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一般質問 令和6年度 » 令和6年 第434回市議会定例会(開催日:2024/03/04) »

一般質問1日目(今西忠良)

質問者:今西忠良

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(岩松永治) 21番今西忠良議員。
      〔21番 今西忠良議員発言席〕
○21番(今西忠良) 一般質問初日の4番目に、最後の登壇となりました。民主クラブで社民党の今西忠良でございます。もう少しお付き合いをしていただきたいと思います。
 私が通告をしました質問は2項目であります。以下、順次質問を行いますので、答弁方よろしくお願いをしたいと思います。
 1項目めの農業問題は、食料安全保障確立政策と、食料自給率の確保、向上についてであります。
 1点目は、旧農業基本法の下で、日本農業の推移と今日の現状、そしてこれからの農業政策についてであります。
 1961年に、昭和36年になりますけれども、施行されました旧農業基本法は、緑の革命と呼ばれ、品種の改良や化学農薬肥料、農業機械や施設、かんがい、そうした技術を用いて農業の近代化を進め、土地の生産性と労働生産性の向上実現をし、農地流動化による規模拡大と併せて、他産業並みの所得を得る経営を育てていくことを目的としてきました。
 一方で、旧農業基本法は、麦や大豆、飼料等の輸入農産物に対する関税を引き下げるため、輸入が増加をし、食料自給率を引き下げる結果ともなってきました。80年代になりますと、世界各国が新自由主義政策を採用するようになり、ガット、WTO体制の下で、農産物、食品貿易自由化が本格化をする中、99年に施行された現行の食料・農業・農村基本法は、国際競争力のある農業経営の育成を目指して、規模拡大や法人化、企業参入のための規制緩和を進めてきたところであります。
 そこで、農業・農村基本法に基づいた今日までの日本農業の現状や農政についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 日本の農業の推移と農業の基本についてという御質問でございますけれども、旧農業基本法につきましては、高度成長期を見据え、農業の生産性向上、農業者の所得向上を目標としまして、高付加価値作物へのシフトや、食糧管理制度による価格維持政策の見直しを目指すものでありましたが、減反による米の価格維持政策は継続をされ、農業の構造改革としては進みませんでした。その一方で、自動車産業などを中心とした日本の国際競争力が高まったということで、日米貿易摩擦が政治問題化し、1993年にはガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉が妥結し、農産物でも関税をはじめとする国境措置については、極力排除する国際ルールが取り決められました。
 その後、1999年に現行の農業基本法が制定をされましたが、米を中心とした食料輸入の国境措置を維持する国際交渉の根拠として、食料の安定供給、農業の多面的機能の発揮を前面に掲げ、旧基本法からの懸案であった農業の生産性向上及び構造改革を目指した農業の持続的発展、人口減少社会を見据えた農村政策を合わせた4点を大きな方針とし、さらに食料自給率の向上も政策目標に定められております。
 そして、1995年には、世界貿易機関WTOが発足し、現在は国際貿易交渉は、地域貿易協定RTA、自由貿易協定FTAなど、2か国間ないし複数国間の交渉にシフトすることとなり、現在ほぼ全てのFTAは、完全自由貿易主義で始まったTPPを含め、それぞれの国の保護貿易政策に一定の配慮をした内容で交渉妥結に至っております。
 以上の環境変化などによりまして、現行の基本法につきましても、また旧基本法同様、制定後間もなくして形骸化したと言われておるところでございますが、実際には宣言法、恒久法として制定をされ、具体性のない目標や抽象的な方向性を示すものであり、基本法の位置づけ自体に限界があるという声も少なくありません。
 しかし、農業就業人口の減少や食料自給率の低下といった問題が目立っていることもありまして、基本法はもちろん、農政そのものの評価も芳しくありませんが、1980年代半ばまでに農業の土地生産性、労働生産性は大きく高まり、1970年代に農家世帯所得は一般世帯所得にキャッチアップし、その結果として、政策目標としては一定程度達成されていると言えます。
 また、食料自給率の向上は達成されておりませんが、1980年代半ばからの農業生産額の低下傾向の下げ止まりなどで、農業生産額としては維持をされており、農業者の減少傾向としては継続しておりますが、畜産などを中心に農業経営体の大規模化が進むなど、農業の産業化は一定程度進展しているという面もございます。何より、戦後復興期を乗り越えて以降、80年近くにわたって国内で食料危機的な状況は一度も訪れておらず、国民の食生活も基本的に豊かになっていることは評価ができると考えております。
 しかし、今後の世界と国内の食料、農業生産と需要のトレンドを考えますと、今までの政策や考え方では不十分であるということは明らかであり、今回の2月27日に閣議決定をされた法改正におきましては、ロシア・ウクライナ紛争に伴う食料等の国際価格の高騰、不安定化など、国際環境の変化を契機とした検討もされております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 農林水産課長のほうから御答弁いただきました。
 今や戦後80年を迎えようとしておりますけれども、戦後の日本の農政について、時代に沿って分析をしながら、評価の面も含めてお答えをいただきました。
 自国第一主義の台頭やコロナ禍、そしてロシアとウクライナの戦争等によりグローバル化は逆回転を始めたと言われています。現行の食料・農業・農村法の基になる新政策が発表された1992年から、国際情勢は確かに変換もしてまいりました。今地球上では、9人に1人が飢えて、食料の3分の1は廃棄をされる。グローバルな食料システムから温室効果ガス3分の1が排出をされ、農林水産業が生物多様性喪失の原因の七、八割を占めているのではないかと言われています。つまり、私たちが目指すのは、食料システムの全身治療ではなかろうかと、このようにも思うところです。
 食料の増産の面からも、農業の近代化を評価するのは当然でもあろうかと思いますけれども、しかし現在ではその弊害が数多く指摘もされてきております。農業近代化を第1に、化学農薬や肥料の使用により生態系に負荷も与えてもきましたし、化石燃料の使用により気候危機ももたらしてきました。人畜共通の感染症による被害も拡大をしているのが現状でありますし、経営規模の拡大や機械化、自動化等は、都市化と相まって農村や農家の人口も減少させてきましたし、そのことが地域コミュニティーの衰退も招いているのではないでしょうか。
 第3には、農場外への資材の投入の依存度も高くなりましたし、飼料やエネルギー、資材価格の高騰や為替レートへの変化にも脆弱であり、今の農業は多額の投資やローンを必要とする産業に変えてしまったのではないかとも言われております。私たちは、この事実を直視をしながら、ポスト近代化農政、農業の展望を図ることも大事ではないかと、このようにも考えます。
 次に、2点目の食料自給率の向上への補償施策の展望についてであります。
 4年余りにわたったコロナ禍がようやく峠を越えて、世の中はその面では落ち着きを取り戻しておるのが昨今であります。しかし、気がついてみますと、その間は地球村は破壊や劣化の恐ろしい勢いで進んでしまったという状況も一面言われます。終わりが見えないくらいな戦争や、政治、社会の分断が進み、凋落に歯止めがかからないアメリカ、ますます対決を強める米中関係や、内向きでたけだけしさを増す中国、そして日本を見ても政治の劣化が進み、国際競争力も落ちていく一方であります。
 我が国の食料自給率は37.8%と言われております。多くの食べ物を海外からの輸入に頼っています。しかし、世界的な作物の不作や不安定な政治情勢、そして国内の農業、農畜産業の衰退などによって、私たちの食べ物の将来が危うくなっているのも現状であります。農作物の肥料や畜産物の飼料、生産物の管理や運搬に必要な燃料代などが高騰してますし、そのことが生産者を直撃をしております。昨年、本当に地球沸騰と言われてもきましたし、温暖化による影響で大雨や夏場の異常高温などが頻発をして、生産者が今日まで培ってきた経験や技術が通用しなくなってきている現状、こういうことになりますと、廃業にもつながりかねない現状ではなかろうかと、このようにも思います。
 このように、地球を取り巻く環境が変化をしてきた、悪化をしてきたと。政治や社会の分断も進んでいる現状の中で、食料自給率が向上しない、低下したのはなぜか。こうした中で、食料自給率向上に向けての施策や展望について、これは市長にお尋ねをいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 我が国の食料自給率としましては、自給率の高い米の消費の減少、飼料や原料を海外に依存している畜産物や、油脂類の消費量の増加などから、カロリーベースの食料自給率につきましては現在は37%で、近年は横ばい傾向で推移しております。農林水産省では、2030年度までにはカロリーベースの食料自給率を45%に高めるという目標を掲げておりますが、63%を海外からの輸入に頼っているということでもあり、主要先進国の中でも最低の水準となっております。
 自給率が下がってきた理由としましては、やはり食の欧米化によるものが大きいと言われておりますが、様々な対策が取られてきた中で自給率が好転しない理由としましては、高齢化による農業生産者の減少、またそれに伴う耕作放棄地の増加といった、農業そのものの衰退が上げられます。そうした中で、農業の再生を図り、大切な食料生産を支えていくためには、人と農地の問題に、より一層力を入れて取り組んでいく必要があります。圃場整備を契機としまして、稼げる農業を目指していく取組についてもその一つでありますが、現在来年度の策定を目指し、取り組んでおります地域計画においても、それぞれの地域ごとに集落の農地と担い手の未来について話し合い、地域としての危機感を共有していくことも重要と考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 市長から食料自給率の向上策等について答弁もいただきました。
 日本の食料自給率がこのように低くなり、食料危機に耐えられるのか、日本の食料安全保障は大丈夫なのかという事態になった背景には、やはりアメリカの政策にあろうかと思います。我が国は、米国の占領や洗脳政策の下で、アメリカからの要請をガットやWTO、FTAなどを通じて受け入れ続けてきました。畳みかける農産物の関税の削減や撤廃、国内農業の保護、削減も大きな原因で、農業の弱体化をさせてきたと思いますし、市長答弁にもありましたように、食生活の改善の名目で改変をさせられてきたことが、自給率の低下を招いたとも言えます。日本が米国の利益にしっかりと応えるように、農産物の関税撤廃をいけにえにしながら米国に差し出してきた。その代わり、日本は自動車などの輸出で利益を得てきたのが今日までの日本の農政であり、経済であろうかと思います。
 先ほど農政の答弁で、古田農林水産課長は、戦後80年にわたって国内での食料は危機的な状況にはならなかったという答弁だったと思います。確かに、そのとおりかもしれませんけれども、世界の食料事情は、お金さえあれば幾らでも買える時代ではなくなったと思いますし、今日本が戦争に巻き込まれたりしたら、兵糧攻めで大変な状態になるわけですし、今必要なのは軍事力の倍増ではなく、食料の自給率を抜本的に引き上げる農政であり、農業予算、農村の転換ではないかと、私はしきりにそのことを痛感せざるを得ないわけであります。
 それでは、次の質問に移ります。
 JAの果たす役割と農政についてであります。
 1点目は、現在取り組まれているJA高知県の経営基盤強化対策を進める背景には、何よりも長年マイナス金利政策によりJAの経営の下支えをしてきた信用共済事業収益の減少もあるのではないでしょうか。本県も人口減少が進み、農業従事者や組合員も減少傾向にあります。最近の世界情勢の影響で、農業資材等の高騰が生産者のみならずJAにも大きな影響を与えるなど、経営環境の基盤の強化を図っていくものであろうと思われます。この経営強化対策と関連をし、本市の農業振興への道筋や活性化等についてお尋ねをいたします。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) JAとは、相互扶助の精神の下に、農家の営農と生活を守り、高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合であり、この目的のためにJAは営農や生活の指導をするほか、生産資材、生活資材の共同購入や、農畜産物の共同販売、貯金の受入れ、農業生産資金や生活資金の貸付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、共済事業などを行っており、地域の拠点としての役割を担っている重要な組織であると考えております。そして、本市の農業振興を考える上でも、県、市、JAなど、関係機関の連携としては不可欠と考えておりまして、市の農業振興に係る対策等につきましては、この関係機関で組織した営農改善会で検討しており、現在も圃場整備に関連した事象などについても、この組織の取組として進めているものでございます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) お答えをいただきましたが、2点目の質問になります。
 JAは、自己改革の基本目標に、農業者の所得の増大、農業生産の拡大、地域の活性化を従来どおり基本に位置づけていると思います。そして、環境制御技術等を活用した増収対策や、新品目、新技術の研究、さらには生産や物流コストの削減対策などの取組を継続をしていくために、収支バランス以上の経営維持と、将来を見据えた事業展開が求められていると思います。自己改革には、当然JAの再建が入ってくるわけですけれども、不祥事からの脱却も当然あろうと思われます。しかし、この取組は、地域農業や地域住民に様々な形での影響も与えると考えられます。こうした点についてどのように認識をし、また捉えられているのか、お尋ねをいたします。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) JA高知県では、合併当初から掲げている農業者の所得増大等の自己改革目標の実現に、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化を基本目標に掲げて取り組んできております。そして、令和3年度から5年度までの3か年の計画では、この状況を打開するための経営基盤強化対策に取り組むこととしております。この計画では、経営基盤強化対策として、役員数の削減、出向く体制の強化、業務システム化と間接コストの削減、支所等の再編による機能強化と効率化、要員数の見直し、新人事制度の導入に取り組むほか、農業基盤の確立として、販売力強化、反収品質の向上、集出荷場再編と運営費用の適正化などに取り組むこととしております。
 最終的な目的としましては、3つの自己改革目標の実現でありますが、これを達成するために、JA収支の均衡を図りつつ、安定したサービスの提供を継続し、総合事業の強みを生かしながら改革を着実に実践していくことで、地域にとってなくてはならない組織であり続けることを目指しているとのことでございます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 御答弁ありがとうございました。
 次に、JAの統廃合と地域へ及ぼす影響についてでもありますけれども、JAは将来を見据えた事業、組織、経営の改革を必要としています。その上で取り組まれるのが、今行われている自己改革でもあろうと思います。JAは新たな改革を進めることで、今後の農業人口の減少等を踏まえ、事業所の人員体制の見直しなども視野に入れて断行しようとしております。地域の皆さんにとって危惧をされてきたのは、やはりJAの支所や購買部、ガソリンスタンドなどの統廃合の影響であります。こうした改革は、地域の農家にとっても、地域住民にとっても、暮らしと経営に大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。ある中堅農家は、統合によって支所が遠くなると大変不便になると話してもおりますし、課題があれば当然自ら改革を行っていくことは必要でありますけれども、現状肥料や燃油等の値上がりが農家の大きな負担になっている下で、また農家の高齢化も進んでいる現状で、JAの支所統廃合などの改革の影響によって、地域の農業が衰退することになってはなりません。
 市は、JAのこうした自己改革が地域の農家や地域の住民にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。お伺いをいたします。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(古田修章) 今回のJA高知県の支所等の統廃合につきましては、自己改革を実践するために、経営基盤の確立、強化に向けた取組ということで行われるものでございますが、今回は出荷場につきましては特に統合はしないということでございますし、購買店舗につきましても、平成31年のJA高知県への合併後に既に統合していたということで、その部分での影響としては大きくないのではないかと考えております。
 しかし、今西議員が言われましたように、支所の統合については、預貯金や共済などの金融共済事業に対する不安の声が多いようでございます。また、出張として残す支所もあり、ATMについても基本的には現状のまま残していくということでもありますので、実際のサービス的には大きく下がることはないということでございますが、いずれにいたしましても、地域に根差した総合事業体としてのサービスの低下とならないよう取り組んでいただきたいと思います。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 農林水産課長のほうから御答弁をいただきましたけれども、農業の4点目、最後になりますけれども、JA高知県の自己改革による持続可能な経営基盤の確立は、組合員や地域の皆さんが安心をして農業に打ち込める環境づくりにつなげていける経営判断の下に立っているかと思います。
 しかし一方で、先ほども述べましたように、地域から職員も少なくなり、機能が十分に発揮をされていない、JAが遠くなった、関わりが薄くなったと感じるなどの切実な声が上がっていることも事実であります。組合員の皆さんには、利便性の低下や経済的な負担の増加など、地域での暮らしに様々な影響が現実のものとなってくるわけであります。今後の家族農業をどう支え、地域農業の振興をどう図っていこうとされるのか、またJAとの連携が果たす役割等について市長のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほど課長が申し上げましたとおり、JAの統廃合につきましては、JA高知県が県下的に経営基盤強化の一環として取り組んでいるものでございますので、市として他の組織の改編に対しましてまでは言及できないところではございますが、ほかの金融機関におきましても早くから統廃合をしている中で、厳しい状況の中でここまで頑張ってくれたことは大変ありがたいと考えております。
 また、本市の農業振興を考えていく上では、地域と密着したJAとの連携は非常に重要であり、圃場整備事業が進んでいく中でも、今後の営農という部分、稼げる農業を目指すという目標の中では大きな役割を担っていただいて、JAとしてもより一層の成長につなげていただきたいと思っております。以上です。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 市長から答弁をいただきました。
 JA高知県の自己改革による持続可能な経営基盤の確立についてお答えもいただいたわけですけれども、JAという他の組織の改編なので、あまり言及はできないというのが今市長のお答えだったようにも思いますし、また一面、一定評価をしている面もあったと思います。私は、しかし少し楽観し過ぎるのではないかというふうにも感じるわけです。JA高知県の組織再編計画に基づく合理化とはいえ、JAグループは地域の文化や県民、市民の生活や暮らしを支えてきた当然大きなインフラの一つであります。
 昨年2月10日には、県の町村議会の議長会は、再建計画は唐突感が否めないということで、地域住民は切り捨てられるのではないかという強い不安の下に、自治体への説明を求める要望書をJA高知県、JA高知中央会へ提出をしてきた経過もあっております。将来を見据えた形での再編案は、全県の現行の58支所から36支所になる計画でもある、22支所を減すという計画で進んできております。土長地区でも、南国市は8支所が2支所に、あるいは嶺北では4支所が2支所になる計画で現在進んでるわけですけれども、Aコープや購買店舗が、あるいはガソリンスタンドも統廃合で、なくなるところが出てきています。今、私の住むエリアにあるJA久礼田支所も、先月2月29日をもって閉鎖をされました。お隣にある、かつてAコープであり、そしてヤマザキもその後を担ってきてくれたわけでして、今は現在全日食チェーン久礼田店があるわけですけれども、やっぱり相乗効果から地域のことから見てましたら、影響もこれから大変危惧をされる現状ではないかと、このように感じるわけです。
 JA高知県が進めている自己改革は、中山間地域の振興にも大きく影響をしてきますし、JAは中山間地域での公的な役割も大変果たしております。この地域の暮らしを支える手だてを行政としても連携をし、強めていく、そうしたことを求めていくべきだとも考えますが、市長としていま一度もう少しお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) もちろん、地域に根差した農協ということで今までずっと経営をしてこられたわけでございまして、地域の生活をしっかり支えてきたという側面はあろうと思います。そういった面では、今までのようなサービスは続けていただきたいと願うところではございます。
 ただ、JAの経営ということを考えたときに、その基盤強化ということで改編を判断されたということでございます。それはそれで一定進めていく必要もあろうかと思うんですが、今後の農業の営農という面では、やはり引き続き今までどおり連携をしていかねばならないところでもございまして、農業者がこれから稼げる農業に向けて自立していくということについては、JAとしっかり連携しながら施策を進めていく必要があります。その上で、二人三脚で連携協力しながらやっていきたいと思っております。以上です。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 再質問に市長に答えていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、次は2項めの学校における働き方改革についてであります。
 教員の長時間労働の解消とワーク・ライフ・バランスの実現を目指すにはどうすべきかということであります。
 1点目は、今学校や子供たちを取り巻く環境は大変厳しい現状にあります。不登校やいじめの問題、児童虐待等の現実は大変厳しいものがあるわけですけれども、こうしたものを市教育委員会としてはどのように捉えているのか、そしてどう向き合っているのか、まず教育長にお尋ねをいたします。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 学校現場におきましては、子供を取り巻く環境の変化もありまして、数々の課題が現在巻き起こっております。それぞれの課題に対して、未然防止や、子供に寄り添い課題解決をしていくためには、十分な時間と組織的な対応が必要であります。しかしながら、教職の職務はどこまでが職務でどこからが職務でないということを切り分けて考えることが難しい職務の特殊性もありますし、現在加配教職員の減少、年度途中の休職、退職、または志願者の減少により教員不足が顕著になっていることもありまして、私ども教育に携わる者としても大変強い危機感を持っておるところでございます。国では、中央教育審議会で議論の真っ最中ですが、学校の働き方改革を特効薬のない総力戦と表現し、とにかく考えられる全てのことをやってみて、一歩一歩進めていくと言われております。
 南国市教育委員会といたしましても、これまでいろいろな取組を実施してまいりました。これまでの取組については、これまでの議会でも紹介させていただきましたが、新たな取組といたしましては、試行に2年をかけ、始業式のスタートを4月10日からにするなど、ゆとりを持って学期をスタートできる緩やかな学期のスタート事業を実施いたします。また、マンパワー不足を解消するために、特別支援教育支援員や校務支援員を増員し、児童生徒の学習環境や教職員の労働環境の改善を図ってまいります。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 教育長のほうから答弁をいただきました。働き方改革にも連動する形での学校の課題についての答弁だったと思います。
 次に、2点目の質問に移ります。
 文科省は、令和5年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況の調査結果を公表してまいりました。今年度は、3分類に関わる取組状況と、昨年8月には中教審特別部会から出された緊急提言を踏まえた対応状況が調査もされてきました。3分類に係る取組の中で、学校や教員が担ってきた14の業務を仕分をして、優先順位をつけながら減らしていくということであります。
 まず、1分類目の基本的には学校以外が担うべき業務についての市教委の調査状況や、その実施率等についてお答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市では、基本的には学校以外が担うべき業務の4項目のうち、2項目は学校以外の方にお願いすることができております。また、学校徴収金の徴収管理につきましては、基本的に教員から学校事務のほうの対応となっております。放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導されたときの対応につきましては、子供の命に関わり、緊急対応が必要なことがあることから、各機関に任せる部分と学校が協力する部分を各学校で検討し、取り組んでいる状態でございます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 次に、3点目は、学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務についてお答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務の部活動につきましては、指導できる教員がいない場合は部活動指導員を配置しておりますが、児童生徒の休み時間における対応や校内清掃等など、この時間に教師が児童生徒に寄り添った対応をしていることもあり、全てを地域ボランティアや民間委託などにということは難しいですが、支援員を配置するなど、教員の負担を軽減する取組を促進しております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) ありがとうございます。
 次に、4点目の教師の業務だが、負担軽減が可能な業務についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) テストの採点や、放課後の加力学習など、学校に勤務する教員でなくてもできることにつきましては、地域の方々のお力をお借りしております。また、来年度は支援員の増員を予定しておりますので、教員の負担軽減がより図られるものと考えております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) それでは、3分類に当たる部分のお答えもいただきましたけれども、これに基づく14の取組の実効性を確保するための、各それぞれ主体があって、県教委、国も一定対応事例も踏まえているわけですけれども、市の教育委員会が特に優先的に取り組んだり、あるいはこの課題や項目についてはどうなのか、その点についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 学校現場では、児童生徒数の減少により配置される教職員の減や、年度途中での教員の休職、休業などにより、教員の人手不足や業務が多忙となり、時間的ゆとりが少なく、子供たちに向き合う、寄り添う時間や、業務への準備期間を十分に確保できていない問題が出てきております。そのため、14項目一つ一つの取組はもちろんのことでございますが、全体的な改善を図るため支援員を増員し、児童生徒の心理的負担の緩和及び教職員の働き方改革の推進など、教育的効果の向上を目的とした取組を推進してまいります。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) ありがとうございました。
 次に、学校から働き方改革を進めていくの第一歩として、南国市が取り組んできた各学期始めの1週間程度の半日授業に取り組んでもきました。また、日章小学校における働き方改革、校内研修等についての取組の状況と、その成果等についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 研究指定校として一部の学校で取り組んでおりました緩やかな学期スタート事業は、令和6年度より2年間を試行期間として、南国市立全小中学校で実施いたします。内容といたしましては、入学式及び1学期の始業式は4月7日を基準に行われておりましたが、4月10日に行い、新学年が始まるまでの準備期間を3日長く確保いたします。また、1学期から3学期全てにおいて、開始から1週間程度は半日授業とし、学期の始まりが児童生徒の負担にならないよう、また教員は余裕を持って児童生徒と関わることができるようにいたします。日章小学校の働き方改革校内研修について、高知県教育委員会事務局教職員・福利課が発行しております働き方改革通信で紹介されておりましたが、これは学校長の経営方針の下、総括主任として配置されております事務職員が企画したもので、一人一人の意識が高まるとともに、学校の実情に応じた業務改善の取組に対する実効性が向上したという成果も得られております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 今、お答えをいただきました。
 緩やかな学期のスタートの研究校として、指定授業で南国市全校で実施をしてきたという答弁でしたけれども、様々な効果も生まれているようであります。また、日章小学校での取組は、放課後の30分を生み出すための取組であったろうと思いますし、変わって見つけてつなぐという、この3つの視点を取り入れながら、そのことが働き方改革に関するアイデアを出し合うという校内研修があったと思います。各学校で働き方改革に関する校内研修を実施していくことで、一人一人の意識が高まってくると思いますし、学校の実情に応じた業務改善にも取り組んでいきながら実効性が生まれてきたんだと思います。学校経営への参画という点からも、事務職員が主体的に校内研修を参加をしたり企画して、働き方改革を推進していくというのは大変有効な手段の一つだったと思いますし、成果も生まれたという答弁でしたので、さらによろしくお願いをしたいと思います。
 次に、7点目なんですけれども、南国市では令和3年頃からの取組であったかと思いますが、教員と事務職員の役割を明確にして分担することで、業務の効率化を進めていくと。学校徴収金のシステムの導入を図ってきたと思いますが、この成果や進捗の現状をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 導入の経過につきましては、児童生徒から学校で必要な教材等の集金は、保護者が集金袋に現金を入れ、児童生徒が学校へ持参し、担任などに手渡す方法をとっておりました。しかし、登校途中における紛失や、保護者へ集金袋が行き届かないなど課題が多くあったことや、会計業務を教員が担っており、預かった現金を確認し、金融機関に預けるといった業務は、教員にとって大きな負担となっておりました。これらの問題を解決するために集金方法を口座振替へ変更し、会計業務全般について学校事務職員が一元的に担っていくこととし、保護者負担会計システムを導入することで、学校の事務負担の軽減を図ることといたしました。
 現状といたしましては、希望が丘分校を除く市内全校におきまして、教材等の学校預り金について口座振替を実施し、教材の選定などの一部の業務を除いて全て学校事務職員が一元的に担当しており、教員の負担軽減が図られるとともに、円滑な業務が実施できていると考えております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 御答弁ありがとうございました。
 この件に関して、市内の小中学校の全教員を対象にアンケートも実施をされたと思います。口座振替等によって教員の業務負担が非常に軽減になってきたということで、軽減になったという割合は、はいと、どちらからといえばはいという、改善ができたというアンケートの結果が82.4%ということで、教員のこの件に関しては非常に負担が軽減されたということにつながっているのではないでしょうか。
 次に、令和4年度に教員の勤務実態調査が行われ、昨年の4月28日速報値が公表されております。これは抽出でされたわけですので、全国小中各1,200校と伺っておりますが、この件についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市の現状といたしましては、高知県教育委員会事務局、教職員・福利課が基準としております教員の時間外在校時間の平均が45時間以上の学校は、17校中11校でございました。南国市といたしましては、緩やかな学期スタート事業の実施や、支援員のさらなる増員などによりまして、学校の働き方改革のための取組を推進していきたいと考えております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) ありがとうございました。
 次に、9点目になるわけですけれども、教員離れ、教員不足についてであります。
 何々県では教員が何人不足といったニュースが流れることが増えてきました。教員離れ、教員不足は近年ますます深刻な状況になってますし、冒頭の教育長の答弁の中にもそのことに触れられていました。文科省は、2021年4月1日と5月1日に教員不足の状況調査をし、22年1月に結果を公表しました、全国の小中学校の教員不足の人数は、4月1日の時点で合計2,086人、5月1日の時点では1,701人でありました。不足人数は、義務標準法等に基づいて算定をされる教員定数ではなく、各都道府県、指定都市等の教育委員会において、学校に配置をすることとしている教員の数が基になっているのではないでしょうか。しかし、主幹教諭は、初任者研修の後の補充、体育代替として配置される非常勤の講師等の不足の人数は含まれていないなど、教員不足の実態を正確に表しているとは言えないのではないでしょうか。実際、学校現場では、文科省調査で明らかになった実態よりもさらに厳しいのが現状ではないでしょうか。
 また、講師の名簿等の登載についてはですね、年度当初はある程度あるものの、すぐに枯渇というか、対応できなくなってくる状況で、なかなか代員として欠員のカバーができないという現状で、産前休暇に入る教員の代員を半年かけてもなかなか見つけることができない。欠員になることが珍しくない状態が今の学校現場ではないかと思いますけれども、教員離れ、教員不足の解消には問題の根本的な解決策がやっぱり必要と言えるんではないでしょうか。現状と改善策も含めてどのようにお考えでしょうか。教育長にお尋ねをします。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 教員離れ、教員不足の根本はということでございますが、昨今のSNSを含めまして、教職員の業務実態について様々な情報があふれております。その中にはマイナス情報も多々あり、教職の魅力を阻害する要因にもなっているのではないかというふうに考えております。また一方では、社会の構造的な変化によります摩擦やあつれきの解消を、過大に学校に求めてきたという要因もあるのではないでしょうか。本来、それは家庭でありますとか、地域がとか、社会でとかが担ってきたことが、学校で対応しなければならなくなっていることがありまして、量的にも質的にも教師に求められるものが増大しているという複合的な要素が、教員離れや教員不足につながっているのではないかというふうに思います。
 これは、現在国のほうでは50年に一度の大改革ということで、大きな制度改革に挑んでおります。今あるうみを出し切りまして、この機会に社会全体で役割分担を進めていくことによりまして、この危機を乗り越えていかねばならないというふうに思っております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 教育長から御答弁いただきましてありがとうございました。
 教員不足の関係ですけれども、かつては教員は小学校卒業時等では、子供たちの将来の夢としてよく上がっていた職業でもあったし、そもそも子供たちにとって身近な職業でもあろうと思います。かつて、教員を主人公としたテレビドラマもいろいろあって、主人公に憧れたこともあったと思います。「飛び出せ!青春」「われら青春!」「熱中時代」、あるいは「3年B組金八先生」「うちの子にかぎって」など、皆さんも見られたことも多いんだろうと思いますけれども、こうした中で、学校でいろいろ起こるトラブルや、教員と子供たちがその中で一緒に学んだり、葛藤したり、困難に打ちかつという、そういう喜び、あるいは分かち合って、学校の現場の楽しさや教員という職業のすばらしさも描かれてきた時代でもあったと思うんですけれども、今はだんだんドラマで描かれる学校現場が変わっていき、教員はなかなか憧れの職業、職場でないというような感じにもなってまいりました。学校で起こるトラブルは過激になってもいますし、保護者は極端なことを学校に要求するケースも目立ってもいます。教職員や管理職の不祥事も多く起こる現状、これでは教員になりたいと思う子供が減るのは当然ではないか、仕方がないというふうにも思います。
 教員離れ、教員不足を生み出している問題は何かといえば、それはやはり今言われてます教員の長時間労働や多忙化でもありますし、それらを生み出している学習指導要領や学力テスト、あるいはGIGAスクール構想など、文科省の教育施策、教職員の定数を定めた義務標準法、給特法も、4%のくくりの中で現在も動いているということも大きな要因でもあろうかと思います。これらの問題の答えとして、教員離れ、教員不足が起こり、さらにその答えとして、長時間労働や多忙化がより深刻化をするという悪循環に陥っているのではないでしょうか。文科省や教育委員会が、自分たちの施策がこのような状態を招いてきたこともしっかり認識をして、この悪循環を断ち切らなければ、現行の学校現場というか、教育制度が崩壊してしまうのではないかという危惧さえ私は感じるわけですけれども、またこのあたりもしっかり対応していただきたいと思います。
 次に、小学校高学年での教科担任制が令和4年度から本格的に始まりました。教科担任制は、外国語や算数、理科、体育などで専任性を持つ教員などが授業を行うものであります。文部科学省の中央教育審議会が、担任の持ち時間数を減少して、授業の準備の効率化を図るとして、2022年度を目途に本格的な導入が必要との答申を出して、検討会議がスタートして今日になってます。こうした中で、教科担任制の導入の目的や現状、そして南国市の進捗状況についてお答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 教科担任制につきましては、複数の目で子供たちの学力向上への取組を進めたり、トラブルを防ぎ、よりよい人間関係を形成するということを第一の導入目的と考えております。あわせて、学力向上にもつながるものですが、小学校教員の教材研究、授業準備を少なくし、教員の業務負担軽減を図り、児童と触れ合う時間を増やすことも目的であると考えております。南国市立小学校において加配を配置していただいての取組を行っている場合と、校内操作で、特に複数学級がある学校で取り組んでいるものがあります。まず、加配としましては、小学校算数専科、小学校英語専科、小学校理科専科、小学校体育専科と、本年度は4名の教員が配置されております。さらに、級外の者が音楽を授業として持ったり、低学年の授業時数の少ない学年の教員が、高学年のある教科を持ったりしております。そして、複数学級がある学校では、2クラス分の授業を決めて、互いに授業を行う方法を取っている学校もございます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) ありがとうございました。教科担任制の現状や目的、進捗状況についてお答えをいただきました。
 県下でも、2021年から37校の指定校で教科担任制をスタートさせているようです。まだ緒に就いたばかりですので、手探りの状態にはあるようですけれども、大規模校だけではなく、小規模校への加配の配置も進めていくべきだと思いますし、教員の加配の確保についてはどのように展望されてますか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市としまして、引き続き教科担任制の目的意義を押さえ、県教委への加配の確保に向けた申請を行ってまいります。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) お答えをいただきました。
 教科担任制は、あくまで手段でもあろうと。全ての目的ではないかとは思いますけれども、義務教育の9年間を見通した専門的な教授が確立をされていくことと、小学校から中学校になる中1ギャップの解消にも効果があるがではないかと思いますし、これによって教員の働き方改革へもつながっていこうかと思いますし、1つの校区というか、域内の他の小学校や中学校との連携もこれから重要になってこようと考えますので、さらなる環境整備に御尽力をお願いをしたいと思います。
 次に、学校現場では教員不足で悲鳴も上げているわけですけれども、代替として配置をされる非常勤講師等の不足、さらには年度当初、講師名簿に登録もままならない現状にあると言われておりますが、臨時教員の確保等について市教委の実情なり、県教委への要望等の現状はいかがなものでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 臨時的任用職員でございますけれども、休職、休業等が出た場合には必要になってきておりますが、年々確保のほうが難しくなってきている現状を感じております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 子供たちの授業や教育環境を充実させていくためにも、現状をしっかりと精査もし、捉えていって、要求として県教委へしっかりとつなげていただきたいと思います。
 次に、任期つき教員についてであります。
 教員確保のため、3年間の任期つきで教員採用を行う制度であります。これは、この皆さんは臨時的に現場に着く要件が限られており、育休の代替などに限定をされております。なかなか育休も取りづらい現状にあると伺っておりますけれども、教員の処遇を含めて市教委の対応はいかがなものでしょうか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 議員の御紹介がありましたように、育児休業を取得された方への代替えとして配置する教員でございますので、育児休業等を取得された場合には、県教委のほうへ配置をお願いしております。以上です。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) お答えをいただきましたけれども、3年間の任期を確保していても、任期途中で退職というか、そういうことで身分や生活が十分ではありませんので、臨時教員への転職の道もあろうかと思いますけれど、またそのことによって、給料、賃金も低くなるという現状もあるわけですので、本来なら保障すべき3年間は、給与も職場も確保するという状況をつくるように、できるだけ御尽力をいただけたらと、このように思います。
 次に、教職員の定数を定めた義務標準法の改正や、給特法の廃止についての教育長の見解をお伺いをしたいと思います。
 広告大手電通の新入社員だった高橋まつりさんが、2015年12月に自死をし、その後労災認定になったわけですけれども、働き方関連の改革法が審議をされる中で、教員の働き方が異常であるということが知れてもきましたし、過労死ラインを超えて働く教員が半数以上もいるということや、給特法、いわゆる公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法、これによって残業を何時間しても時間外が支給されないということ、そのことによって休憩時間も十分に取ることができず、働き続けていることが明らかになりました。義務教育、定数を定めた義務標準法の改正や、給特法の見直し、廃止については、教育予算の大幅な増額が必要となり、文科省というよりも財務省の動きが変わらなければ、なかなかたやすい問題でないことも事実でありますけれども、大変大きな問題だとも考えますが、教育長のお考え、見解をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 教職員定数につきましては、本来教員1人が1日4時間、授業時数でいいますと4こまの授業を持つことを配置基準として作られたものですが、実態としてはそうはなっていなくて、本来、週でいいますと20時間20こまの授業を持てばいいというのが、実際は小学校では30こま30時間を持つことも決して珍しくない状況にあるわけです。現在、国では、中央教育審議会の特別部会で議論が行われておりますが、教員定数の本元である義務標準法を変えなければ教職員の多忙化解消はないという思いで、これまで国にも要望してまいりました。また、給特法につきましても議論がなされておりますが、時間外手当を支給するのか、現行の4%の教職調整額の見直しをするのか、また新たな手当を創設するのかが議論の柱になっております。
 いずれにいたしましても、義務標準法と給特法はセットでの改革が必須でございますので、人確法の趣旨が本当に生かせるよう、国の議論を注視してまいりたいというふうに思っております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 根幹に触れて、少し教育長のほうからもお答えがあったわけですけれども、教職員の定数を定めた義務標準法の改正や、給特法の廃止というのは非常に大きな課題で、特に先ほども働き方の時間のこともお話がありましたけれども、これを取っ払って、教員全て超勤、いわゆる時間外手当を支給するような形になれば、9,000億円や1兆円というような金額が試算もされる状況ですので、国なり財務省も含めてそういう理解がなかったら、なかなかこの分も改善が難しいと思いますし、給特法の関係については、自民党にしても文科省にしても検討委員会を設置をされて、協議も始まっているわけですけれども、俗に言う4%の部分の話、例えばそれを倍にするとかという話になっているわけですけれども、廃止がもちろんいいわけですけれども、上げないよりはましですけれども、これで教員離れや教員不足の解消にはつながらないだろうと思いますので、そのことも先ほど教育長答弁にもありましたけれども、さらに精査をしながら現況を国に上げていく、そうしたシステムの構築でもお考えをしていただきたいと思います。
 次に、教員のメンタルヘルスについての質問に移ります。
 少子化に伴う人口減少、そして高齢化に伴う社会保障や医療・介護問題など、現在の日本は様々な問題を抱えています。このような社会変化の中で、様々な予測ができない問題に対処しながら、日本の未来を担っていく子供たちを育てる教育は大きな役割を持っております。しかし、子供たちの自立性を養い、社会形成に参加をする資質や能力を育成する教育の場である学校が抱える課題は複雑化もしております。教員の働き方改革の中でも、これから取組が非常に重要になってくるのは、教員のメンタルヘルスへの対策であります。文科省の調査によっても増えているのが現状でありますが、南国市での今の現状といいますか、そういう精神疾患等で休職をする教員が増えてる要因なり背景というのはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 要因は様々考えられると思っております。例えば、学級経営の難しさ、教材研究、授業準備の大変さ、パソコンに向かう事務事業の多さ、保護者対応の難しさなど、業務に関わる要因とともに、県外出身者だけではありませんが、若年教員の生活基盤の不安定さであったり、若手だけでなく、私生活の変化による生活様式の揺らぎがあったりなど様々な要因があると思われます。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) お答えをいただきました。
 なかなかメンタルヘルスの問題については、長期にわたって学校現場から離れてしまうことは、教員や学校現場の教育の資質上の観点からも、大変影響が大きいと考えられますので、休職に至っては、学校や同僚の教職員にどのような影響や負担を生じるかという点についても把握する必要もしっかりあろうかと思います。
 文科省の調査によりますと、20代、若手の教職員の精神疾患に伴う休職が増加をしているということも、調査の中で増えています。20代、30代という若手教員は、これからの教職や教員のキャリアを積む段階で、学校教育を担う大事な人材でもありますし、20代、30代の若手教員のメンタルヘルスに伴う休職が増えている背景が全国的にございますけれども、これをそういうふうに至らない事前の対策といいますか、若手教員に対する支援対策というのはどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 20代から30代の若手だから、それ以上のベテランだからといってではなく、教員一人一人の業務に当たる中での状況や、しんどさの状況は様々でございますので、それをいかに把握し、教職員集団でカバーし合えるか、またカバーし合える教職員集団をどのようにつくっていくか、管理職の力量がますます問われてきております。南国市教育委員会といたしましては、昨年度から南国市の初任者研修を年に2回行うとともに、彼らが困っているときに、同じ立場の初任者同士で悩みを話すことができる集団を作り、強化していっております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) それぞれ御答弁をいただきました。
 最後になろうかと思いますけれども、メンタルヘルスの問題によって休職者が増加をしているという背景を踏まえ、対策強化に向けて、文科省は病気休職についての原因の分析をしたり、対策を考えて、いろんな角度で、あるいは県教委、市教委も含めて調査活動も行っておるのが現状であります。発症前の予防と発症後のケアの両方に取り組むことが重要だろうと思います。この対応には、南国市の現状に即した、現状に合った予防と、教員のメンタルケアの双方から進めていくことが重要であろうかと思います。そのケア支援と対策についてお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 南国市といたしましては、発症前にできるだけ早期に、気になる教員を管理職などの情報によりまして産業医につなげるようにいたしております。また、発症後は、特に長期の病気休暇、休職の診断が下りた際には、定期的に学校長から本人へコンタクトを取っていただき、現状把握をしていただくとともに、復帰プログラムへも必要に応じて提案をいたしております。精神的に重荷にならないよう、十分配慮して対応していただくようにしております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございます。
 県教委の事務局内でも、働き方改革プロジェクトチームにおきましても、教職員のメンタルヘルス対策を主な協議課題と位置づけて取り組んでいただかなくてはこれからはならないと思います。特に、メンタルにつきましては様々な背景がそれぞれあって、原因は本当にいろいろあると思いますけれども、ただ教育現場は非常に大事な機関でありまして、子供たちをしっかりと育てていく、豊かに育んでいくという大事なところでありますので、そこの現場の最前線で働いている教職員の方々の労働環境の整備、ここはしっかりとやっていただきたいと思いますし、十分な議論を尽くして実効性のある対策をお願いをしたいと思います。
 以上で私の一問一答による一般質問を終わります。ありがとうございました。お疲れさまです。
          ―――――――――――*―――――――――――
○議長(岩松永治) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 明7日の議事日程は、一般質問であります、開議時刻は午前10時、本日はこれにて延会いたします。
 お疲れさまでした。
      午後3時20分 延会