、また国の補助や支援が受けやすくなるなどのメリットが考えられると思います。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 御丁寧に御説明ありがとうございます。
 なかなか10年後どうなっているかと言われましても、想像がつかないというほうが現実的な感覚かなと思っております。地域計画の農地地図も完璧なものはなかなか難しいわけでして、令和7年3月、それが最初のゴールということで、特定できない農地は白地図として後日書き換えるという対応でも構わないと聞いております。
 地域計画策定の重要さに関しましては、4月6日、当時の野村哲郎農水大臣が地域計画を実動させていかなければならない、これが日本の農業を変えていく大きな機関車役になってくれると思うと発言、9月14日には宮下一郎農水大臣が、農業委員会が農地の将来の目標地図の素案を作成していただくこと、これが今一丁目一番地と発言されて、国もまず農業振興のための重要な基礎となる取組と位置づけているのが分かります。その大切な地域計画でございますが、本市における地域計画の状況と今後の取組について、スケジュールをお教えください。
○議長(岩松永治) 農業委員会事務局長。
○農業委員会事務局長(弘田明平) 地域計画につきましては、その策定は農林水産課のほうとなりますが、その作業工程において大きく農業委員会のほうが関わりますので、農業委員会からお答えいたします。
 まず、農業委員会では、地域計画の策定に当たりまして、誰がどの農地を耕作していくかを地図化いたしました目標地図の素案を作成いたします。それを市のほう、農林水産課へ提出することとなっております。そのため南国市内で耕作されている認定農業者及び認定新規就農者206名の方を対象にアンケートを実施しております。
 本年8月末にアンケートのほうは発送いたしまして、農業委員、それから農地利用最適化推進委員が回収のほうを協力いたしまして、11月末現在で151件から回答がありました。73%の回収率ということになっております。この結果を基に現況地図、目標地図の素案の基となるようなものですけど、現況地図を作成いたしまして、各地域で実施される協議の場、座談会とも言いますが、この協議の場での資料といたします。遅くとも令和7年3月までには目標地図の素案を作成する予定となっております。現在はアンケート結果のデータを入力し、地域ごとの現況地図を遅くとも1月初旬にはもうペーパーで作成できるようにということで作業しております。
 今後の取組についてですが、市内13地区で実施する協議の場について、農業委員、そして農地利用最適化推進委員及び農林水産課のほうで日程の調整を現在行っております。本日現在1月15日に予定している上倉、瓶岩地区をはじめ6地区の日程が調整済みとなっております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 それでは、その地域計画のためのアンケートというものはどういうものであったのか、その内容をお教えください。
○議長(岩松永治) 農業委員会事務局長。
○農業委員会事務局長(弘田明平) 先ほども触れましたが、対象者は南国市で営農されております認定農業者及び認定新規就農者です。この方に対して規模拡大、現状維持、または規模縮小などの今後の農業経営に関する意向や後継者の有無などにつきまして、今後各地域で実施する協議の場において地域計画や目標地図を作成する上で参考となる項目について調査をしております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、そのアンケートの結果はどのようなものであったのでしょうか。
○議長(岩松永治) 農業委員会事務局長。
○農業委員会事務局長(弘田明平) アンケートの結果につきましては、1月から順次実施予定の座談会、協議の場ですね、で使用する現況地図へ反映することにしております。現在各地区の現況地図の作成準備を優先的に進めておりますので、アンケートの結果についてはまだ精査ができておりません。12月中には精査して、座談会のほうへ持っていきたいと思っております。
 現在分かっている範囲では、206件の認定農業者及び認定新規就農者に送付した151件の中で、拡大したいと答えた農業者の方が29.8%、現状維持と答えた農業者の方が61.6%、そして縮小と答えた農業者の方が7.3%となっております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 拡大が今のところ約3割というところで、想像以上に皆さん意欲的な感じもしますし、現状維持でも6割で、これまた思っている以上に頼もしい感じなんですけれども、もしかしたら頑張ってやられている認定農業者や認定新規就農者の方が対象のアンケートだったからじゃないかなというふうにも感じられます。
 ただ、この現状維持6割ということに関しましても、多分もうこれ以上農地を請け負うのは不可能である、頼まれてももうできないよというような意味合いでの6割という状況でもあるのではないかというふうに考えられます。
 農地の担い手による集約に関しまして言えば、高齢化などで続けられないという人が増えている現状から考えても、耕作放棄地をつくらないために、今の段階では必要な措置かと思います。アンケート実施後、地域計画のためにどこにどんな農地があるのかの地図づくりをして地域で取組をするということですが、その際注意していることなどがあればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 農業委員会事務局長。
○農業委員会事務局長(弘田明平) 以前実施しておりました人・農地プラン座談会では、参加者が少ない状況であったと聞いております。地域計画の策定につきましては、やはり地域の農業者、それから農地を持っておられる方の意見というものが大切になってきます。農業委員、農地利用最適化推進委員は、地域の意見を聞き出す役割であることが明確化されておりますので、委員一人一人が地域の農業者や農地の所有者に対して座談会へ参加を促す、座談会での積極的な意見交換の雰囲気づくりなどができるように、事務局としても支援していくことが重要であると考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) じかの話合いから自分たちの地域の農地の地図という視覚に訴えるものがあるということで、話合いもやりやすくなるのではないかと思われます。しかしながら、そもそも地域の農業従事者の高齢化がかなり進み過ぎているということと、新規の就農者が追いついていないということが喫緊の課題ということになります。
 農林水産省の統計によりますと、高知の令和2年の基幹的農業従事者の平均年齢は66.2歳で、65歳以上の割合が63.6%、これは平均年齢ですので、中央値を取るともっと高齢化が進んでいるというような気はいたしますが、1960年代時点で20歳代だった主力層が年々スライドして上昇しています。個人経営は特にその後減少ということになっており、基幹的農業従事者は全国的には2000年からの20年で240万人から136万人に半減しています。地域農業の最大の課題は担い手不足であり、地域計画が一丁目一番地なら、2丁目に行くための方法も併せて考えていかないといけないということになります。
 政府で検討していた改正基本法案の中で、農産物に対して適正価格転嫁をするという適正な価格形成のための法律は国会提出を先送りされ、これは日本経済が30年来デフレで低迷し続けているためでもあると考えられているわけですが、そんな中、12月6日には農水省の有識者会議で、食料が不足した場合の対応をめぐって報告書がまとめられました。日本の食料自給率の低さと昨今の世界情勢の悪化、また世界の人口増加や気候変動問題、新型コロナウイルスのパンデミックなどを考えますと、かなり脆弱な状況でして、農業を基幹産業とする地方こそ最前線の取組をしなくてはいけないと自覚すべきと思います。
 個人的には農村女性リーダーも拝命しまして、女性農業従事者の皆さんと女性向けの研修などにも参加させていただく中で、女性がイノベーションの鍵になるのではないかという気もしています。女性が経営に関与すると、経常利益増加率が55.2%から一気に126.6%に71.40ポイントも上がるというデータもありまして、また人とつながるコミュニケーションを取ることが得意な女性が地域計画にしっかり参加すれば、よりスムーズにデータ収集と、それを基にした話合いも進むのではないかと考えています。
 南国市と農業の在り方につきましては、今後も現場の意見を拾い上げながら、実情と国や県の方針が合致していくような取組をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後の質問です。
 安心・安全な南国市を目指して、認知症などで行方不明になる方の捜索について御質問をさせていただきます。
 実は以前、知り合いづてにですが、南国市で行方不明になられた御高齢の方の御相談をいただいたことがありまして、捜索をしているが手がかりがないとの御連絡で、何とか周りに広げてほしいという話でした。直接こういう御相談は私は初めてでしたので、たまに防災行政無線などでは耳にしたり、南国市からのメールが届いたりすることから、年に複数人おいでるのかと思います。南国市では年間何件の行方不明者の御相談がございますか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(山田恭輔) 本市における年間の行方不明者の人数は把握できておりませんので、南国警察署から行方不明者捜索に係る防災行政無線の放送依頼があった過去3年間の件数をお答えいたします。
 3年度、高齢者1名、子供1名の2件、4年度、高齢者1名の1件、5年度は11月末までに高齢者2名の2件となっております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 思ったより依頼は少ないのかなと思いますけれども、全体の数はちょっと分かりにくいということで、御自分だけで探されたりということも数があるかと思います。御高齢者の行方不明の方の中には、認知症の可能性もあるのかなというふうに思われますが、南国市では認知症の方の行方不明防止に関しましてはどのような対策が取られているでしょうか。
○議長(岩松永治) 長寿支援課長。
○長寿支援課長(中村俊一) 認知症高齢者等の見守り対策として、令和5年度、本年度から認知症高齢者等見守りシール交付事業を実施しております。これはQRコードつきのシールを対象者に20枚配布いたしますので、シールを交付された方は、かばん、衣類、つえなどに貼り付けていただきます。自宅へ戻れなくなった高齢者などと思われるお方をお見かけした方は、このシールをスマートフォンなどで読み込んでいただきますと、南国警察署と地域包括支援センターの電話番号が表示されますので、発見時の状況とシールに付与されている番号を通報していただきます。通報を受けた南国警察署と地域包括支援センターは、シール交付対象者リストの該当番号から個人を特定し、保護活動を行うこととなります。
 本事業の周知につきましては、市内医療機関等へポスター掲示を依頼したほか、広報誌でも紹介させていただきましたが、今後も継続して周知に努めてまいります。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市では、令和3年に居宅介護支援事業者の介護支援専門医へのアンケートを取られてますね。対象は、住所地特例被保険者を除き、居宅介護支援費の給付実績がある県内居宅介護支援事業所59か所になっており、それによりますと利用者の方で徘回行動などで今後行方不明になるリスクがある方がおいでると答えた事業所が24か所、行方不明になるリスクを持っている利用者の数として集計を取りますと77人という、まあまあ多い数になっております。単純に割りますと、各事業所に3人ぐらいは行方不明のリスクをお持ちの方がおいでるということになり、なかなか多い数字だと思います。そういう方に、まずは行方不明にならないことや、なってもよりスピーディーな保護へつながる措置が必要と思いますので、QRコードのついた見守りシールというのも、そういう面では一定効果的かと思います。
 それでは、もしそういう方々が行方不明となった場合、南国市はどのような手続をして捜索をされているのでしょうか、その捜索手順をお教えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(山田恭輔) 行方不明者の捜索は警察が行いますが、捜索届出人の承諾の下、南国警察署から防災行政無線の放送依頼を受け、市内全域に放送を行っております。また、市消防本部からは消防団メールを活用いたしまして、各消防団に捜索協力を呼びかけております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市から消防本部を通じて消防団の協力依頼もあるということで、いつも地域の安全を守るために消防団の皆様には御活躍いただき、心から敬意を表したいと思います。本当にいつも市民のために御尽力くださいましてありがたいと思っております。
 ただ、いなくなった人を探すっていうのは、なかなか難しい側面もおありなのではないかと感じるところでございます。行方不明者捜索について難しいとお感じになられるところがございましたら、お教えください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(小松和英) 消防団員にも情報提供をいたしますが、行方不明者捜索時に防災行政無線やメールなどで得られる情報は、住所、氏名、年齢、性別、体型、服装、行方不明になった日時などのうちの一部に限られていることが捜索が難しい点として挙げられるのではないかと思います。また、目的地に向かって家を出たという情報がなく、いついなくなったか分からないという場合も多く、どこを捜索したらよいかということが一番の課題ではないかと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) そのように少ない情報で視覚を使って捜索すると見える範囲でしか分からないわけで、それがどっちに行ったかも、いつ出ていったかも分からないというような状況であれば、捜索すべき方向も分からないというわけですので、雲をつかむような話ではないかと思います。
 先ほど長寿支援課が御紹介くださいました見守りシールをおつけになられていて、なおかつ地域の一般の方が発見してくださるなら身元も判明しやすくなるので効果的かと思われます。しかし、まずはシールを貼っていること、かつ周りの方がその方に気づいて保護をしてくださることが前提となります。それ以外で何の措置もできておらず行方不明になられた方がおいでる場合、先ほど消防長もおっしゃられていたように、情報の少なさから保護するまでの時間が長くかかる場合も考えられます。
 そこで、南国市では警察犬の嘱託警察犬がおりまして、これは県警の要請があれば出動する個人宅で飼われている訓練に合格した犬たちなのですが、そういう犬たちにボランティアとして捜索に加わってもらうということも考えられると思います。これに関して、担当課としてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(山田恭輔) これまでの行方不明者捜索におきましては、時間経過とともに厳しい状況に陥ったこともあり、人命救助のために尽くせる手だてがあるのであれば、講じておくことができればと考えております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 先日、NHKのクローズアップ現代でも、これは認知症行方不明者の特集でしたが、去年は全国で延べ数で1万8,000人、これはこの10年間で高齢化により増加し続けているとのことです。ほとんどの方が保護されているそうですけれども、それでも毎年100人以上が行方不明のままで、去年は死亡例が491人ということです。比較的軽度で体力がある認知症や、またその疑いの方が行方不明になりやすく、そういう方は介護の必要性が低く、また認知症であるということを自認するのをためらい、関係機関に相談に行くなどもあまりしていません。今後、高齢化で2060年までは増加傾向にあるということです。
 以前も認知症カフェの御紹介を議会でさせてもらいましたが、なかなか御家族で管理をするという御苦労は計り知れないと感じたことでした。やはり人命に関わることですので、やれることがあれば市としてぜひお取組を講じていただけたらと思います。
 県警直轄の警察犬の出動や、嘱託警察犬も正式出動はハンドラー、一緒に行動する人間が訓練指導している有資格訓練士でないといけないようで、なかなか時間がかかったり、捜索開始のタイミングを逃すということもあるかと思われます。雨が降ったり、時間がたてば、人の10万倍から数百万倍と言われる嗅覚を持ち、訓練を受けた犬も、さすがに探すのが難しくなります。できれば迅速な対応をすることで、少しでも早期発見につながるのではと思うところです。
 ところで、その場合、捜索対象の方の情報をもらい、また持ち物などで犬に選別すべきにおいを覚えさせたりしなくてはいけませんが、そういうことは可能なのでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(山田恭輔) ボランティア捜索は、捜索届出人さんからの依頼が前提となりますが、御相談があればボランティア協力者の御紹介は可能であると考えております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 基本的に南国署に捜索依頼で行くと思いますので、捜索は主に警察ということで、消防団の方にも捜索に行っていただけるということですけれども、南国市での職員や関係部署への連絡、情報共有はどのようになっておりますでしょうか。少しでも多くの方に行方不明の方の情報を共有しておくほうがよいかと思われるのですが、いかがでしょう。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(山田恭輔) 行方不明者情報が入った場合の職員対応につきましては、庁内の放送を行うとともに、庁内電子掲示板を用いて周知を図っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 庁内では情報共有ができているということですね。
 例えば、見守りシールにせよ、先ほども申し上げましたとおり、一般の方がそれを認識していないと保護につながらないかと思います。結構登下校の子供たちが、お年寄りの方が具合悪そうだったので見つけたというような保護のニュースというのもありますので、機会があれば学校のほうにも見守りシールや、また認知症の行方不明の方の話などもしていただくことがあったらと思います。
 最後に、市長として南国市民を守るためにはどうするべきなのか、お考え、お気持ちをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 市として、行方不明になった方がどのような方であるかっていうのは、いろんな状況があるので、なかなかどういうパターンがあるのかっていう、全て把握するっていうのは難しいのかもしれませんが、認知症でいなくなるというケースは、やはり最近は多いということでございます。そのための対策としましては、先ほど長寿支援課長が申し上げたとおりのQRコードのシールということを対策しておるとこでございますが、そのほかにも取れる手段があるのであれば、それは考えていきたいと思いますし、そのために必要な関係機関との協力ということでありましたら、そういった協力もいただいていくっていうことを進めていかないといけないと思います。以上です。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。
 認知症に関しましては、同僚議員からも話が出ましたが、今年の6月、認知症基本法も成立し、今後も増加し、自分も家族もなる可能性があります。共にどう生きるのかという時代になっているという認識と安全対策をどうするのかは、今後市の取組の一つとして重要な部分になるかと思いますので、市長をはじめ各担当の皆様、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして私の今議会での質問を終わらせていただきます。御丁寧な御答弁、誠にありがとうございました。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
 再開は午後1時であります。
      午前11時44分 休憩