議会議事録
一般質問4日目(斉藤喜美子)
質問者:斉藤喜美子
答弁者:市長、関係課長
○議長(西本良平) 7番斉藤喜美子議員。
〔7番 斉藤喜美子議員発言席〕
○7番(斉藤喜美子) 議席番号7番、なんこく市政会の斉藤喜美子です。
3番ということで、とてもやりにくい時間帯になってしまいまして、今日もまたやりにくい時間帯でございますけれども、よろしくお願いいたします。
本日は最終日ということで、お疲れのところではあるかと思いますけれども、どうか最後までよろしくお願いいたします。
さて、高市内閣が発足して、責任ある積極財政という言葉が普通に社会に浸透してまいりました。出し惜しみで財政規律を図るのではなく、大胆で戦略的な危機管理投資や成長分野投資をすることで雇用と所得を増やし、最終的には税収を増加させ、強い経済、投資と成長の好循環を実現すると公約にも掲げております。積極財政に関しましては、2022年に高知県で開催されました、当時、自民党政調会長の高市早苗氏と京都大学藤井聡大学院教授との対談に、平山市長もオンラインで御参加くださいまして、その後の私の議会一般質問においても感想をお聞きすることができましたので、マクロ経済、ミクロ経済の違いなど、多少なりとも御理解をいただけていると承知しております。自民党内でも、昨年12月10日には女性局主催のオンライン勉強会で、高市政権が設置した日本成長戦略会議の構成員であるクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏を講師にお招きし、今までの短期的収益しか見ない新自由主義からの脱却、国債発行を否定せず、30年から40年後に花開くものへの投資、そこには食料安保、防災、防衛、少子化対策などが含まれているとお話しされておりました。選挙公約に掲げた限りは、それを実現することが国民の信任を受けた現内閣の責任であると思いますけれども、私の所属します積極財政を推進する地方議員連盟においても、一部の政策、特に農業に関しては、まだまだ現場に寄り添い、持続可能な食の生産や環境の保全につながりにくい提案が目につきます。会田先生の国の経済政策に関して、私もオンライン勉強会のときに、食料安全保障に関してどうお考えか質問をしたところ、食料危機に向けてお金を確保しようというのが今までの考え方で、高市政権では投資をして供給を増やそうという考えであるというお答えはいただいたところですが、その投資がフードテックや植物工場、さらなる集約化や輸出に向かっているだけでは、少々現場感覚とかけ離れている気がいたします。その他の内容についても、今議会での質問で、地方の現状をまずは一度確認して、問題を浮き彫りにし、国への要望へとつなげたいと思っていますので、前置きが長くなりましたが、通告に従って一問一答で質問させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
農業関係の質問は後にすることにして、まずは私自身、専門性を持って長年取り組んでまいりましたペット同行避難、災害時におけるペットを飼われている方の避難についての質問です。
市民の中には、犬や猫に興味のない方や、むしろ苦手な方もおいでますので、そのあたりの配慮は必要とは思いますが、いつも言うように、ペットの話は飼っている人間側、人の話をしているということを理解していただきたいと思うところです。ペット同行避難は、東日本大震災後、災害時などの有事に当たり、ペットを置き去りにすることへのデメリットがクローズアップされたところから大きく転換期を迎えました。それまでの阪神・淡路大震災などでもペットの救護活動はあったものの、当時はまだペットは外で飼うもの、有事に連れていくのは迷惑との認識が大半であり、その後、30年以上たつ中で、ペットと飼い主の距離が縮まり、多くのペットが室内飼いになるに従って、家族の一員、今や家族以上の存在となっている御家庭も少なくないと感じるところです。ペットを置いていくことは、大切にされている方には考えられないことですし、また置いていくことで、その後の捜索、捕獲、保護に自治体やボランティアの人員やコストをかけてしまうことや、公衆衛生上の被害をもたらすことも考えられます。
そんな中、2025年6月に、国の防災基本計画の修正及びガイドライン改定案が発表されました。この防災計画は、内閣総理大臣を会長とする中央防災会議が作成するものでして、文字どおり、日本のあらゆる防災対策の根幹をなす最上位の計画です。そこにペット連れの方に対して対応の項目が大幅に加筆されました。それにより、市町村に対し、指定緊急避難場所や避難所において、ペットを連れた避難者を適切に受け入れることが新たに求められました。また、受け入れるだけでなく、避難してきたペットの受入れ状況を含む避難状況の把握に努めることが努力義務として追加されました。これまでもペット用スペースの確保に関する記述はありましたが、今度の防災基本計画の修正においては、その目的として、「被災者支援等の観点から」という文言が付け加えられました。これがなかなか重い文言で、これにより、ペット対応は単なる動物愛護ではなく、飼い主という被災者の心身の健康を守り、円滑な避難を促すための重要な行政の責務であることが明確化され、ペット部門の環境省だけではなく、防災、福祉、衛生など、関係部署全体で取り組まなければならなくなったわけです。犬、猫の話やないと国が認めたわけですが、これは今までの災害時の避難の中で、苦手な人からしたら避難所にペットを連れてきてもらったら困るわけですから、飼っている人の中に避難所に自分の犬や猫と入れないなら避難しないという人がある一方おりまして、それが逃げ遅れや危険な場所での避難で被災者の命に関わる事例になってきたということなんです。それを受けて、ペットは防災は被災者支援であるという考えが、国のトップでも縦割りを超えて定まってきたということで、これまでも各自治体の避難訓練にペット同行避難、避難所での受入れ訓練のお手伝いとして私も参加してきましたけれども、その中では、指定避難所にペット連れで行く場合、ペットをどこに置くのか、部屋に入れるのか入れないのかや、一緒にいられるかどうかというのを区別しなければいけないと思いまして、同行避難、同伴避難、同室避難は違うということを言ってきました。同行避難というのは、ペットを連れて避難行動を取ること、同伴避難は、避難所など、ペットを一緒にそういう場所に連れていくことを指すのですけれども、同伴避難ができても、同じ部屋で過ごすということができる同室避難というわけではないかもしれません。
そこで、お伺いしますが、本市の指定避難所において、どの避難所が同室避難可能で、どの避難所が同室避難ができない、別室飼養となるのか、事前のゾーニングの計画の策定状況というのはどのようになっているでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、指定避難所ごとに避難所運営マニュアルを定めており、ペットの受入れの手順も定めておりますが、同室避難、または別室避難などの定めはなく、またペットの避難スペースも屋外に設置しているものがほとんどとなります。近年の災害発生時の事例を見ても、国のガイドラインを参考に、きめ細やかな実効性のあるペット受入れ体制を整える必要があると考えております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。参加した訓練時にも、外にペットスペースを作るということで、春先秋口はいいとしても、真冬や、ましてや真夏は人間以上に体温調節の苦手な犬などはまず難しいと、獣医師会の先生方と、さあ、どうしようかという感じで話をしておりました。能登半島地震では、ペットと離れる不安から避難をちゅうちょした結果、命を落とすリスクが高まった事例が報告され、それも今回の基本計画の修正加筆につながっているとのことです。横浜市では、2025年から空き教室を活用した同室避難の準備を本格化させていますが、本市においても、学校の空き教室や特定の施設をペット同室避難専用スペースとして先行的に指定、整備するお考えはないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、南海トラフ地震を想定した避難所として、小中学校、市立公民館を中心として、59か所の施設を指定しております。施設の規模や立地条件により、全ての避難所に適切なペット同室避難のスペースを設置することは難しいのが現状です。ペット同室避難専用スペースにつきましては、ペット避難の拠点施設となり得る施設と併せて検討し、ペットの同室避難及び関係者が拠点として活用できる場所、例えば旧図書館の建物などの確保及び指定を目指してまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。確かに、実際、訓練に参加していたら、思った以上にスペースが要るなというのが感想です。例えば犬が苦手な犬同士をどう離すか、猫と犬をくっつけるわけにはいきませんし、ましてや自然界で捕食し合う動物同士だと、かなり遠くにおかないとストレスになってしまいます。その上、やはりアレルギーや苦手な人への配慮となりますと、同じ避難所、同じスペースでは限界があるのではと感じるところです。
3月15日に高知市のあんしんセンターで、「ペットとの同伴避難」というタイトルで、熊本の竜之介動物病院の德田先生をお招きしての講演会がありました。德田先生は、熊本地震のときに院内に避難所を開設、ペット連れ同伴避難を受け入れ、延べ1,500人の被災者と1,000匹のペットを受け入れた経験をお持ちです。講演会のスライドでは、当時、被災地の往診をしていたら、今にも崩れて、中にいたら押し潰されそうな古い木造の住居に、お年寄りが御自分のペットと残っている姿が映し出されていました。避難所にはペットは入れないと言われて、崩壊しかかりの自宅に戻り助けを持っていると言ったということです。自分の命が危なくてもペットと一緒にいたいという人が、このように多くいる。先生は、ペットと避難するというなら、このような人がいるので、やはり同伴、そして同室で一緒にいることが、ペットにも飼い主にもストレスになりにくいし、ペットを飼っている人同士は助け合いをする、苦手な人とは価値観も違うので、避難所で一緒にいるのはなかなか難しいのではないかということも、講演の中でお話しされていました。先生はその後も、災害時には病院に併設する動物専門学校をペット同伴避難所として、熊本市と協定を結んで開放しています。
さて、3,216、これ、何の数字か分かりますか。執行部の皆さん、3,216、何の数字が分かりますでしょうか。議員の皆様、3,216。これ、実は南国市の飼い犬の登録数です。私の住む上倉地区、八京、白木谷でも48頭、山を下りた岡豊地区だと293頭の登録があるそうです。全部の犬が飼い主さんと避難所に来ることはないにしても、地区ごと、自主防災会の皆様ごとに、どこにどのくらい犬がいるのか、把握しておくのも必要かもしれません。犬は畜犬登録が法律で決まっていますので、環境課に行けば数字は分かると思います。この犬だけの頭数を考えてみましても、大規模災害、市内のみでの対応には限界があります。改定ガイドラインで強調されている広域支援、受援の観点から、高知市や香南市、香美市など、近隣自治体、あるいは高知県獣医師会と、ペットの一時預かりや専用避難所の共同開設に関する具体的な協定を進めていく必要はないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) ペット同室避難専用スペースの確保や避難のために一時的にペットを預ける必要に迫られた避難住民の方への対応につきましては、近隣市町村でも同様に課題となっております。現在、住民の避難先確保につきましては、高知県中央圏域の14市町村と広域避難に関する協定を締結しておりますが、ペット避難に関しましても、広域的な考え方で、専用スペースや専用避難所の確保ができないか、高知県の関係部署や高知県獣医師会、愛玩動物協会の方々にも御協力をいただきながら検討してまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。やはりやってみて、数字を拾ってみて、初めていろんな課題が出てくるので、解決を考えるほうへ進めていかなければいけないと思っています。環境省にも出向いて現状を確認したのですが、各避難所で全く条件が違うので、統一マニュアルは作成できないとのことです。そんな中、指定避難所の過密を防ぐため、国は分散避難を推奨しています。本市の飼い主に対しても、車中泊、親戚、知人宅やペット可の宿泊施設など、避難所以外の選択肢を平常時から確保させておくために、具体的な啓発活動をするのにはどのように進めていく予定でしょうか、お考えをお聞かせください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 親戚、知人宅への避難に関しましては、南海トラフ地震のみならず、台風等、風水害時の事前避難に際しても有効であることから、従来から防災学習や広報紙での啓発を進めております。しかしながら、ペット避難対策の観点から、親戚宅等への避難を勧めるということはできていないところです。今後、啓発活動へペット避難対策の一つとして啓発に取り入れてまいります。ペットとの宿泊が可能な施設やペット専用避難所などの周知につきましては、指定がされた際には、ハザードマップへも掲載して広くお知らせをしてまいります。
また、昨年度導入いたしました南国市防災情報共有システムの機能の一つであります、南国市防災ポータルの運用も開始をいたしました。本防災ポータルでは、GISベースの地図にタイムリーに情報を反映させることが可能ですので、このシステムも十分に活用して、住民への情報共有を行ってまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市防災ポータルに避難所情報などとして情報が掲載されると、大変助かります。公式LINEからすぐにアクセスできますので、そちらにぜひ反映できるようにと思います。どうかよろしくお願いいたします。
国のガイドラインでは、発災直後に公助が遅れることを想定し、民間団体との多様な主体の連携と協働が不可欠とされています。私も、日頃、やはり顔を合わせたり、知っている関係というのは、今後、発災時の助け合いには必要ではないかと思うところです。本市において、高知災害支援ネットワークのような、ボランティアや支援物資のコーディネートにたけた中間支援組織とペット同行避難支援、物資配分や飼養支援に関する具体的な協力体制や事前協定について、今後、どう取り組まれますでしょうか。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) ペット避難に関する協定といたしましては、令和4年2月に、高知県獣医師会と災害時における動物の救援活動に関する協定を締結しております。また、昨年度、10月及び1月に実施いたしました避難所開設訓練では、高知県獣医師会様、高知県愛玩動物協会様にも御参加、御協力をいただきました。斉藤議員におかれましても、高知県愛玩動物協会として参加いただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。協定の締結や訓練への参加等はいただいておりますが、ペット避難対策の全体として、関係機関の役割や動き、必要な人材や資機材などにつきましては、まだ十分に把握、検討ができていない状況です。
先日、斉藤議員より、今年の2月に高知災害支援ネットワークが立ち上がったとお聞きしました。本ネットワークは、南海トラフ地震などの大規模災害に向け、様々な支援活動の展開が期待されるNPOや企業、関係機関などが、日頃から顔の見える関係の構築を目指すことを目的としているとのことで、このネットワークの立ち上げは、災害時に各種支援を求める行政としても非常に心強く感じております。高知県愛玩動物協会様も登録されているとのことですので、このネットワークも活用しながら、具体的な協力体制が構築できたらと思うところです。
なお、来月7月には、高知災害支援ネットワークの研修が開催されると聞いておりますので、私も参加をさせていただく予定としております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ぜひよろしくお願いします。ネットワークも、支援団体登録が今後増えたら、いろんな場面で専門的な支援をし合えるのではないかと考えます。助け合うためには、まずは知っている関係を平時につくっておくことが大切だと改めて思います。能登半島地震では、ペットを理由に避難をちゅうちょするケースが課題となり、横浜市のように空き教室を活用した同室避難の準備を進める自治体も出ている中で、本市においても、民間ネットワークの知見を借りながら、モデル避難所を指定し、同室避難のゾーニングやルールづくりを共同で進める試行を行ってみてはいかがでしょうか。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、避難所運営マニュアルは作成しておりますが、ペットの受入れスペース等、避難所でのペット避難対策については十分な検討ができていない状況です。高知県獣医師会や高知県愛玩動物協会など、専門の方や民間ネットワークの知見、またペットを飼育されている方などの意見をお借りし、受入先、受入れスペース、受入れに必要な物資、体制などを具体的に決定してまいりたいと思います。その際には、斉藤議員にもぜひ御協力をお願いできればと思います。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いいたします。
初日の西山議員の南国市の地区防災計画の話の中で、日章地区が内閣府のモデル事業に選出されたとのことでしたので、ぜひそちらにもペット連れ避難者の支援に関する計画を盛り込んでいただきたく思います。そのためには、やはり専門的知見を持つ団体との協議が当初は必要と思いますが、いずれはそれぞれの自主防災会の中である一定の専門性を持った方が活動できる体制にしていかなければと考えています。ペット同行避難を現場で円滑に進めるためには、動物の習性や衛生管理、さらには飼い主と非飼養者の調整を担える専門知識を持った人材が不可欠です。本市の地域防災に落とし込むに当たり、公益社団法人日本愛玩動物協会が企画する、災害対策指導者研修会などの専門的なカリキュラムに市の職員や地域の自主防災組織のリーダーを派遣、受講させ、本市のペット防災リーダーとして育成、登録していく考えはないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 災害時のペットへの対応につきましては、ペットやペットの飼育者だけの問題ではなく、飼育をしていない方も含めた被災地全体の問題であることは、これまでの大規模災害への対応の中で認識されてきたところです。しかしながら、災害時はペットよりも人が優先との考えがまだまだ根強く、ペットを飼育していない方の意識も含めて理解が進んでいない状況です。市の職員といたしましても、ペット対策、ペット避難対策の重要性についての理解を深め、発災時に正しい認識の下に対策を決定し、実行することが必要でありますし、そのバックボーンとなる知識の習得は必要不可欠であります。今年6月に、日本愛玩動物協会主催で飼い主とペットのための災害対策指導者研修会が高知で開かれるということをお聞きしております。このような研修の機会を捉え、職員のみならず、自主防災組織の方々のペット避難に対する理解を深める機会として、育成に努めてまいります。
また、知識を持った方をペット防災リーダー等として登録することにより、発災時の避難所や地域でのペット対応について、混乱を防ぎ、よりスムーズに行えるのではないかと思います。登録制度につきましても進めてまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 御丁寧な御答弁、誠にありがとうございました。南国市には高知県獣医師会長もおいでますし、獣医師会長自身がペット防災の専門家で、災害時には獣医療派遣チームとして被災現場に出動しております。ぜひ南国市から取組を強化して、近隣市町村に広げていくように、私も協力させていただきますのでよろしくお願いします。
今回、ペット防災の話をさせてもらって、以前とはちょっと流れが変わったなと感じるところもあります。以前はむしろ災害時にペットの話などするもんじゃないという感じでしたが、実際、訓練に参加して、うちも猫がおる、犬がおる、どうしたらええろうか、斉藤さんに聞いてきてと家族が言いよったという自主防災リーダーさんもおいでました。本当は心配で困っているけれど、人のほうが大事なので、不謹慎に思われたくないというお気持ちもあるでしょうし、中にはトラブルになるかもしれんから考えたくないで、思考停止もあろうかと思います。しかし、ペットを守りたいという思いが原動力となり、助かる命も出てくるのではと手応えを感じるところでもあります。他市町村の防災担当の方から、御高齢のペットの飼い主様がどうしても避難を拒んでいるという相談を受けたときも、そうか、ペットがいるから、この子のために、おばあちゃん、逃げて助からんといかんよって話をすればいいですねとおっしゃったのが印象に残っています。どうしても好き嫌いの分かれる分野ではありますが、だからこそ、日頃の話合いで可能な限り解決に向かう努力をしておくことが、発災時のトラブルを最小限に抑えて、お互いが助け合える南国市になろうかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
○議長(西本良平) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午後0時2分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○議長(西本良平) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。7番斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 次に、こちらも喫緊の課題であります。日本の食料安全保障、農業の未来についての質問です。先日の松下議員の質問や答弁にも重なるところがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
冒頭に申し上げましたとおり、高市政権では積極的な投資による経済成長を公約に掲げ、全ての田畑のフル活用、需要と供給の両方を強化し、食料安全保障を確立しますとしています。しかし、南国市では、特に中山間の農地が高齢化や過疎化により耕作が困難になってきていると思われますが、本市で実施している地域計画での南国市の中山間の今の状況を教えていただけますか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域である上倉、瓶岩地区の地域計画におきましては、地形的に条件が不利で作業効率が悪いという御意見や、鳥獣被害が多い、高齢化によって担い手が減少しているなどの御意見が出ております。これらの課題は、中山間地域に限った問題ではありませんが、中山間地域におきましては、特に顕著な課題であると認識しております。地域計画策定後では最初となる地区座談会を、令和8年1月21日に瓶岩公民館で開催いたしましたが、そのときの座談会では、木が生い茂っていたり、形状が悪いなど、実態として計画区域に含めるのがそぐわないような箇所を地域の方々にお伺いすることを主なテーマとして開催いたしました。地域計画策定初年度は、基本的に農業振興地域内の農地を計画区域として策定しておりましたが、実態として、農業上の利用が難しい農地を聞き取りして、地域計画に反映した結果、農業上の利用が見込まれる農地面積が230ヘクタールから170ヘクタールに減少しております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。私も座談会へ参加させていただいたり、山あいの農地の確認にも行かせてもらったりしていますが、耕作放棄をされた農地が山に返っている現状を目の当たりにしています。地域計画に関しては、今年初めの高知県農業会議との意見交換会や研修会などでも、まだ県下の総耕地面積2万5,000ヘクタールのうち63%が白地のまま、将来の受け手がいないという状況であると、大変心配な報告がされています。高知県は山林が県全体の84%という山の多い県です。そんな中、豊かな高知平野を有する南国市は、県下でもかなり恵まれているわけで、私の住む中山間は、耕作面積としては全体の10%にも足りませんが、そこにはやはり人の営み、住んで営農している人がいます。国は、山あいの耕作不利地に対して直接支払の制度で支援をしているわけですが、その中山間等直接支払制度とはどういうものなのか、改めて説明してください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等における農業生産条件の不利を補正することにより、将来に向けた農業生産活動の継続を支援することを目的とした制度で、集落等を単位とする協定を締結し、協定に従って耕作放棄地防止や水路、農道の管理など、農業生産活動などを5年間継続する場合に、面積に応じて一定額を交付する内容となっております。主な交付単価としましては、急傾斜地の場合、田が1反当たり2万1,000円、畑では1万1,500円となっており、草刈りや水路の泥上げなどの基礎的な活動のみを行う場合は交付単価の8割が交付される仕組みで、財源内訳としましては、国費が2分の1、県費4分の1、市費4分の1となっております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。農水省は実施率の低調さを指摘していますが、現場では複雑な事務手続が交付金利用の壁になっていないでしょうか。本市の中山間地域における交付金の執行率の現状と、もし利用が進んでいない地域があるならば、その要因は高齢化による事務負担の重さにあるのではないかと思うのですが、現場の農家の負担を市としてどのように認識しているのでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 対象農用地面積に占める交付金交付面積は約36%となっており、6割以上の農地で交付金が活用されておりません。その要因としましては、御指摘のとおり、高齢化による事務負担によるものもあるかと思いますが、事務負担だけではなく、農地を共同管理する担い手不足の問題など、集落の維持そのものに関わる課題によるものと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 担い手不足も原因とのお答えをいただいたのですが、確かに耕作不利地では、稼げる農業を目指している担い手にはやりたくない場所であることに変わりはないでしょう。事務手続に関しては、鈴木農林水産大臣も5月26日の衆議院農林水産委員会において、現場の負担となっているとして、全廃を含めた検討に言及しています。集落の代表を主人もしておりますけれども、交付金の手続をしていますが、こんなもの、一、二週間、勉強しても分からんと言っていました。先ほど対象面積中、交付されているのは36%にとどまっているという御答弁がありましたが、低迷する執行率は書類の煩雑さだけではないとしても、せめて交付金を受けるために農家が膨大な書類作成に追われる現状を打破するため、何か負担軽減を国に求めることはできないでしょうか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 事務負担の軽減につきましては、かねてから課題の一つとされておりまして、議員から御紹介いただいたとおり、政府におきましても、見直しの必要性について認識していただいているものと思っております。
また、今年度、高知県が日本型直接支払推進制度を設けて、市町村や集落協定のサポート体制の強化を図っており、課題等のヒアリングを各市町村で順次行っておりますので、そのような機会を通じて課題解決につなげていければと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いします。次の質問に移ります。
ところで、南国市の説明会では、共同活動の費用を世話役が数十万円単位で立て替え、支払いを受けられるのが年明けになるという切実な声があります。世話役の個人的な持ち出しが負担となり、組織維持がなかなか大変な状況だということですが、農家の資金繰りを助けるため、概算払いの時期を10月頃に早めるなど、市として柔軟な支払い対応はできないものなのでしょうか、お伺いします。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等直接支払交付金事業の処理の大まかな流れとしましては、市町村から県への交付申請の受付開始が6月頃と10月頃の年2回となっておりますので、申請の時期に協定農用地が耕作、または維持管理が適切に行われているかなどを市が現地確認し、その結果を踏まえて、市から県に対して交付申請を行うことになっております。本市の場合は、地元の意向などがあり、基本的に10月の受付分で申請を行っており、その後、県から市に対しての交付決定などを経て、各集落にお支払いするということになります。10月受付の場合ですと、どうしても県からの交付決定が1月以降となり、交付決定前のお支払いが制度上困難ですので、御指摘のとおり、お支払いが年明けとなり、代表者の方などに御迷惑をおかけすることになっております。
概算払いの時期を早めることはできないかとの御質問ですが、集落として6月受付で対応できるということでしたら、制度的には年内に交付することは可能ですので、地域の御意向、御要望を踏まえて対応してまいりたいと思います。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 6月受付だと、どうしても農家の皆様もお忙しく、5月の申請説明会の後、いきなり現地確認ということは難しいのではないかなというところもあります。草刈りなどもしなくてはいけませんし、またこの時期というのは草が大変に生えやすいっていうところで、農地として見にくいというところもあるのではないかっていうことも考えられます。ただ、やはり数十万円の立替えを年明けまで持ち越すというのは、経済的にも厳しい状況かと思われます。なかなか現場の状況というのを国が把握していないせいではないかというような気もするところでございます。中には努力をして6月受付でも構わないので早くに交付してもらいたいという集落もあろうかと思いますので、御対応のほどをよろしくお願いいたします。
ところで、この交付金の積立てには、積立計画などつくらなくてはいけないようですが、近年、豪雨災害などが頻発する中、次年度の災害復旧や農地維持のための地域独自の災害対応基金として積み立てられるよう、制度運用の工夫ができないものなのでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 基本的に単年度で計画的に使っていただく交付金となっておりますが、目的が明確であれば、基金として積み立てることも可能となっております。また、災害時の対応のための基金は駄目とはなっておりませんので、災害対応基金というのも可能ではないかと思いますが、具体的な案件があった場合には、県とも協議した上で、地域の皆様の御要望にお応えできるように努め、適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) せっかくいただいたのであれば、有効活用して、うまく地域のために利用できるように、御指導、御対応をよろしくお願いします。
現在の単価は、平地とのコスト差の8割とされていますが、資材高騰により、それでは全く足りないというのが農家の本音です。国の見直し案では、最小農地の拡大が先行し、肝腎の農家の希望します単価引上げが置き去りにされています。市として現在の単価が実際の生産コストを補塡できていると考えていらっしゃいますでしょうか。それが無理なら、単価の引上げを強く国に求めるべきではないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 平場と中山間地域の生産コストの差につきまして、具体的な資料を持ち合わせてはおりませんので判断しかねるところがございますが、生産コストが上昇する中、中山間地域に限らず、農業を取り巻く環境は厳しいものがあると思っておりますし、その中でも、生産条件が不利な中山間地域は特に厳しい状況にあると思っております。
制度の見直しにつきましては、現在、国において議論がなされているところで、鈴木大臣は、事務負担の軽減や交付金の拡充についても言及されております。見直しの方向性が示されたとの報道は承知しておりますが、様々な意見などを踏まえて検討を進めている段階であると認識しておりますし、現時点で国から制度改正の通知などがなされておりませんので、引き続き国の動向に注視し、必要に応じて市長会などを通じた要望を検討してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) どこもこれではようやれんと思ってると思いますので、よろしくお願いします。
重ねての質問になってしまうのですが、中山間における現在の深刻な人口減少、高齢化の中で、この中山間等直接支払制度が、実際に集落を維持し、農地を守り抜く施策として、どの程度機能していると評価されていますでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等直接支払制度の課題等について御質問、御指摘をいただいたところですが、この制度だけで集落を維持し農地を保全していくことは難しいのではないかと思っておりますので、そのほか、中山間地域の活性化に資する事業などを活用して、中山間地域の課題に取り組んでいく必要があると考えております。中山間地域等直接支払制度だけで解決することが難しい課題が多々あるとは思いますが、この交付金があったことで、辛うじて地域が持ちこたえられているという面も多々あるのではないかと思っておりますので、この制度が耕作放棄地の発生防止や集落の維持、地域コミュニティそのものの下支えに果たしてきた役割は大きなものがあると評価しております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) なかなか答えにくい質問になってしまいましたが、御答弁ありがとうございます。北部の中山間地域は、水源の涵養や土砂災害の防止といった、平野部の農業や暮らしを守るための非常に重要な多面的機能を担っています。この直接支払ですが、EUでは、中山間の農地を公共財として、環境を守り、維持することへの個人の所得保障の意味合いが強いもので、農業生産とは切り離されているのに対し、日本は共同作業で集落の草刈りや水路、農道の管理など、公共的活動をしたことへの補助金の意味合いが強いと考えられます。つまり、高齢化して活動がしにくくなればなるほど共同作業ができない集落となり、維持するための支援を受けにくくなるという逆説的な構造がそこにはあるわけで、ちょっと本末転倒、課長も、執行率が低いのは書類の煩雑さだけではなく、担い手が少ない、地域の維持のための共同作業ができない地域が増えているとおっしゃいましたが、まさにそうで、うちの周りも高齢化で参加されなくなった方が増えて、農地として維持する面積は減ってきているのですから、果たして効果がどこまであるものか、疑問に思わざるを得ません。農業経済学の先生によりますと、EUだと中山間へ年間500万円から1,000万円の直接支払があるそうで、若者が中山間に就農しているとのことです。海外の羨ましい話はともかく、南国市は中山間部は高齢化や過疎化も進み、地域計画で10年後の農地の姿を描くことも困難になってきているのはお話ししてきたとおりです。直接支払制度という支えも必要ですが、それでも農地が減り、人は山を下りている現状では、集落が消滅するのも時間の問題と言えます。10年遅いという声も聞こえてくるのですが、そんな中、地域計画の策定において、維持困難とされた区域を救うために、直接支払制度や地域まるっと中間管理方式を取り入れた取組も考えられます。地域まるっと中間管理方式とは、集落などの全農地を一般社団法人等の組織が農地バンクを通じて一括して借り受け、地域ぐるみで一元管理する仕組みです。それも踏まえて、これからの南国市の中山間をどう活性化していくべきか、市長の考えをお聞かせください。
○議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 中山間対策といたしましては、これまで飲料水供給施設の整備やデマンド型乗合タクシーの導入、空き家活用住宅の整備、市道改良など、地域内で安心して生活を続けていただくために各種事業を実施してきたところです。
また、農業関係で言いますと、農業生産活動を支える重要な基盤として、中山間地域等直接支払交付金を活用しておりますし、タケノコや四方竹の共同加工施設の整備に対する補助を行うなど、中山間地域に対する支援を行ってまいりました。しかしながら、高齢化を背景としまして、地域活動や農業の担い手不足が深刻化していることも事実であります。担い手不足を解消するためには、新規就農者や若者を中山間地域に呼び込んで、持続可能な人口構造に転換していくことが不可欠と思いますので、その受皿として、集落全体が一体となって組織する地域まるっと中間管理方式は有効な手段の一つではないかと思います。地域まるっと中間管理方式を具体的に進めるに当たっては、中心となる人材の確保や負担、集落全体での合意形成など、本市においてすぐに組織ができるかというと、難しい課題もあるのではないかと思いますが、地域が一体となって取り組む機運が高まることを期待しておりますし、南国市としましても、あらゆる制度を活用して中山間地域の活性化や集落維持に取り組み、そのための可能な支援を行ってまいりたいと考えております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。この地域まるっと中間管理方式においても、移住者を含め、若者にどう参加してもらえるのかが決め手になっています。はっきり言って、今の現状のまま集落営農を住民に勧められても、これ以上は難しい状況です。6月9日の日本農業新聞では、ついに全国の集落営農法人が増加から減少へ転じたというニュースを報道しています。集落営農法人はいろいろな支援があるということから、各地で設立が相次ぎましたが、設立から10年から20年たち、構成メンバーが高齢化して跡を継ぐ人がいない、最近の資材の高騰などで手元にお金が残らない、若い人は有利な場所へ流出しているということでしょう。ついにその日が来始めたかなという気持ちです。ちなみに、有利な場所と言いながらも、これはまた同じく日本農業新聞6月16日の記事で、担い手の農地受入れ急減、2割止まり、規模拡大に限界、東大調査という記事が出ていました。こちらもまあそうでしょうねという感じです。そもそも個人での集約には限界があり、請け負う土地の面積が拡大するとき、次の段階へ進むには機械の投資、人員確保が必要になる。記事では20ヘクタール以上の大規模農家が引き受けてきたボリュームが減少しているとありますが、投資なしで集約したら30ヘクタール程度が限界ということではないでしょうか。それ以上となりますと、規模は拡大しても、米の価格がこの先ずっと上り続けないと回収できない、手元に残らないわけですから、なかなか頭打ちがあるのは当然かと思われます。松下議員のお話ともかぶるところがありますが、小規模家族経営では駄目だと切捨てをしてきた結果がそろそろ顕在化してきたのでしょう。議員になった当初の質問で、国連は2019年から2028年を家族農業の10年と定めているという話をしたことがあります。農水省のホームページにも、参考として、国連食糧農業機関(FAO)によると、家族農業は、開発途上国、先進国ともに食料生産によって主要な農業形態、世界の食料生産額の8割以上を占めるとなっており、社会経済や環境、文化といった側面で重要な役割を担っています。また、彼らは地域のネットワークや文化の中に組み込まれており、多くの農業、非農業の雇用を創出していますとあります。そんな小規模家族経営を非効率として集約を進めた結果が出てき始めた感じだと思います。ちなみに国連では、2026年、今年を国際女性農業従事者年と定めておりまして、農業従事者の約40%を占める女性の活躍が今後は大変重要になると、国連食糧農業機関(FAO)の方も勉強会でおっしゃっておりました。中山間で活躍する女性就農者さんの事例なども耳にするようになり、個人的には大変その活躍を今後に期待するところでもあります。
話を戻しますが、中山間をこれから発展させていくためにはどうすればいいのか。中山間地域、平野の外縁から山あいにかけての傾斜と小区画の土地は、日本の耕地面積と農業産出額で全国の約4割、本来、総農家数では4割台後半を占める場所です。今後は、守りや放棄に嘆くだけではなく、環境保全型の農業や双方的利用、例えば動物福祉を取り入れた放牧などで山あいの魅力を探し、発信する時期になっているのではないでしょうか。どうきれいに負けて終わるかではなく、この不利地から何を施策できるか、中山間は廃れゆく運命ではなく、これからの設計のし直しを待っていると考える時期が来たと捉えるべきではないかと締めくくりまして、次の質問へ移らせていただきます。
国会で、5月20日、改正食育基本法が可決され、5月29日に公布施行されました。平成17年の制定以来、21年ぶりの抜本的な改正となりました。特に今までの食育基本法と今回の改正法で変更があったところは何でしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育基本法の改正により、食育は食料安全保障の確保に資するものと明確化されました。主な改正ポイントとしては、食育目的の拡充として、先ほど申し上げました食料安全保障の確保、2つ目として、対象と場の拡大といたしまして、文化、観光、スポーツなど、関連分野の連携、3つ目として、教育、体験活動の強化、4つ目に、国、地方、民間の食育推進のための連携、5つ目に、大人の食育の推進が上げられております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、次に南国市食育のまちづくり条例について、どのようなものか伺います。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 南国市食育のまちづくり条例につきましても、先ほどの食育基本法と同年、平成17年に制定しておりまして、南国市の食育のまちづくり条例では、食育に関する施策として、1つ、保育所、幼稚園、学校等を通じて食育の重要性を指導する、2つ目に、市民が生涯にわたって食育に関する学習の機会を設ける、3つ目に、食育に関する研究を進め、その成果を広く市民に公表する、4つ目に、家庭及び地域において食に関する様々な取組や交流を図る、5つ目に、地産地消の取組を奨励する、最後に6つ目に、産業界、公的機関等との連携を深めるとなっております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。改めて、本市の条例と大変親和性のある方向に食育基本法が改正された感じがいたします。
今回の改正の理由としては、昨今の社会状況の変化、働き方が多様化し、世帯構成が変化してきたこと、特に消費者と生産者の関係が希薄になったこと、フードロスの問題などが上げられますが、特筆すべきは、食料安全保障の確保に寄与するものとして位置づけるためという部分ではないでしょうか。世界情勢の不安定化などを背景に、食育を単なる健康教育にとどめず、生産コストや価値を理解し、積極的に地元産や国産を選ぶことで、自国での1次産業の保護を進めるためだとも思われます。現在、学校給食での地産品の利用率は27%程度で限界との認識もありますが、単なる消費拡大を超え、地元の食を守ることが地域の安全保障に直結するという視点を市民と共有するため、本市の食育のまちづくり条例に基づき、どのような新たな啓発を行うべきと考えますか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育の推進により、市民一人一人が日々の食材の選択に地産地消を意識することで地域農業が守られ、ひいては日本の食料安全保障の確保に資するものと考えられます。保健福祉センターでは、南国市食育のまちづくり条例及び第4期健康なんこく21計画きらりに基づき食育を推進し、子供だけでなく、生活習慣病予防の観点から、大人や働く世代にも展開していきたいと思っております。その際、食育が単なる栄養や健康習慣の教育にとどまらず、食料の安定供給や持続可能性などを啓発していきたいと思っております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市の食育のまちづくり条例は、既に今回の食育基本法改正以前から食料安全保障にもつながる取組を推進してきていると、改めて先進的であると認識しております。しかしながら、昨今は、物価高により消費行動がどうしても価格に流れがちで、地元のものより安い輸入品の購入、大量生産、低価格品へと消費行動が向いてしまいます。改正法は、生産コストの適切な負担への理解も求めています。市民に対し、農産物の価格ではなく地域の農地を守る価値を理解して選択する、消費行動の変容を促すために、食育を通してできる取組は何かありませんか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 生産コストの適切な負担への理解を求めるため、食育として、生産現場を知る体験、地産地消による学び、生産者との交流などが考えられます。第4期健康なんこく21計画きらりに含まれております第5次食育推進計画において、大人も食について学ぶ機会をつくり、正しい知識を得ること、今後の取組方針として上げております。具体的な取組として、食生活改善推進協議会を通じて各種教室を開催し、食育への関心や地産地消に関する情報提供や普及を行うなどを実践してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。以前の議会での食育に関する質問でも、南国市は食育の多くの部分を食生活改善推進協議会の皆様に支えてもらっていると感じました。しかし、今後は、食育基本法改正により、農育、1次産業に関して理解したり、体験を通して学んだりという内容も食育の一環に改めて入っております。もともと農業体験は、農業が基幹産業の本市の食育の柱ですが、農家のボランティア精神に頼り続けるのは限界です。以前も質問しましたが、農家自身のお仕事が忙しい中、時間をつくって、自分の仕事を後回しにしてでも子供たちの農業体験を手伝っているのに、形骸化しているのではないかと不満を漏らす農家の方もおいでます。改正法の趣旨を酌み、体験学習を取り入れる学校と生産者を継続的につなぐコーディネート機能を強化する考えはありませんか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 地域の農業者の皆様をはじめ、農業体験学習に御尽力いただいております関係者の皆様におかれましては、体験学習、並びに本市の農業行政に対しまして、御理解、御協力いただいておりますことに感謝を申し上げます。農業体験を通じて、農業の重要性や環境への貢献、また地域の伝統や食文化を学ぶことは、農業や環境問題、食への理解を深める有意義な取組と考えておりますし、今回の食育基本法の改正で、食に関する体験活動などを通じて、自然の恩恵や農林漁業者をはじめとする食に関わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めることの重要性と、食に関する知識や経験を有する人材の活用などが盛り込まれたところであります。消費者が農林水産物の生産に係るコストについて学び、合理的な価格形成について理解するためにも、御指摘のとおり、中・長期的な継続した取組が必要と思いますので、体験の目的やニーズに合った生産者の紹介など、学校現場などから御要望があれば、県やJAなどの関係機関、関係各課と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。この点もまさに本市が今まで取り組んできたものの、市の単独の考え方や予算、農家のボランティア精神だけでは推進力が落ちてきている部分を国民運動へと改正法で引き上げて、中・長期の取組になれば、地域の1次産業を守り、食の生産現場を守ることにつながります。特に子供たちの食育では、食の生産現場を通して地域の循環、自然環境、学校での既存の授業に農業を組み込むなど、他の授業にもつなげて、学習効果を狙う方法も考えられます。
では、今回、改正法で強調された働く世代への大人の食育について質問いたします。
南国市にも様々な事業所がありますが、農水省が食育実践優良法人の認定をしておりまして、これは職場での食育を通じて従業員の活力向上や生産性を図り、その優良な取組を社会全体へ広めることを目的にしているものです。この食育実践優良法人認定取得の支援を南国市としてするなど、取り組むことはできませんでしょうか。食育のまちづくり条例にも、第10条(6)産業界、公的機関等との連携を深めることとあります。南国市として、産業界との連携を官民連携の国民運動として加速させるべきではないでしょうか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育実践優良法人顕彰制度につきまして、国へ申請し認定を受けた企業について、農林水産省ウェブサイト等により認定企業やその取組が公表されまして、認定証やロゴマークが交付提供されること及び企業イメージアップのメリットがあるとされております。保健福祉センターといたしましては、生活習慣病予防のため、大人の食育として、食生活改善推進協議会の食育活動を中心とした各種教室を開催しまして、正しい食生活のための情報提供や普及を行うとともに、先ほど出ました食育実践優良法人の認定についても、市内事業所等への情報提供をしていきたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。認定されるとロゴマークが交付されるとのことで、1年後に多くの事業所がこのロゴマークを貼ってくれているよう願っております。
大人の食育を一歩踏み込んで、例えば小平市のまっしぐら食堂の取組のように、まずは市役所で学校給食のレシピを提供し、地産地消マインドを高めるような取組は考えられませんでしょうか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食生活改善推進委員活動の一環として、給食のメニューを地域のイベントで提供した事例はありました。市民に広く周知するところまでは残念ながら至っておりません。今後、学校教育課及び関係機関と情報共有及び連携いたしまして、大人の食育を啓発していきたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 地域のイベントや社員食堂とか、外部のレストランなんかにもまた協力していただいて、地産地消の給食レシピを皆さんで食べる機会があれば理解が深まると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
先ほど申し上げましたけれども、食育基本法の改正では、食育を食料安全保障の基盤と位置づけ、文化や環境との有機的な連携を求めています。食育のまちづくり条例の精神を具現化するため、生きた教科書として校庭や園庭を活用する、南国市版エディブル・スクールヤードを本市の次世代教育の柱に据えるべきと思いますが、いかがでしょうか。エディブル・スクールヤードというのは、1995年にアリス・ウォータース氏が米国の公立中学校で創設した教育モデルです。今はエディブル・エデュケーションとして、全米の学校の正規授業として実践をされ、大変成果を上げているというものです。南国市の食育のまちづくり、この後の食育に組み込まれていくと、大変親和性もあるというところで注目をしているところですが、いかがお考えでしょうか。
○議長(西本良平) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 校庭や園庭を生きた教科書として、栽培から給食までを一体的に学ぶエディブル・スクールヤードの理念は、子供たちが五感で食と環境を学ぶ上で大変意義深いものとして認識をしております。本市では、これまでも地域の農家の皆様の御協力をいただきながら、各学校や園での栽培体験や調理実習など、手作りの食育を積み重ねてまいりました。今回の法改正で、食育が食料安全保障の基盤とされたことを踏まえ、今後も引き続き、これら一連の体験を地域の農業や環境の持続可能性に結びつける学習として継続していく必要があると考えております。
南国市版エディブル・スクールヤードにつきましては、各学校の既存の年間スケジュールの中にそのままの形で導入することは困難であると感じておりますが、授業の狙いなど、参考になる項目はあると思われますので、今後も引き続き、関係部署と連携し、現場の負担にも配慮しながら、本市の実情に応じた南国市版の特色ある食育、農育の在り方について検討を進めてまいります。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。なかなか遠くの田んぼに出かけるというのはイベントになりがちなのですが、そういうふうに近くにあるというふうにしていただくのがいいかもしれないと思っております。
本市には、学校給食アドバイザー会議が開催されてると思うのですけれども、ここはもう一つ踏み込みまして、例えばCPP Japanのようなオーガニック給食や農育の専門的知見を持つ外部団体をさらに招いて、より高度で先進的な食育計画を策定する考えはありませんか。
○議長(西本良平) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在、年間2回の給食アドバイザー会議を開催しており、近年は地産地消の推進や残食率、材料費の高騰等についてアドバイスをいただいております。令和5年度のアドバイザー会議では、オーガニック給食についても検討を行いましたが、安定供給、品質の確保、価格差の観点から、現時点では時期尚早ではないかとの意見が出ました。ただ、全国的にはオーガニック給食の導入というのは流れでもありますので、引き続き検証を進めてまいります。
また、給食アドバイザー会議の定数4名は、現在、充足しておりますので、次回のアドバイザー変更時には、専門的知見をお持ちの方についても検討をいたします。以上でございます。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 以前も、南国市にも生産者との調整役や配送管理を行うハブ組織、コーディネーターがいれば、もう少し地産地消率も上がっていくのではないかというような話も出ておりましたので、これからまた検討していただきたいと思います。
令和8年の法改正では、食育を食料安全保障の基盤と位置づけ、文化や環境との有機的な連携を求めています。本市が誇る食育のまちづくり条例の精神を具現化する……。すいません、ちょっと失礼いたしました。飛ばします。
本市は、平成17年に全国に先駆けて条例を制定したフロントランナーですけれども、今回の法改正で食料安全保障が明記されたことにより、本市の歩みが正しかったことが証明されました。この機に宣言や条例の精神を現代の社会情勢に合わせて再定義し、改めて食育のまちづくりに注力する決意をお伺いします。
○議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほどから御質問の中でも御紹介いただいておりますように、食育基本法は平成17年に制定されたところでございますが、それと同じ年に南国市食育のまちづくり条例が制定されたところでございます。以来、南国市では、自校炊飯など、食育のまちとして取組を進めてきたところであります。食育が人間の社会生活と密着して、さらに大きな意義を持つ取組であるということが、今回の法改正でさらに明記されたというように思います。地元で取れた食材のおいしさを感じてもらうということで、いかに地産地消が意義ある取組であるかということを分かってもらえるように、先ほどエディブル・スクールヤードという御質問もあったところでございますが、そういったことに対しても、そちらを目標にして進めていくような子供たちの教育環境もできたらいいなというようにも思います。そういった方向で南国市版ということが取り組めたら、それはそれですばらしいことではないかと思います。今回の法改正を受けて、さらに充実した地産地消、また食育の活動ができますように、関係機関、団体とも協議しながら、取り組む方向を考えてまいりたいと思います。食育といえば南国と言われるように、条例改正等も踏まえながら、取り組んでいきたいというように思います。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市の食育のまちづくり条例を、今回、食育基本法の改正により見直すときが来るとは、感慨深いものがあります。個人の地産地消で地域の農業を守るのは大変難しく、質問の中にもあったように、この物価高騰の中で、より安いものを手に取ってしまう市民は多いと思います。農家は適正価格をなかなか自分でつけることができません。資材も高騰している中、地域の農業を地産地消で支えるならどのような方法があるか、価格ではなく価値をどう伝え理解してもらえるのか、食育や給食用作物の作付、地産地消で地域の需要と供給の循環をつくり、可能な限り各地域で自給率を向上させることが、ひいては全国の自給率を上げていくことになります。学校給食は年間180食の生きた教材、これを最大限に生かすためには、今まで以上に専門的な見地からの提案も必要となります。
そして、子供たちには、給食を通して食の学びを、農育を通して命と生産の学びを、最終的に消費者になっても地域のよいものを選ぶようになり、農業を支える生産者に感謝して、地域の食を支える人材に育てるところから食べるところまでを学ぶことで地球環境で生きるための循環を理解できるように、地球人として育てる、これが南国市はできると確信しておりますので、これからもお取組、どうかよろしくお願いいたします。
以上で今議会の私の一般質問を終わります。お疲れのところ、それぞれ御丁寧な御答弁ありがとうございました。
答弁者:市長、関係課長
○議長(西本良平) 7番斉藤喜美子議員。
〔7番 斉藤喜美子議員発言席〕
○7番(斉藤喜美子) 議席番号7番、なんこく市政会の斉藤喜美子です。
3番ということで、とてもやりにくい時間帯になってしまいまして、今日もまたやりにくい時間帯でございますけれども、よろしくお願いいたします。
本日は最終日ということで、お疲れのところではあるかと思いますけれども、どうか最後までよろしくお願いいたします。
さて、高市内閣が発足して、責任ある積極財政という言葉が普通に社会に浸透してまいりました。出し惜しみで財政規律を図るのではなく、大胆で戦略的な危機管理投資や成長分野投資をすることで雇用と所得を増やし、最終的には税収を増加させ、強い経済、投資と成長の好循環を実現すると公約にも掲げております。積極財政に関しましては、2022年に高知県で開催されました、当時、自民党政調会長の高市早苗氏と京都大学藤井聡大学院教授との対談に、平山市長もオンラインで御参加くださいまして、その後の私の議会一般質問においても感想をお聞きすることができましたので、マクロ経済、ミクロ経済の違いなど、多少なりとも御理解をいただけていると承知しております。自民党内でも、昨年12月10日には女性局主催のオンライン勉強会で、高市政権が設置した日本成長戦略会議の構成員であるクレディ・アグリコル証券チーフエコノミストの会田卓司氏を講師にお招きし、今までの短期的収益しか見ない新自由主義からの脱却、国債発行を否定せず、30年から40年後に花開くものへの投資、そこには食料安保、防災、防衛、少子化対策などが含まれているとお話しされておりました。選挙公約に掲げた限りは、それを実現することが国民の信任を受けた現内閣の責任であると思いますけれども、私の所属します積極財政を推進する地方議員連盟においても、一部の政策、特に農業に関しては、まだまだ現場に寄り添い、持続可能な食の生産や環境の保全につながりにくい提案が目につきます。会田先生の国の経済政策に関して、私もオンライン勉強会のときに、食料安全保障に関してどうお考えか質問をしたところ、食料危機に向けてお金を確保しようというのが今までの考え方で、高市政権では投資をして供給を増やそうという考えであるというお答えはいただいたところですが、その投資がフードテックや植物工場、さらなる集約化や輸出に向かっているだけでは、少々現場感覚とかけ離れている気がいたします。その他の内容についても、今議会での質問で、地方の現状をまずは一度確認して、問題を浮き彫りにし、国への要望へとつなげたいと思っていますので、前置きが長くなりましたが、通告に従って一問一答で質問させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
農業関係の質問は後にすることにして、まずは私自身、専門性を持って長年取り組んでまいりましたペット同行避難、災害時におけるペットを飼われている方の避難についての質問です。
市民の中には、犬や猫に興味のない方や、むしろ苦手な方もおいでますので、そのあたりの配慮は必要とは思いますが、いつも言うように、ペットの話は飼っている人間側、人の話をしているということを理解していただきたいと思うところです。ペット同行避難は、東日本大震災後、災害時などの有事に当たり、ペットを置き去りにすることへのデメリットがクローズアップされたところから大きく転換期を迎えました。それまでの阪神・淡路大震災などでもペットの救護活動はあったものの、当時はまだペットは外で飼うもの、有事に連れていくのは迷惑との認識が大半であり、その後、30年以上たつ中で、ペットと飼い主の距離が縮まり、多くのペットが室内飼いになるに従って、家族の一員、今や家族以上の存在となっている御家庭も少なくないと感じるところです。ペットを置いていくことは、大切にされている方には考えられないことですし、また置いていくことで、その後の捜索、捕獲、保護に自治体やボランティアの人員やコストをかけてしまうことや、公衆衛生上の被害をもたらすことも考えられます。
そんな中、2025年6月に、国の防災基本計画の修正及びガイドライン改定案が発表されました。この防災計画は、内閣総理大臣を会長とする中央防災会議が作成するものでして、文字どおり、日本のあらゆる防災対策の根幹をなす最上位の計画です。そこにペット連れの方に対して対応の項目が大幅に加筆されました。それにより、市町村に対し、指定緊急避難場所や避難所において、ペットを連れた避難者を適切に受け入れることが新たに求められました。また、受け入れるだけでなく、避難してきたペットの受入れ状況を含む避難状況の把握に努めることが努力義務として追加されました。これまでもペット用スペースの確保に関する記述はありましたが、今度の防災基本計画の修正においては、その目的として、「被災者支援等の観点から」という文言が付け加えられました。これがなかなか重い文言で、これにより、ペット対応は単なる動物愛護ではなく、飼い主という被災者の心身の健康を守り、円滑な避難を促すための重要な行政の責務であることが明確化され、ペット部門の環境省だけではなく、防災、福祉、衛生など、関係部署全体で取り組まなければならなくなったわけです。犬、猫の話やないと国が認めたわけですが、これは今までの災害時の避難の中で、苦手な人からしたら避難所にペットを連れてきてもらったら困るわけですから、飼っている人の中に避難所に自分の犬や猫と入れないなら避難しないという人がある一方おりまして、それが逃げ遅れや危険な場所での避難で被災者の命に関わる事例になってきたということなんです。それを受けて、ペットは防災は被災者支援であるという考えが、国のトップでも縦割りを超えて定まってきたということで、これまでも各自治体の避難訓練にペット同行避難、避難所での受入れ訓練のお手伝いとして私も参加してきましたけれども、その中では、指定避難所にペット連れで行く場合、ペットをどこに置くのか、部屋に入れるのか入れないのかや、一緒にいられるかどうかというのを区別しなければいけないと思いまして、同行避難、同伴避難、同室避難は違うということを言ってきました。同行避難というのは、ペットを連れて避難行動を取ること、同伴避難は、避難所など、ペットを一緒にそういう場所に連れていくことを指すのですけれども、同伴避難ができても、同じ部屋で過ごすということができる同室避難というわけではないかもしれません。
そこで、お伺いしますが、本市の指定避難所において、どの避難所が同室避難可能で、どの避難所が同室避難ができない、別室飼養となるのか、事前のゾーニングの計画の策定状況というのはどのようになっているでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、指定避難所ごとに避難所運営マニュアルを定めており、ペットの受入れの手順も定めておりますが、同室避難、または別室避難などの定めはなく、またペットの避難スペースも屋外に設置しているものがほとんどとなります。近年の災害発生時の事例を見ても、国のガイドラインを参考に、きめ細やかな実効性のあるペット受入れ体制を整える必要があると考えております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。参加した訓練時にも、外にペットスペースを作るということで、春先秋口はいいとしても、真冬や、ましてや真夏は人間以上に体温調節の苦手な犬などはまず難しいと、獣医師会の先生方と、さあ、どうしようかという感じで話をしておりました。能登半島地震では、ペットと離れる不安から避難をちゅうちょした結果、命を落とすリスクが高まった事例が報告され、それも今回の基本計画の修正加筆につながっているとのことです。横浜市では、2025年から空き教室を活用した同室避難の準備を本格化させていますが、本市においても、学校の空き教室や特定の施設をペット同室避難専用スペースとして先行的に指定、整備するお考えはないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、南海トラフ地震を想定した避難所として、小中学校、市立公民館を中心として、59か所の施設を指定しております。施設の規模や立地条件により、全ての避難所に適切なペット同室避難のスペースを設置することは難しいのが現状です。ペット同室避難専用スペースにつきましては、ペット避難の拠点施設となり得る施設と併せて検討し、ペットの同室避難及び関係者が拠点として活用できる場所、例えば旧図書館の建物などの確保及び指定を目指してまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。確かに、実際、訓練に参加していたら、思った以上にスペースが要るなというのが感想です。例えば犬が苦手な犬同士をどう離すか、猫と犬をくっつけるわけにはいきませんし、ましてや自然界で捕食し合う動物同士だと、かなり遠くにおかないとストレスになってしまいます。その上、やはりアレルギーや苦手な人への配慮となりますと、同じ避難所、同じスペースでは限界があるのではと感じるところです。
3月15日に高知市のあんしんセンターで、「ペットとの同伴避難」というタイトルで、熊本の竜之介動物病院の德田先生をお招きしての講演会がありました。德田先生は、熊本地震のときに院内に避難所を開設、ペット連れ同伴避難を受け入れ、延べ1,500人の被災者と1,000匹のペットを受け入れた経験をお持ちです。講演会のスライドでは、当時、被災地の往診をしていたら、今にも崩れて、中にいたら押し潰されそうな古い木造の住居に、お年寄りが御自分のペットと残っている姿が映し出されていました。避難所にはペットは入れないと言われて、崩壊しかかりの自宅に戻り助けを持っていると言ったということです。自分の命が危なくてもペットと一緒にいたいという人が、このように多くいる。先生は、ペットと避難するというなら、このような人がいるので、やはり同伴、そして同室で一緒にいることが、ペットにも飼い主にもストレスになりにくいし、ペットを飼っている人同士は助け合いをする、苦手な人とは価値観も違うので、避難所で一緒にいるのはなかなか難しいのではないかということも、講演の中でお話しされていました。先生はその後も、災害時には病院に併設する動物専門学校をペット同伴避難所として、熊本市と協定を結んで開放しています。
さて、3,216、これ、何の数字か分かりますか。執行部の皆さん、3,216、何の数字が分かりますでしょうか。議員の皆様、3,216。これ、実は南国市の飼い犬の登録数です。私の住む上倉地区、八京、白木谷でも48頭、山を下りた岡豊地区だと293頭の登録があるそうです。全部の犬が飼い主さんと避難所に来ることはないにしても、地区ごと、自主防災会の皆様ごとに、どこにどのくらい犬がいるのか、把握しておくのも必要かもしれません。犬は畜犬登録が法律で決まっていますので、環境課に行けば数字は分かると思います。この犬だけの頭数を考えてみましても、大規模災害、市内のみでの対応には限界があります。改定ガイドラインで強調されている広域支援、受援の観点から、高知市や香南市、香美市など、近隣自治体、あるいは高知県獣医師会と、ペットの一時預かりや専用避難所の共同開設に関する具体的な協定を進めていく必要はないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) ペット同室避難専用スペースの確保や避難のために一時的にペットを預ける必要に迫られた避難住民の方への対応につきましては、近隣市町村でも同様に課題となっております。現在、住民の避難先確保につきましては、高知県中央圏域の14市町村と広域避難に関する協定を締結しておりますが、ペット避難に関しましても、広域的な考え方で、専用スペースや専用避難所の確保ができないか、高知県の関係部署や高知県獣医師会、愛玩動物協会の方々にも御協力をいただきながら検討してまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。やはりやってみて、数字を拾ってみて、初めていろんな課題が出てくるので、解決を考えるほうへ進めていかなければいけないと思っています。環境省にも出向いて現状を確認したのですが、各避難所で全く条件が違うので、統一マニュアルは作成できないとのことです。そんな中、指定避難所の過密を防ぐため、国は分散避難を推奨しています。本市の飼い主に対しても、車中泊、親戚、知人宅やペット可の宿泊施設など、避難所以外の選択肢を平常時から確保させておくために、具体的な啓発活動をするのにはどのように進めていく予定でしょうか、お考えをお聞かせください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 親戚、知人宅への避難に関しましては、南海トラフ地震のみならず、台風等、風水害時の事前避難に際しても有効であることから、従来から防災学習や広報紙での啓発を進めております。しかしながら、ペット避難対策の観点から、親戚宅等への避難を勧めるということはできていないところです。今後、啓発活動へペット避難対策の一つとして啓発に取り入れてまいります。ペットとの宿泊が可能な施設やペット専用避難所などの周知につきましては、指定がされた際には、ハザードマップへも掲載して広くお知らせをしてまいります。
また、昨年度導入いたしました南国市防災情報共有システムの機能の一つであります、南国市防災ポータルの運用も開始をいたしました。本防災ポータルでは、GISベースの地図にタイムリーに情報を反映させることが可能ですので、このシステムも十分に活用して、住民への情報共有を行ってまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市防災ポータルに避難所情報などとして情報が掲載されると、大変助かります。公式LINEからすぐにアクセスできますので、そちらにぜひ反映できるようにと思います。どうかよろしくお願いいたします。
国のガイドラインでは、発災直後に公助が遅れることを想定し、民間団体との多様な主体の連携と協働が不可欠とされています。私も、日頃、やはり顔を合わせたり、知っている関係というのは、今後、発災時の助け合いには必要ではないかと思うところです。本市において、高知災害支援ネットワークのような、ボランティアや支援物資のコーディネートにたけた中間支援組織とペット同行避難支援、物資配分や飼養支援に関する具体的な協力体制や事前協定について、今後、どう取り組まれますでしょうか。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) ペット避難に関する協定といたしましては、令和4年2月に、高知県獣医師会と災害時における動物の救援活動に関する協定を締結しております。また、昨年度、10月及び1月に実施いたしました避難所開設訓練では、高知県獣医師会様、高知県愛玩動物協会様にも御参加、御協力をいただきました。斉藤議員におかれましても、高知県愛玩動物協会として参加いただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。協定の締結や訓練への参加等はいただいておりますが、ペット避難対策の全体として、関係機関の役割や動き、必要な人材や資機材などにつきましては、まだ十分に把握、検討ができていない状況です。
先日、斉藤議員より、今年の2月に高知災害支援ネットワークが立ち上がったとお聞きしました。本ネットワークは、南海トラフ地震などの大規模災害に向け、様々な支援活動の展開が期待されるNPOや企業、関係機関などが、日頃から顔の見える関係の構築を目指すことを目的としているとのことで、このネットワークの立ち上げは、災害時に各種支援を求める行政としても非常に心強く感じております。高知県愛玩動物協会様も登録されているとのことですので、このネットワークも活用しながら、具体的な協力体制が構築できたらと思うところです。
なお、来月7月には、高知災害支援ネットワークの研修が開催されると聞いておりますので、私も参加をさせていただく予定としております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ぜひよろしくお願いします。ネットワークも、支援団体登録が今後増えたら、いろんな場面で専門的な支援をし合えるのではないかと考えます。助け合うためには、まずは知っている関係を平時につくっておくことが大切だと改めて思います。能登半島地震では、ペットを理由に避難をちゅうちょするケースが課題となり、横浜市のように空き教室を活用した同室避難の準備を進める自治体も出ている中で、本市においても、民間ネットワークの知見を借りながら、モデル避難所を指定し、同室避難のゾーニングやルールづくりを共同で進める試行を行ってみてはいかがでしょうか。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、避難所運営マニュアルは作成しておりますが、ペットの受入れスペース等、避難所でのペット避難対策については十分な検討ができていない状況です。高知県獣医師会や高知県愛玩動物協会など、専門の方や民間ネットワークの知見、またペットを飼育されている方などの意見をお借りし、受入先、受入れスペース、受入れに必要な物資、体制などを具体的に決定してまいりたいと思います。その際には、斉藤議員にもぜひ御協力をお願いできればと思います。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いいたします。
初日の西山議員の南国市の地区防災計画の話の中で、日章地区が内閣府のモデル事業に選出されたとのことでしたので、ぜひそちらにもペット連れ避難者の支援に関する計画を盛り込んでいただきたく思います。そのためには、やはり専門的知見を持つ団体との協議が当初は必要と思いますが、いずれはそれぞれの自主防災会の中である一定の専門性を持った方が活動できる体制にしていかなければと考えています。ペット同行避難を現場で円滑に進めるためには、動物の習性や衛生管理、さらには飼い主と非飼養者の調整を担える専門知識を持った人材が不可欠です。本市の地域防災に落とし込むに当たり、公益社団法人日本愛玩動物協会が企画する、災害対策指導者研修会などの専門的なカリキュラムに市の職員や地域の自主防災組織のリーダーを派遣、受講させ、本市のペット防災リーダーとして育成、登録していく考えはないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 災害時のペットへの対応につきましては、ペットやペットの飼育者だけの問題ではなく、飼育をしていない方も含めた被災地全体の問題であることは、これまでの大規模災害への対応の中で認識されてきたところです。しかしながら、災害時はペットよりも人が優先との考えがまだまだ根強く、ペットを飼育していない方の意識も含めて理解が進んでいない状況です。市の職員といたしましても、ペット対策、ペット避難対策の重要性についての理解を深め、発災時に正しい認識の下に対策を決定し、実行することが必要でありますし、そのバックボーンとなる知識の習得は必要不可欠であります。今年6月に、日本愛玩動物協会主催で飼い主とペットのための災害対策指導者研修会が高知で開かれるということをお聞きしております。このような研修の機会を捉え、職員のみならず、自主防災組織の方々のペット避難に対する理解を深める機会として、育成に努めてまいります。
また、知識を持った方をペット防災リーダー等として登録することにより、発災時の避難所や地域でのペット対応について、混乱を防ぎ、よりスムーズに行えるのではないかと思います。登録制度につきましても進めてまいります。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 御丁寧な御答弁、誠にありがとうございました。南国市には高知県獣医師会長もおいでますし、獣医師会長自身がペット防災の専門家で、災害時には獣医療派遣チームとして被災現場に出動しております。ぜひ南国市から取組を強化して、近隣市町村に広げていくように、私も協力させていただきますのでよろしくお願いします。
今回、ペット防災の話をさせてもらって、以前とはちょっと流れが変わったなと感じるところもあります。以前はむしろ災害時にペットの話などするもんじゃないという感じでしたが、実際、訓練に参加して、うちも猫がおる、犬がおる、どうしたらええろうか、斉藤さんに聞いてきてと家族が言いよったという自主防災リーダーさんもおいでました。本当は心配で困っているけれど、人のほうが大事なので、不謹慎に思われたくないというお気持ちもあるでしょうし、中にはトラブルになるかもしれんから考えたくないで、思考停止もあろうかと思います。しかし、ペットを守りたいという思いが原動力となり、助かる命も出てくるのではと手応えを感じるところでもあります。他市町村の防災担当の方から、御高齢のペットの飼い主様がどうしても避難を拒んでいるという相談を受けたときも、そうか、ペットがいるから、この子のために、おばあちゃん、逃げて助からんといかんよって話をすればいいですねとおっしゃったのが印象に残っています。どうしても好き嫌いの分かれる分野ではありますが、だからこそ、日頃の話合いで可能な限り解決に向かう努力をしておくことが、発災時のトラブルを最小限に抑えて、お互いが助け合える南国市になろうかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
○議長(西本良平) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午後0時2分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○議長(西本良平) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。7番斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 次に、こちらも喫緊の課題であります。日本の食料安全保障、農業の未来についての質問です。先日の松下議員の質問や答弁にも重なるところがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
冒頭に申し上げましたとおり、高市政権では積極的な投資による経済成長を公約に掲げ、全ての田畑のフル活用、需要と供給の両方を強化し、食料安全保障を確立しますとしています。しかし、南国市では、特に中山間の農地が高齢化や過疎化により耕作が困難になってきていると思われますが、本市で実施している地域計画での南国市の中山間の今の状況を教えていただけますか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域である上倉、瓶岩地区の地域計画におきましては、地形的に条件が不利で作業効率が悪いという御意見や、鳥獣被害が多い、高齢化によって担い手が減少しているなどの御意見が出ております。これらの課題は、中山間地域に限った問題ではありませんが、中山間地域におきましては、特に顕著な課題であると認識しております。地域計画策定後では最初となる地区座談会を、令和8年1月21日に瓶岩公民館で開催いたしましたが、そのときの座談会では、木が生い茂っていたり、形状が悪いなど、実態として計画区域に含めるのがそぐわないような箇所を地域の方々にお伺いすることを主なテーマとして開催いたしました。地域計画策定初年度は、基本的に農業振興地域内の農地を計画区域として策定しておりましたが、実態として、農業上の利用が難しい農地を聞き取りして、地域計画に反映した結果、農業上の利用が見込まれる農地面積が230ヘクタールから170ヘクタールに減少しております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。私も座談会へ参加させていただいたり、山あいの農地の確認にも行かせてもらったりしていますが、耕作放棄をされた農地が山に返っている現状を目の当たりにしています。地域計画に関しては、今年初めの高知県農業会議との意見交換会や研修会などでも、まだ県下の総耕地面積2万5,000ヘクタールのうち63%が白地のまま、将来の受け手がいないという状況であると、大変心配な報告がされています。高知県は山林が県全体の84%という山の多い県です。そんな中、豊かな高知平野を有する南国市は、県下でもかなり恵まれているわけで、私の住む中山間は、耕作面積としては全体の10%にも足りませんが、そこにはやはり人の営み、住んで営農している人がいます。国は、山あいの耕作不利地に対して直接支払の制度で支援をしているわけですが、その中山間等直接支払制度とはどういうものなのか、改めて説明してください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等における農業生産条件の不利を補正することにより、将来に向けた農業生産活動の継続を支援することを目的とした制度で、集落等を単位とする協定を締結し、協定に従って耕作放棄地防止や水路、農道の管理など、農業生産活動などを5年間継続する場合に、面積に応じて一定額を交付する内容となっております。主な交付単価としましては、急傾斜地の場合、田が1反当たり2万1,000円、畑では1万1,500円となっており、草刈りや水路の泥上げなどの基礎的な活動のみを行う場合は交付単価の8割が交付される仕組みで、財源内訳としましては、国費が2分の1、県費4分の1、市費4分の1となっております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。農水省は実施率の低調さを指摘していますが、現場では複雑な事務手続が交付金利用の壁になっていないでしょうか。本市の中山間地域における交付金の執行率の現状と、もし利用が進んでいない地域があるならば、その要因は高齢化による事務負担の重さにあるのではないかと思うのですが、現場の農家の負担を市としてどのように認識しているのでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 対象農用地面積に占める交付金交付面積は約36%となっており、6割以上の農地で交付金が活用されておりません。その要因としましては、御指摘のとおり、高齢化による事務負担によるものもあるかと思いますが、事務負担だけではなく、農地を共同管理する担い手不足の問題など、集落の維持そのものに関わる課題によるものと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 担い手不足も原因とのお答えをいただいたのですが、確かに耕作不利地では、稼げる農業を目指している担い手にはやりたくない場所であることに変わりはないでしょう。事務手続に関しては、鈴木農林水産大臣も5月26日の衆議院農林水産委員会において、現場の負担となっているとして、全廃を含めた検討に言及しています。集落の代表を主人もしておりますけれども、交付金の手続をしていますが、こんなもの、一、二週間、勉強しても分からんと言っていました。先ほど対象面積中、交付されているのは36%にとどまっているという御答弁がありましたが、低迷する執行率は書類の煩雑さだけではないとしても、せめて交付金を受けるために農家が膨大な書類作成に追われる現状を打破するため、何か負担軽減を国に求めることはできないでしょうか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 事務負担の軽減につきましては、かねてから課題の一つとされておりまして、議員から御紹介いただいたとおり、政府におきましても、見直しの必要性について認識していただいているものと思っております。
また、今年度、高知県が日本型直接支払推進制度を設けて、市町村や集落協定のサポート体制の強化を図っており、課題等のヒアリングを各市町村で順次行っておりますので、そのような機会を通じて課題解決につなげていければと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いします。次の質問に移ります。
ところで、南国市の説明会では、共同活動の費用を世話役が数十万円単位で立て替え、支払いを受けられるのが年明けになるという切実な声があります。世話役の個人的な持ち出しが負担となり、組織維持がなかなか大変な状況だということですが、農家の資金繰りを助けるため、概算払いの時期を10月頃に早めるなど、市として柔軟な支払い対応はできないものなのでしょうか、お伺いします。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等直接支払交付金事業の処理の大まかな流れとしましては、市町村から県への交付申請の受付開始が6月頃と10月頃の年2回となっておりますので、申請の時期に協定農用地が耕作、または維持管理が適切に行われているかなどを市が現地確認し、その結果を踏まえて、市から県に対して交付申請を行うことになっております。本市の場合は、地元の意向などがあり、基本的に10月の受付分で申請を行っており、その後、県から市に対しての交付決定などを経て、各集落にお支払いするということになります。10月受付の場合ですと、どうしても県からの交付決定が1月以降となり、交付決定前のお支払いが制度上困難ですので、御指摘のとおり、お支払いが年明けとなり、代表者の方などに御迷惑をおかけすることになっております。
概算払いの時期を早めることはできないかとの御質問ですが、集落として6月受付で対応できるということでしたら、制度的には年内に交付することは可能ですので、地域の御意向、御要望を踏まえて対応してまいりたいと思います。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 6月受付だと、どうしても農家の皆様もお忙しく、5月の申請説明会の後、いきなり現地確認ということは難しいのではないかなというところもあります。草刈りなどもしなくてはいけませんし、またこの時期というのは草が大変に生えやすいっていうところで、農地として見にくいというところもあるのではないかっていうことも考えられます。ただ、やはり数十万円の立替えを年明けまで持ち越すというのは、経済的にも厳しい状況かと思われます。なかなか現場の状況というのを国が把握していないせいではないかというような気もするところでございます。中には努力をして6月受付でも構わないので早くに交付してもらいたいという集落もあろうかと思いますので、御対応のほどをよろしくお願いいたします。
ところで、この交付金の積立てには、積立計画などつくらなくてはいけないようですが、近年、豪雨災害などが頻発する中、次年度の災害復旧や農地維持のための地域独自の災害対応基金として積み立てられるよう、制度運用の工夫ができないものなのでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 基本的に単年度で計画的に使っていただく交付金となっておりますが、目的が明確であれば、基金として積み立てることも可能となっております。また、災害時の対応のための基金は駄目とはなっておりませんので、災害対応基金というのも可能ではないかと思いますが、具体的な案件があった場合には、県とも協議した上で、地域の皆様の御要望にお応えできるように努め、適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) せっかくいただいたのであれば、有効活用して、うまく地域のために利用できるように、御指導、御対応をよろしくお願いします。
現在の単価は、平地とのコスト差の8割とされていますが、資材高騰により、それでは全く足りないというのが農家の本音です。国の見直し案では、最小農地の拡大が先行し、肝腎の農家の希望します単価引上げが置き去りにされています。市として現在の単価が実際の生産コストを補塡できていると考えていらっしゃいますでしょうか。それが無理なら、単価の引上げを強く国に求めるべきではないでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 平場と中山間地域の生産コストの差につきまして、具体的な資料を持ち合わせてはおりませんので判断しかねるところがございますが、生産コストが上昇する中、中山間地域に限らず、農業を取り巻く環境は厳しいものがあると思っておりますし、その中でも、生産条件が不利な中山間地域は特に厳しい状況にあると思っております。
制度の見直しにつきましては、現在、国において議論がなされているところで、鈴木大臣は、事務負担の軽減や交付金の拡充についても言及されております。見直しの方向性が示されたとの報道は承知しておりますが、様々な意見などを踏まえて検討を進めている段階であると認識しておりますし、現時点で国から制度改正の通知などがなされておりませんので、引き続き国の動向に注視し、必要に応じて市長会などを通じた要望を検討してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) どこもこれではようやれんと思ってると思いますので、よろしくお願いします。
重ねての質問になってしまうのですが、中山間における現在の深刻な人口減少、高齢化の中で、この中山間等直接支払制度が、実際に集落を維持し、農地を守り抜く施策として、どの程度機能していると評価されていますでしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 中山間地域等直接支払制度の課題等について御質問、御指摘をいただいたところですが、この制度だけで集落を維持し農地を保全していくことは難しいのではないかと思っておりますので、そのほか、中山間地域の活性化に資する事業などを活用して、中山間地域の課題に取り組んでいく必要があると考えております。中山間地域等直接支払制度だけで解決することが難しい課題が多々あるとは思いますが、この交付金があったことで、辛うじて地域が持ちこたえられているという面も多々あるのではないかと思っておりますので、この制度が耕作放棄地の発生防止や集落の維持、地域コミュニティそのものの下支えに果たしてきた役割は大きなものがあると評価しております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) なかなか答えにくい質問になってしまいましたが、御答弁ありがとうございます。北部の中山間地域は、水源の涵養や土砂災害の防止といった、平野部の農業や暮らしを守るための非常に重要な多面的機能を担っています。この直接支払ですが、EUでは、中山間の農地を公共財として、環境を守り、維持することへの個人の所得保障の意味合いが強いもので、農業生産とは切り離されているのに対し、日本は共同作業で集落の草刈りや水路、農道の管理など、公共的活動をしたことへの補助金の意味合いが強いと考えられます。つまり、高齢化して活動がしにくくなればなるほど共同作業ができない集落となり、維持するための支援を受けにくくなるという逆説的な構造がそこにはあるわけで、ちょっと本末転倒、課長も、執行率が低いのは書類の煩雑さだけではなく、担い手が少ない、地域の維持のための共同作業ができない地域が増えているとおっしゃいましたが、まさにそうで、うちの周りも高齢化で参加されなくなった方が増えて、農地として維持する面積は減ってきているのですから、果たして効果がどこまであるものか、疑問に思わざるを得ません。農業経済学の先生によりますと、EUだと中山間へ年間500万円から1,000万円の直接支払があるそうで、若者が中山間に就農しているとのことです。海外の羨ましい話はともかく、南国市は中山間部は高齢化や過疎化も進み、地域計画で10年後の農地の姿を描くことも困難になってきているのはお話ししてきたとおりです。直接支払制度という支えも必要ですが、それでも農地が減り、人は山を下りている現状では、集落が消滅するのも時間の問題と言えます。10年遅いという声も聞こえてくるのですが、そんな中、地域計画の策定において、維持困難とされた区域を救うために、直接支払制度や地域まるっと中間管理方式を取り入れた取組も考えられます。地域まるっと中間管理方式とは、集落などの全農地を一般社団法人等の組織が農地バンクを通じて一括して借り受け、地域ぐるみで一元管理する仕組みです。それも踏まえて、これからの南国市の中山間をどう活性化していくべきか、市長の考えをお聞かせください。
○議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 中山間対策といたしましては、これまで飲料水供給施設の整備やデマンド型乗合タクシーの導入、空き家活用住宅の整備、市道改良など、地域内で安心して生活を続けていただくために各種事業を実施してきたところです。
また、農業関係で言いますと、農業生産活動を支える重要な基盤として、中山間地域等直接支払交付金を活用しておりますし、タケノコや四方竹の共同加工施設の整備に対する補助を行うなど、中山間地域に対する支援を行ってまいりました。しかしながら、高齢化を背景としまして、地域活動や農業の担い手不足が深刻化していることも事実であります。担い手不足を解消するためには、新規就農者や若者を中山間地域に呼び込んで、持続可能な人口構造に転換していくことが不可欠と思いますので、その受皿として、集落全体が一体となって組織する地域まるっと中間管理方式は有効な手段の一つではないかと思います。地域まるっと中間管理方式を具体的に進めるに当たっては、中心となる人材の確保や負担、集落全体での合意形成など、本市においてすぐに組織ができるかというと、難しい課題もあるのではないかと思いますが、地域が一体となって取り組む機運が高まることを期待しておりますし、南国市としましても、あらゆる制度を活用して中山間地域の活性化や集落維持に取り組み、そのための可能な支援を行ってまいりたいと考えております。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。この地域まるっと中間管理方式においても、移住者を含め、若者にどう参加してもらえるのかが決め手になっています。はっきり言って、今の現状のまま集落営農を住民に勧められても、これ以上は難しい状況です。6月9日の日本農業新聞では、ついに全国の集落営農法人が増加から減少へ転じたというニュースを報道しています。集落営農法人はいろいろな支援があるということから、各地で設立が相次ぎましたが、設立から10年から20年たち、構成メンバーが高齢化して跡を継ぐ人がいない、最近の資材の高騰などで手元にお金が残らない、若い人は有利な場所へ流出しているということでしょう。ついにその日が来始めたかなという気持ちです。ちなみに、有利な場所と言いながらも、これはまた同じく日本農業新聞6月16日の記事で、担い手の農地受入れ急減、2割止まり、規模拡大に限界、東大調査という記事が出ていました。こちらもまあそうでしょうねという感じです。そもそも個人での集約には限界があり、請け負う土地の面積が拡大するとき、次の段階へ進むには機械の投資、人員確保が必要になる。記事では20ヘクタール以上の大規模農家が引き受けてきたボリュームが減少しているとありますが、投資なしで集約したら30ヘクタール程度が限界ということではないでしょうか。それ以上となりますと、規模は拡大しても、米の価格がこの先ずっと上り続けないと回収できない、手元に残らないわけですから、なかなか頭打ちがあるのは当然かと思われます。松下議員のお話ともかぶるところがありますが、小規模家族経営では駄目だと切捨てをしてきた結果がそろそろ顕在化してきたのでしょう。議員になった当初の質問で、国連は2019年から2028年を家族農業の10年と定めているという話をしたことがあります。農水省のホームページにも、参考として、国連食糧農業機関(FAO)によると、家族農業は、開発途上国、先進国ともに食料生産によって主要な農業形態、世界の食料生産額の8割以上を占めるとなっており、社会経済や環境、文化といった側面で重要な役割を担っています。また、彼らは地域のネットワークや文化の中に組み込まれており、多くの農業、非農業の雇用を創出していますとあります。そんな小規模家族経営を非効率として集約を進めた結果が出てき始めた感じだと思います。ちなみに国連では、2026年、今年を国際女性農業従事者年と定めておりまして、農業従事者の約40%を占める女性の活躍が今後は大変重要になると、国連食糧農業機関(FAO)の方も勉強会でおっしゃっておりました。中山間で活躍する女性就農者さんの事例なども耳にするようになり、個人的には大変その活躍を今後に期待するところでもあります。
話を戻しますが、中山間をこれから発展させていくためにはどうすればいいのか。中山間地域、平野の外縁から山あいにかけての傾斜と小区画の土地は、日本の耕地面積と農業産出額で全国の約4割、本来、総農家数では4割台後半を占める場所です。今後は、守りや放棄に嘆くだけではなく、環境保全型の農業や双方的利用、例えば動物福祉を取り入れた放牧などで山あいの魅力を探し、発信する時期になっているのではないでしょうか。どうきれいに負けて終わるかではなく、この不利地から何を施策できるか、中山間は廃れゆく運命ではなく、これからの設計のし直しを待っていると考える時期が来たと捉えるべきではないかと締めくくりまして、次の質問へ移らせていただきます。
国会で、5月20日、改正食育基本法が可決され、5月29日に公布施行されました。平成17年の制定以来、21年ぶりの抜本的な改正となりました。特に今までの食育基本法と今回の改正法で変更があったところは何でしょうか、お答えください。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育基本法の改正により、食育は食料安全保障の確保に資するものと明確化されました。主な改正ポイントとしては、食育目的の拡充として、先ほど申し上げました食料安全保障の確保、2つ目として、対象と場の拡大といたしまして、文化、観光、スポーツなど、関連分野の連携、3つ目として、教育、体験活動の強化、4つ目に、国、地方、民間の食育推進のための連携、5つ目に、大人の食育の推進が上げられております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、次に南国市食育のまちづくり条例について、どのようなものか伺います。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 南国市食育のまちづくり条例につきましても、先ほどの食育基本法と同年、平成17年に制定しておりまして、南国市の食育のまちづくり条例では、食育に関する施策として、1つ、保育所、幼稚園、学校等を通じて食育の重要性を指導する、2つ目に、市民が生涯にわたって食育に関する学習の機会を設ける、3つ目に、食育に関する研究を進め、その成果を広く市民に公表する、4つ目に、家庭及び地域において食に関する様々な取組や交流を図る、5つ目に、地産地消の取組を奨励する、最後に6つ目に、産業界、公的機関等との連携を深めるとなっております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。改めて、本市の条例と大変親和性のある方向に食育基本法が改正された感じがいたします。
今回の改正の理由としては、昨今の社会状況の変化、働き方が多様化し、世帯構成が変化してきたこと、特に消費者と生産者の関係が希薄になったこと、フードロスの問題などが上げられますが、特筆すべきは、食料安全保障の確保に寄与するものとして位置づけるためという部分ではないでしょうか。世界情勢の不安定化などを背景に、食育を単なる健康教育にとどめず、生産コストや価値を理解し、積極的に地元産や国産を選ぶことで、自国での1次産業の保護を進めるためだとも思われます。現在、学校給食での地産品の利用率は27%程度で限界との認識もありますが、単なる消費拡大を超え、地元の食を守ることが地域の安全保障に直結するという視点を市民と共有するため、本市の食育のまちづくり条例に基づき、どのような新たな啓発を行うべきと考えますか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育の推進により、市民一人一人が日々の食材の選択に地産地消を意識することで地域農業が守られ、ひいては日本の食料安全保障の確保に資するものと考えられます。保健福祉センターでは、南国市食育のまちづくり条例及び第4期健康なんこく21計画きらりに基づき食育を推進し、子供だけでなく、生活習慣病予防の観点から、大人や働く世代にも展開していきたいと思っております。その際、食育が単なる栄養や健康習慣の教育にとどまらず、食料の安定供給や持続可能性などを啓発していきたいと思っております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市の食育のまちづくり条例は、既に今回の食育基本法改正以前から食料安全保障にもつながる取組を推進してきていると、改めて先進的であると認識しております。しかしながら、昨今は、物価高により消費行動がどうしても価格に流れがちで、地元のものより安い輸入品の購入、大量生産、低価格品へと消費行動が向いてしまいます。改正法は、生産コストの適切な負担への理解も求めています。市民に対し、農産物の価格ではなく地域の農地を守る価値を理解して選択する、消費行動の変容を促すために、食育を通してできる取組は何かありませんか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 生産コストの適切な負担への理解を求めるため、食育として、生産現場を知る体験、地産地消による学び、生産者との交流などが考えられます。第4期健康なんこく21計画きらりに含まれております第5次食育推進計画において、大人も食について学ぶ機会をつくり、正しい知識を得ること、今後の取組方針として上げております。具体的な取組として、食生活改善推進協議会を通じて各種教室を開催し、食育への関心や地産地消に関する情報提供や普及を行うなどを実践してまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。以前の議会での食育に関する質問でも、南国市は食育の多くの部分を食生活改善推進協議会の皆様に支えてもらっていると感じました。しかし、今後は、食育基本法改正により、農育、1次産業に関して理解したり、体験を通して学んだりという内容も食育の一環に改めて入っております。もともと農業体験は、農業が基幹産業の本市の食育の柱ですが、農家のボランティア精神に頼り続けるのは限界です。以前も質問しましたが、農家自身のお仕事が忙しい中、時間をつくって、自分の仕事を後回しにしてでも子供たちの農業体験を手伝っているのに、形骸化しているのではないかと不満を漏らす農家の方もおいでます。改正法の趣旨を酌み、体験学習を取り入れる学校と生産者を継続的につなぐコーディネート機能を強化する考えはありませんか。
○議長(西本良平) 農林水産課長。
○農林水産課長(川村佳史) 地域の農業者の皆様をはじめ、農業体験学習に御尽力いただいております関係者の皆様におかれましては、体験学習、並びに本市の農業行政に対しまして、御理解、御協力いただいておりますことに感謝を申し上げます。農業体験を通じて、農業の重要性や環境への貢献、また地域の伝統や食文化を学ぶことは、農業や環境問題、食への理解を深める有意義な取組と考えておりますし、今回の食育基本法の改正で、食に関する体験活動などを通じて、自然の恩恵や農林漁業者をはじめとする食に関わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めることの重要性と、食に関する知識や経験を有する人材の活用などが盛り込まれたところであります。消費者が農林水産物の生産に係るコストについて学び、合理的な価格形成について理解するためにも、御指摘のとおり、中・長期的な継続した取組が必要と思いますので、体験の目的やニーズに合った生産者の紹介など、学校現場などから御要望があれば、県やJAなどの関係機関、関係各課と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。この点もまさに本市が今まで取り組んできたものの、市の単独の考え方や予算、農家のボランティア精神だけでは推進力が落ちてきている部分を国民運動へと改正法で引き上げて、中・長期の取組になれば、地域の1次産業を守り、食の生産現場を守ることにつながります。特に子供たちの食育では、食の生産現場を通して地域の循環、自然環境、学校での既存の授業に農業を組み込むなど、他の授業にもつなげて、学習効果を狙う方法も考えられます。
では、今回、改正法で強調された働く世代への大人の食育について質問いたします。
南国市にも様々な事業所がありますが、農水省が食育実践優良法人の認定をしておりまして、これは職場での食育を通じて従業員の活力向上や生産性を図り、その優良な取組を社会全体へ広めることを目的にしているものです。この食育実践優良法人認定取得の支援を南国市としてするなど、取り組むことはできませんでしょうか。食育のまちづくり条例にも、第10条(6)産業界、公的機関等との連携を深めることとあります。南国市として、産業界との連携を官民連携の国民運動として加速させるべきではないでしょうか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食育実践優良法人顕彰制度につきまして、国へ申請し認定を受けた企業について、農林水産省ウェブサイト等により認定企業やその取組が公表されまして、認定証やロゴマークが交付提供されること及び企業イメージアップのメリットがあるとされております。保健福祉センターといたしましては、生活習慣病予防のため、大人の食育として、食生活改善推進協議会の食育活動を中心とした各種教室を開催しまして、正しい食生活のための情報提供や普及を行うとともに、先ほど出ました食育実践優良法人の認定についても、市内事業所等への情報提供をしていきたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。認定されるとロゴマークが交付されるとのことで、1年後に多くの事業所がこのロゴマークを貼ってくれているよう願っております。
大人の食育を一歩踏み込んで、例えば小平市のまっしぐら食堂の取組のように、まずは市役所で学校給食のレシピを提供し、地産地消マインドを高めるような取組は考えられませんでしょうか。
○議長(西本良平) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長(弘田明平) 食生活改善推進委員活動の一環として、給食のメニューを地域のイベントで提供した事例はありました。市民に広く周知するところまでは残念ながら至っておりません。今後、学校教育課及び関係機関と情報共有及び連携いたしまして、大人の食育を啓発していきたいと考えております。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 地域のイベントや社員食堂とか、外部のレストランなんかにもまた協力していただいて、地産地消の給食レシピを皆さんで食べる機会があれば理解が深まると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
先ほど申し上げましたけれども、食育基本法の改正では、食育を食料安全保障の基盤と位置づけ、文化や環境との有機的な連携を求めています。食育のまちづくり条例の精神を具現化するため、生きた教科書として校庭や園庭を活用する、南国市版エディブル・スクールヤードを本市の次世代教育の柱に据えるべきと思いますが、いかがでしょうか。エディブル・スクールヤードというのは、1995年にアリス・ウォータース氏が米国の公立中学校で創設した教育モデルです。今はエディブル・エデュケーションとして、全米の学校の正規授業として実践をされ、大変成果を上げているというものです。南国市の食育のまちづくり、この後の食育に組み込まれていくと、大変親和性もあるというところで注目をしているところですが、いかがお考えでしょうか。
○議長(西本良平) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 校庭や園庭を生きた教科書として、栽培から給食までを一体的に学ぶエディブル・スクールヤードの理念は、子供たちが五感で食と環境を学ぶ上で大変意義深いものとして認識をしております。本市では、これまでも地域の農家の皆様の御協力をいただきながら、各学校や園での栽培体験や調理実習など、手作りの食育を積み重ねてまいりました。今回の法改正で、食育が食料安全保障の基盤とされたことを踏まえ、今後も引き続き、これら一連の体験を地域の農業や環境の持続可能性に結びつける学習として継続していく必要があると考えております。
南国市版エディブル・スクールヤードにつきましては、各学校の既存の年間スケジュールの中にそのままの形で導入することは困難であると感じておりますが、授業の狙いなど、参考になる項目はあると思われますので、今後も引き続き、関係部署と連携し、現場の負担にも配慮しながら、本市の実情に応じた南国市版の特色ある食育、農育の在り方について検討を進めてまいります。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。なかなか遠くの田んぼに出かけるというのはイベントになりがちなのですが、そういうふうに近くにあるというふうにしていただくのがいいかもしれないと思っております。
本市には、学校給食アドバイザー会議が開催されてると思うのですけれども、ここはもう一つ踏み込みまして、例えばCPP Japanのようなオーガニック給食や農育の専門的知見を持つ外部団体をさらに招いて、より高度で先進的な食育計画を策定する考えはありませんか。
○議長(西本良平) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在、年間2回の給食アドバイザー会議を開催しており、近年は地産地消の推進や残食率、材料費の高騰等についてアドバイスをいただいております。令和5年度のアドバイザー会議では、オーガニック給食についても検討を行いましたが、安定供給、品質の確保、価格差の観点から、現時点では時期尚早ではないかとの意見が出ました。ただ、全国的にはオーガニック給食の導入というのは流れでもありますので、引き続き検証を進めてまいります。
また、給食アドバイザー会議の定数4名は、現在、充足しておりますので、次回のアドバイザー変更時には、専門的知見をお持ちの方についても検討をいたします。以上でございます。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 以前も、南国市にも生産者との調整役や配送管理を行うハブ組織、コーディネーターがいれば、もう少し地産地消率も上がっていくのではないかというような話も出ておりましたので、これからまた検討していただきたいと思います。
令和8年の法改正では、食育を食料安全保障の基盤と位置づけ、文化や環境との有機的な連携を求めています。本市が誇る食育のまちづくり条例の精神を具現化する……。すいません、ちょっと失礼いたしました。飛ばします。
本市は、平成17年に全国に先駆けて条例を制定したフロントランナーですけれども、今回の法改正で食料安全保障が明記されたことにより、本市の歩みが正しかったことが証明されました。この機に宣言や条例の精神を現代の社会情勢に合わせて再定義し、改めて食育のまちづくりに注力する決意をお伺いします。
○議長(西本良平) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほどから御質問の中でも御紹介いただいておりますように、食育基本法は平成17年に制定されたところでございますが、それと同じ年に南国市食育のまちづくり条例が制定されたところでございます。以来、南国市では、自校炊飯など、食育のまちとして取組を進めてきたところであります。食育が人間の社会生活と密着して、さらに大きな意義を持つ取組であるということが、今回の法改正でさらに明記されたというように思います。地元で取れた食材のおいしさを感じてもらうということで、いかに地産地消が意義ある取組であるかということを分かってもらえるように、先ほどエディブル・スクールヤードという御質問もあったところでございますが、そういったことに対しても、そちらを目標にして進めていくような子供たちの教育環境もできたらいいなというようにも思います。そういった方向で南国市版ということが取り組めたら、それはそれですばらしいことではないかと思います。今回の法改正を受けて、さらに充実した地産地消、また食育の活動ができますように、関係機関、団体とも協議しながら、取り組む方向を考えてまいりたいと思います。食育といえば南国と言われるように、条例改正等も踏まえながら、取り組んでいきたいというように思います。以上です。
○議長(西本良平) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市の食育のまちづくり条例を、今回、食育基本法の改正により見直すときが来るとは、感慨深いものがあります。個人の地産地消で地域の農業を守るのは大変難しく、質問の中にもあったように、この物価高騰の中で、より安いものを手に取ってしまう市民は多いと思います。農家は適正価格をなかなか自分でつけることができません。資材も高騰している中、地域の農業を地産地消で支えるならどのような方法があるか、価格ではなく価値をどう伝え理解してもらえるのか、食育や給食用作物の作付、地産地消で地域の需要と供給の循環をつくり、可能な限り各地域で自給率を向上させることが、ひいては全国の自給率を上げていくことになります。学校給食は年間180食の生きた教材、これを最大限に生かすためには、今まで以上に専門的な見地からの提案も必要となります。
そして、子供たちには、給食を通して食の学びを、農育を通して命と生産の学びを、最終的に消費者になっても地域のよいものを選ぶようになり、農業を支える生産者に感謝して、地域の食を支える人材に育てるところから食べるところまでを学ぶことで地球環境で生きるための循環を理解できるように、地球人として育てる、これが南国市はできると確信しておりますので、これからもお取組、どうかよろしくお願いいたします。
以上で今議会の私の一般質問を終わります。お疲れのところ、それぞれ御丁寧な御答弁ありがとうございました。





