議会議事録
一般質問3日目(丁野美香)
質問者:丁野美香
答弁者:市長、教育長、関係課長
○議長(岩松永治) 9番丁野美香議員。
〔9番 丁野美香議員発言席〕
○9番(丁野美香) 議席9番、なんこく市政会の丁野美香です。通告に従いまして順に質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、南国市コミュニティバスについての質問です。
南国市民の方の買物や通院など生活を支えるためのコミュニティバスの役割は大変大きなものだと思います。そこで、現在のコミュニティバスの利用状況はどのようになっているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 南国市コミュニティバスの現在の利用者実績ですけれども、令和7年4月から7月までの4か月の実績になりますが、4路線合計1万7,113人で、令和6年度同期間の実績1万5,302人と比較しますと11.84%の増加となっております。令和元年10月から運航を開始しておりますが、全体的に利用者は増加傾向であります。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 運行開始から利用者が増加傾向にあるということは、とてもいいことなのですが、私がいつもコミュニティバスと擦れ違うときに見ると、あまり乗客の方が乗ってるようには見えないのですが、各停留所の間隔や、利用者にとって本当に必要な場所に停留所が設置されているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) コミュニティバスの路線につきましては、基本的に、以前、とさでん交通株式会社が運行していた路線を引き継いでおり、各停留所の設置場所につきましても同様でございます。定路線型のバス路線でありますので、バスが通るところは限られておりますが、集落の近くであったり、施設であったり、利用者が多いと見込まれる場所に設置されていると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) それでは、現在、市役所に直接アクセスができる停留所がないことで、市民の皆さんや高齢者の方にとって利便性が低いと感じる声があったりすることはないのでしょうか。市としての認識はどうでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 運転免許返納を検討している御高齢の方から、返納後の移動手段を何とかしてほしいとのお声をいただいたことはありますが、市役所にバス停をというお声はあまり聞いたことはございません。御高齢で移動手段をお持ちでない方、特に交通空白地にお住まいの方の目的地の一つとして市役所があるという認識でございます。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 残念ながら、市民の皆さんの声をいただいたことはないとおっしゃられていましたが、来庁者の方の中には、バスがあれば便利だと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在、市役所には、毎日、来庁者がたくさんいらっしゃいますけれども、平均してどれだけ来庁してきてるのか、人数が分かる範囲で教えていただけますか。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 来庁者数につきましては、現在、把握はできておりません。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) そうなのですね。結構来庁されてるように感じたのですが、また機会があれば確認をお願いいたします。
他市町村では、庁舎の敷地内や正面玄関に停留所を設け、市民が手続や相談で訪れやすくしているところが多数あります。今回の質問でもそうなのですが、毎回毎回、しつこく聞いてしまう質問となってしまいますが、運転免許を返納された方、そして検討している方が不便な思いをすることがないように市役所前に停留所を設置してほしいです。なぜ南国市では、市役所敷地内にコミュニティバスの停留所を設置することが難しいのでしょうか、教えてください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 市役所敷地内へのバス停留所の設置につきましては、これまでにも御質問をいただいたところでございますが、庁舎前は、駐車場へ出入りする車両や駐車場から歩いてくる来庁者、また通り抜けの車両もあり、安全面で課題があると考えております。特に年度替わりや市役所での会議が開催されるときには駐車場の混雑が発生し、市役所前の道路が滞留する状況でありますので、停留所の設置は困難であると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
でも、もしですけど、設置することになった場合、交通の安全性や敷地のスペース確保、費用などの課題がたくさんあるかと思います。ですが、そこを何とか、市役所玄関前にある花壇とか日よけになってるような出っ張りの部分をなくして、駐車場の一部分も活用して少しスペースを広くロータリーのようにしてみてはどうでしょうか。
ほかにも、いろいろと工夫ができるのではないかと思うのですが、今後、市役所庁舎を市民の皆さんにとって、もっと利便性を向上していく上で停留所を設置することを市として前向きに考えていってほしいですが、いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) シンボルロードの開通などの道路事情の変化に合わせた今後の路線再編におきまして、市役所南側を東西に走ります高知南国線を活用することとなりましたら、市役所近くへの停留所の設置も検討したいと考えております。
また、現在、実証運行中でありますが、南国市デマンドタクシーを運行しています。運行時間等が限られておりますが、御家庭から市役所までドア・ツー・ドアで利用できる点で最も利便性が高い移動手段であると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 今後の路線再編時に市役所南側を東西に走る高知南国線を活用する際に、市役所近くに停留所を検討したいと考えていて、そして、今のところは、南国市デマンドタクシーを活用推進ということですが、やはりデマンドタクシーだと、事前に予約もしなくてはいけないですし、すぐに乗車したいときでも手間がかかります。しかし、南国市コミュニティバスNACOバスで市役所前に停留所を設置して、ドア・ツー・ドアにしていただくと、突然出かけることになった場合でも、バス停に行けば、時間さえ合えば、すぐにバスに乗れるという非常に便利だと思います。ぜひ市役所前に停留所を設置していただきたいと思いますが、市長いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほど企画課長もお答えしたところですが、市役所庁舎前におきましては、いろいろと人の出入りが多くございまして、安全面というところが非常に課題であるというように思っております。運行時間は限られておりますが、区域運行型のデマンドタクシーのほうが、定路線型のNACOバスよりもカバーする面積が広くて、市民の皆様方にとりましては利便性が高いのではというように考えておりますので、ぜひともそちらのPRもしていただければというようにも思います。よろしくお願いしたいと思います。以上でございます。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。もっといいお返事が聞けるといいんですけれども、では、取りあえず、期間限定でいいので、ちょっと庁舎前に来るような実証実験みたいなのをしていただければと思うんですが、どうでしょうか。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 安全面で課題があると考えておりますので、実証実験も困難であると思います。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 今までにも何回もこの質問をさせていただきましたが、県外に視察に行ったときや他市町村へ行くと、必ずと言っていいほど庁舎前にはバス停があります。高知県では、そして南国市では車社会ということもあり、バス利用にはあまり慣れていない方もいらっしゃるかもしれませんが、運転免許返納後や高齢者の方がふだんから気軽に利用できるように、路線のことも、もっと利用者の声を拾い上げて、そして、市役所に来るのにも困らないように、ぜひ庁舎前にバス停留所の設置を本当に強く強く希望します。よろしくお願いいたします。
この質問は終わります。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午前11時49分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○副議長(山中良成) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。9番丁野美香議員。
〔9番 丁野美香議員発言席〕
○9番(丁野美香) それでは、引き続き質問させていただきます。
津波避難タワーの熱中症対策について質問させていただきます。
今年に入ってからも頻繁に地震は発生しています。そして、津波注意報などが発令されると、避難タワーに避難することもあったりしますが、現在、南国市内に設置されている避難タワーは何か所ありますか。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、現在、沿岸部を中心として15か所に津波避難タワーを整備しております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 最近では、台風の影響や地球温暖化の影響もあり、地域的に集中豪雨が発生するなど災害というのは突然発生します。昨日なども、突然の大雨や雷などが鳴って、全国的にもすごいことになっておりますが、時には、遠く離れた場所で発生した地震によって津波注意報が発令されて、避難タワーに避難しなくてはいけない状況になることもあります。
そこで、寒さ対策はもちろんなのですが、現在、15か所あるという避難タワーに熱中症対策としてどの程度の整備をしているのでしょうか。例えば屋根や日よけ、水の備蓄、簡易トイレ、夜間照明などがあると思いますが、どうでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 津波避難タワーにつきましては、熱中症への対策というわけではありませんが、全ての避難タワーに日よけになる屋根、水やポータブルトイレの備蓄等は行っております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 日よけになる屋根、水やポータブルトイレの備蓄などは15か所全ての避難タワーに整備されてるということですが、それでは、市として夏場に避難訓練を行ったことはあるのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在まで、市として夏場に避難訓練を実施したり、自主防災会へ実施を呼びかけたことはございません。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、各自主防災組織や地域で、夏場、実際に避難訓練を行った際に熱中症の危険性を感じたというような事例などの報告はあるのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 自主防災組織などからは、訓練の際に熱中症の危険があったなどの報告は聞いておりませんが、7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した地震に伴い津波注意報が発表された際には、念のため近くの避難場所へ避難した稲生小学校の学童保育からは、避難の最中、非常に暑かったということは聞いております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり、今年のような暑い中での避難は本当に大変なことです。そこで、このような夏季の日中に避難した場合、直射日光下では数十分で体調不良を起こす可能性があると思いますし、日陰などでも、風通しが悪いと体調を崩してしまうこともあります。その対策として、特に高齢者や子ども、要配慮者が、長時間、避難タワーに避難する場合に安心できる環境が整っているのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 地震による揺れや津波を想定した緊急避難場所の多くは屋外であり、十分な環境が整っている状況とは言えませんが、津波避難タワーをはじめ緊急避難場所には備蓄倉庫を設置し、直射日光や雨を避けるためのテントや毛布、水、トイレ、発電機、投光器等を整備しております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 先日の高知新聞に掲載されていましたが、7月にカムチャツカ半島付近で巨大地震が発生した際に、津波注意報を受けて香南市の保育所では、職員がすぐに子どもたちを避難タワーへ誘導したそうです。しかし、津波到達予想時刻までは2時間ほどあり、猛暑のタワーでの待機はとても苛酷で、市と協議の上で徒歩5分の保育所に一旦戻って、安全面を考え、ヘルメットをかぶって昼食を取ってから、到達予想時刻前に2度目の避難をしたそうです。そして、そのときは、段ボールを組み立てて子ども用簡易トイレを用意したり、遮光ネットや強い日差しが入らないように、黒色のネットで覆って対策をしたそうです。職員数人で、床に敷くマットやジュースやお菓子も用意してきて、暑い中でも、子どもたちも、とてもリラックスして過ごすことができたそうです。
それは、でもどうしてかというと、1年前の8月に日向灘地震が発生したときにも、夕方に避難タワーに避難したのですが、そのときは西日が照りつけ、額に汗を浮かべる園児に職員は冷や冷やしたそうです。そして、備蓄のトイレや食料も大人用だけで、これでは小さな子どもたちの命を守り切れるか不安という声が職員の間で上がったそうです。
その保育所では、避難訓練は年に7回行っているそうですが、昨年の避難のときに、逃げてからの十分な想定ができていなかったということで分かったことや反省点もあり、今回、そのときのことを参考にして、避難タワーへの準備をして避難することができたそうです。
南国市でも、沿岸地域の保育園などの避難訓練の見直しや避難タワーの暑さや寒さ対策を今後どのように考えていくのか、お答えください。
○副議長(山中良成) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 先日のカムチャツカ半島付近巨大地震につきまして、浜改田保育園が津波注意報発令直後に避難タワーへ避難をいたしました。その後、避難タワーで情報収集を行い、注意報内容が堤防より海側への避難指示であったことを確認し、約30分後には保育園に帰っています。
津波避難タワーへの避難は浜改田保育園のみでございます。園に確認したところ、避難訓練は毎月1回行っておりまして、夏場も行っています。ただ、避難タワーまで3分で避難ができることから訓練時間が短いこと、訓練時に水筒を持参する、訓練後プールを行うといった熱中症対策を十分に行っているとのことでした。
また、浜改田の避難タワーの避難場所は、基本的に日陰になりますが、一部に西日が差し込みます。夕方の時間帯でも、3分の2程度は日陰となります。避難タワーにはブルーシートを備蓄しておりますので、夏場の遮光と冬場の防風に使用可能です。
今後の対策としましては、可搬式発電機がありますので、扇風機を備蓄することや、電気を使わない各種保冷、体を冷やす物品などの備蓄を検討していきます。寒さ対策としましては、毛布が備蓄されておりますが、防風用に段ボールなどで、逆に体を温める物品の備蓄についても対策をするように検討していきます。
浜改田以外の園の避難訓練につきましては、保育施設ごとに訓練回数、内容に違いがございます。対策済みの保育施設もあると思いますが、夏場の避難訓練時の熱中症対策について再度確認をいたします。熱中症対策が行われていない保育施設がございましたら、猛暑日を避けて訓練を行うなど各施設と協議を行います。緊急避難場所での暑さ、寒さ対策につきましても確認を行い、不足があれば十分なものに改善していきたいと思っております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございました。課長は、現地の避難タワーへ行って、実際に西日が当たるとか、そういうのを見に来てくれたそうで、本当にありがとうございます。
やはり、季節やお天気などに関係なく災害は発生いたします。日頃から避難訓練、そして、南海トラフ地震が発生した場合には、避難タワーで2日も3日も過ごさなくてはいけなくなるかもしれません。そうなることも想定しながら、暑さ、寒さ対策はもちろんですが、不足しているところも改善しながら避難訓練を市がもっと各自主防災組織などにも推進していただき、浜改田保育園のように毎月というのは難しいことだと思いますが、年間何回か決めて実施していただけたら、市民の皆さんの命を守るためにも、十分な準備と15か所ある避難タワーで災害時に待機ができるように、今後とも対策のほうをよろしくお願いいたします。
次に、避難所エアコン対策について質問をさせていただきます。
近年の夏の暑さは異常とも言える状況で、子どもたちの健康と命を守るための対策が学校現場にも一層求められています。特に体育館は、屋外に比べて風通しが悪く、熱が籠もりやすいため、運動中でなくても熱中症のリスクが高い空間です。県内の一部の学校では、夏場の体育や集会を控えたり、冷却装置を設置するなどの対応が取られていると聞いていますが、抜本的な対策として、体育館へのエアコン設置が必要ではないかと考えます。
現在、南国市内の小中学校の体育館においてエアコンの設置状況はどうなっているのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在、南国市内の小中学校の体育館にエアコンは設置されておりません。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 市内小中学校の体育館にはエアコンは設置されてないということですが、今年の夏の暑さは本当に大変な暑さです。夏休みも終了して9月に入り、学校生活も始まりました。南国市でも、幾つかの学校で、今年は運動会を、入学してからそんなに日数もたたない5月に開催されていました。入学してからすぐなので、練習などもあり、どうなのかなと思いましたが、今年のような暑さだと、秋に運動会を開催することのほうが大変で、校庭での練習もままならないのではないでしょうか。
そこで、運動会の練習をするために体育館に空調設備が整っていると、安心して練習ができるのではないでしょうか。子どもたちの運動面や学校生活の中での熱中症対策としてどのような対応が取られているのか、現状認識をお聞かせください。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 学校教育活動における熱中症対策として、国の学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引きを参考に、暑さ指数の上昇に伴う学校教育活動時の対応目安を市教委で示しております。その目安を各学校は熱中症指標計を使用し、計測することにより熱中症事故の危険度の把握に努め、屋内外での行事や運動するかどうかを判断することとしております。また、学校の実情に合わせて、日よけの活用や風通しをよくするための工夫、教室等を開放し、空調設備を適切に活用することとしております。以上でございます。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) いろいろと工夫をされているので、少し安心しましたが、しかし、先日、姉妹都市でもある岩沼市へ視察研修に行ったときに、震災遺構中浜小学校を見学してきました。そのときに語り部さんから説明してもらったのですが、地震が発生したときに津波が来るということで、学校以外に避難できる高さのある建物までは遠く、子どもたちを守るために、ふだんは備品などを入れる倉庫として活用している屋根裏部屋に避難して、全員が助かったそうです。子どもたちは、その部屋の存在も知らなかったのですが、校長先生のとっさの判断でみんな助かることができました。
そこで、教育長にお聞きします。
想定外の事態なども考えて、先生たちだけで避難訓練や研修などを南国市全体の教育現場でされたりしているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 教育長。
○教育長(竹内信人) 岩沼交流事業を通して、これまで南国市の多くの教員も中浜小学校には実際に行ってきております。そういった経験を皆に広げる努力もしておるところでございます。
御質問にありました各校におきましては危機管理マニュアルを策定しておりまして、毎年、年度初めに全教職員で火災、地震、事故、不審者対策など様々な緊急対応に対しての役割分担を明確にし、共通理解を図ることを徹底して実践しております。その中で、市の消防本部とか日本赤十字社などにも御協力をいただきまして、南国市の全教職員が一般救急講習を受講しております。また、学校によっては、体育や養護の教員が講師となって校内研を実施するなど緊急対応に備えているところでございます。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。教育現場での避難訓練だけでなく、危機管理マニュアル作成ができているということで安心ができます。
では、避難訓練や研修を実施するときには、寒さ対策だけでなく、暑さ対策なども考えてほしいですが、各季節に実施を検討することはできますか。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 毎年、同じ避難訓練や研修を実施するのではなく、学校の実情に合わせて研修等に変化を持たせて実施するよう今後も努めてまいります。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) よろしくお願いいたします。
国では、学校施設の空調整備に対する補助制度が拡充されており、他自治体では、この制度を活用して体育館にエアコンを導入する事例も見られます。南国市でも、こうした国の支援制度を活用して体育館への空調設備導入を計画、検討しているのか、今後の方針を伺います。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在のところ、体育館への空調設備導入に向けての計画はございません。現在、家庭科室などの一部の特別教室にエアコンが設置できていないため、特別教室へのエアコン設置を計画しております。
体育館へのエアコン設置につきましては、一定、国からの補助もございますが、各学校ともに、校舎、体育館、プール等の老朽化も進んでおります。エアコン導入に係るイニシャルコストやランニングコストも大変大きいため、現時点で体育館へのエアコンを設置することは財政的に難しいと考えております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 災害時には体育館が避難所として活用されることもあり、体育館の空調整備は、教育施設としてだけでなく、地域防災の観点からも急務と考えます。子どもたちや市民の命を守るため、ぜひ前向きな整備をお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 学校関係で申し上げますと、避難施設としての利用もできるように、十市・岡豊小学校などは多目的ホールに空調設備を設置しております。以上でございます。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 防災対策の観点から、避難所となる体育館の空調対策として、今年度から移動式の空調機器と発電機の導入を進めております。南海トラフ地震をはじめとする大規模災害を想定する際には、停電対策を併せて考える必要がありますが、移動式の空調機器と発電機を組み合わせることで比較的安価に導入を図ることができ、また、工事を伴わないため、短期間に導入することができると考えております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 確かに、十市小学校では多目的ホールに空調設備が整っていると、とても助かっております。現在も運動会の練習に使用したりもしているそうです。ですが、体育館とは違って、運動するのにも多目的ホールでは限度があるのではないでしょうか。
昨年12月議会で西本議員が質問をしていましたが、大阪府寝屋川市の事例で、ガス式の空調設備を導入しているということでした。そのときに野村課長がお答えになっていたのが、国の財源措置の状況を考えながらということでした。その後、御検討いただけたのでしょうか。
今年のような暑い中、9月からの新学期開始というと、まだまだ暑いので、子どもたちが学校生活を送る上でも大変ですので、ぜひ試験的にでいいので、体育館に空調設備導入を1か所でも、そして、昨日も山中議員も質問されていましたが、3月補正で2台のスポットクーラーをということでしたが、それはどうでしょう、2台で足りるのでしょうか、そこら辺もお答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 昨年12月議会で西本議員より大阪府寝屋川市の事例を御紹介いただいたところですが、その後、新しい地方経済・生活環境創生交付金(地域防災緊急整備型)が新たに創設され、避難所の環境整備に係る資機材整備などについて、国により3月補正で財源措置がされたところです。この中で、避難所の空調につきましても、資機材として導入するものは対象となるとのことから、この枠組みの中で空調機器を導入できないか検討した結果、災害対策用空調機器として有効であると判断し、令和6年度の3月補正へ2台分の予算を計上したところです。現在、入札も終了し、本年度納入される予定となっております。
台数につきましては、2台では十分とは考えておりませんので、今後も、引き続き導入について進めてまいります。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり2台では足りないということですので、今後も、避難所となっている学校体育館で一斉に使用することになった場合などを考えて、体育館全体で使用できて、災害時にも活用することができるガス式の空調設備導入を1か所でもいいので御検討していただきたいと思います。学校生活の中でも使用できて、災害時にも絶対に必要となると思いますので、ぜひそちらのほうもよろしくお願いいたします。
次に、避難所トイレ整備について質問です。
阪神・淡路大震災のときの避難所になった学校などが断水し、水洗トイレに水が流せず、排せつ物や紙などがあふれて大問題になったそうです。以来、数多くの災害用トイレが開発されたり提案されてきたりしてきました。しかし、災害時のトイレパニックとしては、現在でも古いのに新しい問題のままで、昨年の能登半島地震でも取り沙汰されて、全国的にも避難所でのトイレが十分に確保できていない実態があると言われています。災害時のトイレといいますと、非常食とセットで考えるべき問題です。
そこでお聞きします。
南国市の避難所でどれだけのトイレ整備が進んでいるのでしょうか。断水時や停電時でも使用可能なトイレはどれくらい準備しているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在、災害時のトイレ対策として、ポータブルトイレ等の便座と排せつ物を固化させる処理剤等の備蓄を進めております。具体的には、便座としてポータブルトイレを約700基、自動ラップ式のトイレを48基備蓄しております。また、ビニール袋やごみ袋がセットになった処理剤、いわゆる携帯トイレを13万5,750回分備蓄しております。あわせて、今年度、トイレカーを1台導入する予定としております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、現在、マンホールトイレの設置状況はどのようになっているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) マンホールトイレにつきましては、篠原地区の都市公園内に2基、地域交流センター内に5基整備しております。また、今年度、大篠小学校に9基、新設図書館に3基整備予定です。次年度以降、十市小学校及び高知東工業高校へも整備を計画しております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 昨年、浜改田地区の津波避難タワーに備蓄品の納入がされていますが、その中には、ワンタッチトイレ、ワンタッチテント、災害対策用プライベートルーム、ポータブル電源、防水ソーラーパネルなどがあったそうですが、ほかの避難タワーにも同様にあるのでしょうか、お聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 各地区の津波避難タワーへ市として統一的に配置している備蓄資機材等につきましては、飲料水、ポータブルトイレ及び処理剤、毛布、ブランケット、発電機、ランタンなどとなっております。そのほか、各地区の自主防災会により独自に備蓄していただいているものがございます。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、各地区の自主防災会によって備蓄品に違いもあるのですね。浜改田地区のワンタッチトイレや災害対策用プライベートルームなどは、避難所でのトイレ使用のときに役立つと思います。
災害時の避難所でのトイレ問題は、30年前の阪神・淡路大震災のときに初めて注目されていますが、昨年1月の能登半島地震でも同様の課題があったそうです。過去の災害で、約7割の被災者が6時間以内に排せつが必要になったとの調査結果があります。避難所では、20人に1基の仮設トイレを配置することが決められており、女性専用を多めに配置するなどの配慮も必要です。しかし、仮設トイレが設置されるのには時間がかかります。
トイレ問題だけではないのですが、避難生活のストレスなどが原因となる災害関連死は後を絶ちません。被災者の命や健康を守る取組として、避難所でのトイレ問題対策としての現状と課題をお聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 災害時のトイレ問題は災害関連死とも密接に関連しており、助かった命をつなぐ対策として非常に重要であると認識しております。
先ほど答弁いたしましたように、本市ではポータブルトイレを中心に災害時のトイレ対策を進めておりますが、課題として、処理剤により処理した排せつ物を最終的にどのように処分するのか。また、処分するまでの間、一定期間の保管が必要となり、衛生環境の悪化が懸念されると考えております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり災害時のトイレ問題の一番の課題として、排せつ物の処分と保管場所、そして衛生環境面だと思います。前回もトイレ問題についての質問をさせていただいたときにお願いをしました埋設型トイレだと、そういった問題がクリアできると思います。
しかし、前回にお願いをした埋設型のトイレを整備してほしいという質問に対してのお答えが、災害トイレを整備するための財源として新しい地方経済・生活環境創生交付金が対象にならなかったので、ほかの財源がないか確認して検討していただけるということでしたが、その後はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 埋設型のトイレを整備することは、当面の間、対応に係る人員が少なくて済むことや大人数が長期間衛生的に使用できるという利点がありますので、導入してまいりたいと考えております。そのため、財源として社会資本総合整備交付金を活用するべく、社会資本総合整備計画の追加変更を行っているところです。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。ぜひ追加変更を行い、早く財源を確保していただきたいです。よろしくお願いいたします。
そして、これも前回に質問したときにお願いをしたのですが、十市保育園、稲生保育園の高台移転に合わせて埋設型のトイレを設置してほしいというお願いなのですが、そのときのお返事が、費用面で難しいので、いろいろな財源について調べていくということでした。その後、こちらのほうも、有利な財源を確認していただけたのでしょうか。最初に、保育園建設時に埋設型トイレ設置に一緒に取り組んでいただいたほうが、後から設置するよりも予算的にもいいのではないでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 稲生・十市高台移転事業につきましては、現在、基本・実施設計業者が決定し、基本設計作成に向け、1回目の地元説明会を開催いたしました。建物の配置、設備含め基本設計の検討の段階でございます。一時避難所としての機能を持たせることを想定しておりますが、具体的な設備の検討までは至っていないところです。
今後、埋設型トイレの設置につきましても、一つの案として検討をしてまいります。検討に当たっては、危機管理課と十分な協議を行います。一時避難所とした場合の想定避難者数、避難所である十市小学校の避難者用トイレの整備予定、その他、一時避難所に求められる機能を協議いたします。また、全体の財源は緊急防災・減災事業債を予定しております。
埋設型トイレの設置につきましては、さきに危機管理課長が答弁いたしました社会資本整備総合交付金を活用できると思いますが、緊急防災・減災事業債と併用可能か、今回の保育施設整備でも対象になるかが未確認のため確認を行い、その上で費用面で検討をしていくこととなります。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
人がトイレに行く回数は1日平均5回と言われています。生理現象であり、これを止めることはできません。過去の災害では、なるべくトイレに行かないように水分や食事を控えて体調を崩してしまう方や亡くなってしまう方もいたそうです。費用面のことをすぐに言われるので、再度言いますが、建設するとき、最初に設置していただいたほうが、後から設置するよりもはるかにコストダウンできると思います。
トイレは命をつなぐためにも大切なものです。今後、避難所でのトイレ対策をよろしくお願いいたします。そして、ぜひ十市保育園、稲生保育園の高台移転先に設置していただけますよう強く希望します。よろしくお願いいたします。
今回の防災関連の質問は、南海トラフ地震に向けて、少しずつでも準備をしていかなければならないことなのですが、財源がないという理由でやめないで、市民の皆さんの命と財産を守るためにも、1つずつでもいいので取り組んでいっていただくことをお願いいたします。以上で質問を終わります。丁寧な御答弁ありがとうございました。
答弁者:市長、教育長、関係課長
○議長(岩松永治) 9番丁野美香議員。
〔9番 丁野美香議員発言席〕
○9番(丁野美香) 議席9番、なんこく市政会の丁野美香です。通告に従いまして順に質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、南国市コミュニティバスについての質問です。
南国市民の方の買物や通院など生活を支えるためのコミュニティバスの役割は大変大きなものだと思います。そこで、現在のコミュニティバスの利用状況はどのようになっているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 南国市コミュニティバスの現在の利用者実績ですけれども、令和7年4月から7月までの4か月の実績になりますが、4路線合計1万7,113人で、令和6年度同期間の実績1万5,302人と比較しますと11.84%の増加となっております。令和元年10月から運航を開始しておりますが、全体的に利用者は増加傾向であります。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 運行開始から利用者が増加傾向にあるということは、とてもいいことなのですが、私がいつもコミュニティバスと擦れ違うときに見ると、あまり乗客の方が乗ってるようには見えないのですが、各停留所の間隔や、利用者にとって本当に必要な場所に停留所が設置されているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) コミュニティバスの路線につきましては、基本的に、以前、とさでん交通株式会社が運行していた路線を引き継いでおり、各停留所の設置場所につきましても同様でございます。定路線型のバス路線でありますので、バスが通るところは限られておりますが、集落の近くであったり、施設であったり、利用者が多いと見込まれる場所に設置されていると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) それでは、現在、市役所に直接アクセスができる停留所がないことで、市民の皆さんや高齢者の方にとって利便性が低いと感じる声があったりすることはないのでしょうか。市としての認識はどうでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 運転免許返納を検討している御高齢の方から、返納後の移動手段を何とかしてほしいとのお声をいただいたことはありますが、市役所にバス停をというお声はあまり聞いたことはございません。御高齢で移動手段をお持ちでない方、特に交通空白地にお住まいの方の目的地の一つとして市役所があるという認識でございます。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 残念ながら、市民の皆さんの声をいただいたことはないとおっしゃられていましたが、来庁者の方の中には、バスがあれば便利だと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在、市役所には、毎日、来庁者がたくさんいらっしゃいますけれども、平均してどれだけ来庁してきてるのか、人数が分かる範囲で教えていただけますか。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 来庁者数につきましては、現在、把握はできておりません。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) そうなのですね。結構来庁されてるように感じたのですが、また機会があれば確認をお願いいたします。
他市町村では、庁舎の敷地内や正面玄関に停留所を設け、市民が手続や相談で訪れやすくしているところが多数あります。今回の質問でもそうなのですが、毎回毎回、しつこく聞いてしまう質問となってしまいますが、運転免許を返納された方、そして検討している方が不便な思いをすることがないように市役所前に停留所を設置してほしいです。なぜ南国市では、市役所敷地内にコミュニティバスの停留所を設置することが難しいのでしょうか、教えてください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 市役所敷地内へのバス停留所の設置につきましては、これまでにも御質問をいただいたところでございますが、庁舎前は、駐車場へ出入りする車両や駐車場から歩いてくる来庁者、また通り抜けの車両もあり、安全面で課題があると考えております。特に年度替わりや市役所での会議が開催されるときには駐車場の混雑が発生し、市役所前の道路が滞留する状況でありますので、停留所の設置は困難であると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
でも、もしですけど、設置することになった場合、交通の安全性や敷地のスペース確保、費用などの課題がたくさんあるかと思います。ですが、そこを何とか、市役所玄関前にある花壇とか日よけになってるような出っ張りの部分をなくして、駐車場の一部分も活用して少しスペースを広くロータリーのようにしてみてはどうでしょうか。
ほかにも、いろいろと工夫ができるのではないかと思うのですが、今後、市役所庁舎を市民の皆さんにとって、もっと利便性を向上していく上で停留所を設置することを市として前向きに考えていってほしいですが、いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) シンボルロードの開通などの道路事情の変化に合わせた今後の路線再編におきまして、市役所南側を東西に走ります高知南国線を活用することとなりましたら、市役所近くへの停留所の設置も検討したいと考えております。
また、現在、実証運行中でありますが、南国市デマンドタクシーを運行しています。運行時間等が限られておりますが、御家庭から市役所までドア・ツー・ドアで利用できる点で最も利便性が高い移動手段であると考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 今後の路線再編時に市役所南側を東西に走る高知南国線を活用する際に、市役所近くに停留所を検討したいと考えていて、そして、今のところは、南国市デマンドタクシーを活用推進ということですが、やはりデマンドタクシーだと、事前に予約もしなくてはいけないですし、すぐに乗車したいときでも手間がかかります。しかし、南国市コミュニティバスNACOバスで市役所前に停留所を設置して、ドア・ツー・ドアにしていただくと、突然出かけることになった場合でも、バス停に行けば、時間さえ合えば、すぐにバスに乗れるという非常に便利だと思います。ぜひ市役所前に停留所を設置していただきたいと思いますが、市長いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほど企画課長もお答えしたところですが、市役所庁舎前におきましては、いろいろと人の出入りが多くございまして、安全面というところが非常に課題であるというように思っております。運行時間は限られておりますが、区域運行型のデマンドタクシーのほうが、定路線型のNACOバスよりもカバーする面積が広くて、市民の皆様方にとりましては利便性が高いのではというように考えておりますので、ぜひともそちらのPRもしていただければというようにも思います。よろしくお願いしたいと思います。以上でございます。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。もっといいお返事が聞けるといいんですけれども、では、取りあえず、期間限定でいいので、ちょっと庁舎前に来るような実証実験みたいなのをしていただければと思うんですが、どうでしょうか。
○議長(岩松永治) 企画課長。
○企画課長(田所卓也) 安全面で課題があると考えておりますので、実証実験も困難であると思います。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 今までにも何回もこの質問をさせていただきましたが、県外に視察に行ったときや他市町村へ行くと、必ずと言っていいほど庁舎前にはバス停があります。高知県では、そして南国市では車社会ということもあり、バス利用にはあまり慣れていない方もいらっしゃるかもしれませんが、運転免許返納後や高齢者の方がふだんから気軽に利用できるように、路線のことも、もっと利用者の声を拾い上げて、そして、市役所に来るのにも困らないように、ぜひ庁舎前にバス停留所の設置を本当に強く強く希望します。よろしくお願いいたします。
この質問は終わります。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午前11時49分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○副議長(山中良成) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。9番丁野美香議員。
〔9番 丁野美香議員発言席〕
○9番(丁野美香) それでは、引き続き質問させていただきます。
津波避難タワーの熱中症対策について質問させていただきます。
今年に入ってからも頻繁に地震は発生しています。そして、津波注意報などが発令されると、避難タワーに避難することもあったりしますが、現在、南国市内に設置されている避難タワーは何か所ありますか。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、現在、沿岸部を中心として15か所に津波避難タワーを整備しております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 最近では、台風の影響や地球温暖化の影響もあり、地域的に集中豪雨が発生するなど災害というのは突然発生します。昨日なども、突然の大雨や雷などが鳴って、全国的にもすごいことになっておりますが、時には、遠く離れた場所で発生した地震によって津波注意報が発令されて、避難タワーに避難しなくてはいけない状況になることもあります。
そこで、寒さ対策はもちろんなのですが、現在、15か所あるという避難タワーに熱中症対策としてどの程度の整備をしているのでしょうか。例えば屋根や日よけ、水の備蓄、簡易トイレ、夜間照明などがあると思いますが、どうでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 津波避難タワーにつきましては、熱中症への対策というわけではありませんが、全ての避難タワーに日よけになる屋根、水やポータブルトイレの備蓄等は行っております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 日よけになる屋根、水やポータブルトイレの備蓄などは15か所全ての避難タワーに整備されてるということですが、それでは、市として夏場に避難訓練を行ったことはあるのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在まで、市として夏場に避難訓練を実施したり、自主防災会へ実施を呼びかけたことはございません。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、各自主防災組織や地域で、夏場、実際に避難訓練を行った際に熱中症の危険性を感じたというような事例などの報告はあるのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 自主防災組織などからは、訓練の際に熱中症の危険があったなどの報告は聞いておりませんが、7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した地震に伴い津波注意報が発表された際には、念のため近くの避難場所へ避難した稲生小学校の学童保育からは、避難の最中、非常に暑かったということは聞いております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり、今年のような暑い中での避難は本当に大変なことです。そこで、このような夏季の日中に避難した場合、直射日光下では数十分で体調不良を起こす可能性があると思いますし、日陰などでも、風通しが悪いと体調を崩してしまうこともあります。その対策として、特に高齢者や子ども、要配慮者が、長時間、避難タワーに避難する場合に安心できる環境が整っているのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 地震による揺れや津波を想定した緊急避難場所の多くは屋外であり、十分な環境が整っている状況とは言えませんが、津波避難タワーをはじめ緊急避難場所には備蓄倉庫を設置し、直射日光や雨を避けるためのテントや毛布、水、トイレ、発電機、投光器等を整備しております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 先日の高知新聞に掲載されていましたが、7月にカムチャツカ半島付近で巨大地震が発生した際に、津波注意報を受けて香南市の保育所では、職員がすぐに子どもたちを避難タワーへ誘導したそうです。しかし、津波到達予想時刻までは2時間ほどあり、猛暑のタワーでの待機はとても苛酷で、市と協議の上で徒歩5分の保育所に一旦戻って、安全面を考え、ヘルメットをかぶって昼食を取ってから、到達予想時刻前に2度目の避難をしたそうです。そして、そのときは、段ボールを組み立てて子ども用簡易トイレを用意したり、遮光ネットや強い日差しが入らないように、黒色のネットで覆って対策をしたそうです。職員数人で、床に敷くマットやジュースやお菓子も用意してきて、暑い中でも、子どもたちも、とてもリラックスして過ごすことができたそうです。
それは、でもどうしてかというと、1年前の8月に日向灘地震が発生したときにも、夕方に避難タワーに避難したのですが、そのときは西日が照りつけ、額に汗を浮かべる園児に職員は冷や冷やしたそうです。そして、備蓄のトイレや食料も大人用だけで、これでは小さな子どもたちの命を守り切れるか不安という声が職員の間で上がったそうです。
その保育所では、避難訓練は年に7回行っているそうですが、昨年の避難のときに、逃げてからの十分な想定ができていなかったということで分かったことや反省点もあり、今回、そのときのことを参考にして、避難タワーへの準備をして避難することができたそうです。
南国市でも、沿岸地域の保育園などの避難訓練の見直しや避難タワーの暑さや寒さ対策を今後どのように考えていくのか、お答えください。
○副議長(山中良成) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 先日のカムチャツカ半島付近巨大地震につきまして、浜改田保育園が津波注意報発令直後に避難タワーへ避難をいたしました。その後、避難タワーで情報収集を行い、注意報内容が堤防より海側への避難指示であったことを確認し、約30分後には保育園に帰っています。
津波避難タワーへの避難は浜改田保育園のみでございます。園に確認したところ、避難訓練は毎月1回行っておりまして、夏場も行っています。ただ、避難タワーまで3分で避難ができることから訓練時間が短いこと、訓練時に水筒を持参する、訓練後プールを行うといった熱中症対策を十分に行っているとのことでした。
また、浜改田の避難タワーの避難場所は、基本的に日陰になりますが、一部に西日が差し込みます。夕方の時間帯でも、3分の2程度は日陰となります。避難タワーにはブルーシートを備蓄しておりますので、夏場の遮光と冬場の防風に使用可能です。
今後の対策としましては、可搬式発電機がありますので、扇風機を備蓄することや、電気を使わない各種保冷、体を冷やす物品などの備蓄を検討していきます。寒さ対策としましては、毛布が備蓄されておりますが、防風用に段ボールなどで、逆に体を温める物品の備蓄についても対策をするように検討していきます。
浜改田以外の園の避難訓練につきましては、保育施設ごとに訓練回数、内容に違いがございます。対策済みの保育施設もあると思いますが、夏場の避難訓練時の熱中症対策について再度確認をいたします。熱中症対策が行われていない保育施設がございましたら、猛暑日を避けて訓練を行うなど各施設と協議を行います。緊急避難場所での暑さ、寒さ対策につきましても確認を行い、不足があれば十分なものに改善していきたいと思っております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございました。課長は、現地の避難タワーへ行って、実際に西日が当たるとか、そういうのを見に来てくれたそうで、本当にありがとうございます。
やはり、季節やお天気などに関係なく災害は発生いたします。日頃から避難訓練、そして、南海トラフ地震が発生した場合には、避難タワーで2日も3日も過ごさなくてはいけなくなるかもしれません。そうなることも想定しながら、暑さ、寒さ対策はもちろんですが、不足しているところも改善しながら避難訓練を市がもっと各自主防災組織などにも推進していただき、浜改田保育園のように毎月というのは難しいことだと思いますが、年間何回か決めて実施していただけたら、市民の皆さんの命を守るためにも、十分な準備と15か所ある避難タワーで災害時に待機ができるように、今後とも対策のほうをよろしくお願いいたします。
次に、避難所エアコン対策について質問をさせていただきます。
近年の夏の暑さは異常とも言える状況で、子どもたちの健康と命を守るための対策が学校現場にも一層求められています。特に体育館は、屋外に比べて風通しが悪く、熱が籠もりやすいため、運動中でなくても熱中症のリスクが高い空間です。県内の一部の学校では、夏場の体育や集会を控えたり、冷却装置を設置するなどの対応が取られていると聞いていますが、抜本的な対策として、体育館へのエアコン設置が必要ではないかと考えます。
現在、南国市内の小中学校の体育館においてエアコンの設置状況はどうなっているのでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在、南国市内の小中学校の体育館にエアコンは設置されておりません。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 市内小中学校の体育館にはエアコンは設置されてないということですが、今年の夏の暑さは本当に大変な暑さです。夏休みも終了して9月に入り、学校生活も始まりました。南国市でも、幾つかの学校で、今年は運動会を、入学してからそんなに日数もたたない5月に開催されていました。入学してからすぐなので、練習などもあり、どうなのかなと思いましたが、今年のような暑さだと、秋に運動会を開催することのほうが大変で、校庭での練習もままならないのではないでしょうか。
そこで、運動会の練習をするために体育館に空調設備が整っていると、安心して練習ができるのではないでしょうか。子どもたちの運動面や学校生活の中での熱中症対策としてどのような対応が取られているのか、現状認識をお聞かせください。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 学校教育活動における熱中症対策として、国の学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引きを参考に、暑さ指数の上昇に伴う学校教育活動時の対応目安を市教委で示しております。その目安を各学校は熱中症指標計を使用し、計測することにより熱中症事故の危険度の把握に努め、屋内外での行事や運動するかどうかを判断することとしております。また、学校の実情に合わせて、日よけの活用や風通しをよくするための工夫、教室等を開放し、空調設備を適切に活用することとしております。以上でございます。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) いろいろと工夫をされているので、少し安心しましたが、しかし、先日、姉妹都市でもある岩沼市へ視察研修に行ったときに、震災遺構中浜小学校を見学してきました。そのときに語り部さんから説明してもらったのですが、地震が発生したときに津波が来るということで、学校以外に避難できる高さのある建物までは遠く、子どもたちを守るために、ふだんは備品などを入れる倉庫として活用している屋根裏部屋に避難して、全員が助かったそうです。子どもたちは、その部屋の存在も知らなかったのですが、校長先生のとっさの判断でみんな助かることができました。
そこで、教育長にお聞きします。
想定外の事態なども考えて、先生たちだけで避難訓練や研修などを南国市全体の教育現場でされたりしているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 教育長。
○教育長(竹内信人) 岩沼交流事業を通して、これまで南国市の多くの教員も中浜小学校には実際に行ってきております。そういった経験を皆に広げる努力もしておるところでございます。
御質問にありました各校におきましては危機管理マニュアルを策定しておりまして、毎年、年度初めに全教職員で火災、地震、事故、不審者対策など様々な緊急対応に対しての役割分担を明確にし、共通理解を図ることを徹底して実践しております。その中で、市の消防本部とか日本赤十字社などにも御協力をいただきまして、南国市の全教職員が一般救急講習を受講しております。また、学校によっては、体育や養護の教員が講師となって校内研を実施するなど緊急対応に備えているところでございます。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。教育現場での避難訓練だけでなく、危機管理マニュアル作成ができているということで安心ができます。
では、避難訓練や研修を実施するときには、寒さ対策だけでなく、暑さ対策なども考えてほしいですが、各季節に実施を検討することはできますか。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 毎年、同じ避難訓練や研修を実施するのではなく、学校の実情に合わせて研修等に変化を持たせて実施するよう今後も努めてまいります。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) よろしくお願いいたします。
国では、学校施設の空調整備に対する補助制度が拡充されており、他自治体では、この制度を活用して体育館にエアコンを導入する事例も見られます。南国市でも、こうした国の支援制度を活用して体育館への空調設備導入を計画、検討しているのか、今後の方針を伺います。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 現在のところ、体育館への空調設備導入に向けての計画はございません。現在、家庭科室などの一部の特別教室にエアコンが設置できていないため、特別教室へのエアコン設置を計画しております。
体育館へのエアコン設置につきましては、一定、国からの補助もございますが、各学校ともに、校舎、体育館、プール等の老朽化も進んでおります。エアコン導入に係るイニシャルコストやランニングコストも大変大きいため、現時点で体育館へのエアコンを設置することは財政的に難しいと考えております。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 災害時には体育館が避難所として活用されることもあり、体育館の空調整備は、教育施設としてだけでなく、地域防災の観点からも急務と考えます。子どもたちや市民の命を守るため、ぜひ前向きな整備をお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○副議長(山中良成) 学校教育課長。
○学校教育課長(池本滋郎) 学校関係で申し上げますと、避難施設としての利用もできるように、十市・岡豊小学校などは多目的ホールに空調設備を設置しております。以上でございます。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 防災対策の観点から、避難所となる体育館の空調対策として、今年度から移動式の空調機器と発電機の導入を進めております。南海トラフ地震をはじめとする大規模災害を想定する際には、停電対策を併せて考える必要がありますが、移動式の空調機器と発電機を組み合わせることで比較的安価に導入を図ることができ、また、工事を伴わないため、短期間に導入することができると考えております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 確かに、十市小学校では多目的ホールに空調設備が整っていると、とても助かっております。現在も運動会の練習に使用したりもしているそうです。ですが、体育館とは違って、運動するのにも多目的ホールでは限度があるのではないでしょうか。
昨年12月議会で西本議員が質問をしていましたが、大阪府寝屋川市の事例で、ガス式の空調設備を導入しているということでした。そのときに野村課長がお答えになっていたのが、国の財源措置の状況を考えながらということでした。その後、御検討いただけたのでしょうか。
今年のような暑い中、9月からの新学期開始というと、まだまだ暑いので、子どもたちが学校生活を送る上でも大変ですので、ぜひ試験的にでいいので、体育館に空調設備導入を1か所でも、そして、昨日も山中議員も質問されていましたが、3月補正で2台のスポットクーラーをということでしたが、それはどうでしょう、2台で足りるのでしょうか、そこら辺もお答えください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 昨年12月議会で西本議員より大阪府寝屋川市の事例を御紹介いただいたところですが、その後、新しい地方経済・生活環境創生交付金(地域防災緊急整備型)が新たに創設され、避難所の環境整備に係る資機材整備などについて、国により3月補正で財源措置がされたところです。この中で、避難所の空調につきましても、資機材として導入するものは対象となるとのことから、この枠組みの中で空調機器を導入できないか検討した結果、災害対策用空調機器として有効であると判断し、令和6年度の3月補正へ2台分の予算を計上したところです。現在、入札も終了し、本年度納入される予定となっております。
台数につきましては、2台では十分とは考えておりませんので、今後も、引き続き導入について進めてまいります。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり2台では足りないということですので、今後も、避難所となっている学校体育館で一斉に使用することになった場合などを考えて、体育館全体で使用できて、災害時にも活用することができるガス式の空調設備導入を1か所でもいいので御検討していただきたいと思います。学校生活の中でも使用できて、災害時にも絶対に必要となると思いますので、ぜひそちらのほうもよろしくお願いいたします。
次に、避難所トイレ整備について質問です。
阪神・淡路大震災のときの避難所になった学校などが断水し、水洗トイレに水が流せず、排せつ物や紙などがあふれて大問題になったそうです。以来、数多くの災害用トイレが開発されたり提案されてきたりしてきました。しかし、災害時のトイレパニックとしては、現在でも古いのに新しい問題のままで、昨年の能登半島地震でも取り沙汰されて、全国的にも避難所でのトイレが十分に確保できていない実態があると言われています。災害時のトイレといいますと、非常食とセットで考えるべき問題です。
そこでお聞きします。
南国市の避難所でどれだけのトイレ整備が進んでいるのでしょうか。断水時や停電時でも使用可能なトイレはどれくらい準備しているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在、災害時のトイレ対策として、ポータブルトイレ等の便座と排せつ物を固化させる処理剤等の備蓄を進めております。具体的には、便座としてポータブルトイレを約700基、自動ラップ式のトイレを48基備蓄しております。また、ビニール袋やごみ袋がセットになった処理剤、いわゆる携帯トイレを13万5,750回分備蓄しております。あわせて、今年度、トイレカーを1台導入する予定としております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、現在、マンホールトイレの設置状況はどのようになっているのでしょうか、教えてください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) マンホールトイレにつきましては、篠原地区の都市公園内に2基、地域交流センター内に5基整備しております。また、今年度、大篠小学校に9基、新設図書館に3基整備予定です。次年度以降、十市小学校及び高知東工業高校へも整備を計画しております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 昨年、浜改田地区の津波避難タワーに備蓄品の納入がされていますが、その中には、ワンタッチトイレ、ワンタッチテント、災害対策用プライベートルーム、ポータブル電源、防水ソーラーパネルなどがあったそうですが、ほかの避難タワーにも同様にあるのでしょうか、お聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 各地区の津波避難タワーへ市として統一的に配置している備蓄資機材等につきましては、飲料水、ポータブルトイレ及び処理剤、毛布、ブランケット、発電機、ランタンなどとなっております。そのほか、各地区の自主防災会により独自に備蓄していただいているものがございます。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) では、各地区の自主防災会によって備蓄品に違いもあるのですね。浜改田地区のワンタッチトイレや災害対策用プライベートルームなどは、避難所でのトイレ使用のときに役立つと思います。
災害時の避難所でのトイレ問題は、30年前の阪神・淡路大震災のときに初めて注目されていますが、昨年1月の能登半島地震でも同様の課題があったそうです。過去の災害で、約7割の被災者が6時間以内に排せつが必要になったとの調査結果があります。避難所では、20人に1基の仮設トイレを配置することが決められており、女性専用を多めに配置するなどの配慮も必要です。しかし、仮設トイレが設置されるのには時間がかかります。
トイレ問題だけではないのですが、避難生活のストレスなどが原因となる災害関連死は後を絶ちません。被災者の命や健康を守る取組として、避難所でのトイレ問題対策としての現状と課題をお聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 災害時のトイレ問題は災害関連死とも密接に関連しており、助かった命をつなぐ対策として非常に重要であると認識しております。
先ほど答弁いたしましたように、本市ではポータブルトイレを中心に災害時のトイレ対策を進めておりますが、課題として、処理剤により処理した排せつ物を最終的にどのように処分するのか。また、処分するまでの間、一定期間の保管が必要となり、衛生環境の悪化が懸念されると考えております。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) やはり災害時のトイレ問題の一番の課題として、排せつ物の処分と保管場所、そして衛生環境面だと思います。前回もトイレ問題についての質問をさせていただいたときにお願いをしました埋設型トイレだと、そういった問題がクリアできると思います。
しかし、前回にお願いをした埋設型のトイレを整備してほしいという質問に対してのお答えが、災害トイレを整備するための財源として新しい地方経済・生活環境創生交付金が対象にならなかったので、ほかの財源がないか確認して検討していただけるということでしたが、その後はどうなっているのでしょうか、お聞かせください。
○副議長(山中良成) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 埋設型のトイレを整備することは、当面の間、対応に係る人員が少なくて済むことや大人数が長期間衛生的に使用できるという利点がありますので、導入してまいりたいと考えております。そのため、財源として社会資本総合整備交付金を活用するべく、社会資本総合整備計画の追加変更を行っているところです。以上です。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。ぜひ追加変更を行い、早く財源を確保していただきたいです。よろしくお願いいたします。
そして、これも前回に質問したときにお願いをしたのですが、十市保育園、稲生保育園の高台移転に合わせて埋設型のトイレを設置してほしいというお願いなのですが、そのときのお返事が、費用面で難しいので、いろいろな財源について調べていくということでした。その後、こちらのほうも、有利な財源を確認していただけたのでしょうか。最初に、保育園建設時に埋設型トイレ設置に一緒に取り組んでいただいたほうが、後から設置するよりも予算的にもいいのではないでしょうか、お答えください。
○副議長(山中良成) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 稲生・十市高台移転事業につきましては、現在、基本・実施設計業者が決定し、基本設計作成に向け、1回目の地元説明会を開催いたしました。建物の配置、設備含め基本設計の検討の段階でございます。一時避難所としての機能を持たせることを想定しておりますが、具体的な設備の検討までは至っていないところです。
今後、埋設型トイレの設置につきましても、一つの案として検討をしてまいります。検討に当たっては、危機管理課と十分な協議を行います。一時避難所とした場合の想定避難者数、避難所である十市小学校の避難者用トイレの整備予定、その他、一時避難所に求められる機能を協議いたします。また、全体の財源は緊急防災・減災事業債を予定しております。
埋設型トイレの設置につきましては、さきに危機管理課長が答弁いたしました社会資本整備総合交付金を活用できると思いますが、緊急防災・減災事業債と併用可能か、今回の保育施設整備でも対象になるかが未確認のため確認を行い、その上で費用面で検討をしていくこととなります。
○副議長(山中良成) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
人がトイレに行く回数は1日平均5回と言われています。生理現象であり、これを止めることはできません。過去の災害では、なるべくトイレに行かないように水分や食事を控えて体調を崩してしまう方や亡くなってしまう方もいたそうです。費用面のことをすぐに言われるので、再度言いますが、建設するとき、最初に設置していただいたほうが、後から設置するよりもはるかにコストダウンできると思います。
トイレは命をつなぐためにも大切なものです。今後、避難所でのトイレ対策をよろしくお願いいたします。そして、ぜひ十市保育園、稲生保育園の高台移転先に設置していただけますよう強く希望します。よろしくお願いいたします。
今回の防災関連の質問は、南海トラフ地震に向けて、少しずつでも準備をしていかなければならないことなのですが、財源がないという理由でやめないで、市民の皆さんの命と財産を守るためにも、1つずつでもいいので取り組んでいっていただくことをお願いいたします。以上で質問を終わります。丁寧な御答弁ありがとうございました。





