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一般質問 令和5年度 » 令和5年 第433回市議会定例会(開催日:2023/12/01) »

一般質問2日目(松下直樹)

質問者:松下直樹

答弁者:市長、関係課長


○副議長(西本良平) 2番松下直樹議員。
      〔2番 松下直樹議員発言席〕
○2番(松下直樹) 公明党の松下直樹でございます。このたびの選挙におきまして、多くの市民の皆様から御支援をいただきまして、議会へ送っていただきました。託された4年間、議員といたしましての使命を果たすべく頑張ってまいります。至らぬところばかりではございますが、執行部の皆様、また先輩、同僚の議員の皆様、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いをいたします。
 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。言葉足らずや間違いもあるかもしれませんが、御答弁よろしくお願いを申し上げます。
 初めに、環境行政についてお聞きをいたします。
 南国市の方々にお会いする中で、数多くの声をお寄せいただきました。その中で、ごみステーションの改善ということがあります。各地域に置かれているごみ収集の籠の蓋が重くて大変との声をいただきました。高齢化が進む中で、確かにあの蓋は重く、過去に蓋で頭にけがをした、また指を挟んだ等の事故も起こっているようでございます。これに対して、担当課では何らかの改善策をお考えいただけないでしょうか、よろしくお願いします。
○副議長(西本良平) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) ごみステーションの籠につきましては、蓋が重いとの御意見を以前からいただいており、籠の形状など検討課題と考えております。他市においては引き戸型の籠を設置しているところはありますが、安全性の観点から大きめに作る必要があります。引き戸型の価格は、現在使用している籠と比べ高価であり、またある一定以上のスペースがあるごみステーションは少ないですので、引き戸型の籠の設置はしておりません。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 長年検討課題という認識は理解をいたしましたが、改善策は今のところないというふうにお答えいただいたと思います。また、以前ネットで対応したこともありますが、鳥や猫がネットを破り、ごみが近くの田畑に散乱するなどの被害が出ていた状況もあり、地元住民の方々はネットも不安だそうでございます。また、高齢者も多くなる中で、今の蓋の形式で何とか軽い素材のものになればよいかと思いますが、何か御検討いただけないでしょうか。御所見をお伺いいたします。
○副議長(西本良平) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 蓋の軽量化につきましては、軽くしますと風で開いたり、強風や台風のときに蓋が飛び、建物や人への影響が考えられますので、軽い素材への変更はできないものと思われます。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 市民にとっての安全性を考えていくべきだと思います。軽い素材とはいっても、課長の言われる建物や人への影響を踏まえての対応はあると思います。例えば、軽い蓋を留め具等で留めて風で剥がれないようにして、また利用時には外してごみを入れるなどの何らかの工夫をしていただくことを要望をいたします。今後の対応についていま一度お考えください。よろしくお願いします。
○副議長(西本良平) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) そういった軽い素材、またひもなどで留めての蓋への変更等につきましては、また検討していきたいと思います。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 続きまして、教育行政についてお伺いをいたします。
 現在、南国市では、国の臨時交付金を活用して小中学校の給食費が12月まで無料となっております。このたびの臨時議会において、国は地域で自由に活用できる重点支援地方交付金を、年内のうちにも地方自治体へ支給する方向だと思いますが、これを活用して小中学校の給食費を1月からも継続して無料にする方向性をお持ちでしょうか。計画があればお聞かせください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 杉本議員の御質問にもお答えいたしましたように、教育委員会といたしましては、義務教育における保護者負担の軽減については図っていくべきだと考えておりますが、御紹介のありました交付金を保護者の給食費の負担軽減に活用するかは、交付金の目的を考え、市全体で考えていく必要があると考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 交付金を利用して1月から継続して無料にしていただけるように要望してお聞きしたわけでございますが、重点支援交付金、この地方交付金の使途を考える中に、給食費の無料を加えていただくことはできないでしょうか。ここで表明していただくわけにはできないでしょうか。財政課長か市長に御答弁をお願いします。
○副議長(西本良平) 財政課長。
○参事兼財政課長(渡部 靖) 今回、国の補正予算におきまして、重点支援交付金、本市におきましては1億円ちょいの額が示されております。これにつきましては、低所得者対策等の生活支援及び事業者支援という様々な項目の中から、それぞれ市町村独自に判断するということになっております。本市での課題のどこに重きを置くかというような形になりますので、給食費の無償化というのも一つの検討課題ということには考えておりますが、低所得者対策におきましても、国の支援策がどのような形で出るのか、そういったことも踏まえて検討させていただきたいと思っておりますので、申し訳ございません、この場では少し、検討はできないというような形になります。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。今後、しっかりまた検討していただいて、専決事項でやっていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 給食費の無料化は、南国市の少子化対策として恒久的に取り組むようにしていただきたいところです。給食費の無料化につきましては、以前先輩議員からも質問をされていたと思いますが、現在物価が高騰する中であり、物価高騰対策にもなります。また、子育て世代の移住定着のためにも大きな効果が得られると思われます。ぜひやるべきだと思いますが、南国市としての御所見をお伺いします。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市では、市立小学校、中学校に在籍するお子様のいらっしゃる世帯を対象に、令和4年度の3学期、令和5年度の2学期の小学校、中学校の給食費無償化を、物価高騰対策として国の交付金を財源として行っております。給食費の無償化を行った場合、給食の年間提供日数を200日といたしますと、年間中学生で6万円、小学生で5万4,000円の保護者負担の軽減となりますが、軽減された保護者負担は市が負担する必要がございます。給食費無償化を行っていない令和3年度で、保護者の方に納付いただく必要のある給食費は約1億7,000万円となっておりますので、議員御提案のように恒久的に無償化を行う場合は、単独財源としてこの約1億7,000万円が毎年必要となってまいりますので、学校給食費の恒久的な無償化は難しいと思っております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 これまで国がなかなか実施に踏み切れない事案も、地方が実施していく中で国を動かしてきた事例が数多くあります。南国市も、国を動かしていく施策として、財源の確保の工夫をしていくことにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、教育行政の2点目として、教員に関しての質問をさせていただきます。
 昨今、全国的に様々な職種において人材不足と言われている中、教員不足も問題となっております。現在の南国市における教員数の現状と、今後における教員確保、育成の取組についてお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市の教員数の現状についてですが、年度のスタートを切る際には、講師を含め配置しなければならない人員は、県教育委員会により配置できております。しかし、年度途中で、様々な休暇、休職、退職により講師の配置がなかなか決まらないことも出てきております。また、新規採用者として南国市に配置される教員の方は、県外出身者の方が増えてきており、縁もゆかりもない高知に来て、自分の生活基盤も確保できず、4月1日から教師の道を歩み始めなければならない方が少なくなくなってきております。学校に配属されると、すぐさま児童生徒の受入れのための準備に取りかかり、特に単式学級の多い南国市の小学校では、一人で学級のこと、学年のことを進めなければならない状態でございますので、その心労は想像を絶するものだと思っております。南国市教育委員会といたしましては、令和6年度より、南国市全小中学校において、始業式、入学式を4月10日に設定し、今までのスタート時より3日遅らせることとしています。そうすることで、県外出身者には新たに生活基盤を整える時間の確保ができ、学校としては、児童生徒の受入れまでに学校組織で行わなければならないことや、個々の学級の準備に時間を費やせることができるようになります。
 教員の確保につきましては、高知県教育委員会の役割とはなりますが、市教育委員会といたしましても、働きやすい環境を提供することで、持続可能な教育環境の構築ができると考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 様々な御検討をされていることがよく分かりました。
 また、社会人1年目の新任の教員の方がクラス担任になるというケースがあると聞いております。確かに、早くからいろいろ経験させ、育成していくという取組だとは思いますが、職場環境の人間関係、児童、保護者等、いろいろな面で全てが初めての体験ですので、ストレスやプレッシャーがあると思います。実は、私の娘が昨年、小学3年生のときのクラス担任の方も社会人1年目の方で、1学期で退職をされました。2学期からは児童にも影響があり、不登校や気分の悪くなる児童も出ておりました。今、始業を10日からにするというお話もございましたが、社会人1年目の方がクラス担任をすることについて心配をしております。南国市として、新任教員の育成、定着のためにどのように取り組んでいるかを教えてください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 社会人1年目というわけではございませんが、現在採用3年目までの若年教員を育成するために、高知県教育委員会より研修コーディネーターが派遣されております。授業や学級経営など、日々主に初任者の学級経営や授業について、さらには悩みなどに寄り添い、必要に応じて支援、指導を行っていただいております。また、長期休業中には、南国市初任者教諭・新規採用養護教諭事務研修会などを開催しております。1学期の業務を振り返りながら、ユニバーサルデザインの視点に立った学級・授業づくりとは何か、さらに学校事務支援室及び総括主任を中心に事務研修も行っております。
 また、先ほど御紹介がありましたけれども、南国市においても、採用されて1年を待たずして教員の道を断念される方もおられることから、本年度、南国市教育委員会事務局主催の初任者研修会を開催いたしました。先ほど述べましたように、高知県内だけでなく、県外出身者の新規採用教員の方が多くいます。1年目の新任教員は、出身地、年齢など様々違いますが、教師を続けていってもらうためには、同じ年度の採用者同士の横のつながりを強めることも大切であると考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 クラス担任の教員は、できる限り社会人1年目の新任教員ではない方、教員経験のある方にしていただくことで、先生も、また生徒も負担が少なくなるのではないかと思いますので、各学校長に対し、その旨を通達していただければと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 先日、夜回り先生こと水谷修先生との懇談の機会をいただきまして、いろいろ勉強をさせていただきました。本当に生々しい話や、目を背けたい話もありました。その中で、大変気になる話がございました。全国的に学校の大きい、小さい、そういうのは関係なく、どの学校でもリストカットをしている児童は必ずいると断言をされておりました。本当に衝撃的な話でした。南国市教育委員会としては、この現状を把握されていますでしょうか。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 自傷行為の一つでありますリストカットに限定した児童生徒の現状把握はできておりませんが、各校に配置しておりますスクールカウンセラーから毎月提出される報告書により、スクールカウンセラーが相談を受けた自傷行為数におきましては把握できております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 大変難しい問題だとは思いますが、今現在どのように取り組んでおられるのか、また今後の取組につきましてもお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 児童生徒の自傷行為を確認した場合は、管理職、養護教諭、担任、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーと情報共有をしており、自傷行為は子供からのSOSとして捉え、子供に寄り添うことが必要だと考えております。また、子供からのSOSに気づき、声をかけて話を聞いて必要な支援につなげ、見守ることのできる人を養成するために、南国市では夏と冬の2回、南国市ゲートキーパー養成研修を行っております。子供たちに関わる全ての教職員、関係者に声をかけ、児童生徒の自殺予防対策について知ってもらい、考えてもらえるように働きかけております。この夏まで、研修で742人が受講しております。また、今年度からは初級編、中級編の2講座を開催し、一度研修を受講した方には、より専門的な講座を受講していただくようにしております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 未来を託さなければならない子供たちが、明るく、生き生き、そして伸び伸びと成長していただけることを誰もが望んでおります。本当に大変御苦労もあろうかとは思いますが、御尽力いただきますよう願っております。
 それでは、3つ目の質問として、農業政策についてお聞きをいたします。
 南国市の基幹産業である農業は、高齢化と後継者不足とで大変な状況となっております。農業者の生活を守っていくために、収入保険制度があります。現在、南国市では保険料の半分を補助してくれておりますが、高知県内では補助がなくなった地域もあると聞きました。南国市では、今後収入保険の補助はどのようにお考えでしょうか。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 今後の収入保険についての支援はという御質問でございます。
 農業につきましては、常に収量の減少や市場価格の低下などの様々なリスクにさらされておりまして、このようなリスクに対して、農業経営の安定を図る観点から、平成31年から国が設けたのがこの農業経営収入保険制度でございます。制度としましては、保険期間の販売収入が過去5年間の平均収入の9割を下回ったときに、下回った額の9割を上限として補塡がなされるというものですが、加入の条件が青色申告を行っている農業者ということや、9割のラインまで下がらなかった場合に保険金が掛け捨てとなってしまうことなどから、なかなか加入者が伸びないということが課題となっております。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による農産物の価格低下のような災害に匹敵するような収入の減少をしっかり補塡できる制度というのはほかにございませんので、令和3年度からこの支援を実施しているところでございます。
 しかし、本市での加入者数は、いまだ他市町村よりも低い水準にとどまっているということもありますので、支援を行うことによって制度の周知啓発を図ることが、将来的な地域の農業者の経営の安定と地域農業の維持につながるものと考えますので、当面の間はこの支援としては継続していきたいと考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。ぜひ、未来の農業を守るためにも、継続をよろしくお願いを申し上げます。
 農業政策の2点目として、農地中間管理機構についてお聞きをいたします。
 県の農業公社が主体となっております農地中間管理機構の役割とは何かをお聞きいたします。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 農地中間管理機構につきましては、平成26年3月4日に、高知県農業公社が高知県における機構として知事から指定を受けておりますが、その役割といたしましては、農用地の集団化、新たに農業経営を営もうとする者の参入の促進等による農地利用の効率化及び高度化の促進を図ることを目指して事業を行うことが期待をされております。機構が地権者から農地を借り受け、担い手に貸し付ける農地中間管理事業においては、市や農業委員会も連携協力をしながら、農用地の集積、集約化に取り組んでいるところでございます。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 農地中間管理機構の不手際で、農業から離職した方のお話をお聞きしました。その方は40代で、15町以上も作付面積のある稲作農家の方でした。意欲もあり、これからまだまだ面積を広げていこうと思っておりました。そんな中、昨年の9月に管理機構に契約更新の手続に行ったときに、もみすりのほこりの苦情が管理機構に出ているので契約できないと言われたそうです。しかも、話を詰めていくと、令和元年から苦情が出ていたとのことでした。中間管理機構からは、農家の方にはこれまでそのような連絡もなければ、現地にも来ていない状況だったようです。結局、管理機構は契約できないの一点張りで、状況改善に動くこともなく、本年諦めて離農することとなりました。地域の将来を担うはずの40代で意欲ある農業者が、農業を続けることができなくなる。高齢化が進む南国市の農業としても大変遺憾です。何のための中間管理機構なのか、農地の貸し借りや管理だけが中間管理機構の役目であれば致し方ございませんが、突き詰めれば、農業後継者を育てていくことが目的として中間管理機構の仕事があると私は思います。南国市としての御所見をお伺いいたします。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 松下議員の言われる担い手の方につきましては、国営圃場整備を予定している地域内で多くの圃場を借り受けられていた方で、圃場整備の営農計画の中でも、将来的にその地域を担っていく重要な担い手として位置づけをしておりましたので、離農されるということにつきましては大変残念に思っております。この方の離農の原因といたしましては、天候であるとか、また新型コロナウイルス感染症、また燃料資材の高騰、また近隣の方との関係性、また中間管理機構等の問題も含めまして、様々な事情が複合的に重なったことなどが原因であるとは考えておりますが、中間管理機構との情報共有の在り方というところにつきましては、今後関係機関においても、重要課題として申出を行うなどを含めて取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 やはり、中間管理機構にしっかり事実を伝えて改善していただくよう、働きかけをお願いをいたします。
 私が思うに、令和元年のときに苦情が来ていた。しかし、それを知ったのが昨年だったっていうところが、やはり初動のまずさがあったのではないか、そのように思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。また、その方からも提案を受けました。これから後に若い農業者が仕事をしていく上で、安心して農業ができるように、ほこりや、また騒音などの一定の基準値を決めていただければ、トラブル等があったときも具体的に改善に向けて努力ができると言われました。これからの農業発展のために御検討をお願いしたいのですが、南国市としてどのような手だてができるかお聞かせをください。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 現在、農地と住宅の境界が近くなっているなど、農村の形態としましても昔とは変化をしてきておりますので、担い手となる農業者が多くの農地を集約し、事業量が倍増するなど大規模化も進んでおりますので、そういう騒音であるとかほこりであるとか、そういう問題もなかなか住宅の近くで起こってくるということは問題になっているものと考えております。
 そこで、新たに経営を開始される方、規模拡大を図られていく方につきましては、近隣との関係性にも十分心がけて取り組んでいただくことが重要になってきていると思います。そして、規模拡大や法人化等によって、農業用の作業場等の施設整備で補助事業を活用する際などには、用地の選定の段階から行政の各機関としても関わることにもなりますので、周囲への影響も考慮した計画になるような助言等、持続可能な営農に向けた支援ができるよう、関係機関で連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) ありがとうございます。
 今後、高齢化のための農業者の減少が日本全国で大きな問題となっていきます。食料の安全保障の観点からも、若い後継者を失うことは重大問題でございます。今回、農業が好きで頑張りたいと思って農業をやってきた人を追い詰めた事実は、必ず検証されていくべきです。今後は、中間管理機構も南国市もどのように対応していくかを注視していきたいと思うところでございます。
 最後の質問は、水道事業としてお伺いをいたします。
 私たちの暮らしにとって、水は欠かせないインフラでございます。まず、上水道につきましてお伺いいたします。
 第4次南国市総合計画の後期基本計画におきまして、上水道の現状と課題を述べられております。そこでは、水道の普及率が86.6%であることや、石綿管などの老朽管や基幹管路の耐震化の促進に努めると記載をされておりました。令和3年時点で普及率が86.6%ということでございましたが、上下水道局長からは、令和3年度決算の実績数字としては87.58%であったとお伺いをいたしました。今回の市政報告では、蔵福寺島が完了した旨述べられております。現時点での普及率はどのようになっているでしょうか、お伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 令和4年度末で87.1%です。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 令和3年度の決算実績からいえば、少し普及率が下がっておるようでございます。そのいきさつについての御説明と、今後普及率の向上に向けて、未普及地域における推進はどのようにお考えになっているかをお伺いいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 令和4年度決算から未普及地域工事の福船地区が完了したため、そこを計上したために、実質給水人口に当たる人口からいうと、今現在引いている家庭の数が少ないということで減少したということと、あと南国市全体の人口減少と、あと核家族化がその基になってると思います。
 あと、未普及地域ですが、そこは当然地下水が豊富なため井戸で生活を行っていると思うんですが、将来地下水の汚染や水位の低下などにより井戸水の使用が困難となる場合も考えられますので、地域として上水道への切替えを前提に要望していただければ、検討いたします。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 未普及地の地域の方々が水道を引きたいと要望があった場合は、速やかに水道を引くことができるでしょうか。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 要望のあった地区の直近の管口径が給水需要を賄える能力があれば、比較的早く地区への給水が可能となりますが、そのような環境にない場合は、地区までの配水管の口径アップの工事が必要となるため、それ相応の時間が必要となります。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) そのことは、未普及地域の皆様に周知できているとお考えでしょうか。どのように周知を図っておられるかお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 特に、そのような周知は行っておりません。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 総合計画の中では、上水道の未普及地域を解消し、普及率の向上を図りますとの主要施策が書かれておりましたので、今後は目標を明確にし、普及促進の周知を何らかの形で行うべきだと思います。御努力をお願いをいたします。
 さて、南海トラフも心配される中、老朽管の布設替えは欠かせないと思いますが、その進捗状況についてお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 基幹管路の送水管につきましては、47.2%の耐震適合率となっております。また、石綿管の布設替えにつきましては残り2.6キロとなっております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 老朽管の布設替えには、多くの財源が必要だと思われます。工事に携わる人的不足も心配いたしますが、その見通しについてお聞かせをください。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 耐震化されていない老朽管の多くは、口径100ミリから50ミリの塩ビ管が多く、南国市の水道管の大部分を占めています。今後とも、国の交付金や起債を活用し、事業を進めてまいります。
 また、職員数につきましては、定数が決まっているため増員は難しいと思われますが、水道事業は突然の本管破裂、断水作業、洗管作業、漏水対応、水源地施設の故障など、深夜でも対応しなければならない場合や、水需要の少ない深夜でないと修繕工事ができない場合もあり、それらの判断、対応力などはある程度経験を積む必要があるため、長い時間をかけて人材を育成していく必要があります。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) そのことが水道料の値上げにつながらないことを念願をしておりますが、当局の御見解をお伺いいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 上下水道事業を取り巻く環境は、非常に厳しい状況です。更新が必要となる施設は年々増え、さらに南海トラフでの地震対応へも多額の費用が必要となりますが、節水による水需要の減少に加え、給水人口の減少により収入も減少しております。また、最近の電気、燃料費の高騰による給水原価の上昇や、資材費の値上げによる工事費用の増加など現状を考慮すると、新たな収入を検討する必要があると考えています。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 御答弁では、新たな収入を検討する必要があるとのことですが、国の交付金を国サイドで増額していただけるような働きかけも行っていただき、市民に対して水道料を値上げすることがないよう、市長にもお願いをしていきたいと思います。
 続きまして、中山間地域の生活用水についてもお伺いをいたします。
 本年4月13日の高知新聞には、中山間の水確保ピンチという見出しの下、成合に設置されたろ過装置の写真が掲載をされておりました。水道が普及されない中山間地域の供給施設での維持管理は住民が担わなくてはならず、高齢化とともにその作業が大変になっている旨報道をされておりました。
 高知県は、平成26年度に当初予算を組み、高知県版生活用水モデル開発事業に取り組みました。県内事業者数社に開発を依頼し、その結果、安易な管理で安定した水質を確保できるろ過装置が開発されております。費用が少なくて済むこと、維持管理が高齢者にも容易にできることは大変に良いと思います。高知県がこのような事業に取り組んできたいきさつにつきまして、南国市はどのように御認識をされているかお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 御質問の高知県版生活用水モデル開発事業につきましては、今松下議員から御紹介があったように、高知県が中山間の飲料水供給施設の課題を解決するために実施をした事業ということで、水源地からの取水方法や、浄化に必要なろ過施設について、県内企業からの公募型プロポーザル方式により、安価で管理が簡易となる施設の試作品の製作、検証を行うことを目的とした事業となっております。大豊町などでこの高知県版モデルが活用されているということで、現地視察なども行いまして、その活用は視野に入れておりましたが、設計の段階で実際に採用できるかは、このモデルの能力や将来的なランニングコスト、耐久性等について他機種との比較検討は必要になるものと思っております。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 新聞に掲載をされておりました成合のろ過装置は、恐らく2メートル余りの高さがあると思います。その上に人が上がって中をのぞいてるような写真でしたが、成合に設置されましたろ過装置の費用は幾らでしたでしょうか。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 工事の令和2年度当時、ろ過装置単体では税抜きで626万円であります。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 高知県が採用している県内生産のろ過装置は1メートル程度で、上に上がることもなく、高齢者が安全に掃除をすることができるようになっております。その県推奨の装置の値段は幾らでしたでしょうか。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 140万円です。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 成合に設置されているろ過装置は県外企業のものと思われますが、県推奨のろ過装置ではなく県外企業のもの、しかも金額が4倍以上するものを南国市は採用しております。その根拠につきまして御説明をお願いをいたします。
○副議長(西本良平) 上下水道局長。
○上下水道局長(浜田秀志) 成合地区の飲料供給施設を設計するに当たり、現地の環境や取水元となる谷川の水質の確認を行いましたが、粘土質の土や木くずのような粉末状のものが多く含まれており、既存の取水堰付近に大量に沈殿していました。この水をろ過し続ければ、ろ過砂の槽が短期間に目詰まりを起こし、機能不全となりますし、大雨の後など谷川が濁ると、目詰まりが短期間で発生することとなります。そのためには、ろ過砂の槽を定期的に洗浄する必要がありますが、谷川が濁るたびに洗浄作業が必要になったり、ろ過砂の機能への負担が大きくなることで、高齢化した地元管理人の作業回数が以前より多くならないことを一番に考慮しました。それには、飲料水の使用がなく、配水池の水位が満水のとき、不要な水はろ過砂の槽を通過しない構造の装置であることや、設置場所が農道、林道のそばにあるため、昆虫や小動物の侵入がない密閉構造であることを重視しました。
 金額においても、ろ過槽単体のみでの比較では割高な装置となりますが、処理能力の違いから、高知県推奨の装置ではろ過槽が2基必要となり、そのため配管も2倍の必要となります。その他にも、ろ過槽の洗浄などのランニングコストを加えると、30年後にはほぼ同じ経費となります。取水場所の谷川の水量が常に豊富であるわけではなく、気象状況により水量の増減が大きく、また濁りの発生頻度の多さなど多様な状況があり、ろ過槽の選定では、地元から前の施設のほうがよかったと言われないためにも、主に日頃のメンテナンスを重視し、全国での運用実績のある装置を選定いたしました。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 30年後にはほぼ同じ経費になるということですが、10年後、20年後、また30年後、どのような方がその高さ2メートルのところに上がって作業されるのでしょうかと心配をいたしております。当局としては、県推奨の製品が設置されているところを当然見に行かれての判断かと思います。県推奨の製品に対する認識は、私とは全く違っていると思っております。私は、現地にも行って見てまいりました。作業もさせていただきました。目詰まりの心配もなく、ろ過の日常の管理は大変容易なものでした。成合の写真のように上に上がっての作業もなく、安全でございました。そもそも、高齢者の負担がないというところからの配慮から作成された製品です。日頃のメンテナンスを重視しと言われましたが、高知新聞の記事では、2メートルのタンクの上に上っての作業について、一番若い人が動けなくなったとき、将来的な心配も書かれておりました。日頃のメンテナンスの心配は、すぐそこにあるのではないでしょうか。その心配をなくすための県の開発事業だと私は思っております。
 安全性についても優れております。ろ過についても全く問題がないと思っております。しかも費用が安い、決して県外の製品に劣ることはない、むしろ優れていると思いました。利用人口に対しては、2基据えなければならないということもありますが、それでも費用ははるかに安くできると思います。いただいた御答弁では、もしかして製品を見られてないのではないかなとさえ思いたくなるところでございました。このろ過装置の費用は農林水産課の予算だと伺っておりますが、農林水産課としては、これらのことを精査した上で予算措置をしたのでしょうか、お伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 中山間地域の飲料水供給施設に関する予算につきましては、農林水産課で担当しておりますが、農林水産課には水道施設に関する技術的な知見を持ち合わせている職員がおりませんので、技術的な部分につきましては水道局の技術者にお任せをしまして、共同で事業を進めております。御質問のろ過装置につきましては、水道局長が先ほどお答えいたしましたとおり、その機器についても、選択肢の一つとして視野に入れた上で、現地の状況と、地元が将来的に維持管理をしていく上での負担などを含めて十分検討をし、最も適切なものを選定したということでありますので、その内容に合わせた予算措置をいたしました。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 水道局を信頼して予算措置をした、現地を見たということでございますね。高知県として、地産地消、地産外商ということで、高知県にお金が落ちることを心がけていると思います。その上で、県内の実情に合わせた製品開発を行っております。それを、あえて県内のものではなく、県外の製品を採用したということになり、南国市民の納得がいく説明がなければなりません。市長は今後どのように対応されるか、御所見をお伺いをいたします。
○副議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) それぞれの担当課長から先ほど御説明申し上げたところでございますが、現地、それぞれの設置場所っていうのは状況が違うわけでございまして、その状況を見た上で、ランニングコストも含めて、維持管理を担っていく地元が使いやすい施設ということを第一に考えた機器の選定であったということと御答弁させていただいたところでございます。
 これからの整備につきましては、もちろん松下議員のおっしゃったことも踏まえて、県の推奨ということもありますし、そういったことも踏まえまして、地域の皆様と協議させていただき、そこの地元に一番合ったものというものをこれからも考えていきたいというように思います。以上です。
○副議長(西本良平) 松下直樹議員。
○2番(松下直樹) 高齢者の負担、どちらの製品の負担が大きいか、維持管理が楽なのは素人の私が見ても分かっております。市長答弁では、現在では2メートル以上、上に上がるほうを後々高齢者のためによいと思われているようでしょうか。水道局の判断を信頼し、正しいと思われているとは思いますが、こうした疑義を感じて質問をいたしました。ぜひ、市長も一度御自身が製品を御覧になっていただきたいと、私はそういうふうに思っております。県の補助事業であり、南国市の負担は少ないかもしれませんが、税金には変わりはありません。これは一例ではございますが、南国市の税金の使い道として疑義を持たれるようなことはないように今後取り組まれますようお願いを申し上げまして、私の初めての一般質問を終わらせていただきます。丁寧な御答弁、誠にありがとうございました。
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○副議長(西本良平) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(西本良平) 異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 明7日の議事日程は、一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて延会いたします。
 御苦労さまでした。
      午後2時3分 延会