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議会議事録

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検索結果 » 令和6年 第435回市議会定例会(開催日:2024/06/14) »

一般質問1日目(今西忠良)

質問者:今西忠良

答弁者:市長、関係課長


      ――――◇――――
      午後1時   再開
○議長(岩松永治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 引き続き一般質問を行います。21番今西忠良議員。
      〔21番 今西忠良議員発言席〕
○21番(今西忠良) 御苦労さまでございます。一般質問初日3番目の登壇になります。社民党で民主クラブの今西忠良でございます。
 私の通告をしました一般質問は3項目であります。
 以下、順次総括で質問を行いますので、答弁方よろしくお願いをしたいと思います。
 まず1項目めは、国民生活を脅かす諸法案の動向についてで、1点目の戦争する国づくりについてであります。
 「歴史は繰り返す」、今日本は新しい戦前に向かおうとしております。
 日本は、専守防衛を投げ捨て、アメリカと共に戦争する国へと歴史的な変貌を遂げているのではないでしょうか。軍需産業を育成し、武器輸出を進め、学術研究や民間空港・港湾などの軍事利用が強行され、教育や情報などあらゆる分野で軍事化が進んでいます。今止めないと、今声を上げないと、日本の平和は保てないのではないでしょうか。
 軍事費増大は、暮らしや命のための予算の削減にもなります。年金や医療、介護、子育て、教育のための予算が最優先であり、私たちは非正規や貧困社会からの脱却を目指しています。
 3・11東日本、福島の大事故がなかったかのような原発新増設や60年越えの老朽原発の稼働など、脱原発からの大転換も許せません。地球環境保全や防災対策は待ったなしであります。
 武力で平和はつくれません。これは、人類の歴史の教訓であります。抑止力という名の下の軍事力の増強は、近隣諸国と果てしない軍拡競争にもなります。結局は核武装に行き着いてしまうのではないかと危惧もされます。
 私たちは、79年前の敗戦の教訓から、平和憲法第9条を手にしました。戦場に送られた若い兵士たち、原爆や空襲、沖縄戦の犠牲者となり、亡くなった方は350万人にも及びます。そして、何よりも日本のアジア諸国への侵略や植民地支配で亡くなった方は、優に2,000万人を超えるのであります。もう二度と戦争はしない、非武装の平和な日本を創る、その決意の中で憲法第9条は生まれました。私たちは、平和憲法をないがしろにする動きを断じて拒否をしています。それは、全ての戦争犠牲者の遺言でもあるのではないでしょうか。
 日本を軍事国家にさせてはなりませんし、沖縄や南西諸島、そして日本を絶対に再び戦場にさせることは許されません。岸田自公政権は、琉球周辺での基地建設やミサイル配備を進めるとともに、今日までに安保関連法、戦争法と言われるわけですけれども、さらには特定秘密保護法、共謀罪など、2023年には防衛財源確保法、防衛産業支援法を強行成立をさせてきました。対中国有事を想定した九州・南西諸島で過去最大の日米軍事演習を実施をし、戦争準備を既成事実化しているのではないでしょうか。
 2024年、今年には殺傷兵器そのものである次期戦闘機の輸出解禁を閣議決定もしました。軍事秘密保護強化のための罰則つき重要経済安保情報保護活用法案、日米指揮統合を見据えた陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波などの作戦を統合する統合作戦司令部設置法案も国会で強行に突破をされてきました。
 このように、岸田首相は米国の求めに応じ、戦争する国づくりへと本格的に着手をしようとしているのではないでしょうか。そうした動きを阻止するとともに、政治を、社会を変えていくことが今こそ大変重要な時期に来ているのではないでしょうか。
 平和憲法が施行77年、この間、日本は一度も戦争に巻き込まれることもなく、戦争に加担することもありませんでした。改憲ではなく、世界に誇れる平和憲法の理念に沿って、立憲主義を貫くとともに、憲法は時の権力を縛るものでもあります。平和日本であり続けるためにも、また市民の命や暮らしを守るためにも、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意をし、ここに主権が国民にあることを宣言し、この憲法を確立すると、憲法前文には明確にうたわれているところであります。
 平山市長の戦争をしない国、日本について、また平和憲法に沿った政治姿勢をいかに全うしていくかであります。
 憲法第10章、最高法規第99条では、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされています。市長の平和を守るという熱い思いと平和行政に徹していく姿勢と決意をお聞かせください。
 次に、2点目の食料・農業・農村基本法の改正についてであります。
 農業、農村の憲法とされる食料・農業・農村基本法の一部改正案が今期の通常国会に提出をされ、5月29日には参議院本会議で可決、成立をしました。
 食料安全保障の確保や食料自給率の向上などの基本的な理念や考え方に触れつつも、そのポイントは農家の生産収支の赤字補塡をする戸別所得補償制度の復活を示さず、食料自給率についても5年間目標も45%というものであります。
 失望する声が多く聞かれ、食料の安全保障に不安が募る中で、岸田政権は軍拡にかじを切っています。今後、5年間の貿易総額を43兆円としてGDP比を1%から2%へと倍増するものでもあります。24年度の農業分野の予算は、1兆7,000億円でありますけれども、同年度の防衛費は過去最大の8兆円にまで膨れ上がりました。私たちの命を守る安全保障は、軍事力なのか、それとも食料生産力なのか。79年前までの日本の歴史を思い起こし、国税の使い道の検証が求められているところであります。
 食料・農業・農村基本法、第2条では「食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであり、将来にわたって、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されなければならない」と明記をされております。世界では、国連が2030年を年限とするSDGsを採択をしましたし、17の目標の2つ目に飢餓をゼロにを掲げ、世界中で食料の安定確保と栄養状態の改善を達成する、そして持続可能な農業推進をすると規定をしております。
 日本を含め、世界が着手すべき持続可能な農業の推進という目標を着実に実践しなければなりません。農家が苦境に追い込まれた原因は、多くの畜産物の生産コストを下回る価格の自由化であり、先進国では当たり前の所得補償を制度化し、採算に見合う生産可能な価格設定を行うことも不可欠だと言えます。
 地球環境は悪化の一途で、世界の食料生産が枯渇する中で、生産を担う農民が農業を続け、農村の生活と農地を守ることができるようにすることは、国の最大の責務だと言えます。世界的な食料危機が進む中で、食料を海外に依存する日本の食料問題は、危機的であるとも言えます。食料、農業問題は、消費者の問題であり、国民の命の問題でもあります。生産者が持続をして農業ができるよう、年間数兆円規模の農業振興予算を増額をして、国民に食料を供給できる体制の確立を国に求めていくのは当然の成り行きではないでしょうか。
 真の食の安全保障は、国民の食料を自国で賄うことであろうと思います。今回、食料・農業・農村基本法改正への思いといいますか、見解をお聞かせください。あわせて、日本の農業の再生と食料自給率向上への諸施策についてもお示しください。
 次に、2項目めの地方自治法改正についてであります。
 憲法が保障する地方自治を根底から否定をする地方自治法改正案が5月30日、衆議院本会議で与党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決をされ、今参議院に送られているところであります。
 地方自治体は、政府の家来でも下請機関でもありません。日本国憲法第92条は、地方自治の本旨を明記をし、地域住民が地方政治に参画をし、地域のことを自ら決定する住民自治と、地方自治体の自律権であります団体自治を保障しております。また、2000年施行の地方分権一括法では、政府と地方自治体の関係は対等と位置づけられました。ところが、今回の地方自治法改正案は、地方自治の本旨を覆す内容だとも言えます。地方自治は、憲法で保障され、自治体の裁量と責任で地域を運営し、国は自治体の自主、自立性に配慮をしなければならないと自治法の中でもうたわれているわけであります。
 1990年代以降の地方分権改革では、国の仕事を自治体に下請をさせる機関委任事務を廃止をし、国と自治体の関係は上下・主従から対等・協力へと改められました。
 今回の2020年の新型コロナウイルスによる集団感染では、自治体の役割だった患者の受入れ等で調整が難航した経緯も確かにあったわけですけれども、こうした中で首相の諮問機関は昨年12月に自治体への指示権拡大を求める答申の決定をし、政府は2か月余りで地方自治法改正案を閣議で決定をし、今日に至りました。
 納得できるような説明は依然としてありませんし、地方分権の流れを逆行させるおそれがある以上、私たちが賛成ができない立場で今日までやってまいりました。今回の法改正は、法的拘束力を持つものであり、指示権を拡大する内容だと思います。
 野党側は、地方自治への干渉強化につながると懸念を示してきましたし、民主主義の根幹をなす地方自治や対等が原則の国と地方の関係に関わるだけに、首長からも慎重審議を求める声は当然あったと思われます。
 ここで、5点について質問をいたします。
 1点目は、国から地方への指示権とはどういうものなのか。
 2点目は、行使の要件、自治体との協議、そして国会の関与について。
 3点目は、国はどんなときに指示を出すのか。
 4点目は、地方分権への逆行であり、地方自治を国の従属に変容するものであるが、この点についてはいかがか。
 最後に、法改正への市長の思いと見解も併せてお聞かせください。
 次に、3項目めの防災行政についてであります。
 2024年元日、能登半島に発生をした巨大地震は、地盤の隆起や道路の寸断、停電、断水など市民のライフラインの破壊をしました。地震大国日本の危険性を改めて浮き彫りにした地震ではなかったでしょうか。マグニチュード7.6、志賀町と輪島市では震度7、七尾市、珠洲市、穴水町、能登町では震度6強を観測、住宅の全壊は8,597棟、半壊は2万87棟、一部損壊は9万2,081棟、石川県内ではいまだに多くの断水がまだ続いています。
 能登半島は、高齢化の進む過疎の半島とも言われてますし、被害の多かった珠洲市では通常の廃棄物の132年分の膨大な災害廃棄物をいかに搬出をするのか、避難者が果たして故郷に戻れるのか、深刻な課題が山積をしていると言えます。
 以前から、珠洲地域を震源とする群発地震が続いていました。2023年5月5日にはマグニチュード6.5、最大震度6強の地震が起こり、死者が1人、住家の全半壊も350棟に及び、復旧を進めているところへ今回の地震の発生でした。令和6年能登半島地震と命名をされたこの地震は、150キロにわたる断層の連動でマグニチュード7.6、最大震度7を記録しました。前年5月5日の地震の50倍以上のエネルギーの解放によって多数の家屋が倒壊し、土砂災害、火災、液状化、津波を引き起こし、石川県全域と富山、新潟、福井県にも大きな被害を及ぼす大災害となりました。
 5月8日時点の被害状況は、死者は災害関連死も含めまして260人ということですし、重症者は320人、全半壊が2万4,573棟を含めて7万8,937棟の住家被害、農地や農道、水路、ため池、農業施設等の被害が7,200件、林道、林地2,000か所が損壊、漁船の340隻、漁港の60か所で損傷、内外側の港では22の港が海底隆起で船の航行が不能にもなってまいりました。道路は通行止めの箇所が21路線43か所、88河川で護岸等の損壊、64か所で土砂災害が起こりました。輪島市、珠洲市、能登町ではいまだに4,460戸の断水が続いています。
 半島という地理的な条件の中で、高齢化と過疎化が進む能登地域において、集落や公共施設のコンパクト化が話題にも上っていますけれども、地域のつながりを維持をしながら、生まれ育った土地で住み続けることを望む人々に寄り添うことを基本にした復興の在り方を求めていかなければならないとも考えます。
 そこで、6点くらいにわたり質問をいたします。
 1点目は、能登半島地震の特徴と、そこから読み取れるものについてであります。
 2点目は、避難対策についてであります。1次避難、ホテルや親戚などの2次避難所、避難所に居場所を確保できず、やむを得ず自宅や倉庫、農業用ハウスなどでの避難もあってきました。仮設住宅の立地、さらには支援体制等についてもお答えください。
 3点目は、ライフラインの早期復旧であります。今回の場合、津波や火災、山崩れなどによる道路の寸断が大きな足かせとなってきたと思います。ライフラインの復旧体制の確立が大変重要だと言えますが、いかがでしょうか。この点については、建設課長と上下水道局長にも答弁を求めます。
 4点目は、住宅耐震化事業の現状と進捗状況、そして今後の事業の促進等についてもお聞かせください。
 5点目は、事前復興についての取組や進めていく上での展望や課題についてもお示しください。
 6点目、最後に防災対策、防災行政における今後の課題についてであります。
 被害の状況、避難所の状況把握、支援物資の受渡し、さらにはインフラ復旧と整備の迅速化など、瓦礫処理や災害関連死対策、公費解体への道筋、そして課題も多いわけですけれども、たやすい問題ではないわけですけれども、それぞれ地域、地元によったら復興よりも移住、こういう話も出ているわけですけれども、今の日本の縮小していく日本の社会で被災地の復興はどうあるべきか。日常的、平時からも議論をしていく大きな課題ではないでしょうか。
 災害発生に対しても、事前準備としての計画、そして復興への基本計画などを盛り込んだ南国市地域防災計画が全面改定もされました。この計画が指し示すものについても、併せてお答えください。
 以上で1回目の質問を終わります。
○議長(岩松永治) 答弁を求めます。市長。
      〔平山耕三市長登壇〕
○市長(平山耕三) 今西議員の質問にお答えいたします。
 まず、1点目の国民生活を脅かす法案の、(1)戦争する国づくりということに対しての私の思いということでございました。
 日本の安全保障政策は、今西議員もおっしゃったとおり、大きな転換期を迎えておるところでございまして、一昨年の12月には安全保障関連3文書が閣議決定され、改定がされました。これらは、当初の枠組みに基づき、日本の安全保障に関する基本的な原則を維持しつつ、日本の安全保障政策を実践面から転換するものとなっております。あわせて、防衛費につきまして、2027年度にはGDPの2%に達する増額を目指す方針が示されております。こうした転換について、政府は日本国憲法、国際法、国内法の範囲の中の対応であり、非核三原則、専守防衛の堅持、平和国家としての日本の歩みは不変であるとしております。
 これに対する私の思いということでございますが、大前提として、日本国憲法は二度と再び戦争を繰り返さないという恒久の平和を念願して交付された平和憲法であります。第9条には、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が規定されており、これからも平和憲法である日本国憲法を守っていかねばならないと思っております。
 今、世界ではウクライナやイスラエルなどで戦争、紛争が続いておりますし、いつ終わるか分からないこのような争いの中で犠牲になっている住民は、本当に不幸であると思います。人道の危機であるとも思います。このような悲惨な戦争というものがない世界を目指すということは当然のことであり、戦争により人々の貴い命と平和な暮らしが理不尽に奪われることがないよう、対話と交渉による平和的解決を粘り強く目指していくべきであると考えております。
 続きまして、地方自治法改正につきましての見解ということでございますが、現在の地方自治は2000年に施行されました地方分権一括法により、国と地方の関係は対等・協力となりました。その中で、地方は自主性、自立性を持って各地域特有の課題解決のため、創意工夫を行いながら人口減少対策など地方創生に取り組んでいるところであります。
 そのような中、今回の地方自治法改正につきましては、国の指示権を創設するものでありまして、今までの地方分権の流れの中で、自治体との事前協議の義務ということもなく、国会の関与もなく、閣議決定により指示ができるというところに不安感を感じることは否めないところであります。
 今回の法改正は、コロナ禍への対応という事実を踏まえた法改正であるということでありますが、今回の法改正が憲法に規定されています地方自治の本旨や今までの地方分権の流れが変わるものであってはならないと思っておるところでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
      〔川村佳史農林水産課長登壇〕
○農林水産課長(川村佳史) 食料・農業・農村基本法の改正につきましてお答えいたします。
 世界的な人口の増加、異常気象に加え、世界有数の穀倉地帯でありますウクライナへのロシアの侵攻といった政治的情勢に起因したリスクなど、世界規模で食料供給不安は高まっており、輸入に依存することに対するリスクが顕在化しているように感じております。
 今回の基本法の改正におきまして、食料安全保障の確保が基本理念に掲げられておりますが、食料安全保障を確立するには国内生産の安定が不可欠であります。生産基盤の確保や経営安定対策などで国内生産が安定し、結果、食料自給率の向上と食料安全保障の確保につながっていくものと考えております。
 また、農業を取り巻く状況は非常に厳しく、少子・高齢化による人口減少とそれに伴う国内市場の減少、また集落も縮小しており、それらが食料を自国で賄う力が減退する要因となっていると考えております。
 改正基本法におきまして、持続的な供給に要する合理的な費用の考慮が規定されましたが、日本農業の再生と食料自給率の向上を図るためには、担い手の確保や生産基盤の強化など、国を挙げて生産者を支える仕組みづくりが必要であり、それには安定した予算の裏づけが欠かせないものであります。また、国民全体で自給率の向上について考え、理解を求めることも必要ではないかと考えております。
 今後、国において法改正を踏まえた基本計画の策定作業と予算も含め、制度設計が進められていくことになりますが、国の動向等に注視し、場合によっては市長会などを通じて国に要望を行うことなども検討をしつつ、生産者のニーズを的確に捉えて国の政策を着実に反映できるように取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 企画課長。
      〔田所卓也企画課長登壇〕
○企画課長(田所卓也) 今西議員の地方自治法改正についてお答えいたします。
 まず、指示権についてですが、指示権とは国が地方自治体に対して対応を指示できる強い権限です。国の地方自治体に対する指示権は、法定受託事務については地方自治法で一般的に認められておりますが、自治事務につきましては是正の要求までしか関与規定がなく、国民の生命、進退、または財産の保護のため、緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合など、特に必要と認められる場合に限って個別法で根拠規定を設けることとされております。
 具体的には、災害対策基本法や新型インフルエンザ等対策特別措置法、また武力攻撃事態法などの個別法で、既に国の地方自治体への指示権が規定されておりますが、今回の地方自治法改正案では、非常事態には個別法に基づかずに国が地方自治体に指示できる内容となっております。
 次に、指示権の行使の要件につきましては、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生するおそれがある場合であって、個別法では想定できない事態のため、個別法の指示が行使できず、国民の生命等の保護のために、特に必要な場合に行使できるものとされております。
 行使に当たりましては、事前に自治体の意見を聞く手続が盛り込まれておりますが、努力義務であり、また国会の関与は規定されておらず、閣議決定により各大臣が地方自治体に指示できるという内容となっております。
 今回の法改正は、これまで是正の要求まででありました国から地方自治体への自治事務への関与の在り方を変え、要件はあるものの、曖昧な部分を残したまま指示権を認める内容となっており、今西議員が危惧されていることを否定することはできないと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
      〔野村 学危機管理課長登壇〕
○危機管理課長(野村 学) 今西議員の防災行政についての御質問にお答えいたします。
 まず初めに、能登半島地震の特徴と、そこから読み取れるものについてお答えいたします。
 今回の能登半島地震では、揺れによる建物の倒壊被害や地震火災による被害のほか、震源が海底だったため、津波による被害も発生しております。
 中でも一番大きな特徴は、震度7という大きな揺れによる道路の寸断とライフラインの長期間の途絶であります。道路の寸断により孤立した輪島市や珠洲市では、大きな被害が発生しているにもかかわらず、外部からの支援を受けるのに時間を要しました。また、孤立した状態の中でのライフラインの長期途絶により、要配慮者など生活に支援が必要な方々については、お住まいの地域で避難生活を送ることができず、市外への避難を余儀なくされるということにもつながりました。道路の寸断とライフラインの途絶という2つの原因により、ボランティアの支援が遅れたということも指摘されております。
 南海トラフ地震のような大規模災害に対しては、南国市だけでは災害対応を完結させることができず、県、国と連携して対応に当たることが必要になります。しかしながら、南海地震で想定される地震の規模マグニチュード9.0は、能登半島地震の規模マグニチュード7.6よりもはるかに大きく、被害の広域化が想定されております。そのため、外部からの支援が届くまでの間、いかに被災地内で対応するかということが重要になります。
 基本的なことにはなりますが、行政、企業、住民、それぞれの立場での備蓄物資の充実や救援を求める外部への情報発信ツールの確保などと併せて、道路をはじめとするライフラインの復旧体制の確保が重要であると改めて感じたところです。
 次に、避難対策についてお答えいたします。
 今回の能登半島地震を見ましても、避難の形態は様々であることが分かります。指定避難所や住宅での避難だけでなく、車中泊避難やビニールハウスを利用した避難など、実態として行政が指定する避難所ではない場所で避難をする場合が多く見られております。また、石川県では、被害の大きかった輪島市や珠洲市の方を被害のない金沢市のホテルなどへ避難をさせる2次避難を実施しております。このように、市内市外を問わず、多様な避難生活を送る被災者の実態をどのように把握し、支援を行うかが重要になります。
 石川県では、公式LINEから自宅避難、車中泊避難、避難所避難など避難者情報を登録できるフォームを作成し、登録を促しておりました。登録された方には、公式LINEを通じて支援情報の発信も行っております。
 本市でも、能登半島地震を受けて、災害に備えて、南国市公式LINEへの登録を促す広報も行ったところです。多様化、広域化する避難生活に対応するべく、迅速な状況の把握と支援体制の確立を図ってまいります。
 また、避難生活の解消のためには、住宅の再建や仮設住宅の入居など次の段階へと進むことが必要になります。すぐに自宅再建の難しい方には、災害救助法に基づき、仮設住宅を整備し、提供することが可能となっておりますが、仮設住宅の建設用地につきましては、その確保が十分ではなく、課題となっております。
 次に、ライフラインの復旧についてお答えいたします。
 道路や上下水道と併せて重要になるライフラインの電力に関しましては、四国電力株式会社様と迅速な応急復旧に関する協定を締結しております。また、本市では大規模災害発生時に所有する敷地を災害復旧のための拠点として使用させていただく協定を株式会社サンコール様と締結しております。昨年度は、この協定に基づき、株式会社サンコール様の協力の下、実際に拠点となる場所で四国電力株式会社様の応急復旧訓練を実施するなど、実効性を高める訓練も実施しております。
 また、ライフラインが復旧するまでの間をつなぐ対策として、発電機など外部電源から施設へ給電できる装置の整備や耐震性貯水槽なども整備をしております。
 次に、事前復興計画についてお答えいたします。
 事前復興計画につきましては、東日本大震災の被災自治体において職員の被災や膨大な災害対応業務によるマンパワーの不足、復興計画の事前準備がなかったことなどの要因により、復興事業の着手が遅れ、事業の完了まで長期間を要したという教訓から、事前に復興の準備を進めておくという観点での取組が求められているものです。
 本市では、昨年度、全面改定いたしました南国市地域防災計画において、事前復興対策本部を立ち上げること及び事前復興計画を策定することを位置づけております。
 本年度は、事前復興対策本部を立ち上げ、本年度から令和7年度にかけて復興の基本計画となる事前復興基本計画を策定する予定としております。事前準備として計画を策定することにより、大規模災害が発生した場合においても、早期の復旧とよりよい復興を目指してまいります。
 最後に、今後の課題についてお答えをいたします。
 まず初めに、南国市地域防災計画の全面改定につきまして、様々な課題を解決するために令和4年度から令和5年度にかけて南海トラフ地震の発生を見据えた一層の推進の体制強化と発災時に機能する組織をつくることを大きな目的とした南国市地域防災計画の全面改定を行いました。
 重点項目として、災害対応の標準化、推進体制の強化、災害対応にDXを位置づけており、令和5年度から順次取組を進めております。具体的には、災害収集カメラの整備や被災者生活再建支援システムの導入、また気象災害リスク判断を支援するサービスを導入し、災害対策本部の機能強化を図っております。
 また、今後の課題について、幾つか御指摘をいただきました。
 瓦礫処理に関しましては、災害からの復旧・復興に直結する問題であり、迅速な対応が求められます。
 本市では、災害対策本部の業務として、災害廃棄物処理を担う環境課を中心に南国市災害廃棄物処理計画が策定されておりますが、今後訓練等を通じて、この計画の実効性を高めていく必要があります。
 廃棄物の処理に関しましては、熊本県人吉市の事例として、廃棄物の分別の徹底を住民にお願いし、協力いただいたことで迅速に処理が進んだという事例があります。災害廃棄物処理への理解と協力を促す住民への啓発なども市の対策として重要であると考えます。
 災害関連死に関しまして、災害から助かった命を守る、つなぐということは、行政の責務であります。災害関連死の防止には、避難生活環境の確保と地域、人とのつながりを守るという2つの観点があります。
 生活環境の確保に関しましては、避難所で使用する浄水器付シャワーの整備やマンホールトイレなどのトイレ対策を順次進めているところです。
 地域、人とのつながりを守るということに関しましては、従来から孤独死を防ぐという観点から課題として上がっているところですが、地域や人のつながりが避難生活の中でいかに大切かということにつきましては、能登半島地震の対応に当たっておられた石川県庁職員から直接お話を聞く機会がありました。金沢市の1.5次避難所では、ホテルなどの生活環境の整った2次避難所を準備しても、人とのつながりがなくなるという理由で1.5次避難所にとどまったままの方が一定数おられるということでした。物理的な環境を整えるだけでは十分ではないことを改めて考えさせられました。例えば、自主防災組織活動を通じて、さらに人と人とのつながりを強化する施策はないか、検討してまいります。
 公費解体につきまして、公費解体とは迅速な復旧・復興のため、原則として所有者が行うこととなっている被災家屋の解体、撤去を所有者の申請に基づき、公費により市町村が行うものです。
 能登半島地震により被災した石川県でも公費解体を実施しておりますが、地震発生から5か月経過した時点でも、公費解体により解体が完了した建物は、申請のあった数の約2%にとどまっていると聞いております。公費解体が進まない原因は、事務作業や手続に時間がかかること、解体業者の不足などとされています。行政、住民双方の制度の理解と体制の確保が重要であります。
 どのように復興を進めていくかということにつきまして、これは先ほど答弁いたしました事前復興計画に関わってくることでございます。特に、津波浸水が想定される地区での復興をどのように考えるのか。各種対策を施した上で現位置での復興、高台への移転など様々考えられます。このようなことを地区ごとに事前復興、まちづくり計画として事前に定め、復興の取り得る手段を整理していくことにより、迅速な復興につながるものと考えております。
 そのほか、ペット避難対策や孤立地域対策、帰宅困難者対策など多くの課題がありますが、改定した南国市地域防災計画に位置づけられた各部署の分掌事務に基づき、迅速に課題解決を図ってまいります。
○議長(岩松永治) 建設課長。
      〔橋詰徳幸建設課長登壇〕
○建設課長(橋詰徳幸) ライフラインの復旧についてお答えいたします。
 道路復旧につきましては、災害時に応急復旧、災害廃棄物の除去、搬送、付随して発生する資機材、物資の輸送などの応急対策活動が必要と認めるときに応急対策活動の実施を要請することに関して、速やかな災害復旧を図ることを目的として、南国建設業協会と協定を提携しております。以上です。
○議長(岩松永治) 上下水道局長。
      〔浜田秀志上下水道局長登壇〕
○上下水道局長(浜田秀志) 目指すべきライフラインの復旧についてお答えいたします。
 能登半島地震では、上下水道についても大きな被災を受け、仮復旧や復旧まで相当な時間がかかり、ライフラインの耐震化や施設の老朽化に大きな課題があることを再確認する場となりましたが、同時に地震対策をあらかじめ行っている施設にはあまり大きな影響がなく、改めて耐震化の重要性を感じています。
 それでも、震度6強や7などでは相当の被害が発生いたしますので、業務継続計画の見直しや実地訓練などを行い、また施設などは復旧に大きな時間がかかる場合もあるため、被害が想定される箇所の耐震化や重要部品のストックなど準備を急ぐ必要があります。
 また、被災後には応援自治体などの支援を受け、被害状況の調査を始めますが、この調査にいかに早く被害状況を確認できるかが復旧へのスピードアップの鍵になります。
 今回の能登半島地震では、一部の自治体が支援者とタブレットなどで施設データを共有したため、点検作業もスムーズに行え、有効な手段となったようです。
 今後は、管路管理図や施設整備図など、デジタルデータとし、DX化を進めていくことを考えていく必要があります。
○議長(岩松永治) 住宅課長。
      〔松岡千左住宅課長登壇〕
○住宅課長(松岡千左) 住宅耐震化事業の促進についてお答えをいたします。
 能登半島地震、豊後水道地震を受け、住民の命と安全を守るために、耐震に課題がある建築物に対して何らかの対策を進めることは非常に重要であると考えております。そのため、危機管理課をはじめとする庁内の様々な部署と連携をしながら、耐震化について丁寧な周知、啓発が必要であると考えております。様々な機会を利用して周知や啓発に努めてまいります。
 現状につきましては、耐震化率が73.64%、これは3月議会で何人かの議員から質問いただいて答弁をした数値と変わっておりません。これにつきましては、3月議会で答弁をした時点から耐震工事が完了した建物がないことによる変化がなかった結果につながっておりますので、令和6年度は補助申請の受付を開始しましたので、工事が一定完了する建物が出ると考えられます。今後は、順次上がっていくものと考えております。
 そのため、まずは耐震診断を受けていただき、その後の耐震改修設計、耐震改修工事について着実に実施をしていただければと考えております。従前より診断を受けた上で工事を実施していない方に向けては、ダイレクトメールを送付したり、建築士に委託して戸別訪問を実施したりする取組を行っておりますが、その中で工事における補助上限を引き上げて、費用面の負担が下がっていることも周知しながら耐震化を進めたいと考えております。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) 市長をはじめ、担当課から丁寧に答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 少し2問目をしたいと思います。
 まず、岸田政権が進める憲法違反の戦争国家づくりですけれども、今年の4月に日米首脳会談では日米軍事同盟の歴史的な大変質が打ち出されたわけであります。米国の戦略に沿って進められるミサイル配備や今回の日米会談で確認がされた司令部の統合など、日本が中国や北朝鮮と打てば、日本は反撃を受けるのははるかに大きな被害を受けるわけです。このことは、間違いないと思いますし、安保条約によってだけではなく、米国の利益になる場合は、アメリカは日本を守ると繰り返し言明していることもあるわけですけれども、日米安保条約、日本を守るというのは幻想的なもんではないかということも指摘をされているところであります。
 在日米軍の海兵隊は、4つの部隊で構成をされていますけれども、いずれの部隊も日本防衛の任務はないわけですので、こうした意味でも安保で日本が守られるという主張にはそもそも現実性に欠けるのではないでしょうか。自衛隊を事実上、米軍の指揮下に置こうとする今の危険な動きを何としても止めなければなりませんし、時代に合わせて憲法を変えようと言ってますけれども、憲法を守り、生かすことこそ新しい希望のある政治をつくっていくことではないでしょうか。日本国憲法は、武力で紛争を解決することを放棄をしていますし、それが全ての外交の大前提になるのではないでしょうか。政治の役割というのは、戦争をさせないことだろうと思います。
 先ほど、市長が答弁をいろんな角度でしていただきましたので、市長の平和に対する、あるいは平和行政に向けての決意と受け止めましたので、ありがとうございました。
 次に、食料・農業・農村基本法の改正について、農業問題、川村農林水産課長より答弁をいただきました。
 今回の法改正は、食料安全保障への認識を高め、消費者の役割を加筆をし、新自由主義的政策の修正を図るような部分もあり、そういう部分では一定賛同もできる点もあったわけですけれども、しかし戦争や気候変動など世界的な食料危機が懸念をされている今の現状の中で、自給率向上に向けての、何としても農業予算を増額をし、国内生産を支援をする政策を強化することが本当の基本法改正で、本来議論をしてくるべきテーマではなかったかと、このようにも考えております。
 安全保障も食料安全保障も国民の命を守ることですが、予算で見ましても、食料安全保障は軽視をされているのではないかと大変危惧するところでございます。総予算に占める国の農水予算の比率は、1970年の11%から昨年の2023年度は2.2%に低下をしております。民主党政権時代の農水予算の比率は3%でしたから、安倍政権以降、さらに低下をしてきているのが実態ではなかろうかと思います。岸田総理は、農業政策を抜本的に見直すと、施政方針演説でもしっかりと述べていましたけれども、掛け声に終わっているのではないかと思います。そのことは、予算措置が物語っているのではないでしょうか。
 農家の皆さんの危機的な状況に対する新たな政策を実行していくためには、農水予算の増額は必要だろうと思いますし、生産コストの上昇を政府が補塡をする直接支払いや農地を守る交付金などを含む戸別所得補償制度は、諸外国では当然の制度でありますし、これを日本がばらまきと批判されるものではないと思います。
 食料自給率が低下した要因には、食生活の変化もあるのではないでしょうか。食料自給率の低下が農業や、あるいは農家、あるいは農水省の政策だけの責任ではありません。農産物は、適地適作が原則でありますし、湿潤な日本では小麦などを生産できる農地は限られています。米を中心とした国内農産物中心の食生活から、小麦の輸入農産物への食生活の変化が自給率の低下の要因の一つでもあったことは、間違いはないと思います。戦後、七、八十年で日本の食生活が変化をした国はあまりないんじゃないかと思います。
 大手の製造業が輸出で稼いで食料は輸入をすればいいという国際分業論も自給率低下の要因の一つだったと、このようにも思います。貿易交渉では、輸出産業のために、農業は犠牲になってきたとも言えるのではないでしょうか。日本の農業は、実際には農家の所得に占める補助金の割合が国際的にも最も少ないレベルであるにもかかわらず、経済的な目で見たら、日本の農業と国内の他産業との比較をして、何か一面補助金漬け、そういうような見方もされてきた経緯もあってきたわけであります。
 気候変動によって世界の農業生産がこれから大きな影響を受けてくることも懸念をされますし、世界同時不作というような危機も懸念もされるわけですので、自国民を犠牲にして日本に食料を輸出する国はないと思いますし、また防衛面でも、同盟国であっても経済的には競争相手であることも忘れてはいけないと思います。
 今後、ますます食料の買い負けの現象が起きてくる可能性も高くなってくるのではないかと思われます。国内生産の維持拡大、食料自給率の向上こそが食料安全保障の確保や確立の基本になるのではないでしょうか。
 先ほど農林水産課長の御答弁をいただきましたけれども、改めて少しお聞かせを願いたいと思います。
 次に、地方自治法の改正案についても、市長をはじめ、担当課から答弁をいただきました。
 多くの疑問が残されたまま審議を打ち切り、採決をされてきたことは、とても遺憾にも思うわけですし、今回の改正案では、国は国会承認なしに自治体に網羅的に指示ができる、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態のおそれの段階で発令ができる、そういうことで自治体職員の動員協力にまで道が開けるのではないでしょうか。
 想定をしていないと言われても、法律上可能になる事実は重いと思いますし、審議から浮かぶのは、やはり地方の解決力や実情を軽視する姿勢ではないかと、非常に危惧をするところであります。そういった面で、再度、なぜ政府は地方自治法上の新たな指示権が必要だと考えているのでしょうか。
 次に、この指示権の規定は、一般法である地方自治法に置かれる上、政府は具体的な想定事態を示していません。野党側は、政府が恣意的な運用で指示権を濫用するのではないか、主従関係にまた逆戻りをするのではないかと懸念もされております。濫用に対する歯止め等について、その点についてもお聞かせください。
 3点目は、自治体のあらゆる事務に対して、国が権力的に介入をし、指示権を行使できるとするものであり、地方分権改革に真っ向から逆行するものではないでしょうか。また、国と地方の対等な関係がゆがめられるおそれもあります。さらに問題なのは、国の指示権に限定がないわけであります。
 全国の知事会は、今年の1月に総務大臣に対して要請をしてきております。
 1つ目は、国の補充的な指示については、事前に地方公共団体との間で十分な協議をする、調整を行うことにより、安易に行使されることのないようにするとともに、現場の実情を適切に踏まえた措置を取ること。
 2点目に、国の補充的な指示は、地方自治体の本旨にのっとり、目的達成のために必要な最小限度の範囲とすること。国の補充的な指示は、国と地方公共団体の関係の特例として位置づけ、一般のルールと明確に区別をすることなどを求めてきております。
 市長会として、あるいは四国等で何らかのアクションを起こしてこられたとも思いますが、その点について市長にお伺いをいたします。
 次に、最後になりますけれども、防災の行政についてですけれども、多岐にわたる私の質問に野村危機管理課長をはじめ、担当課長が丁寧に御答弁をいただき、ありがとうございました。
 能登半島では、復旧・復興が思うように進まない状況の中、将来への希望を見いだせずにいる被災者がまだ多くいることに心が痛むわけであります。能登の地で自然と共に幸せに誇りを持って生きてきた人々の心の復興をも望まずにはいられないところであります。
 今回、能登半島地震では家屋の倒壊、津波、火災など、また道路の寸断でライフラインの壊滅的な被害を受けました。こうした中で、広域避難の対応が今回特に数多く取られて、先ほどの答弁にもありました。広域避難になると、巡回をしたり、戸別訪問などの支援体制の在り方や避難者の状況把握などはとても大事であると同時に、大変困難な面も一面あるのではないでしょうか。まさに、避難所の環境改善と人権を配慮した運営が求められてくると思います。
 さらには、民間支援団体やボランティアとの連携、教育権の保障、避難所への物資の供給のシステム構築など、さらにはみなし仮設住宅の確保など、市民、住民の生活や生業、産業支援と同時に、インフラ復旧への整備も迅速化をしていかなくてはならないとも、このように思います。
 今まで、先ほど答弁にもあったわけですけれども、私どもの避難の在り方は行政等の指定をする避難所、あるいは避難場所を中心に避難マニュアルも作成をし、今日まで様々な対応を図ってきました。しかし、広域避難が目立ってくる中では、避難者の状況把握、あるいは支援拠点や支援の在り方がまた大きく変化もしていかざるを得ないと思います。プライバシーに配慮しつつ、情報共有を進め、避難者の環境改善や医療や福祉の支援の面にも踏み込んでいかなくてはならないと思いますし、そのことが逆に関連死を防ぐ手だてにもなってくるのではないでしょうか。
 一概に、広域避難が全てではないと思いますけれども、南海トラフ地震が起きた場合の南国市や県との連携の下での広域避難への対応や展望について、再度、危機管理課長に見解をお伺いしたいと思います。
 以上で終わります、2問目。
○議長(岩松永治) 答弁を求めます。市長。
○市長(平山耕三) 今西議員の2問目にお答えいたします。
 市長会としてどのような意見を述べてきたかということでございますが、市長会としまして、ホームページに令和6年5月15日に地方自治法の一部を改正する法律案についてという情報発信をしておるところでございます。その中で、全国市長会として意見を述べてきたという内容につきましては、第33次地方制度調査会において2点について意見を述べてきたというように書かれております。
 1点目につきましては、国の地方公共団体に対する指示については、要件や、その必要性について極めて限定的かつ厳格な制度とするよう十分留意すること。2点目に、現実の局面では、国と地方の間、地方公共団体間の緊密な情報共有・コミュニケーションが不可欠であることという2点を述べてきたとしておりまして、同法案につきましては、本調査会答申の趣旨やこうした本会の意見などを踏まえたものと受け止めているというように書かれております。
 また、それに付け加えて、地方分権の観点等から心配の声を聞くこともあり、同法案の審議を通じ、国の補充的な指示については、目的達成のために必要最小限の範囲とするとともに、現場の実情を踏まえた措置となり、地方自治の本旨に反し、安易に行使されることがない旨、明確化されることが重要であると考えるという発信をしておるところでございます。以上です。
○議長(岩松永治) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 食料自給率の向上につきましてお答えいたします。
 食料自給率の向上には、農業の持続的な発展が必要と考えており、西本議員の質問にもお答えしましたとおり、農業が持続的に発展するためには、農業者の生活の安定と営農意欲の維持が不可欠であると考えております。そのためには、農産物の適正な価格形成が必要であり、燃料費や資材費が高騰し、生産コストが上昇する中、価格転嫁を図るには生産コストを適正に価格に反映させる法制度の整備と併せて、価格転嫁の必要性に対する国民の理解や国内製品の消費拡大といった消費者側の意識を変えていくということも必要であると思っております。
 先日、年度内に基本計画を改定し、農産物の価格転嫁を後押しする関連法案などを来年の通常国会に提出するとの政府方針について報道がございましたが、法律の整備により消費者の動向も踏まえた適切な価格設定が進むことを期待しているところであります。
 いずれにしましても、今後示される法律案等に注視しつつ、引き続き国や県の補助事業を活用した農地の集約化や経営の大規模化、担い手の確保など、生産性を高める取組を進め、中山間地域の振興や環境保全など、多岐にわたる課題の解消に着実に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 今西議員の指示権に関する御質問にお答えします。
 なぜ政府は指示権が必要だと考えているかというところですけども、国の地方自治体に対する新たな指示権につきましては、新型コロナウイルス対応等で直面した課題を踏まえて、今後も起こり得る想定外の事態に万全を期す観点から必要であると考えが示されております。
 次に、指示権の行使について歯止めをかけることができると考えているかというところですけども、指示権の行使に当たりましては、事前に自治体の意見を聞く手続が盛り込まれておりますが、努力義務であり、また国会の関与も規定されておりませんので、指示権の行使を止めることは難しいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 広域避難に関しまして、現在本市を含む中央圏域の14市町村と市域を越えた広域的な避難に関して協定を締結しているところです。大規模災害発生時に自市町村の避難所のみでは収容することが困難となった場合に、他市町村へ受入れの要請を行い、また可能な限り受入れに協力するというものであります。
 この協定は、あくまで収容スペースを提供するというもので、ライフラインが整っているかどうかということに関しては考慮をしておりません。その点で、石川県で実施された被災地外のライフラインの整った場所への2次避難とは少し違いがあるところです。
 石川県の事例を見ますと、県外を含め、安全な場所への避難、ライフラインの整った場所への避難ということも今後検討していく必要があると考えております。ただ、その場合につきましても、いかに地域とのつながりを持ったまま避難していただくか、いかに早く地域へ帰っていただくかということも視野に入れた対策を検討していく必要があると考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 今西忠良議員。
○21番(今西忠良) それぞれ御答弁をいただき、ありがとうございました。
 以上で総括による私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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