議会議事録
検索結果 » 令和6年 第436回市議会定例会(開催日:2024/09/06) »
一般質問2日目(有沢芳郎)
質問者:有沢芳郎
答弁者:市長、教育長、関係課長
○議長(岩松永治) 17番有沢芳郎議員。
〔17番 有沢芳郎議員発言席〕
○17番(有沢芳郎) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
まず1番目に防災教育、小中学校の水泳指導、3番目に学校再編、4番目に緩やかな学期スタート事業であります。なんこく市政会の有沢です。よろしくお願いします。
教育行政について、まず防災教育について質問します。
香南中学校の中学生防災士について、一昨年から取り組んでいる中学生防災士の育成について、今年度の成果はどのような状況であったか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 今年度、香南中学校の生徒で防災士の資格を取得した生徒は9名となっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 香南中学校の生徒の防災士の人数と取得率はどのくらいか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 香南中学校の防災士の資格取得者は全部で21名で、全校生徒69名に対する割合は30.4%となっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 香南中学校の防災士取得率は、全国でも一番高いのではないかと思われますが、いかがですか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 全国の中学生における防災士資格取得率については、正確な統計データが現在存在しておりません。しかしながら、香南中学校での生徒の30.4%が防災士資格を取得しており、これは高い数字であると考えております。さらに、単に取得率だけでなく、受講人数の割合の高さも非常に評価するべき点だと考えております。多くの割合の生徒がこのプログラムに参加していることが、学校全体の防災意識向上に貢献していると認識しております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 中学生が防災士の資格を取るということは、南国市民の防災意識の向上にも役立つすばらしいことなので、今後も続けていってほしいと思いますが、今後の計画について答弁を求めます。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本事業は令和4年度から開始し、本年度で3か年経過しますが、現在までに90名余りの中学生防災士が誕生しています。この事業は継続的に実施することが重要でありますので、引き続いて実施してまいりたいと考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 生徒たちは努力して、せっかく防災士の認定をもらっているので、学校現場においてもこの生徒たちが活躍できる場をつくってほしいと思いますが、現状中学生防災士がどのような場所で活躍しているか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 各校で防災士が活躍する取組がされております。避難所運営訓練では、防災士資格を取得した生徒が中心となり、役割分担や指示を行っています。また、防災クイズを作成し、地域や保護者に向けて防災意識を高める取組も行っております。さらに、地域連携による避難訓練では、炊き出し、誘導、受付、避難所運営などに生徒が地域住民とともに参加をしております。また、今年度は、姉妹都市の交流事業に防災士資格を取得した生徒が参加し、岩沼市の玉浦中学校に訪問をしております。ここでも、学びでさらに防災意識を高め、多くの人に広めていってほしいと考えております。
今後、さらなる活躍の場としましては、小中合同の避難訓練を実施し、防災士資格を取得した生徒が小学生を率先引率して誘導する場面を設けたり、中学生が防災士としての経験を小学生に伝える機会を設けることなども考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 生徒たちは努力して、本来大人が取得する試験に挑戦し、合格しているわけで、取得後の活躍の場を校内だけでなく、地域や市全体に広げていってもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 中学生防災士の育成の目的は、地域の防災活動へ参加していただくことにより地域の防災活動の活性化を目指すことであります。自主防災会等とも連携を図り、中学生防災士が活躍する場をつくってまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) ぜひとも活躍できる場面をつくり、活躍する姿をみんなに見てもらうことで、防災士への憧れを持ってもらいたいと思います。そのことが、継続して次の中学生防災士の育成にも役立つこととなると思いますので、ぜひともお願いします。
また、防災士としての制服、ユニホームみたいなものを市として作って着せてあげたらどうかと思います。ユニホームを着て生徒や市民の先頭に立って、防災士として専門的な立場からアドバイスする姿を設定することで、中学生防災士への憧れを抱かすことも重要と考えますが、危機管理課など、教育委員会なのか分かりませんが、ぜひとも考えてほしいとお願いします。
また、先ほども言ったように、大人を対象とした検定であるので、当然受からなかった子供たちも出てくると思います。防災士を受験しようとする意欲や、挑戦することに対して称賛を与えてほしいし、残念ながら受からなかった子供たちへのフォローもお願いしたいと思います。これは答弁は要りません。お願いであります。
次に、小中学校の水泳指導について質問します。
7月5日に高知市において、水泳授業中に小学校4年生が溺れて亡くなるという大変悲しく痛ましい事故が起こったことは、皆さんも御存じであると思います。南国市においても、同様の事故が起こることはないか大変心配しているところです。
そこで、南国市の小学校における水泳授業について、日頃から注意していることなどがあればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 日頃から注意していることでございますけれども、体調管理面の把握、確認につきましては、全ての学校で授業の実施前、途中、終了時の健康チェックを行った上で実施しております。水深につきましては、幾つかの方法を併用する学校もございますが、大小のプールを学年に応じて使用する学校が5校、プール内に底上げ台等を設置し、水深を調節する学校は5校、また水を抜くなどして水深を調整する学校が9校となります。さらに、全ての学校で授業を行う教員のほかに監視者を配置しており、最大3名以上配置している学校は9校となっております。また、地域の支援員、サポーターにも協力をいただいている学校もございます。
授業については、全ての学校が複数名で授業を行っており、その手だてとして2クラス程度、小規模3クラスなどの工夫をしながら授業をすることにより、指導者を増やしております。さらに、地域学校協働本部から、地域の指導者や、民間のスイミングスクールで指導をしている保護者、民間のプールで指導するインストラクターなどにも御協力をいただいている学校もございます。岡豊小学校希望が丘分校では、希望が丘学園の職員にも入っていただいております。泳ぎが苦手な児童への対応といたしましては、泳力に応じたグループ分け、グループごとの指導や、教員が目を離さない体制は全ての学校で意識確認して行われています。また、補助具等を活用しながら行っている学校もございます。緊急時の対応については、AEDがすぐに使用できるよう準備し、職員室へすぐ連絡が取れるよう通信機器等も持ち込んで行っております。
以上が、南国市14校の小学校が日頃から注意して指導を行っている取組等になっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) その中で、今回の高知市の事故を受けて、新たな対策を取ることがあれば教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) これまでも、授業者と監視者は区別して授業を行ってまいりましたが、事故を受けてからは、さらに監視者の役割と授業者の役割を明確にすることや、人数確認、体調管理を小まめに行うこと、泳力に応じたグループへの授業者を配置するなど、授業体制の再確認を重視しております。また、環境において、使用学年による水位の調整の見直し、担架等救急用具がすぐに使用できるように配備を実施しております。学校によっては、地域の方や保護者、管理職や養護教諭、支援員など様々な方への声がけを行い、監視者の増員をしております。さらに、今後は監視台の設置や、プールでの安全に関する教員研修の実施も計画しております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) ぜひとも安全対策には十分気をつけて、子供たちの命を守ることに最善の注意を払っていただきたいと思います。
話は変わりますが、民間プールの利用について質問します。
南国市は、県内に先駆けて学校の授業に民間のプールを利用した取組を行っていますが、これから先どのような対応を取ろうとしているか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 令和5年度に長岡小学校の4年生、5年生、6年生が、学校の隣にある民間施設を利用した水泳の授業を行いました。授業実施後に行った長岡小学校の教員への聞き取り調査で、室内プールなので、天候や気温、水温に関係なく快適な状態で授業ができ、児童の負担が減少した。施設の指導員から、泳ぎ方のポイントの指導や、泳ぎの苦手な子供への効果的な指導を受けることができた。教員のほかにも施設の監視員がいることで安心感があったなどの意見があり、長岡小学校は令和6年度も民間施設を利用した水泳の授業を実施しております。
また、ほかの小中学校において、長岡小学校と同様に、自校のプール以外の民間プールなどで授業を実施するに当たっては、授業時間の確保や移動手段について検証が必要でしたので、長岡小学校以外の学校でも民間施設を利用した水泳の授業を計画しておりましたが、令和6年度は施設側の都合で実施することができませんでした。
教育委員会事務局といたしましては、民間プールを使った水泳の授業は、児童にとっても教員にとってもメリットがあると考えておりますので、市内の学校に広げていけるよう、令和7年度は水泳の授業の時期の変更や、学校から離れた民間プールで水泳の授業を行う場合の課題の検証を行いたいと考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 子供たちには、自分の命を守るためにも水泳指導の充実は必要なことだと思います。事故のおそれがあるから水泳の授業をやめるのではなく、事故が起こらないよう、子供たちに泳力をつけていくことが必要ではないかと思います。そのためにも、年間を通じて利用できる民間のプール利用を拡大していくことも一つではないかと思いますが、教育長はどのように考えておられますか。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 民間のプールを活用して水泳の授業を行うということについては、大変メリットがあるように考えております。室内プールであるので、一定の環境の下で授業が行えることよりも、専門的な知識を持った方の指導を受けることができるというのが一番のメリットではないかというふうに思っております。中学校には、体育を専門とする教員が配置され、指導しておりますので、それが小学校におきましては、担任が教科指導を含めて水泳の指導も行わなければならないという状況にあります。有沢議員が言われましたように、事故が起こらないよう子供たちに泳力をつけていくことが重要ではございますし、長岡小学校の児童が受けている専門的な指導を、今後市内の学校に広げていくというようなこともまた考えております。年間を通じて水泳の授業を行うには、学校の年間行事の見直しも必要ですし、授業時数には限りもあります。また、今まで行ってきた水泳記録会等の教育委員会の行事の検討も必要になってくるとは思いますが、民間のプールの利用の拡大は今後ともまた進めていきたいというふうに考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 私もながおか温泉でよくプールをするんですが、そのとき長岡小学校の生徒たちを教えている水泳の授業を見たことがあります。子供たちは、本当に生き生きとしてるんですよ。やはり、専門家の指導員に指導をしていただくと子供たちも上達が早いと思いますんで、今後ともぜひ続けていってもらいたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
次に、学校再編について質問いたします。
香南中ブロックの大湊小学校は、急激な児童減少と、津波浸水地域であるという課題があり、学校再編の動きも気になるところです。教育委員会は、これからの教育・保育の在り方検討委員会の答申を受けて、昨年から保護者の意見を聞く機会を設けて実施しているようですが、どんな意見が出ているか、構わない範囲で教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 大湊小学校の保護者の方々からは、令和6年度に入って2回御意見を伺う機会を設けました。保護者の方々からは、御意見といたしましては、現在の大湊小学校には満足しているが、津波の心配もあるので、学校を残してもらいたい気持ちもあるが、津波のことを考えると移転も視野に入れるべきか、また今は子供をこの学校に通わせてよかったと思っているが、子供を津波の心配のある大湊小学校に通わすことについては、不安があるという気持ちも分かるといった御意見もあり、皆さんが再編問題について迷われているのが分かる状況でございました。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) その中で、子供たちからの意見を聞くことはありましたか。意見を聞く機会があったなら、その中で出てきた意見を教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 7月17日に大湊小学校で、4年生、5年生、6年生12名から意見を聞く機会がありました。その中で、児童からは、児童数が少ないことについては、18人だからできることもある、少人数なので協力する気持ちが強くなり、仲よくできるといった意見が、複式学級については、分からないことがあれば友達や先生が教えてくれる、複式だからといって困ることはないといった、少人数であることを積極的に捉えた意見が多く出されました。ほかの学校に通わなければならなくなったらどう思うかについて意見を出してもらいますと、嫌、毎年クラス替えがある学校では毎年人間関係を築くのが大変、既に出来上がっているグループに入っていくのは難しいのでは、大人数の中での学校生活には不安と楽しみの両方があるといった人間関係の構築に不安を抱く意見がございました。
また、大湊小学校の4年生、5年生、6年生には、学校再編についてのアンケートに答えてもらっています。統合してよくなると思うことについては、友達が増えて一緒に遊べる、保育園のときの友達に会える、統合して心配なこと、困ることについては、いじめられるんではないか、毎年楽しみにしていた行事がなくなってしまうといった意見がありました。そのほかの質問として、どうやって登校すればよいのか、学校を選べるのかという児童の意見もございました。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 大湊小の現状は、今の話を聞きますとおおむね満足しているように、一般的に考えて小規模のデメリット、メリットを教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 小規模校のメリットでございますが、大湊小学校の児童の声からも、授業の中で発表する機会が多い、行事でも出番が多く、たくさんの経験を積むことができる、先生との距離が近いので相談しやすくなるというのがメリットであると思います。また、デメリットといたしましては、人間関係が固定し、就学前から卒業まで人間関係が同じまま固定化するといったことが挙げられます。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) メリットはメリットでいいのですが、デメリットについては、デメリットを克服するための手だてを持っていると思うのですが、これまで取り組んできたことはどのようなことがありますか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 小規模校のデメリットの克服といたしましては、白木谷小学校、奈路小学校で行っております特認校制度で、新たな生徒を募集して、人間関係の固定化を防ぐというようなことがあるかと思います。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 大湊小学校は今年の新入生がゼロと聞いていますが、大変寂しく感じました。しかし、保護者や子供たちの満足度は高く、また学校がその地域からなくなると、地域はますます寂れていくことは間違いありません。そういった意味において、学校再編については十分な議論が必要になってくると思います。十分検討はされましたか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 議員が言われましたように、地域から学校がなくなると地域は寂れていくことになろうかと思っておりますので、教育委員会といたしましては、児童数の減少だけをもって学校の廃止を検討する考えはございません。現在、大湊小学校の児童数は、2年生2名、3年生3名、4年生5名、5年生3名、6年生5名の合計18名となっております。令和6年度の新入生はおりませんでしたが、これが将来的に入学者が見込めないのであれば、在校生の学習環境を考えていかなければならないと思っております。教育委員会といたしましては、児童の学習環境を第一に考えていかなければなりませんが、保護者や地域と十分に協議を行い、進めていく必要があると考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 教育長は、学校再編についてこれまでにも考えを述べてきましたが、いま一度学校の再編についての思いを聞かせてください。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 学校再編についての御質問にお答えをいたします。
私は以前も申し上げてきましたが、学校は地域コミュニティーの核的存在として重要なものであるというふうに考えております。学校がなくなるということによって地域の衰退につながることも考えられますので、慎重に対応していかねばならないというふうに思っております。特に、小学生にとっては、小学生の発達段階から考えても、家族や地域といった身近な人間関係の中で生活しているので、学校が家庭の延長の身近な地域にあるということは、子供たちの人間形成にとっても意義があるものであるというふうに思っております。
また、近年学校教育における学習方法、また学習手段も個別最適な学びに取り組んでおりまして、少人数化、個別化の学習形態を国全体でも推し進めている現状から、少人数であるということはメリットでもあるというふうに考えております。そういうことを考えますと、拙速な再編は避けるべきではないかという思いもあります。しかしながら、集団で行うダイナミックな教育活動や学校行事ができないなど、学校運営そのものに支障を来すことになれば、学校としての機能が果たされにくくなりますので、そういう視点では再編も視野に入れなくてはならないというふうに感じております。7月に、大湊小学校の児童たちから直接意見を聞きましたが、そのときの児童の声で、現状の18名の中での教育活動には満足しているという答えがありましたが、次にこれが半数、9名になればどうかと問いましたら、そうなればいろんなことができなくなるのではないかという不安も口にしておりました。
いずれにいたしましても、子供たちにとってよりよい学びの場の在り方がどうあるべきかということを第一に考え、当事者である子供や保護者、地域の方々の御意見を聞きながら検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午前11時58分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○副議長(西本良平) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。17番有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) それでは、最後の通告になりますけれども、緩やかなスタート事業について質問いたします。
本年度小中学校は、1学期のスタートである始業式、入学式を、これまでより3日間遅らせて4月10日としました。試行してみての反応はいかがでしたか。実施に至った経緯と、実際に行っての反応についてお聞かせください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 入学や進級したばかりで、児童生徒を取り巻く環境が変化したことにより、不安を抱えている子供たちに向き合い、寄り添う時間を確保することや、異動してきた教職員、新規に採用された教職員等が余裕を持って児童生徒と関わることができるよう、新しい学校や担任業務の準備期間を十分に確保するなどのため、1学期のスタートである始業式、入学式を、これまでより3日間遅らせて4月10日としました。教職員からは、小学校1年生の担任は、就学前施設から送られてきた要録に、通常学級の担任は個別の指導計画に、特別支援学級の担任は個別の支援計画に、それぞれ時間的余裕を持って目を通すことができた。不登校ぎみの児童生徒や、特別な対応の必要な児童生徒に対して、本人や保護者への対応が丁寧にできたといった意見が出ておりました。
また、具体的な取組の事例といたしましては、香長中学校区の小学校4校の6年生担任が、中学校の新1年生の担任教諭と一緒になって、児童の様子を共有しながら学級編制を行うなど、例年以上にスムーズなスタートができたと聞いております。そのほか、県外からの新任者が配置された学校長からは、引っ越しや行政機関での手続を済ませるなど、生活基盤を確立させつつ、新学期に向けた準備もできていたとの報告もあっております。保護者からは、学校の理由は理解できるが、親は通常勤務であり、自宅で子供だけの時間が増えるため、子供の世話や預け先に困ったという意見や、児童からは早く友達に会いたかったという御意見はいただきましたが、全体を見ると肯定的な御意見が多かったように捉えております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 2年間の試行期間を置くということであったと思いますが、今後正式な実施に向けてどんな手順で進めていくか、答弁をお願いします。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 令和6年度と同様に、令和7年度の状況についても検証を行いまして、正式に1学期のスタートを4月10日とすることになれば、南国市学校運営規則を改正することとなります。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 施行2年目の来年度は、今年度と同様の実施になるか、お聞かせください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 来年度につきましては、今年度同様、1学期のスタートである始業式、入学式を4月10日といたします。なお、2学期のスタートにつきましては、今年度は8月29日からでしたが、来年度は9月1日を基準として、各学校の状況により前倒ししても可能ということにしております。また、学期始めを半日授業とする緩やかなスタートにつきましては、各校の状況に合わせて日数を決めることができるようにしております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 南国市における教職員の働き方改革は、これまでの議会での教育長答弁にもあったように、いろいろな手だてを取ってきたと思いますが、今後の方向性、多忙化解消に向けての取組について教育長の答弁を求めます。
○副議長(西本良平) 教育長。
○教育長(竹内信人) 有沢議員にも言っていただきましたが、これまで本市におきましては、県内に先駆けていろいろな取組を行ってまいりました。しかし、1つの事業を実施したからといって、そのことが多忙化解消に直接的に効果をもたらしたということは思ってはおりません。むしろ、より多角的な事業を取り入れることによりまして、複合的な解決を望んでいくしかないのではというふうに思っております。まずは、この2年間で試行しております緩やかなスタート事業を検証し、正式な実施を行うことと、それから現在進めていることといたしましては、年間授業時数の見直しや、1単位時間の見直し、またさらなる学校行事の精選など、そして何よりこういった取組を下支えする管理職の意識改革を進めるための研修や、先進校または先進地視察を来年度は行う予定としております。
学校現場は、決して現状に満足しているわけではありませんが、変化を嫌う風潮と、変化をさせにくい体制があります。しかし、今取り組んでいくことが子供たちにとっても有益なことにつながるのであれば、思い切った改革が必要と考えておりますので、皆様方の御理解も得ながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 教職員の多忙化の解消について、国のほうでも改革は進められていると思いますが、私は前々から言っているように、教職員の職務のさび分けをしっかり行う中で、公でしなければならないことは公で、民間でもできることは民間でするべきではないかと思います。先ほども出てきた民間プールの使用や水泳指導等もそうですが、PFIやPPPの利活用を教育の場でもぜひとも進めていただきたいと思います。そのことにより、先生方や子供たちにもゆとりが生まれ、教育効果が上がることが望まれると思います。最後に、市長の考えをお聞きします。
○副議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 議員が言われましたように、公でしなければならないことは公でしなければなりませんが、民間でもできることは民間で行うということも必要であると考えております。公益事業におきますPFI、PPPの活用は全国的に広がりを見せておりまして、教育施設への活用などの先進事例も公表されておるところでございます。これまで、市としましても学習会を開くなど研究を進めてきたところですが、今後も教育のどの場面での活用が効果的、効率的かを見定めながら、PFI、PPPの活用を検討してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) どうもありがとうございました。
これで私の質問は終わります。市長、ありがとうございました。
答弁者:市長、教育長、関係課長
○議長(岩松永治) 17番有沢芳郎議員。
〔17番 有沢芳郎議員発言席〕
○17番(有沢芳郎) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
まず1番目に防災教育、小中学校の水泳指導、3番目に学校再編、4番目に緩やかな学期スタート事業であります。なんこく市政会の有沢です。よろしくお願いします。
教育行政について、まず防災教育について質問します。
香南中学校の中学生防災士について、一昨年から取り組んでいる中学生防災士の育成について、今年度の成果はどのような状況であったか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 今年度、香南中学校の生徒で防災士の資格を取得した生徒は9名となっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 香南中学校の生徒の防災士の人数と取得率はどのくらいか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 香南中学校の防災士の資格取得者は全部で21名で、全校生徒69名に対する割合は30.4%となっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 香南中学校の防災士取得率は、全国でも一番高いのではないかと思われますが、いかがですか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 全国の中学生における防災士資格取得率については、正確な統計データが現在存在しておりません。しかしながら、香南中学校での生徒の30.4%が防災士資格を取得しており、これは高い数字であると考えております。さらに、単に取得率だけでなく、受講人数の割合の高さも非常に評価するべき点だと考えております。多くの割合の生徒がこのプログラムに参加していることが、学校全体の防災意識向上に貢献していると認識しております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 中学生が防災士の資格を取るということは、南国市民の防災意識の向上にも役立つすばらしいことなので、今後も続けていってほしいと思いますが、今後の計画について答弁を求めます。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本事業は令和4年度から開始し、本年度で3か年経過しますが、現在までに90名余りの中学生防災士が誕生しています。この事業は継続的に実施することが重要でありますので、引き続いて実施してまいりたいと考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 生徒たちは努力して、せっかく防災士の認定をもらっているので、学校現場においてもこの生徒たちが活躍できる場をつくってほしいと思いますが、現状中学生防災士がどのような場所で活躍しているか教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 各校で防災士が活躍する取組がされております。避難所運営訓練では、防災士資格を取得した生徒が中心となり、役割分担や指示を行っています。また、防災クイズを作成し、地域や保護者に向けて防災意識を高める取組も行っております。さらに、地域連携による避難訓練では、炊き出し、誘導、受付、避難所運営などに生徒が地域住民とともに参加をしております。また、今年度は、姉妹都市の交流事業に防災士資格を取得した生徒が参加し、岩沼市の玉浦中学校に訪問をしております。ここでも、学びでさらに防災意識を高め、多くの人に広めていってほしいと考えております。
今後、さらなる活躍の場としましては、小中合同の避難訓練を実施し、防災士資格を取得した生徒が小学生を率先引率して誘導する場面を設けたり、中学生が防災士としての経験を小学生に伝える機会を設けることなども考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 生徒たちは努力して、本来大人が取得する試験に挑戦し、合格しているわけで、取得後の活躍の場を校内だけでなく、地域や市全体に広げていってもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 中学生防災士の育成の目的は、地域の防災活動へ参加していただくことにより地域の防災活動の活性化を目指すことであります。自主防災会等とも連携を図り、中学生防災士が活躍する場をつくってまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) ぜひとも活躍できる場面をつくり、活躍する姿をみんなに見てもらうことで、防災士への憧れを持ってもらいたいと思います。そのことが、継続して次の中学生防災士の育成にも役立つこととなると思いますので、ぜひともお願いします。
また、防災士としての制服、ユニホームみたいなものを市として作って着せてあげたらどうかと思います。ユニホームを着て生徒や市民の先頭に立って、防災士として専門的な立場からアドバイスする姿を設定することで、中学生防災士への憧れを抱かすことも重要と考えますが、危機管理課など、教育委員会なのか分かりませんが、ぜひとも考えてほしいとお願いします。
また、先ほども言ったように、大人を対象とした検定であるので、当然受からなかった子供たちも出てくると思います。防災士を受験しようとする意欲や、挑戦することに対して称賛を与えてほしいし、残念ながら受からなかった子供たちへのフォローもお願いしたいと思います。これは答弁は要りません。お願いであります。
次に、小中学校の水泳指導について質問します。
7月5日に高知市において、水泳授業中に小学校4年生が溺れて亡くなるという大変悲しく痛ましい事故が起こったことは、皆さんも御存じであると思います。南国市においても、同様の事故が起こることはないか大変心配しているところです。
そこで、南国市の小学校における水泳授業について、日頃から注意していることなどがあればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 日頃から注意していることでございますけれども、体調管理面の把握、確認につきましては、全ての学校で授業の実施前、途中、終了時の健康チェックを行った上で実施しております。水深につきましては、幾つかの方法を併用する学校もございますが、大小のプールを学年に応じて使用する学校が5校、プール内に底上げ台等を設置し、水深を調節する学校は5校、また水を抜くなどして水深を調整する学校が9校となります。さらに、全ての学校で授業を行う教員のほかに監視者を配置しており、最大3名以上配置している学校は9校となっております。また、地域の支援員、サポーターにも協力をいただいている学校もございます。
授業については、全ての学校が複数名で授業を行っており、その手だてとして2クラス程度、小規模3クラスなどの工夫をしながら授業をすることにより、指導者を増やしております。さらに、地域学校協働本部から、地域の指導者や、民間のスイミングスクールで指導をしている保護者、民間のプールで指導するインストラクターなどにも御協力をいただいている学校もございます。岡豊小学校希望が丘分校では、希望が丘学園の職員にも入っていただいております。泳ぎが苦手な児童への対応といたしましては、泳力に応じたグループ分け、グループごとの指導や、教員が目を離さない体制は全ての学校で意識確認して行われています。また、補助具等を活用しながら行っている学校もございます。緊急時の対応については、AEDがすぐに使用できるよう準備し、職員室へすぐ連絡が取れるよう通信機器等も持ち込んで行っております。
以上が、南国市14校の小学校が日頃から注意して指導を行っている取組等になっております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) その中で、今回の高知市の事故を受けて、新たな対策を取ることがあれば教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) これまでも、授業者と監視者は区別して授業を行ってまいりましたが、事故を受けてからは、さらに監視者の役割と授業者の役割を明確にすることや、人数確認、体調管理を小まめに行うこと、泳力に応じたグループへの授業者を配置するなど、授業体制の再確認を重視しております。また、環境において、使用学年による水位の調整の見直し、担架等救急用具がすぐに使用できるように配備を実施しております。学校によっては、地域の方や保護者、管理職や養護教諭、支援員など様々な方への声がけを行い、監視者の増員をしております。さらに、今後は監視台の設置や、プールでの安全に関する教員研修の実施も計画しております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) ぜひとも安全対策には十分気をつけて、子供たちの命を守ることに最善の注意を払っていただきたいと思います。
話は変わりますが、民間プールの利用について質問します。
南国市は、県内に先駆けて学校の授業に民間のプールを利用した取組を行っていますが、これから先どのような対応を取ろうとしているか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 令和5年度に長岡小学校の4年生、5年生、6年生が、学校の隣にある民間施設を利用した水泳の授業を行いました。授業実施後に行った長岡小学校の教員への聞き取り調査で、室内プールなので、天候や気温、水温に関係なく快適な状態で授業ができ、児童の負担が減少した。施設の指導員から、泳ぎ方のポイントの指導や、泳ぎの苦手な子供への効果的な指導を受けることができた。教員のほかにも施設の監視員がいることで安心感があったなどの意見があり、長岡小学校は令和6年度も民間施設を利用した水泳の授業を実施しております。
また、ほかの小中学校において、長岡小学校と同様に、自校のプール以外の民間プールなどで授業を実施するに当たっては、授業時間の確保や移動手段について検証が必要でしたので、長岡小学校以外の学校でも民間施設を利用した水泳の授業を計画しておりましたが、令和6年度は施設側の都合で実施することができませんでした。
教育委員会事務局といたしましては、民間プールを使った水泳の授業は、児童にとっても教員にとってもメリットがあると考えておりますので、市内の学校に広げていけるよう、令和7年度は水泳の授業の時期の変更や、学校から離れた民間プールで水泳の授業を行う場合の課題の検証を行いたいと考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 子供たちには、自分の命を守るためにも水泳指導の充実は必要なことだと思います。事故のおそれがあるから水泳の授業をやめるのではなく、事故が起こらないよう、子供たちに泳力をつけていくことが必要ではないかと思います。そのためにも、年間を通じて利用できる民間のプール利用を拡大していくことも一つではないかと思いますが、教育長はどのように考えておられますか。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 民間のプールを活用して水泳の授業を行うということについては、大変メリットがあるように考えております。室内プールであるので、一定の環境の下で授業が行えることよりも、専門的な知識を持った方の指導を受けることができるというのが一番のメリットではないかというふうに思っております。中学校には、体育を専門とする教員が配置され、指導しておりますので、それが小学校におきましては、担任が教科指導を含めて水泳の指導も行わなければならないという状況にあります。有沢議員が言われましたように、事故が起こらないよう子供たちに泳力をつけていくことが重要ではございますし、長岡小学校の児童が受けている専門的な指導を、今後市内の学校に広げていくというようなこともまた考えております。年間を通じて水泳の授業を行うには、学校の年間行事の見直しも必要ですし、授業時数には限りもあります。また、今まで行ってきた水泳記録会等の教育委員会の行事の検討も必要になってくるとは思いますが、民間のプールの利用の拡大は今後ともまた進めていきたいというふうに考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 私もながおか温泉でよくプールをするんですが、そのとき長岡小学校の生徒たちを教えている水泳の授業を見たことがあります。子供たちは、本当に生き生きとしてるんですよ。やはり、専門家の指導員に指導をしていただくと子供たちも上達が早いと思いますんで、今後ともぜひ続けていってもらいたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
次に、学校再編について質問いたします。
香南中ブロックの大湊小学校は、急激な児童減少と、津波浸水地域であるという課題があり、学校再編の動きも気になるところです。教育委員会は、これからの教育・保育の在り方検討委員会の答申を受けて、昨年から保護者の意見を聞く機会を設けて実施しているようですが、どんな意見が出ているか、構わない範囲で教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 大湊小学校の保護者の方々からは、令和6年度に入って2回御意見を伺う機会を設けました。保護者の方々からは、御意見といたしましては、現在の大湊小学校には満足しているが、津波の心配もあるので、学校を残してもらいたい気持ちもあるが、津波のことを考えると移転も視野に入れるべきか、また今は子供をこの学校に通わせてよかったと思っているが、子供を津波の心配のある大湊小学校に通わすことについては、不安があるという気持ちも分かるといった御意見もあり、皆さんが再編問題について迷われているのが分かる状況でございました。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) その中で、子供たちからの意見を聞くことはありましたか。意見を聞く機会があったなら、その中で出てきた意見を教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 7月17日に大湊小学校で、4年生、5年生、6年生12名から意見を聞く機会がありました。その中で、児童からは、児童数が少ないことについては、18人だからできることもある、少人数なので協力する気持ちが強くなり、仲よくできるといった意見が、複式学級については、分からないことがあれば友達や先生が教えてくれる、複式だからといって困ることはないといった、少人数であることを積極的に捉えた意見が多く出されました。ほかの学校に通わなければならなくなったらどう思うかについて意見を出してもらいますと、嫌、毎年クラス替えがある学校では毎年人間関係を築くのが大変、既に出来上がっているグループに入っていくのは難しいのでは、大人数の中での学校生活には不安と楽しみの両方があるといった人間関係の構築に不安を抱く意見がございました。
また、大湊小学校の4年生、5年生、6年生には、学校再編についてのアンケートに答えてもらっています。統合してよくなると思うことについては、友達が増えて一緒に遊べる、保育園のときの友達に会える、統合して心配なこと、困ることについては、いじめられるんではないか、毎年楽しみにしていた行事がなくなってしまうといった意見がありました。そのほかの質問として、どうやって登校すればよいのか、学校を選べるのかという児童の意見もございました。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 大湊小の現状は、今の話を聞きますとおおむね満足しているように、一般的に考えて小規模のデメリット、メリットを教えてください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 小規模校のメリットでございますが、大湊小学校の児童の声からも、授業の中で発表する機会が多い、行事でも出番が多く、たくさんの経験を積むことができる、先生との距離が近いので相談しやすくなるというのがメリットであると思います。また、デメリットといたしましては、人間関係が固定し、就学前から卒業まで人間関係が同じまま固定化するといったことが挙げられます。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) メリットはメリットでいいのですが、デメリットについては、デメリットを克服するための手だてを持っていると思うのですが、これまで取り組んできたことはどのようなことがありますか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 小規模校のデメリットの克服といたしましては、白木谷小学校、奈路小学校で行っております特認校制度で、新たな生徒を募集して、人間関係の固定化を防ぐというようなことがあるかと思います。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 大湊小学校は今年の新入生がゼロと聞いていますが、大変寂しく感じました。しかし、保護者や子供たちの満足度は高く、また学校がその地域からなくなると、地域はますます寂れていくことは間違いありません。そういった意味において、学校再編については十分な議論が必要になってくると思います。十分検討はされましたか。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 議員が言われましたように、地域から学校がなくなると地域は寂れていくことになろうかと思っておりますので、教育委員会といたしましては、児童数の減少だけをもって学校の廃止を検討する考えはございません。現在、大湊小学校の児童数は、2年生2名、3年生3名、4年生5名、5年生3名、6年生5名の合計18名となっております。令和6年度の新入生はおりませんでしたが、これが将来的に入学者が見込めないのであれば、在校生の学習環境を考えていかなければならないと思っております。教育委員会といたしましては、児童の学習環境を第一に考えていかなければなりませんが、保護者や地域と十分に協議を行い、進めていく必要があると考えております。
○議長(岩松永治) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 教育長は、学校再編についてこれまでにも考えを述べてきましたが、いま一度学校の再編についての思いを聞かせてください。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) 学校再編についての御質問にお答えをいたします。
私は以前も申し上げてきましたが、学校は地域コミュニティーの核的存在として重要なものであるというふうに考えております。学校がなくなるということによって地域の衰退につながることも考えられますので、慎重に対応していかねばならないというふうに思っております。特に、小学生にとっては、小学生の発達段階から考えても、家族や地域といった身近な人間関係の中で生活しているので、学校が家庭の延長の身近な地域にあるということは、子供たちの人間形成にとっても意義があるものであるというふうに思っております。
また、近年学校教育における学習方法、また学習手段も個別最適な学びに取り組んでおりまして、少人数化、個別化の学習形態を国全体でも推し進めている現状から、少人数であるということはメリットでもあるというふうに考えております。そういうことを考えますと、拙速な再編は避けるべきではないかという思いもあります。しかしながら、集団で行うダイナミックな教育活動や学校行事ができないなど、学校運営そのものに支障を来すことになれば、学校としての機能が果たされにくくなりますので、そういう視点では再編も視野に入れなくてはならないというふうに感じております。7月に、大湊小学校の児童たちから直接意見を聞きましたが、そのときの児童の声で、現状の18名の中での教育活動には満足しているという答えがありましたが、次にこれが半数、9名になればどうかと問いましたら、そうなればいろんなことができなくなるのではないかという不安も口にしておりました。
いずれにいたしましても、子供たちにとってよりよい学びの場の在り方がどうあるべきかということを第一に考え、当事者である子供や保護者、地域の方々の御意見を聞きながら検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午前11時58分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○副議長(西本良平) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。17番有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) それでは、最後の通告になりますけれども、緩やかなスタート事業について質問いたします。
本年度小中学校は、1学期のスタートである始業式、入学式を、これまでより3日間遅らせて4月10日としました。試行してみての反応はいかがでしたか。実施に至った経緯と、実際に行っての反応についてお聞かせください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 入学や進級したばかりで、児童生徒を取り巻く環境が変化したことにより、不安を抱えている子供たちに向き合い、寄り添う時間を確保することや、異動してきた教職員、新規に採用された教職員等が余裕を持って児童生徒と関わることができるよう、新しい学校や担任業務の準備期間を十分に確保するなどのため、1学期のスタートである始業式、入学式を、これまでより3日間遅らせて4月10日としました。教職員からは、小学校1年生の担任は、就学前施設から送られてきた要録に、通常学級の担任は個別の指導計画に、特別支援学級の担任は個別の支援計画に、それぞれ時間的余裕を持って目を通すことができた。不登校ぎみの児童生徒や、特別な対応の必要な児童生徒に対して、本人や保護者への対応が丁寧にできたといった意見が出ておりました。
また、具体的な取組の事例といたしましては、香長中学校区の小学校4校の6年生担任が、中学校の新1年生の担任教諭と一緒になって、児童の様子を共有しながら学級編制を行うなど、例年以上にスムーズなスタートができたと聞いております。そのほか、県外からの新任者が配置された学校長からは、引っ越しや行政機関での手続を済ませるなど、生活基盤を確立させつつ、新学期に向けた準備もできていたとの報告もあっております。保護者からは、学校の理由は理解できるが、親は通常勤務であり、自宅で子供だけの時間が増えるため、子供の世話や預け先に困ったという意見や、児童からは早く友達に会いたかったという御意見はいただきましたが、全体を見ると肯定的な御意見が多かったように捉えております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 2年間の試行期間を置くということであったと思いますが、今後正式な実施に向けてどんな手順で進めていくか、答弁をお願いします。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 令和6年度と同様に、令和7年度の状況についても検証を行いまして、正式に1学期のスタートを4月10日とすることになれば、南国市学校運営規則を改正することとなります。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 施行2年目の来年度は、今年度と同様の実施になるか、お聞かせください。
○副議長(西本良平) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 来年度につきましては、今年度同様、1学期のスタートである始業式、入学式を4月10日といたします。なお、2学期のスタートにつきましては、今年度は8月29日からでしたが、来年度は9月1日を基準として、各学校の状況により前倒ししても可能ということにしております。また、学期始めを半日授業とする緩やかなスタートにつきましては、各校の状況に合わせて日数を決めることができるようにしております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 南国市における教職員の働き方改革は、これまでの議会での教育長答弁にもあったように、いろいろな手だてを取ってきたと思いますが、今後の方向性、多忙化解消に向けての取組について教育長の答弁を求めます。
○副議長(西本良平) 教育長。
○教育長(竹内信人) 有沢議員にも言っていただきましたが、これまで本市におきましては、県内に先駆けていろいろな取組を行ってまいりました。しかし、1つの事業を実施したからといって、そのことが多忙化解消に直接的に効果をもたらしたということは思ってはおりません。むしろ、より多角的な事業を取り入れることによりまして、複合的な解決を望んでいくしかないのではというふうに思っております。まずは、この2年間で試行しております緩やかなスタート事業を検証し、正式な実施を行うことと、それから現在進めていることといたしましては、年間授業時数の見直しや、1単位時間の見直し、またさらなる学校行事の精選など、そして何よりこういった取組を下支えする管理職の意識改革を進めるための研修や、先進校または先進地視察を来年度は行う予定としております。
学校現場は、決して現状に満足しているわけではありませんが、変化を嫌う風潮と、変化をさせにくい体制があります。しかし、今取り組んでいくことが子供たちにとっても有益なことにつながるのであれば、思い切った改革が必要と考えておりますので、皆様方の御理解も得ながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) 教職員の多忙化の解消について、国のほうでも改革は進められていると思いますが、私は前々から言っているように、教職員の職務のさび分けをしっかり行う中で、公でしなければならないことは公で、民間でもできることは民間でするべきではないかと思います。先ほども出てきた民間プールの使用や水泳指導等もそうですが、PFIやPPPの利活用を教育の場でもぜひとも進めていただきたいと思います。そのことにより、先生方や子供たちにもゆとりが生まれ、教育効果が上がることが望まれると思います。最後に、市長の考えをお聞きします。
○副議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 議員が言われましたように、公でしなければならないことは公でしなければなりませんが、民間でもできることは民間で行うということも必要であると考えております。公益事業におきますPFI、PPPの活用は全国的に広がりを見せておりまして、教育施設への活用などの先進事例も公表されておるところでございます。これまで、市としましても学習会を開くなど研究を進めてきたところですが、今後も教育のどの場面での活用が効果的、効率的かを見定めながら、PFI、PPPの活用を検討してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(西本良平) 有沢芳郎議員。
○17番(有沢芳郎) どうもありがとうございました。
これで私の質問は終わります。市長、ありがとうございました。