議会議事録
一般質問1日目(神崎隆代)
質問者:神崎隆代
答弁者:市長、関係課長
○議長(岩松永治) 11番神崎隆代議員。
〔11番 神崎隆代議員発言席〕
○11番(神崎隆代) 公明党の神崎隆代です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今議会では、1、授乳・搾乳スペースの整備、2、法定養育費、3、脱毛症など外見の変化に悩む子どもへの支援、4、飼い主のいない猫への対応、以上の4項目につきまして質問をいたします。御答弁よろしくお願いいたします。
初めに、授乳・搾乳スペースの整備についてお伺いいたします。
乳児を連れて外出する際には、外出先で授乳やおむつ交換が必要になる場面も多く、女性トイレに赤ちゃんのおむつ交換用のベッドが設置されていることは今では普通になっています。さらに配慮されているところでは、男性トイレにもおむつ交換用のベッドが設置されています。
社会全体で子育てに関して様々な配慮がされるようになってきました。授乳室についても、新しい建物には設置されていますが、古い建物については設置されていないところも多くあり、対策が必要です。乳児を連れて安心して外出ができること、プライバシーの守られた空間で授乳等ができる場所の必要性について御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) こども家庭センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 乳幼児を連れて外出される保護者の方が安心して授乳や搾乳を行える環境整備は重要であると認識しております。プライバシーに配慮しつつ、落ち着いてケアが行える場所の確保は、子育て支援の一環として欠かすことのできないものと考えております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) それでは、南国市の公共施設で授乳スペースがある場所を教えていただけますか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 市役所本庁舎におきましては、2階西側の流しスペースに授乳室を設けております。そのほか、地域交流センターMIARE!、図書館、ものづくりサポートセンター、道の駅南国風良里、臨時観光案内所にそれぞれ授乳室を設置しております。
また、保健福祉センターには、乳幼児健診時におきましては1階の診察室を、それ以外のときにつきましては、ひよこルームの部屋の一角をパーティションで区切り、外から見えないようにして授乳スペースを確保しております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 南国市の観光施設の西島園芸団地については授乳室はございますか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 西島園芸団地のほうと確認をさせていただきましたけれども、現在のところ、授乳スペースは設けていないということでありました。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) それでは、スポーツセンターにも授乳室はないということをお聞きいたしました。設置されていないのであれば、市として設置する必要はあるとお考えですか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) また、それぞれ施設の管理者のほうとも御相談もさせていただきたいというふうに思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 授乳スペースの設置についての基準は定められているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 授乳室につきましては、特に基準として定められたものはございませんけれども、一般的に、カーテンや仕切り、個室を設けるなどプライバシーが確保された空間であること、また、設備として、授乳用の椅子やおむつ交換台、また手洗い場や調乳設備を備えることが望ましいとされております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 授乳室で搾乳を行うこと等に関する移動等円滑化整備ガイドラインがこのほど改訂されました。改訂理由として、授乳室が母親と子どもが一緒に入る場所であるという認識から、母親が一人で利用することに抵抗を感じるケースがあるという声があったこと、そのため、搾乳がしやすい設備や配慮をガイドラインに明記し、利用しやすいようにするためで、地方自治体が行っている好事例も掲載し、実効性を高める工夫もされています。
授乳スペースで搾乳もできることは、これから周知が進んでいくと思います。南国市でも、利用者に分かりやすい案内表示を行うとともに、授乳・搾乳スペースが市の施設のどこにあるかなど広報等でお知らせすることも必要だと思いますが、お考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) こうした授乳スペースの案内につきましては、それぞれの施設で点検を行いまして、利用者にとって分かりやすい案内表示としたいというふうに思います。
また、広報等でのお知らせについては、内容も含めて検討させていただきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 改訂されたガイドラインに掲載されている好事例に、神奈川県とNPOpenaが作成した授乳室で搾乳ができることを示すピクトグラムがあります。趣旨に沿った目的であれば、県外の自治体や事業者を含めた誰でも申請不要で使用することができます。MIARE!や図書館など公共施設の授乳スペースへの活用や民間施設等への普及も含めて検討していくことについてはいかがですか。これがそのピクトグラムです。すごく分かりやすく、利用しやすいと思いますので、答弁をお願いします。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 今、御案内のありましたようなものも使いまして、利用者の方が場所が分かりやすいように表示のほうも考えていきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 安心して授乳や搾乳ができる環境整備を一層進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
法定養育費について質問いたします。
改正民法の施行によって法定養育費制度が導入されることになっています。今の時点では、2026年5月までの実施に向けて、今後詳しい内容が決まるということですが、8月28日に法務省が示した省令案では、離婚後に父母間の取決めがなくても、子ども1人当たり月額2万円の法定養育費の支払いを義務づけ、子どもの最低限度の生活を維持し、離婚後も父母双方が子の親権を持つ共同親権制度の導入と併せて、子どもの養育責任を果たせるようにするものです。これは、子どもの権利を守る上で大きな前進だと考えます。この法定養育費についての御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 令和6年5月に民法等改正法が成立し、令和8年5月までに施行されます。子育てについての改正は、離婚後の子の養育に関するルールを明確化するものです。主なものは、共同親権に係る改正と養育費の支払い確保に向けた見直しです。
共同親権の改正内容は、離婚後、父母の一方のみを親権者として定める必要がありましたが、改正によって、父母の協議により、親権者を父母双方か、その一方にするかを定めることができるようになりました。養育費の支払い確保に向けた見直し内容は、合意の実効性の向上として、養育費支払いを怠った場合、債務名義なしでも差押えの申立てができるようになったことと、御質問の法定養育費について新たに定められました。
この法定養育費は、離婚時に養育費の取決めをしていなくても一定額の法定養育費が請求可能で、支払われなかった場合、差押えの申立てもできるものです。この一定額は、今後、法務省令で定められる予定ですが、おっしゃるとおり、現在、2万円で議論がされているところです。
担当課長の所見といたしましては、離婚率、貧困率の高い高知県におきましては、非常に有効性の高い制度改正と考えております。また、離婚時に協議すら困難な場合も多数あると思われますので、協議がない場合でも、法定で養育費が定められることは、離婚後に独り親になる親や子どもの生活の安定に非常に役立つものと考えております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 課長がおっしゃられたように、具体的な時期は今後また決定されますが、法定養育費を請求できるのは、改正民法が施行された後に離婚した場合に限られることから、施行日より前に離婚すれば、この制度は利用できません。この制度の施行前というのが、現在から令和8年5月までに離婚される方ということになります。その方に対する対応としてどのようなことができるのかを伺います。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 議員おっしゃるとおり、法定養育費の規定は、法改正施行後に離婚したケースにのみ適用されます。法定養育費は、あくまで養育費の取決めをするまでの暫定的、補充的な制度でございます。まず、民法が改正済みであって、令和8年5月までに施行されるということを承知の上で養育費の話合いに臨む場合には、より有利な話合いがなされる可能性がございます。このため、南国市としまして、ホームページや広報により周知をしていきます。
また、離婚後の子の養育に対し、様々な不安や相談が必要と思われますので、法律相談や専門相談が可能な高知市のこうち男女共同参画センターソーレの中にございます、ひとり親家庭支援センターを御紹介していきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 制度が始まるまでの間に離婚される方こそ最も支援が必要です。県では、町村に在住している方を対象に、養育費の取決めなどにかかった費用を補助するための事業を行っていますが、市でも、これらの事業を行うお考えはございませんか。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 独り親家庭へは、医療費の助成や児童扶養手当などの支援制度がございます。ただ、養育費を含む離婚時の協議、条件設定への支援は、現在のところ、ございません。高知県養育費確保支援事業費補助金は、養育費の取決めに係る費用の助成で、具体的には、公正証書作成費用、上限3万円、養育費請求調停申立て費用、上限6万円、養育費強制執行申立て費用、上限6万円を高知県が補助するもので、町村にお住まいの方が高知県へ申請し、補助されるものです。
この補助金は、こども家庭庁の離婚前後家庭支援事業によるもので、補助率は国が2分の1で、南国市も実施主体となることができます。この補助金の検討を行っていきますが、県内他市で本事業を実施している市がないことから、予算や他市の状況を含め、慎重に検討をさせていただきたいと考えます。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 養育費不払いは子どもの貧困に直結します。子どもの健全な成長を守るために具体的な対策を進めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
脱毛症など外見の変化に悩む子どもへの支援についてお伺いします。
南国市では、昨年10月からがん患者アピアランスケア支援事業を開始しています。この事業は、がん治療による脱毛や乳房切除等外見の変化に伴う社会活動への参加不安を抱える方に対して、ウィッグや乳房補整具の購入費用を助成するものです。大変意義のある取組だと考えます。
一方で、がん患者以外でも、脱毛症等で見た目の変化に悩み、医療用ウィッグを必要とする方がいらっしゃいます。中でも、子どもの場合は、成長によってウィッグのサイズが合わなくなることから、買換えの費用の負担が大きくなります。
脱毛症に悩んでいる子どもの中には、外見の変化から学校に行くことに強い不安を抱き、登校をためらうというケースもあるようです。心のケアや学校での理解も大切ですが、外見の変化による不安を和らげるためには、医療用ウィッグの支援も重要だと考えます。他市では、子どもを対象に医療用ウィッグの購入費を助成する制度を設けているところもあります。
南国市において、脱毛症などで医療用ウィッグを必要としている子どもや若者はどの程度いるのか、現状をどのように把握されているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 脱毛症などで医療用ウィッグを必要としている若い方やお子さんからの相談につきましては、担当職員に確認しましたが、今まではないそうです。
病気や心理的なことで身体症状に現れる疾患に悩まれている方がいらっしゃいましたら、保健師が相談を受け、必要な場合は専門的な医療機関につないでいます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 他市では、小学生から18歳までを対象に医療用ウィッグの購入費を上限を設けて助成している例もあります。本市としましても、こうした取組を参考にしながら支援の仕方を検討するお考えはございませんか。
○議長(岩松永治) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 外見の変化に悩む子どもさんへの支援は大変意義があるものと考えますが、新たな助成制度として対応するためには、ニーズの把握や限られた予算と人員の中でどのように支援していくのかを国、県や他市町村の動向を踏まえながら今後の検討課題とさせていただきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政が厳しい中で新たな助成制度は難しいということは分かります。支援の必要性や今後の在り方についてどのように考えているのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 神崎議員のおっしゃったとおり、がん患者アピアランスケア支援事業は、がん患者の方が、見た目の変化によることの原因で社会参加を諦めることなく、社会の中で自分らしく生きることを支援するすばらしい取組であるというように認識しております。
円形脱毛症等の見た目の変化に対する子どもさんへの支援は、安心して学校、社会で過ごせる生活の質の確保、いじめの予防や自尊心を維持する心の健康の保持、不登校を防ぐ教育機会の保障と家庭環境に左右されない経済的公平性の確保といったような子どもの成長、心の健康、社会とのつながりを担保する支援につながり、その支援の必要性につきましては理解するところであります。
このことにつきましては、その要望の実態を踏まえ、ほかの市では行われているところもあるということですので、そちらの事例も参考にしながら今後の在り方を検討してまいりたいと思います。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、飼い主のいない猫への対応についてお伺いいたします。
高知県では、令和6年度末をもって飼い主のいない猫不妊手術等推進事業を終了し、令和7年度から新たに地域猫不妊去勢手術推進事業を開始しました。この事業は、地域住民が主体となり、協力して猫に不妊去勢手術を施し、地域で猫との共存を目指すものであり、住民の理解促進、ボランティアの負担軽減、そして手術後の猫の適正管理を重視するものとされています。
県は、市町村が地域猫活動の一環として実施する不妊去勢手術の経費の一部を補助することとしています。これを受けて南国市におきましても、南国市地域猫活動推進事業費補助金交付要綱を策定し、地域猫活動を行う住民3人以上で構成されたグループに対して、雌猫1万2,000円、雄猫8,000円、1グループ当たり30万円を上限とする補助を開始いたしました。しかしながら、4月1日の補助申請開始から当初予算を大幅に上回る申請があり、申請受付についても10日で締め切られることとなりました。当初予算額は30万円だったと伺っております。
現状として、飼い主のいない猫に関する被害や苦情は後を絶たず、また、地域猫活動に取り組んでおられるボランティアの方々は、自己負担を伴いながら活動されているのが実情です。そもそも猫を捨てたのは人間であり、これは明確な犯罪です。生き物を遺棄するという心ない行為の結果として、飼い主のいない猫が増え続けています。そして、その行為に対する責任を全面的に担い、支えてくれているのが、地域猫活動を行っているボランティアの方たちです。
不妊去勢手術を受けた猫は、いずれ自然に寿命を迎えます。地域猫活動とは、猫の命を人道的に扱いながら、長期的には数を減らし、地域の環境を守っていく取組です。本来であれば、こうした取組を行政が主体的に担うべきところを、行政の手が十分に届かないからこそ、地域のボランティアが捨てられた猫に不妊去勢手術を施した上で、生涯を終えるまでの見守りをしてくださっているのです。その活動に対して、猫好きが勝手にやっていることとか、猫に不妊去勢の予算を割く必要はないとか、やりたければ自腹でやればよいといった考えがあるならば大変残念であり、悲しいことです。
このような現状をしっかりと把握した上で、猫を取り巻く問題を人と地域の環境を守る取組と位置づけ、市として責任ある対応を求めます。南国市は、飼い主のいない猫をめぐる現状についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 地域猫活動とは、地域住民が主体となって野良猫に不妊去勢手術を施し、餌の管理やふん尿の処理、周辺の清掃などを行い、徐々に猫の数を減らしていく活動です。地域猫活動を続けていくことで野良猫をゼロにすることは、地域の生活環境の改善につながることや、望まれない子猫が生まれなくなりますので、市として地域猫活動への協力は大変重要なことだと思っております。
また、市の予算に関しましては、高知県地域猫活動推進事業費補助金要綱案で、補助対象が地域内住民を代表とする3人以上で構成する団体となっていましたので、当初予算額は30万円でした。しかし、地域住民を含む3人での活動でも補助対象になりましたので、年度当初に14団体から288匹分の申請があり、急遽、予算流用を行い、予算額を増額しました。また、従前から取り組んでおります飼い主のいない猫不妊手術等推進事業費補助金につきましても、継続して実施しております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 市として、地域猫活動への協力は大変重要なことだと思っていること、当初予算は30万円でしたが、ニーズに応えるために、課内の流用で当初予算と合わせて300万円を超える予算を確保していただいたこと、飼い主のいない猫不妊手術等推進事業費補助金の1匹5,000円の補助金も継続実施していることなど、担当課が市民ニーズに応えるため努力をしていただいていることに感謝をいたします。
今回の補助制度のニーズが大きいことは御承知のとおりです。そして、県の予算は十分に残っていると聞いております。それでも補正はつかなかったと伺いました。担当課はどのように現状を伝えたのか。今回、ゼロ査定となったその判断に至った財政課のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 地域猫活動につきましては、5月以降も新しく3団体からの申請や交付決定済みの団体から多くの追加要望があり、担当課としましては、地域猫活動の重要性を考慮し、10団体分の62万円を9月補正要求しました。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 御質問の補助金につきましては、議員が言われましたように、当初予算額は30万円でございましたが、年度の当初に予想を上回る申請がございました。このことから、環境課におきまして保健衛生費の事業費の見直しを行い、飼い主のいない猫不妊手術推進事業費補助金の増額に必要な一般財源の確保を行い、予算を確保しております。
今回の補正予算に計上するに至らなかったことにつきましては、令和5年度末に約25億9,000万円あった財政調整基金残高が令和6年度末には約19億4,500万円となり、財政調整基金が約6億4,500万円の減額となっておることや、また、令和7年度においても、財政調整基金からの基金繰入れ予算額は6億6,800万円となっておりまして、財政調整基金残高は約12億7,700万円となっております。
財政運営におきまして、基金が減り続けていく状況は健全な状況ではないと考えております。市民の新たな要望にも応えていかなければならないと考えておりますが、市の一般財源には限りがございますので、補正予算に計上できなかったことにつきましては御理解をいただけたらと思います。
これからも既存事業の見直しを行い、基金に頼らない予算編成を目指す中で新たな要望にも応えることのできる財政運営を目指してまいります。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政課としましては、健全な財政運営をしていくためにはやむを得ない判断だったということだと思います。
それでも、猫の繁殖スピードは非常に速く、対策を怠れば、あっという間に数が増えてしまいます。だからこそ、不妊去勢手術の補助は今後も拡充しながら継続していくべき事業だと思います。今、必要な予算措置を行わなければ、結果的には、行政がより大きな負担を背負うことになるのは明らかです。これまで積み重ねてきた努力が水の泡になってしまわないように、今後の補正、また来年度の当初予算につきましても、流用で賄うことにならないように、現状に沿った予算の組立てをしていただくことを要望いたします。
買主のいない猫の問題は、市民生活に直結するとともに人間の無責任な行為が生み出した課題です。現場で奮闘するボランティアの方々だけに負担をかけることがないように、市の責任と捉え、真正面から向き合っていただきたいと思いますが、市長の明確な姿勢をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 神崎議員のおっしゃるとおり、地域猫活動は非常に重要な取組であるというように思いますし、ボランティアの皆様の御尽力に本当に敬意を表するところでございます。
この地域猫活動は、地域住民と行政、そしてボランティアの3者で連携して進めていくものだと思っておりますので、必要な予算確保に向け、今後も考えてまいりたいと思います。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 市長から、ボランティアの方々に敬意を示すというお言葉をいただいたので、さきの答弁にはなかった言葉を市長から直接いただいたので、後の追求する文章をつくっちょったんですけど、その言葉がなかったら言おうかなと思うてたんですけど……。
市長は、行政、地域住民、ボランティアの3者が連携して地域猫活動を進めていくという姿勢を示されました。団体への活動支援を行うことや具体的な行動も示されました。市として、地域への説明や周知啓発、費用の助成を行うこと、また、しっかりと継続して拡充しながら、よろしくお願いをいたします。
外で生活をする猫は、寒い時期より、子育てしやすい暖かくて餌の多い時期に出産する傾向があるということです。春先には避妊のための補助金などがなくなり、避妊の時期を逃すことで、さらに飼い主のいない猫が増えてしまうという悪循環にもなっているようです。その時期に集中してTNR活動ができればよいのですが、財源が必要です。
他市の取組として、ふるさと納税を活用した猫助け事業を飛騨市が行っております。参考にして、ぜひとも南国市版を立ち上げていただきたいと思いますが、お考えをお聞きいたします。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 南国市ふるさと寄附条例には、寄附金を財源として実施する事業が定められておりまして、1、健康・福祉の充実に関する事業、2、子育て支援及び教育環境の充実に関する事業、3、産業振興に関する事業、4、地域活性化に関する事業、5、文化・スポーツ活動の振興に関する事業、6、防災の強化に関する事業、7、その他市長が必要と認める事業となっておりまして、御提案いただきましたような具体的な事業を指定して寄附をいただいてはおりません。また、その他市長が必要と認める事業を選ばれた場合も、原則、1から6の事業に充当をさせていただいております。
御提案いただきました猫助け事業でございますが、特定目的の事業に寄附を募るということであれば、返礼品を伴わないクラウドファンディングを担当課が行うといった手法も考えられると思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政課長からクラウドファンディングといった手法も考えられるということですが、担当課は導入について検討されるのですか。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 今のところ、クラウドファンディングの予定はありませんが、現在、実施しております高知市など他市を参考にし、検討していきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) する予定はないということですが、しっかり検討していただきたいと思います。
南国市ふるさと寄附条例には、寄附金を財源として実施する事業が定められています。その他市長が必要と認める事業を選ばれた場合も、1から6の事業に充当しているということです。この1から6までの事業に環境行政に関する事業はどこに当てはまるのですか。地域の生活環境の改善につながる事業や地球温暖化対策に関することなど大事なことだと思います。ふるさと寄附条例の事業に加えることについて検討するべきだと思いますが、お考えを伺います。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 議員が言われますように、地域の生活環境の改善や地球温暖化対策といった環境行政については大事なことであると考えております。議員のほうより、ふるさと寄附条例の寄附金を財源として実施する事業に環境行政に関することを加えてはどうかとの御提案がございましたので、検討をさせていただきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) どうかよろしくお願いいたします。
繰り返しますが、猫の繁殖スピードは待ってはくれません。これまでの努力を無にすることにならないように、財源の確保等、市としての責任を果たされるよう要望して、私からの質問を終わります。御答弁ありがとうございました。
―――――――――――*―――――――――――
○議長(岩松永治) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
明10日の議事日程は、一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて延会いたします。
お疲れさまでした。
午後2時52分 延会
答弁者:市長、関係課長
○議長(岩松永治) 11番神崎隆代議員。
〔11番 神崎隆代議員発言席〕
○11番(神崎隆代) 公明党の神崎隆代です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
今議会では、1、授乳・搾乳スペースの整備、2、法定養育費、3、脱毛症など外見の変化に悩む子どもへの支援、4、飼い主のいない猫への対応、以上の4項目につきまして質問をいたします。御答弁よろしくお願いいたします。
初めに、授乳・搾乳スペースの整備についてお伺いいたします。
乳児を連れて外出する際には、外出先で授乳やおむつ交換が必要になる場面も多く、女性トイレに赤ちゃんのおむつ交換用のベッドが設置されていることは今では普通になっています。さらに配慮されているところでは、男性トイレにもおむつ交換用のベッドが設置されています。
社会全体で子育てに関して様々な配慮がされるようになってきました。授乳室についても、新しい建物には設置されていますが、古い建物については設置されていないところも多くあり、対策が必要です。乳児を連れて安心して外出ができること、プライバシーの守られた空間で授乳等ができる場所の必要性について御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) こども家庭センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 乳幼児を連れて外出される保護者の方が安心して授乳や搾乳を行える環境整備は重要であると認識しております。プライバシーに配慮しつつ、落ち着いてケアが行える場所の確保は、子育て支援の一環として欠かすことのできないものと考えております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) それでは、南国市の公共施設で授乳スペースがある場所を教えていただけますか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 市役所本庁舎におきましては、2階西側の流しスペースに授乳室を設けております。そのほか、地域交流センターMIARE!、図書館、ものづくりサポートセンター、道の駅南国風良里、臨時観光案内所にそれぞれ授乳室を設置しております。
また、保健福祉センターには、乳幼児健診時におきましては1階の診察室を、それ以外のときにつきましては、ひよこルームの部屋の一角をパーティションで区切り、外から見えないようにして授乳スペースを確保しております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 南国市の観光施設の西島園芸団地については授乳室はございますか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 西島園芸団地のほうと確認をさせていただきましたけれども、現在のところ、授乳スペースは設けていないということでありました。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) それでは、スポーツセンターにも授乳室はないということをお聞きいたしました。設置されていないのであれば、市として設置する必要はあるとお考えですか。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) また、それぞれ施設の管理者のほうとも御相談もさせていただきたいというふうに思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 授乳スペースの設置についての基準は定められているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 授乳室につきましては、特に基準として定められたものはございませんけれども、一般的に、カーテンや仕切り、個室を設けるなどプライバシーが確保された空間であること、また、設備として、授乳用の椅子やおむつ交換台、また手洗い場や調乳設備を備えることが望ましいとされております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 授乳室で搾乳を行うこと等に関する移動等円滑化整備ガイドラインがこのほど改訂されました。改訂理由として、授乳室が母親と子どもが一緒に入る場所であるという認識から、母親が一人で利用することに抵抗を感じるケースがあるという声があったこと、そのため、搾乳がしやすい設備や配慮をガイドラインに明記し、利用しやすいようにするためで、地方自治体が行っている好事例も掲載し、実効性を高める工夫もされています。
授乳スペースで搾乳もできることは、これから周知が進んでいくと思います。南国市でも、利用者に分かりやすい案内表示を行うとともに、授乳・搾乳スペースが市の施設のどこにあるかなど広報等でお知らせすることも必要だと思いますが、お考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) こうした授乳スペースの案内につきましては、それぞれの施設で点検を行いまして、利用者にとって分かりやすい案内表示としたいというふうに思います。
また、広報等でのお知らせについては、内容も含めて検討させていただきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 改訂されたガイドラインに掲載されている好事例に、神奈川県とNPOpenaが作成した授乳室で搾乳ができることを示すピクトグラムがあります。趣旨に沿った目的であれば、県外の自治体や事業者を含めた誰でも申請不要で使用することができます。MIARE!や図書館など公共施設の授乳スペースへの活用や民間施設等への普及も含めて検討していくことについてはいかがですか。これがそのピクトグラムです。すごく分かりやすく、利用しやすいと思いますので、答弁をお願いします。
○議長(岩松永治) 総務課長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 今、御案内のありましたようなものも使いまして、利用者の方が場所が分かりやすいように表示のほうも考えていきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 安心して授乳や搾乳ができる環境整備を一層進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
法定養育費について質問いたします。
改正民法の施行によって法定養育費制度が導入されることになっています。今の時点では、2026年5月までの実施に向けて、今後詳しい内容が決まるということですが、8月28日に法務省が示した省令案では、離婚後に父母間の取決めがなくても、子ども1人当たり月額2万円の法定養育費の支払いを義務づけ、子どもの最低限度の生活を維持し、離婚後も父母双方が子の親権を持つ共同親権制度の導入と併せて、子どもの養育責任を果たせるようにするものです。これは、子どもの権利を守る上で大きな前進だと考えます。この法定養育費についての御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 令和6年5月に民法等改正法が成立し、令和8年5月までに施行されます。子育てについての改正は、離婚後の子の養育に関するルールを明確化するものです。主なものは、共同親権に係る改正と養育費の支払い確保に向けた見直しです。
共同親権の改正内容は、離婚後、父母の一方のみを親権者として定める必要がありましたが、改正によって、父母の協議により、親権者を父母双方か、その一方にするかを定めることができるようになりました。養育費の支払い確保に向けた見直し内容は、合意の実効性の向上として、養育費支払いを怠った場合、債務名義なしでも差押えの申立てができるようになったことと、御質問の法定養育費について新たに定められました。
この法定養育費は、離婚時に養育費の取決めをしていなくても一定額の法定養育費が請求可能で、支払われなかった場合、差押えの申立てもできるものです。この一定額は、今後、法務省令で定められる予定ですが、おっしゃるとおり、現在、2万円で議論がされているところです。
担当課長の所見といたしましては、離婚率、貧困率の高い高知県におきましては、非常に有効性の高い制度改正と考えております。また、離婚時に協議すら困難な場合も多数あると思われますので、協議がない場合でも、法定で養育費が定められることは、離婚後に独り親になる親や子どもの生活の安定に非常に役立つものと考えております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 課長がおっしゃられたように、具体的な時期は今後また決定されますが、法定養育費を請求できるのは、改正民法が施行された後に離婚した場合に限られることから、施行日より前に離婚すれば、この制度は利用できません。この制度の施行前というのが、現在から令和8年5月までに離婚される方ということになります。その方に対する対応としてどのようなことができるのかを伺います。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 議員おっしゃるとおり、法定養育費の規定は、法改正施行後に離婚したケースにのみ適用されます。法定養育費は、あくまで養育費の取決めをするまでの暫定的、補充的な制度でございます。まず、民法が改正済みであって、令和8年5月までに施行されるということを承知の上で養育費の話合いに臨む場合には、より有利な話合いがなされる可能性がございます。このため、南国市としまして、ホームページや広報により周知をしていきます。
また、離婚後の子の養育に対し、様々な不安や相談が必要と思われますので、法律相談や専門相談が可能な高知市のこうち男女共同参画センターソーレの中にございます、ひとり親家庭支援センターを御紹介していきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 制度が始まるまでの間に離婚される方こそ最も支援が必要です。県では、町村に在住している方を対象に、養育費の取決めなどにかかった費用を補助するための事業を行っていますが、市でも、これらの事業を行うお考えはございませんか。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(高野正和) 独り親家庭へは、医療費の助成や児童扶養手当などの支援制度がございます。ただ、養育費を含む離婚時の協議、条件設定への支援は、現在のところ、ございません。高知県養育費確保支援事業費補助金は、養育費の取決めに係る費用の助成で、具体的には、公正証書作成費用、上限3万円、養育費請求調停申立て費用、上限6万円、養育費強制執行申立て費用、上限6万円を高知県が補助するもので、町村にお住まいの方が高知県へ申請し、補助されるものです。
この補助金は、こども家庭庁の離婚前後家庭支援事業によるもので、補助率は国が2分の1で、南国市も実施主体となることができます。この補助金の検討を行っていきますが、県内他市で本事業を実施している市がないことから、予算や他市の状況を含め、慎重に検討をさせていただきたいと考えます。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 養育費不払いは子どもの貧困に直結します。子どもの健全な成長を守るために具体的な対策を進めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
脱毛症など外見の変化に悩む子どもへの支援についてお伺いします。
南国市では、昨年10月からがん患者アピアランスケア支援事業を開始しています。この事業は、がん治療による脱毛や乳房切除等外見の変化に伴う社会活動への参加不安を抱える方に対して、ウィッグや乳房補整具の購入費用を助成するものです。大変意義のある取組だと考えます。
一方で、がん患者以外でも、脱毛症等で見た目の変化に悩み、医療用ウィッグを必要とする方がいらっしゃいます。中でも、子どもの場合は、成長によってウィッグのサイズが合わなくなることから、買換えの費用の負担が大きくなります。
脱毛症に悩んでいる子どもの中には、外見の変化から学校に行くことに強い不安を抱き、登校をためらうというケースもあるようです。心のケアや学校での理解も大切ですが、外見の変化による不安を和らげるためには、医療用ウィッグの支援も重要だと考えます。他市では、子どもを対象に医療用ウィッグの購入費を助成する制度を設けているところもあります。
南国市において、脱毛症などで医療用ウィッグを必要としている子どもや若者はどの程度いるのか、現状をどのように把握されているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 脱毛症などで医療用ウィッグを必要としている若い方やお子さんからの相談につきましては、担当職員に確認しましたが、今まではないそうです。
病気や心理的なことで身体症状に現れる疾患に悩まれている方がいらっしゃいましたら、保健師が相談を受け、必要な場合は専門的な医療機関につないでいます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 他市では、小学生から18歳までを対象に医療用ウィッグの購入費を上限を設けて助成している例もあります。本市としましても、こうした取組を参考にしながら支援の仕方を検討するお考えはございませんか。
○議長(岩松永治) 保健福祉センター所長。
○保健福祉センター所長兼こども家庭センター所長(藤宗 歩) 外見の変化に悩む子どもさんへの支援は大変意義があるものと考えますが、新たな助成制度として対応するためには、ニーズの把握や限られた予算と人員の中でどのように支援していくのかを国、県や他市町村の動向を踏まえながら今後の検討課題とさせていただきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政が厳しい中で新たな助成制度は難しいということは分かります。支援の必要性や今後の在り方についてどのように考えているのか、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 神崎議員のおっしゃったとおり、がん患者アピアランスケア支援事業は、がん患者の方が、見た目の変化によることの原因で社会参加を諦めることなく、社会の中で自分らしく生きることを支援するすばらしい取組であるというように認識しております。
円形脱毛症等の見た目の変化に対する子どもさんへの支援は、安心して学校、社会で過ごせる生活の質の確保、いじめの予防や自尊心を維持する心の健康の保持、不登校を防ぐ教育機会の保障と家庭環境に左右されない経済的公平性の確保といったような子どもの成長、心の健康、社会とのつながりを担保する支援につながり、その支援の必要性につきましては理解するところであります。
このことにつきましては、その要望の実態を踏まえ、ほかの市では行われているところもあるということですので、そちらの事例も参考にしながら今後の在り方を検討してまいりたいと思います。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、飼い主のいない猫への対応についてお伺いいたします。
高知県では、令和6年度末をもって飼い主のいない猫不妊手術等推進事業を終了し、令和7年度から新たに地域猫不妊去勢手術推進事業を開始しました。この事業は、地域住民が主体となり、協力して猫に不妊去勢手術を施し、地域で猫との共存を目指すものであり、住民の理解促進、ボランティアの負担軽減、そして手術後の猫の適正管理を重視するものとされています。
県は、市町村が地域猫活動の一環として実施する不妊去勢手術の経費の一部を補助することとしています。これを受けて南国市におきましても、南国市地域猫活動推進事業費補助金交付要綱を策定し、地域猫活動を行う住民3人以上で構成されたグループに対して、雌猫1万2,000円、雄猫8,000円、1グループ当たり30万円を上限とする補助を開始いたしました。しかしながら、4月1日の補助申請開始から当初予算を大幅に上回る申請があり、申請受付についても10日で締め切られることとなりました。当初予算額は30万円だったと伺っております。
現状として、飼い主のいない猫に関する被害や苦情は後を絶たず、また、地域猫活動に取り組んでおられるボランティアの方々は、自己負担を伴いながら活動されているのが実情です。そもそも猫を捨てたのは人間であり、これは明確な犯罪です。生き物を遺棄するという心ない行為の結果として、飼い主のいない猫が増え続けています。そして、その行為に対する責任を全面的に担い、支えてくれているのが、地域猫活動を行っているボランティアの方たちです。
不妊去勢手術を受けた猫は、いずれ自然に寿命を迎えます。地域猫活動とは、猫の命を人道的に扱いながら、長期的には数を減らし、地域の環境を守っていく取組です。本来であれば、こうした取組を行政が主体的に担うべきところを、行政の手が十分に届かないからこそ、地域のボランティアが捨てられた猫に不妊去勢手術を施した上で、生涯を終えるまでの見守りをしてくださっているのです。その活動に対して、猫好きが勝手にやっていることとか、猫に不妊去勢の予算を割く必要はないとか、やりたければ自腹でやればよいといった考えがあるならば大変残念であり、悲しいことです。
このような現状をしっかりと把握した上で、猫を取り巻く問題を人と地域の環境を守る取組と位置づけ、市として責任ある対応を求めます。南国市は、飼い主のいない猫をめぐる現状についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 地域猫活動とは、地域住民が主体となって野良猫に不妊去勢手術を施し、餌の管理やふん尿の処理、周辺の清掃などを行い、徐々に猫の数を減らしていく活動です。地域猫活動を続けていくことで野良猫をゼロにすることは、地域の生活環境の改善につながることや、望まれない子猫が生まれなくなりますので、市として地域猫活動への協力は大変重要なことだと思っております。
また、市の予算に関しましては、高知県地域猫活動推進事業費補助金要綱案で、補助対象が地域内住民を代表とする3人以上で構成する団体となっていましたので、当初予算額は30万円でした。しかし、地域住民を含む3人での活動でも補助対象になりましたので、年度当初に14団体から288匹分の申請があり、急遽、予算流用を行い、予算額を増額しました。また、従前から取り組んでおります飼い主のいない猫不妊手術等推進事業費補助金につきましても、継続して実施しております。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 市として、地域猫活動への協力は大変重要なことだと思っていること、当初予算は30万円でしたが、ニーズに応えるために、課内の流用で当初予算と合わせて300万円を超える予算を確保していただいたこと、飼い主のいない猫不妊手術等推進事業費補助金の1匹5,000円の補助金も継続実施していることなど、担当課が市民ニーズに応えるため努力をしていただいていることに感謝をいたします。
今回の補助制度のニーズが大きいことは御承知のとおりです。そして、県の予算は十分に残っていると聞いております。それでも補正はつかなかったと伺いました。担当課はどのように現状を伝えたのか。今回、ゼロ査定となったその判断に至った財政課のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 地域猫活動につきましては、5月以降も新しく3団体からの申請や交付決定済みの団体から多くの追加要望があり、担当課としましては、地域猫活動の重要性を考慮し、10団体分の62万円を9月補正要求しました。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 御質問の補助金につきましては、議員が言われましたように、当初予算額は30万円でございましたが、年度の当初に予想を上回る申請がございました。このことから、環境課におきまして保健衛生費の事業費の見直しを行い、飼い主のいない猫不妊手術推進事業費補助金の増額に必要な一般財源の確保を行い、予算を確保しております。
今回の補正予算に計上するに至らなかったことにつきましては、令和5年度末に約25億9,000万円あった財政調整基金残高が令和6年度末には約19億4,500万円となり、財政調整基金が約6億4,500万円の減額となっておることや、また、令和7年度においても、財政調整基金からの基金繰入れ予算額は6億6,800万円となっておりまして、財政調整基金残高は約12億7,700万円となっております。
財政運営におきまして、基金が減り続けていく状況は健全な状況ではないと考えております。市民の新たな要望にも応えていかなければならないと考えておりますが、市の一般財源には限りがございますので、補正予算に計上できなかったことにつきましては御理解をいただけたらと思います。
これからも既存事業の見直しを行い、基金に頼らない予算編成を目指す中で新たな要望にも応えることのできる財政運営を目指してまいります。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政課としましては、健全な財政運営をしていくためにはやむを得ない判断だったということだと思います。
それでも、猫の繁殖スピードは非常に速く、対策を怠れば、あっという間に数が増えてしまいます。だからこそ、不妊去勢手術の補助は今後も拡充しながら継続していくべき事業だと思います。今、必要な予算措置を行わなければ、結果的には、行政がより大きな負担を背負うことになるのは明らかです。これまで積み重ねてきた努力が水の泡になってしまわないように、今後の補正、また来年度の当初予算につきましても、流用で賄うことにならないように、現状に沿った予算の組立てをしていただくことを要望いたします。
買主のいない猫の問題は、市民生活に直結するとともに人間の無責任な行為が生み出した課題です。現場で奮闘するボランティアの方々だけに負担をかけることがないように、市の責任と捉え、真正面から向き合っていただきたいと思いますが、市長の明確な姿勢をお伺いいたします。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 神崎議員のおっしゃるとおり、地域猫活動は非常に重要な取組であるというように思いますし、ボランティアの皆様の御尽力に本当に敬意を表するところでございます。
この地域猫活動は、地域住民と行政、そしてボランティアの3者で連携して進めていくものだと思っておりますので、必要な予算確保に向け、今後も考えてまいりたいと思います。以上です。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 市長から、ボランティアの方々に敬意を示すというお言葉をいただいたので、さきの答弁にはなかった言葉を市長から直接いただいたので、後の追求する文章をつくっちょったんですけど、その言葉がなかったら言おうかなと思うてたんですけど……。
市長は、行政、地域住民、ボランティアの3者が連携して地域猫活動を進めていくという姿勢を示されました。団体への活動支援を行うことや具体的な行動も示されました。市として、地域への説明や周知啓発、費用の助成を行うこと、また、しっかりと継続して拡充しながら、よろしくお願いをいたします。
外で生活をする猫は、寒い時期より、子育てしやすい暖かくて餌の多い時期に出産する傾向があるということです。春先には避妊のための補助金などがなくなり、避妊の時期を逃すことで、さらに飼い主のいない猫が増えてしまうという悪循環にもなっているようです。その時期に集中してTNR活動ができればよいのですが、財源が必要です。
他市の取組として、ふるさと納税を活用した猫助け事業を飛騨市が行っております。参考にして、ぜひとも南国市版を立ち上げていただきたいと思いますが、お考えをお聞きいたします。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 南国市ふるさと寄附条例には、寄附金を財源として実施する事業が定められておりまして、1、健康・福祉の充実に関する事業、2、子育て支援及び教育環境の充実に関する事業、3、産業振興に関する事業、4、地域活性化に関する事業、5、文化・スポーツ活動の振興に関する事業、6、防災の強化に関する事業、7、その他市長が必要と認める事業となっておりまして、御提案いただきましたような具体的な事業を指定して寄附をいただいてはおりません。また、その他市長が必要と認める事業を選ばれた場合も、原則、1から6の事業に充当をさせていただいております。
御提案いただきました猫助け事業でございますが、特定目的の事業に寄附を募るということであれば、返礼品を伴わないクラウドファンディングを担当課が行うといった手法も考えられると思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) 財政課長からクラウドファンディングといった手法も考えられるということですが、担当課は導入について検討されるのですか。
○議長(岩松永治) 環境課長。
○環境課長(横山聖二) 今のところ、クラウドファンディングの予定はありませんが、現在、実施しております高知市など他市を参考にし、検討していきたいと思います。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) する予定はないということですが、しっかり検討していただきたいと思います。
南国市ふるさと寄附条例には、寄附金を財源として実施する事業が定められています。その他市長が必要と認める事業を選ばれた場合も、1から6の事業に充当しているということです。この1から6までの事業に環境行政に関する事業はどこに当てはまるのですか。地域の生活環境の改善につながる事業や地球温暖化対策に関することなど大事なことだと思います。ふるさと寄附条例の事業に加えることについて検討するべきだと思いますが、お考えを伺います。
○議長(岩松永治) 財政課長。
○参事兼財政課長(溝渕浩芳) 議員が言われますように、地域の生活環境の改善や地球温暖化対策といった環境行政については大事なことであると考えております。議員のほうより、ふるさと寄附条例の寄附金を財源として実施する事業に環境行政に関することを加えてはどうかとの御提案がございましたので、検討をさせていただきます。
○議長(岩松永治) 神崎隆代議員。
○11番(神崎隆代) どうかよろしくお願いいたします。
繰り返しますが、猫の繁殖スピードは待ってはくれません。これまでの努力を無にすることにならないように、財源の確保等、市としての責任を果たされるよう要望して、私からの質問を終わります。御答弁ありがとうございました。
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○議長(岩松永治) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岩松永治) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
明10日の議事日程は、一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて延会いたします。
お疲れさまでした。
午後2時52分 延会





