議会議事録
議員提案 令和6年度 » 令和7年 第439回市議会定例会(開催日:2025/02/28) »
議員提出意見書等
議発第1号から議発第4号まで
○議長(岩松永治) ただいま議発第1号から議発第4号まで、以上4件の意見書が提出されましたので、お手元へ配付いたしました。
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議発第1号
性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書
上記の意見書を別紙のとおり会議規則第14条の規定により提出する。
令和7年3月17日提出
提出者 南国市議会議員 松下直樹
賛成者 〃 神崎隆代
〃 〃 岡崎純男
〃 〃 前田学浩
〃 〃 有沢芳郎
賛成者 南国市議会議員 斉藤 喜美子
〃 〃 植田 豊
〃 〃 丁野美香
〃 〃 西本良平
〃 〃 溝渕正晃
〃 〃 福田 佐和子
〃 〃 土居恒夫
〃 〃 斉藤正和
〃 〃 西内俊二
〃 〃 山中良成
〃 〃 西山明彦
〃 〃 松本 信之助
〃 〃 今西忠良
〃 〃 山本康博
〃 〃 杉本 理
南国市議会議長 岩 松 永 治 様
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議発第1号
性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書
性犯罪をした者に対して、矯正施設等において再犯防止プログラム等が実施されているが、出所後も地域社会において継続することが重要である。
令和5年3月、法務省は自治体向けに「性犯罪の再犯防止に向けた地域ガイドライン~再犯防止プログラムの活用~」を策定し、このガイドラインを踏まえて、性犯罪の再犯防止に都道府県等が主体となって取り組むことが期待されている。
性犯罪をした者の出所後の住所等については、法務省から情報提供を受け都道府県等が把握する仕組みはなく、実際に当事者に対して直接再犯防止の取組を行うことは困難であるため、一部の都道府県では、子どもに対して性犯罪をした者に、矯正施設等を出所する際に住所等の届出を求める条例を制定し、届け出られた情報を基に、カウンセリングなどの再犯防止・社会復帰支援を行っている。
こうした条例に基づく届出の仕組みがなくとも各自治体が再犯防止の取組を効果的に進めるためには、国、自治体、関係機関等の連携や性犯罪をした者に係る情報の共有が極めて重要であり、国からのより一層の支援が不可欠である。
よって政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
記
1.性犯罪をした者に対し、矯正施設等を出所した後も自治体による再犯防止プログラム等を受ける意義について啓発を図ること。
2.再犯防止プログラム等への参加につなげるため、性犯罪をした者が矯正施設等を出所する際に、当事者の住所等を任意で国に届け出る仕組みをつくり、届け出られた情報を自治体に提供すること。
3.自治体では、性犯罪の再犯防止に必要な知識や技術を十分に有していないことから、再犯防止に係る人材の育成について支援すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月17日
南 国 市 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
法務大臣 鈴木馨祐 様
厚生労働大臣 福岡資麿 様
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議発第2号
学校の業務量に見合った教職員配置、新たな職の創設に対して慎重審議を求める意見書
上記の意見書を別紙のとおり会議規則第14条の規定により提出する。
令和7年3月17日提出
提出者 南国市議会議員 溝渕正晃
賛成者 〃 岡崎純男
〃 〃 前田学浩
賛成者 南国市議会議員 有沢芳郎
〃 〃 斉藤 喜美子
〃 〃 植田 豊
〃 〃 丁野美香
〃 〃 西本良平
〃 〃 神崎隆代
〃 〃 松下直樹
〃 〃 土居恒夫
〃 〃 斉藤正和
〃 〃 西内俊二
〃 〃 山中良成
〃 〃 西山明彦
〃 〃 松本 信之助
〃 〃 今西忠良
〃 〃 山本康博
〃 〃 福田 佐和子
〃 〃 杉本 理
南国市議会議長 岩 松 永 治 様
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議発第2号
学校の業務量に見合った教職員配置、新たな職の創設に対して慎重審議を求める意見書
教職員の長時間過密労働と学校への教員未配置の問題が、高知県の学校教育にも深刻な影響をもたらしています。
様々な教育課題が増える中、教員がゆとりを持って教育活動に専念するため、必要な教員を正規教員で確保することと同時に、教員の長時間過密労働を解消するための定数の在り方の見直しが必要です。
教員1人当たりの授業の持ちコマ数を減少させ、授業準備をはじめ必要な業務を勤務時間内で収められる定数法(義務標準法、高校標準法)の改正と、適正な勤務時間管理と長時間労働に抑制をかける残業代を支給可能とする給特法の改正が必要です。また、「新たな職」の創設には、教育活動への影響も踏まえ慎重な審議が必要です。
全国どこでも同様な教育が受けられるよう、教育の機会均等を保障するため、国が責任を持って条件整備を進めていくことが求められます。
よって、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請します。
記
1.国の責任で、学校の業務量に見合った教職員配置を進めるため、定数法(義務標準法、高校標準法)の改正を行うこと。
2.「新たな職」の創設には、教育活動への影響を考慮した慎重な審議を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月17日
南 国 市 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
文部科学大臣 あべ俊子 様
財務大臣 加藤勝信 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
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議発第3号
ガソリン税の廃止またはガソリン税暫定税率の即時撤廃を求める意見書
上記の意見書を別紙のとおり会議規則第14条の規定により提出する。
令和7年3月17日提出
提出者 南国市議会議員 斉藤 喜美子
賛成者 〃 前田学浩
〃 〃 有沢芳郎
〃 〃 植田 豊
賛成者 南国市議会議員 丁野美香
〃 〃 西本良平
〃 〃 岡崎純男
〃 〃 溝渕正晃
〃 〃 斉藤正和
〃 〃 山本康博
〃 〃 西内俊二
〃 〃 土居恒夫
〃 〃 山中良成
〃 〃 西山明彦
〃 〃 松本 信之助
〃 〃 今西忠良
〃 〃 福田 佐和子
〃 〃 杉本 理
南国市議会議長 岩 松 永 治 様
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議発第3号
ガソリン税の廃止またはガソリン税暫定税率の即時撤廃を求める意見書
現在、日本全国においてガソリン価格の高騰が続いており、とりわけ地方においては市民生活や地域経済に深刻な影響を及ぼしている。特に、公共交通機関が十分に整備されていない地域では、自家用車が日常生活の必需品であり、ガソリン価格の高騰は家計に大きな負担をもたらしている。また、運輸業・鉄鋼業・農林漁業など特に燃料を必要とする産業においても、コスト上昇が続き、事業の存続すら危ぶまれる状況となっている。
さらには、ガソリン税は既に課税された金額に消費税がかかるため、消費者が過剰に税負担を強いられている状況になっていることと、本来は一時的な増税措置であった暫定税率が実質的に半世紀以上維持されており、「暫定」という名目が形骸化されていることについて問題が指摘されている。
こうした状況を鑑み、政府に対し以下のとおりガソリン税の廃止または暫定税率の撤廃を強く求める。
記
1.国民の生活や経済活動を守るためガソリン税そのものの廃止をすること。
2.ガソリン税自体の廃止ができないのであれば、現在のガソリン暫定税率を直ちに廃止し、税負担を軽減すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月17日
南 国 市 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
総務大臣 村上 誠一郎 様
財務大臣 加藤勝信 様
経済産業大臣 武藤容治 様
内閣官房長官 林 芳正 様
内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 赤澤亮正 様
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議発第4号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論の促進を求める意見書
上記の意見書を別紙のとおり会議規則第14条の規定により提出する。
令和7年3月17日提出
提出者 南国市議会議員 神崎隆代
賛成者 〃 松下直樹
〃 〃 土居恒夫
〃 〃 斉藤正和
〃 〃 西山明彦
〃 〃 松本 信之助
〃 〃 今西忠良
賛成者 南国市議会議員 福田 佐和子
〃 〃 杉本 理
南国市議会議長 岩 松 永 治 様
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議発第4号
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論の促進を求める意見書
民法第750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」とし、我が国では夫婦同姓制度が採られている。このため、婚姻に際しては、夫又は妻のいずれか一方が必ず姓を改めなければならないところであるが、現実には、夫の姓を選び、妻が姓を改める例が95%近くに上っている。名義変更の負担に加え、仕事上の姓(通称)と戸籍上の姓の不一致による不利益などを、特に女性が負っている現実がある。
平成8年、法制審議会は、夫婦が望む場合には、それぞれ旧姓を称することを認める「選択的夫婦別姓制度」の導入を内容とする「民法の一部を改正する法律案要綱」を法務大臣に答申したが、当時は国民の間にも様々な意見があったことから、改正案の国会提出には至らなかった。以降、議論は長年にわたり平行線のまま推移している。
その後、最高裁では、平成27年12月の最高裁判決に引き続き、令和3年6月の最高裁決定においても、夫婦同姓規定が合憲とされる一方、夫婦の姓に関する制度の在り方については、国会で論ぜられ、判断されるべきであるとされたところである。
そのような中、令和6年6月、経団連は、夫婦別姓を認めない今の制度は、企業にとってもビジネス上のリスクになり得るなどとして、政府に選択的夫婦別姓制度の導入を早期に行うよう提言。同年10月には、国連の女性差別撤廃委員会が、夫婦同姓の強制を廃止するよう4度目の勧告を行っている。これらは、この課題が日本経済上も国際上も影響を及ぼし得るものであることを示している。
法制審議会の答申より30年近くを経た今、再び、選択的夫婦別姓制度の導入をめぐっては、多数のメディアにおいて報道されるなど国民から高い関心が寄せられており、今後の国における議論が注目されている。
国におかれては、選択的夫婦別姓制度の早期法制化に向け、家族の一体感や戸籍制度などを守ることとの両立を図りつつ、より積極的な議論を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月17日
南 国 市 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
法務大臣 鈴木馨祐 様
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○議長(岩松永治) お諮りいたします。この際、以上4件を日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、日程に追加し、議題とすることに決しました。
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○議長(岩松永治) この際、議発第1号及び議発第2号、以上2件を一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となりました2件は、提案理由の説明、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決をいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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○議長(岩松永治) これより採決に入ります。
議発第1号及び議発第2号、以上2件を一括採決いたします。以上2件は原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、議発第1号及び議発第2号、以上2件は原案のとおり可決されました。
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○議長(岩松永治) 次に、議発第3号を議題といたします。
お諮りいたします。本案につきましては、提案理由の説明、質疑、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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○議長(岩松永治) これより討論に入ります。討論の通告がありますので、発言を許します。11番神崎隆代議員。
〔11番 神崎隆代議員登壇〕
○11番(神崎隆代) 公明党の神崎隆代です。
私は、ただいま議題となりました議発第3号ガソリン税の廃止またはガソリン税暫定税率の即時撤廃を求める意見書に対し、反対の立場で討論を行います。
ガソリン税の暫定税率は、確かに国民や事業者に大きな負担を強いており、廃止の必要性については理解できるものですし、現に令和6年12月に自民党、公明党、国民民主党の3党幹事長によるガソリン税の暫定税率の廃止についての合意がなされております。暫定税率の廃止は3党間の約束であり、必ず実現をすることが決まっています。しかし、現時点で拙速に廃止を決定することは、多くの課題を未解決のままにし、むしろ社会全体に混乱をもたらすおそれがあります。
第1に、財政に大きな影響を与えます。まず、本市を含む全国の地方自治体は、現在のガソリン税の暫定税率を前提に予算を編成しており、その税収を基に各種事業を計画、実施しています。暫定税率が廃止されれば、その財源が減少し、自治体の財政運営にも影響を及ぼすことは避けられません。本市においても令和7年度予算に4,070万円計上されており、この代替措置をどうするかの結論を出さずに年度途中で廃止されれば、混乱を招くおそれが生じます。
第2に、ガソリン価格の高騰は世界的な原油価格の変動によるものであり、一時的な税率の引下げだけでは根本的な解決にはなりません。むしろ、価格高騰に対する支援策を強化し、必要な層に直接的な補助を行うほうがより効果的で公平な対応となります。具体的には、燃料価格の高騰が深刻な影響を及ぼす運送業者や農林水産業への補助金支給、低所得世帯へのガソリン代補助など、ターゲットを絞った支援策の強化を求めるほうが現時点の施策としては重要だと考えます。
第3に、ガソリン税の見直しは脱炭素社会の実現という長期的な政策とも関わっています。化石燃料の消費を抑制することが求められる中で、ガソリン価格を安易に引き下げることは環境政策と逆行する可能性があります。本市においても2050年カーボンニュートラルを表明し、令和3年3月に南国市地球温暖化対策実行計画を策定し、脱炭素社会の実現に向けて施策を進めている中でもあり、施策の整合性をどのようにするかの議論も必要であると考えます。そのため、再生可能エネルギー等の普及支援策の強化等の議論を並行して行いつつ、暫定税率廃止の議論へと向かうべきです。
以上の理由から、国に対しては価格高騰に対する支援策の強化と地方の財源に影響が出ない代替措置を行った上でガソリン税の暫定税率の廃止を求めるべきであり、即時撤廃という今回の意見書に対しては、賛成できません。したがいまして、本意見書に反対いたします。議員の皆様におかれましては、慎重な御判断をお願い申し上げます。
○議長(岩松永治) ほかに討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 討論を終結いたします。
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○議長(岩松永治) これより採決に入ります。
本案は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(岩松永治) 起立多数であります。よって、議発第3号は原案のとおり可決されました。
―――――――――――*―――――――――――
○議長(岩松永治) 次に、議発第4号を議題といたします。
お諮りいたします。
本案につきましては、提案理由の説明、質疑、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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○議長(岩松永治) これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許します。6番山本康博議員。
〔6番 山本康博議員登壇〕
○6番(山本康博) 参政党の山本でございます。
選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論の促進を求める意見書に対しまして、反対の意見を述べさせていただきます。
まず、意見書の中で推進するべき点が3点上げられています。
1点目は、平成27年12月の最高裁判決で、別氏は違法という判決に、その上で立法府である国会で議論すべきとの意見がついている点です。しかし、この点については、もし民法を変えたいのであれば、立法府である国会で審議することと言っているだけのことであり、三権分立におけるルールのことを言っているだけであり、別氏を推進するような意味ではありません。
2点目は、令和6年6月に経団連はビジネス上のリスクがあることを指摘しています。しかし、参政党の吉川議員が法務委員会において、海外渡航時におけるパスポートの問題を質問していますが、パスポートは既に旧姓の併記が可能となっていることもあり、在外公館からこれに関してトラブルの報告は一件もないという答弁が返ってきていました。つまり、経団連が求めている問題は、その問題自体が架空のものであると判明しています。
3点目は、国連の女性差別撤廃委員会が同姓の強制の廃止を訴えています。日本における世論調査の実態をまず確認しておきます。内閣府の令和3年の世論調査の結果、夫婦同姓と旧姓使用を希望するの2項目の合計が69.2%となっており、国民の多くが夫婦同姓を望んでいることが分かっています。また、本年2月22日から23日の産経・FNNの合同世論調査では、選択的夫婦別姓を求める声が減少してきており、同姓を維持しつつ、旧姓使用を拡大すべきという意見が過半数を占めたということです。令和5年3月に公表された男女共同参画社会に関する世論調査では、夫婦の氏の在り方に関する議論について考えたことがないという人が過半数を占めていました。つまり同姓が問題だという認識はないのです。日本においては、民法第750条においてどちらの氏を名のるかを夫婦で話し合って決めることができるようになっています。つまり、選択的夫婦同姓制度となっており、結婚する2人で合意して決めることができる自由があるわけです。過去、高市早苗議員が法務部会に提出した婚姻前の氏の通称使用に関する法律案、これは旧姓を通称使用できるようにする法案です。さらに、同氏は総務大臣のときに、1年間で総務省が管轄する全ての法律を精査して旧姓使用ができるようにするため通知を出すことで、なんと1,142件も通称使用できるようにしたそうです。つまり、旧姓使用ないしは旧姓併記の制度を拡大することで、問題のほとんどは解決するものと考えます。
日本においては、日本人に合う制度は既にあり、通称使用や併記という改正があれば十分なため、同姓の強制には当たらないものと考えます。それ以上に、深刻な課題は子どもの姓をどうするかという問題です。姓が違う親の子どもの感情にも配慮する必要が出てきます。また、姓を選択できるのは夫婦だけであり、子どもは選択の自由がないという構造的な問題をはらんでいます。そのほかにも、家族の一体感の喪失、家族の破壊の助長や離婚の増大、少子化の悪化への懸念、戸籍制度や戸籍の表記の問題、親子の確認の手間など、別氏が許可されたら問題や課題が噴出することが考えられています。夫婦や家族の一体感や安心感は名字の統一からももたらされることの一つであることは否定できません。家族の一体感は美しく、家族関係を強くし、人格形成に役立ち、その結果、地域や国を強くするものであると考えます。それに逆行する選択的夫婦別氏制度の推進には反対の立場であり、今回提出された意見書に反対いたします。
以上、同僚議員の反対への賛同をお願いいたします。
○議長(岩松永治) 8番杉本理議員。
〔8番 杉本 理議員登壇〕
○8番(杉本 理) 日本共産党南国市議団の杉本理です。
会派を代表いたしまして、ただいま議題となっております、議発第4号選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論の促進を求める意見書に、賛成の討論を行います。
選択的夫婦別姓制度は、婚姻の際、同姓を望む人は同姓に、そのままの氏名を望む人は別姓にという、どちらも選択できる制度です。日本の現行法では、日本人と外国人の婚姻、離婚また日本人同士の離婚については婚姻または離婚後の姓を選択できるようになっています。しかし、日本人同士の婚姻のみに夫婦同姓が強制されていることは、名字を変えたくない人が婚姻に際して改正を強制され、不合理な二者択一を迫るものであり、両性の平等と基本的人権を掲げた日本国憲法に反しています。希望する夫婦が婚姻後にそれぞれの婚姻前の姓を名乗ることを認め、個人の尊厳が尊重されるべきではないでしょうか。
今や夫婦で夫婦同姓を法律で義務づけ、強制している国は日本だけです。国民世論も既に7割以上が選択的夫婦別姓制度の導入に賛成し、日本経済団体連合会経団連も制度の導入を求めて政府に提言を出しました。国連の女性差別撤廃委員会も、日本政府に対して繰り返し法律で夫婦同姓を義務づけることは女性差別であり、直ちに改正すべきだと何度も勧告をしてきました。夫婦別姓を可能にする法改正は待ったなしであり、国会における議論の加速が今こそ求められているのではないでしょうか。
また、通称の使用で事足りるのではという意見もありますが、通称使用を拡大しても不利益を被るのはほとんどの場合女性に偏っています。戦後家制度は廃止され、新憲法の下で妻と夫は平等となりました。しかし、婚姻の際、今もなおほとんどの場合女性が姓を変更しています。その中には名前を変えることが当たり前に強制されているため、違和感を口にすることができなかった女性も多くいます。
2019年11月から申出により旧姓が併記できるよう整備されるようになりました。これをもって通称使用の拡大で十分とする主張もありますが、各種届出や職場での混乱など、やはり多くの不都合が生じていることは否めません。しかも、海外では原則本名である戸籍姓しか通用しなかったり、ダブルネームでは税の手続や銀行口座で使用できないなど、問題は解決されません。キャリアの中断、アイデンティティーの喪失、名称変更の煩雑な手続など、幾ら通称使用の範囲を拡大しても圧倒的に多くの女性が改姓によって不利益を被っている事実は変わりありません。昨年10月30日、国連女性差別撤廃委員会は政府に対し法律で夫婦同姓を義務づけることは女性差別であり、直ちに改正すべきと民法の差別的規程の廃止についていよいよ4度目となる勧告をしています。婚姻の自由や氏名の変更を強制されない自由に関わる人権問題と受け止め、人権侵害を速やかに是正すべきです。
また、今回上程されているこの意見書は、導入を求める立場だけではなく、幅広い議論、そしてより積極的な議論の加速を求めるものであり、そういった点においても広範な市民の皆さんの思いに応えるものではないでしょうか。今や選択的夫婦別姓制度の導入や議論の加速を求める意見書は、今年1月30日の時点で469の地方議会で採択されています。南国市議会においてもこの意見書を可決採択されるよう、同僚議員の皆さんに心より呼びかけまして、賛成討論といたします。
○議長(岩松永治) ほかに討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 討論を終結いたします。
―――――――――――*―――――――――――
○議長(岩松永治) これより採決に入ります。
本案は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(岩松永治) 起立少数であります。よって、議発第4号は否決されました。
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○議長(岩松永治) この際、この3月末をもって退任される北條副市長に御挨拶をいただきたく、許可いたしますので、御挨拶を願います。北條副市長。
〔北條邦寿副市長登壇〕
○副市長(北條邦寿) 議長のお許しをいただきましたので、一言退任の御挨拶を申し上げます。
このたび、任期の途中ではございますが、3月31日付で副市長の職を辞することとなりました。令和5年4月に就任以来、2年間にわたり市民の皆様、市議会議員の皆様、市職員の皆様には大変お世話になりました。皆様からいただきました御厚情に心より御礼申し上げます。
私が副市長に就任して間もない令和5年5月には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、社会経済活動が正常化に向かい始めました。様々な行事が再開され、在任期間中、多くの市民の皆様や関係団体の皆様との交流を持つ機会に恵まれましたことは、県の職員では得難い大変貴重な経験であり、ありがたいものでありました。
また、令和5年10月には連続テレビ小説「あんぱん」の放映が決定するという大変うれしい発表がありました。放映までの限られた期間の中で職員とともに知恵を出しながら、多くの方々に南国市にお越しいただき、やなせ先生を感じてもらい、満喫していただけることを考え、取り組んでこれましたこともよき経験となりました。加えて、市政の様々な場面において市職員の皆様が業務に主体的に取り組む姿に触れ、市職員としての誇りや責任感の強さを感じることも数多くあり、大変心強く感じたところでした。
これまでの間、私としては副市長としての責に応えられるように心がけてまいったつもりですが、何分微力の身であり、至らぬ点、力不足の面もあったかと思います。平山市長をはじめ、市議会議員の皆様、市民の皆様、職員の皆様には、各方面から支えていただきましたこと、御指導をいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。
「あんぱん」の放映開始とともに市政を離れることに寂しさを感じるところですが、4月からは南国市の副市長としての貴重な経験を生かし、高知県職員の一人として県政の発展に向けて取り組む所存です。南国市政ともしっかりと連携協調できればと願っております。
最後になりますが、南国市の今後ますますの御発展と市民の皆様、市議会議員の皆様、そして市長をはじめ、職員の皆様の一層の御健勝と御多幸をお祈り申し上げまして、退任の御挨拶とさせていただきます。皆様、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(岩松永治) 次に、この3月末をもって役職定年される課長に御挨拶をいただきたく、許可いたしますので、御挨拶を願います。渡部参事兼財政課長。
〔渡部 靖参事兼財政課長登壇〕
○参事兼財政課長(渡部 靖) この3月をもって役職定年を迎え、課長職を退職するに当たり、岩松議長をはじめ、議員の皆様には御挨拶の機会をいただき誠にありがとうございます。
私は、昭和63年に入所し、企画課から始まり、今年度が37年目となりました。平成25年に2度目の財政課勤務となりましたが、そのときはまさか異動がないまま役職定年を迎えることになるとは露ほども思いませんでした。平成27年7月には財政課長を拝命し、財政課勤務は通算では18年になりますが、今はこれでやっと年末年始の予算査定から開放されるという思いが大きいです。
財政課に最初に配属になったとき、西野係長、当時の上司でございましたが、西野係長に言われた、「皆がおまえに頭を下げても、それはおまえにではなくおまえの肩書に対してのものだから間違えるなよ」という言葉は今でもしっかり胸に刻んでいます。財政課での18年間の勤務中は、不祥事、裁判と万事平穏ではありませんでしたが、皆様の御理解と御協力により何とか無事役職定年を迎えることができたというのも、最初の教えがあったからこそだと感じております。
最後に、財政課長として一つお願いがあります。
南国市の将来に負担を残すことがないようにと職務に努めておりましたが、急激な社会情勢の変化の中、これまでどおりのやり方が通じなくなってきました。これからの本市の財政健全化には痛みを伴う改革も必要になってきますが、どうぞ御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。南国市のさらなる発展と皆様方の今後ますますの御活躍を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。長い間本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(岩松永治) 浜田上下水道局長。
〔浜田秀志上下水道局長登壇〕
○上下水道局長(浜田秀志) 上下水道局の浜田でございます。
この3月をもって役職定年を迎え、一線を退くに当たり、このように皆様に御挨拶をする機会をいただき、誠にありがとうございます。
私は、在学中の秋には東京の建設会社に就職が決まっていましたが、おじより長男だから地元に残ってほしい、市役所を受けろ、仕事も楽だと説得されました。仕事が楽かどうかは別にしても、休日に関しては民間会社より取得はしやすく、趣味となったスキーでは国体に8回出場いたしましたが、職場の理解、応援がなければなかなか実現できなかったと思います。
昭和62年4月の採用後、辞令交付式で水道局に出向を命ぜられましたが、高知市水道局への出向と思い違いをするほど、南国市の水道のことは知りませんでした。当時の水道は日々修理に追われているような状況で、水道本管では石綿管、給水管では鉛管が多く存在していた時代であり、昼間はほぼ外に出っ放しで、夕方に帰ってきて夜間に設計などデスクワークを行うことが多かったと記憶しています。また、ある地区で3日間断水が続いたときには、技術、技能系の局員はその間ほとんど寝ずに、最後は山中の獣道のような場所まで漏水箇所を探し回ったことがありましたが、先輩方の使命感や執念をひしひしと感じました。また、私にとって大きな出来事であったのは、平成25年に姉妹都市である岩沼市へ1年間派遣され、全国から支援に来られている方々や岩沼市職員と復興に携わったことは、その後の私にとって大きな宝となっています。
ここで、南国市の自慢話になりますが、当時は岩沼市でも地震の余震がまだ続いており、水道本管の修理に何度か立ち会いましたが、地元南国の業者の手際のよさを改めて実感いたしました。実際に私が穴の中に入り、てこずっていた業者の代わりに修理機材を取付け、漏水を止め、現場にいた者たちを驚かせたこともありました。水道の修理に関しては南国市のほうが断然上だと感じております。
私は、水道で通算18年目となっております。現在は、昔に比べると圧倒的に漏水の頻度も少なくなっており、地道に布設替えなどを行ってきた成果が出ていると実感していますが、何より現在でも昼夜を問わず水道管の修繕をチームワークでやり遂げている姿を見て、局員や業者の方々の使命感や熱い思いは昔の時代と何も変わっていないと感じています。まだまだやり残したことはたくさんありますが、あとは後輩に任せ、安心してこの職場を去ることができます。
最後になりましたが、今後ますますの南国市の発展と皆様の御活躍を心からお祈り申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、お礼の挨拶とさせていただきます。5年間でありましたが、大変お世話になり、本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(岩松永治) 小松消防長。
〔小松和英消防長登壇〕
○消防長(小松和英) 登壇の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。貴重なお時間ではございますが、一言御挨拶をさせていただきます。
平成26年12月議会におきまして、「消防職員の先頭に立つその職責を肝に銘じ、災害活動現場での経験を生かし、職務を全うする所存でございます」と御挨拶を申し上げまして、今日まで42回、議員の皆様からは様々な御提案、御提言をいただきました。幾つか実現できたこともあります。それとあわせまして、消防職員、団員の定数増や消防団員の処遇の改善、また消防設備、施設の整備等に御賛同を得ましたことは、副県都南国市の消防体制を構築する上で、大きな後押しとなったと考えております。
今議会におきまして、西本議員が南国消防の県下での位置はという御質問がございましたが、評価につきましてはほかの方がすることでございますが、私の思いとしましては、県下で一番市民に優しい、そして安心感を与えられる消防を目指して取り組んでまいりました。そして、その思いは必ず後進にも引き継がれると感じております。
最後になりますけれども、38年間充実した消防人生を送ることができました。誠にありがとうございました。(拍手)
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○議長(岩松永治) 以上で今期定例会に付議されました事件は議了いたしました。
これにて第439回南国市議会定例会を閉会いたします。
お疲れさまでした。
午前11時18分 閉会