議会議事録
一般質問4日目(斉藤喜美子)
質問者:斉藤喜美子
答弁者:市長、関係課長
○議長(岩松永治) 7番斉藤喜美子議員。
〔7番 斉藤喜美子議員発言席〕
○7番(斉藤喜美子) なんこく市政会の斉藤喜美子です。
一般質問の最終日となりました。同僚議員の質問とも重複する点もございますが、よろしくお願いいたします。
まず、1つ目に防災に関して質問させていただきます。
南海トラフ地震について質問いたします。
2025年1月には、30年以内の発生確率が、「70から80%」から「80%程度」と引き上げられました。その後、3月31日に初めて想定が見直されたとのことですが、その内容について教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 南海トラフ地震に関しまして、2011年3月11日に発生しました東日本大震災を受けて、2012年及び2013年に国が被害想定を公表しております。今回、この被害想定公表から10年が経過することから、2023年から専門家とともに被害想定見直しの議論を進めてきたものですが、昨年の能登半島地震の発生を受け、作業を一時中断し、改めて能登半島地震の災害教訓も取り入れた新想定として、本年3月31日に発表されたものです。
新しい想定では、地震による揺れや津波の予測モデル等、地震の外力の想定は変更されておりませんが、より詳細な地形データを使用するなどの理由により、30センチ以上の津波の浸水想定区域が、日本全体で約30%増加しております。そのほか、被害想定の変化につきまして、全国ベースの数字ですが、死者数は32万3,000人から29万8,000人、建物の全壊、焼失棟数は238万6,000棟から235万棟と、僅かではありますが、減少しております。一方、避難者数は950万人から1,230万人、経済被害は214兆2,000億円から270兆3,000億円と増加しております。また、避難生活などで体調を崩して亡くなる災害関連死につきまして、今回の被害想定で初めて推計されております。この中で、最悪の場合、5万2,000人の災害関連死が発生すると想定されており、これは東日本大震災の13倍の数字となっております。災害関連死には様々な要因があり、推計する手法が定まっていない中で、今回、東日本大震災を受けた岩手県、宮城県、能登半島地震の例を基に、避難者1万人当たり40人から80人として試算されたものです。
以上が新想定における変化の概要となります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 詳細な地形データとかの変更によりまして、浸水区域が増加していたりとか、避難者数、経済被害っていう分に関しては増えているようです。災害関連死についてっていうのは、後ほど質問させていただきますけれども、今回初めて推計されたと理解いたしました。日本では、直接死以上に災害関連死の問題が大きく、最近、特に注目されており、今後、大きな課題となることは間違いありません。今回の見直しで、少なくなったとはいえ、死者数があまり減少してるようには感じないところですけれども、防潮堤や津波タワーなどのインフラ整備が進んでいるにもかかわらず、なぜでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 被災者数などの被害想定が大きく減少してない背景として、津波からの避難行動について、避難行動要支援者の避難速度を前回よりも遅く見込むなど、被害を推計するデータの前提が変わったことが上げられます。例えば、先ほど申し上げましたように、今回、より詳細な地形データを使用したことにより、30センチ以上の津波浸水想定面積が全国ベースで30%拡大しました。また、避難行動につきましては、地震後、すぐに避難する人の割合を20%と低く設定しております。これは、一旦防災意識が醸成されたとしても、将来にわたって継続的にその意識が継続できるか、不確定な要素が大きいことから、最低の数字を採用したとのことです。これら推計手法の変更が、被害想定の大幅な減少に至っていない大きな原因の一つとなっております。
一方で、これまでの対策が無駄ではなかったことを示す試算も出ております。例えば、各地で防潮堤や津波避難タワー等の整備が進んでおりますが、こうした取組の効果を示すために、前回と地形データなどの条件を同じにして試算したところ、死者数は20%、全壊、焼失建物棟数は17%、それぞれ減少するという結果も出ております。また、今回の想定では、地震後、すぐに避難する人の割合を20%としておりますが、浸水のおそれがあるところから全員がすぐに避難すれば、津波による死者はおよそ7割減少する試算がされる等、住民の意識向上により想定の数字が大きく変わる部分もあります。本県や本市では、現在の津波避難意識は、全国ベースで見れば比較的高いと言えますので、将来にわたって津波避難意識を持っていただく対策を行うことで、死者数を大きく減少させることができるものと考えております。
今回の想定につきましては、南海トラフ地震対策を考える上での資料となるものであります。先ほど申しましたとおり、地震の規模や想定される震源域などが変更されたものではありませんので、これらの想定の数字に一喜一憂することなく、今年度、高知県が策定する高知県版の詳細な新しい被害想定の結果も見ながら、新たに必要となる対策を見極め、また今までの取組の強化に取り組んでまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 避難行動の設定として、要支援者の問題に加え、すぐに避難する人の割合が低めに設定されているというところもあって、死者数がなかなか減っていないという計算になっているということだと理解しました。ハードの整備でせっかく助かる命が増えるというのであれば、避難行動を取るというようなソフトの面もしっかり取組を強化していかなくてはいけません。高知県はもともと南海トラフ地震の際に大きな津波が発生することが予想されており、県民の防災意識は全国的に見ても高いほうだと認識しております。津波から身を守ることができれば、生存確率はかなり高まります。しかしながら、先日発表された県の地震津波県民意識調査によると、揺れたらすぐ避難すると答えた方が69.7%にとどまり、2013年の調査開始以降、約7割で頭打ちとなっているようです。約3割がすぐに避難しないという選択をしていることについて、どのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 高知県が、南海トラフ地震による津波浸水想定区域にお住まいの方を対象に、津波からの避難を開始するタイミングについてアンケート調査を行ったところ、揺れが収まった後、すぐと答えた方が69%にとどまり、課題が残る結果となりました。この数字は、前回、1年前の数字と比較して7.6ポイント減少したということで、大きな津波災害を引き起こした東日本大震災から時間が経過する中で、意識の低下がアンケート結果として表れたものではないかと考えております。今回の国の新想定では、高知県内の死者は、最悪の場合、4万6,000人であり、このうち3万6,000人が津波によるものとされています。一方、試算では、津波のおそれのあるところから全員がすぐに避難した場合、津波による死者を8,700人にまで減らせるとしています。残り30%の方のすぐに避難を開始しない理由は定かではありませんが、市としては、津波による死者を減らす対策としてのさらなる避難意識の向上に改めて取り組んでまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 実際に自分事として捉えるのは難しいのが人の心だと思います。まだ起きていないことを想像するのは難しく、自分は大丈夫、来たら来たで、逆に仕方ないから諦めるなど、様々な思いから、すぐに避難はしないという選択をしてしまうのかもしれません。まずは、御自身のいる場所が災害時にどのようになるか、例えば浸水するとしたらどのくらいの時間でどのようになるかなどを知ることが大切です。先日のことですが、6月1日に開催されました令和7年度高知県総合防災訓練、防災フェスタin高知で、ハザードマップの確認をしたことがあるかというアンケート調査を実施しましたところ、ほとんどの来場者が確認したことがあると回答してくださいました。しかし、確認されたという方の中には、ハザードマップは非常に見にくいという声も聞かれました。これは、日頃から消防、防災に関わる地域の消防団員の皆様からも聞かれた声です。まずは分かりやすく危険を伝える方法を考える必要があると感じておりましたところ、いの町が、浸水や土砂災害のリスクを可視化する3D都市モデルを導入したというニュースを知りました。これはどのようなものなのでしょうか。
○議長(岩松永治) 都市整備課長。
○都市整備課長(篠原正一) いの町では、洪水や土砂災害のリスクを住民に分かりやすく伝えるため、3D都市モデルを導入したと伺っております。この3D都市モデルとは、国土交通省が主導するプロジェクトで、地形や建物、道路などの情報や災害リスク情報などを3次元で見える化するというものです。仁淀川や宇治川の氾濫リスクが高いいの町では、浸水や土砂災害の想定区域を3次元で表現することで、住民の避難意識を高め、迅速な避難行動につなげるという狙いがございます。今後は、まちづくりや避難計画の立案にも活用される予定であると聞いております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) いの町では、特に川の氾濫による洪水が昔から多く、可視化することで町民の防災意識も高まることと思います。この3D都市モデルは、南国市での導入は可能なのでしょうか。もし可能だとしたら、いつ頃になるか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 都市整備課長。
○都市整備課長(篠原正一) 本市では、高知県土木部都市計画課が実施主体となりまして、令和7年度から令和8年度にかけて、3D都市モデルの整備を予定しております。今回の整備対象区域につきましては、津波浸水想定区域と市街化区域となる予定で、災害リスクの高いエリア及び都市活動の中心地における精度の高い3D都市モデルの構築を目指しています。
なお、今後の活用方法といたしましては、まずはいの町と同様に、防災分野での活用を主軸とし、津波浸水被害のシミュレーションや地形、建物情報を活用した避難経路の分析のほか、被災後の復興シナリオの視覚的な検証など、今後、予定をしております地区別の事前復興まちづくり計画の策定において、非常に有効なツールになると考えております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市でも導入が予定されていると聞き、大変心強いです。津波浸水被害においては、ハザードマップだけではなく、より具体的に可視化することで市民が自分事と思えるようになれば、避難行動や避難計画を考えるきっかけになると思います。また、地区別の事前復興まちづくり計画にも役立つとのことですので、導入時には、多くの市民の皆様に周知していただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、地震発生時において、自宅などで身の安全をどう確保するのか、いわゆる家屋倒壊などによる直接死をどう防ぐのかについてお聞きします。
南国市国土強靱化地域計画では、直接死となる家屋の倒壊について、住宅等耐震化促進プランを引き続き実施していると認識しております。令和7年度以内には90%を完了目標とのことでしたが、現在の達成率はどのような状況かお答えください。
○議長(岩松永治) 住宅課長。
○住宅課長(松岡千左) 平成30年の調査により把握している住宅総数が1万7,747棟ですが、それを母数としまして、新耐震基準の住宅が1万218棟、それに旧耐震基準の住宅で耐震性のある住宅と耐震改修済みの住宅棟数を合わせ、耐震性を満たした住宅が1万3,154棟となっていますので、耐震化率としては74.12%になります。耐震工事が完了している住宅の数から耐震化率を計算しておりますので、5月末時点ではこの割合になりますけれども、現在工事中の住宅や、工事に着手はしていないものの設計を行っている住宅など、今年度中に耐震化が完了されると見込まれる住宅も合わせますと、74.56%になると考えられております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 今のところ75%程度とのことですが、何としてでも目標をクリアしていただきたいと願っております。現在の耐震化率に対する評価や今後の課題があればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 住宅課長。
○住宅課長(松岡千左) 能登半島地震後、耐震診断についての相談や申請は激増しましたが、現在は落ち着いてきています。そのため、耐震診断の相談・申請よりも、診断後の耐震設計や工事に申請・着手している件数が増えてきており、今後、ゆっくりと設計数も工事数も落ち着いていくと想定されます。そのような中、目標の90%に届いていない現時点での耐震化率は十分なものとは言えず、今後も確実に進めていくべき課題であると考えております。今後は、旧耐震基準の住宅において、まだ耐震診断を受けるに至ってない住宅の所有者に対しての働きかけが課題であると考えております。そのため、昨年度からは戸別訪問業務を顔の見える関係で説明し、より強い動機づけにつなげられるよう、地元の自主防災会に委託をしました。本年度も引き続き自主防災会に委託をする予定でございます。あわせて必要であればアウトリーチ的な手法も状況に応じて検討し、今後も積極的に耐震化を進めてまいりたいと考えております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。実はこの質問を考えていたところ、国が6月10日に南海トラフ巨大地震の防災対策推進基本計画の改正案を公表しました。それによると、強い揺れが予想される地域では、耐震性が不十分な住宅を今後10年で解消するとのことです。恐らく3月の被害想定見直しで死者数があまり減少していなかったことを受けてのことだと思いますが、今後、耐震化率も100%に近づけていくような事業に取り組んでいくのではないかと考えられますので、私も注視していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
家屋の倒壊と同じく危険なのが、家具の転倒です。家の倒壊が防げても、倒れてきたり飛んできたりする家具で負傷すると避難が困難になりますし、室内に割れた食器やガラスなどが散乱したり、倒れた家具で逃げ道が塞がれ避難できないということが考えられます。南国市でも家具の固定などに経費支援を行っているとのことですが、改めてどのようなものかお聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、南国市家具等安全対策支援事業といたしまして、本市に住所を有する方を対象に、家具の固定やガラスの飛散防止フィルム貼り、感震ブレーカーの設置について、器具代も含め3万2,000円の補助をしております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、最近の利用状況についてお答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 直近3か年の利用状況につきましては、令和4年度12件、令和5年度22件、令和6年度70件となっております。令和6年度の申請件数が大きく伸びていることにつきましては、能登半島地震や宿毛市で震度6弱を観測する地震が発生したこと、また南海トラフ地震臨時情報の発表が大きく影響しているものと考えております。令和6年度に限らず、例えば熊本地震が発生した平成28年度も申請件数が49件と、前年までと比べて大きく増えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) やはり自分事となるときに利用が増えるということが分かりました。地震の場合、家の倒壊で命を落とさないことと家具の転倒で命を落とさないことが大変重要になってまいりますので、大切な取組だと思います。
それでは、本事業に関して改善してきた点などはありますか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本事業につきましては、本事業の重要性に鑑み、随時、対象者や補助内容の拡大を行ってまいりました。制度設立当初の対象は、自分で家具を固定することが難しい高齢者世帯などを対象としておりましたが、平成27年度から、南国市に住所を有する全ての方を対象に拡大しております。また、以前は、家具を固定する金具につきましては実費としておりましたが、令和2年度から、器具代につきましても補助対象としております。先ほど答弁いたしました、国による南海トラフ地震の新想定でも、家具の固定率を現状の全国平均35.9%から100%に上げることにより、倒れた家具により亡くなる方は7割減少すると試算されております。引き続きこの制度を活用して家具の固定に取り組んでいただけるよう、啓発を進めてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
ところで、日本では、直接死を免れても関連死が非常に多く、しばしば大きな災害の後で問題となります。家の倒壊や家具などの転倒による圧迫死などから免れ、火災や津波から逃げられたとしても、その後の避難生活の中で心身状況が急激に悪化することで亡くなる方が大変多いのが日本の現状であり、それを減らすことが今後の課題になります。
そこで、改正災害対策基本法や改正災害救助法など、6つの改正法が5月28日に成立したそうですけれども、その内容について教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 今回の災害対策基本法などの改正の目的は、令和6年度能登半島地震の教訓等を踏まえ、災害対策の強化を図るため、国による支援体制の強化、福祉的支援の充実、広域避難の円滑化、ボランティア団体との連携、防災DX・備蓄の推進、インフラ復旧・復興の迅速化等について、措置を講ずることであります。
国による地方公共団体に対する支援体制の強化として、国は地方公共団体に対する応援組織体制を整備・強化すること、国は地方公共団体からの要請を待たず先手で支援することが、災害対策基本法に盛り込まれました。また、内閣府に司令塔としての防災監を設置することが、内閣府設置法に盛り込まれました。
被災者に対する福祉的支援の充実について、高齢者等の要配慮者、在宅避難者等、多様な支援ニーズに対応するため、災害救助法の救助の種類に福祉サービスの提供を追加し、福祉関係者との連携が強化されました。また、災害対策基本法においても、福祉サービスの提供が明記されております。さらに、支援につなげるための被災者、避難所の状況の把握についても盛り込まれました。
次に、広域避難の円滑化について、広域避難における避難元及び避難先市町村間の情報連携の推進、広域避難者に対する情報提供の充実、市町村が作成する被災者台帳について、都道府県による支援の明確化などが、災害対策基本法に盛り込まれました。
また、避難所の運営支援、炊き出し、被災家屋の片づけ等、被災者援護に協力するNPO、ボランティア団体等の被災者援護協力団体について、国の登録制度が創設されました。登録被災者援護団体は、市町村から被災者等の情報提供を受けることができること、都道府県は災害救助法が適用された場合、登録団体を救助業務に協力させることができること、国民のボランティア活動の参加を促進させることなどが、災害対策基本法や災害救助法に盛り込まれております。
そのほか、防災DX・備蓄の推進につきましては、被災者支援等に当たってのデジタル技術の活用や、地方公共団体は、年1回、備蓄状況を公表することなどについて、災害対策基本法に盛り込まれました。
最後に、水道復旧の迅速化のための水道法の改正、宅地の耐震化の推進のための災害対策基本法の改正、町の復旧拠点整備のための都市計画の特例に関する大規模災害復旧法の改正等が行われております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 御丁寧にありがとうございます。被災者に対する福祉的支援等の充実ということで、やはり被災地での要配慮者や在宅避難者に対しても福祉支援が届くようになればと思います。熊本地震は、直接死よりも関連死が多かったことで有名ですが、関連死亡時の生活環境として、在宅避難の高齢者が多かったというデータがあります。能登半島地震においても災害関連死の認定作業が進められており、亡くならなくてもよい方までが避難生活環境のせいで亡くなられている現状かと思います。備蓄状況の見える化で物資支援の円滑化や、能登半島地震で初動対応の遅れが指摘された災害ボランティア団体の登録制度もできるということで、今後、これまでの経験から改善が進められていけたらと思っております。
この改正法によって、災害時の福祉支援は今後どのように変わっていくのでしょうか。福祉事務所長にお伺いします。
○議長(岩松永治) 福祉事務所長。
○福祉事務所長(天羽庸泰) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案要綱によりますと、災害応急対策の被災者の生活環境の整備では、災害対策基本法第86条の6の関係では、「災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、遅滞なく、避難所の運営状況に関する情報を把握し、当該避難所における福祉サービスの提供、情報の提供等の措置を講ずるよう努めるとともに、情報の把握及び提供に当たっては、情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならないものとすること。」とすると、それから同第86条の7の関係では、「災害応急対策責任者は、避難所に滞在することができない被災者に関する情報を把握し、福祉サービスの提供等の措置を講ずるよう努めるとともに、情報の把握及び提供に当たっては、情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならないものとすること。」とされています。
また、附則の第1条では、「この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する」とされてます。この改正法は、令和7月4月17日に衆議院の本会議で可決されまして、5月28日に参議院の本会議で可決されたもので、災害対策基本法等の一部を改正する法律が6月4日に公布されました。
また、災害対策基本法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令が6月6日に公布されまして、災害対策基本法等の一部を改正する法律の施行期日は7月1日となりました。福祉サービスの提供、それから情報の提供等については努力義務とされてまして、今後、この福祉サービスの提供の内容とか範囲がどのようなものかというのを情報収集を行いまして、災害の状況によってどのような対応ができるのか、人員や体制も含めて検討していきたいと思っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まだ可決、公布されたばかりで、ちょっと具体的な内容、取組はこれからだというところだと思いますけれども、福祉サービスが届かないというところで、それが原因で命を落としていくという人たちが増えてしまわないようにということに取り組んでいただけたらと思います。今後、県外のDWAT、災害派遣福祉チームとの連携なども考えながら、現実的に要配慮者の福祉支援に取り組むってことができるという仕組みができたらと期待しております。
ところで、このような話が出るたびに、それを達成するということに関しては、お金もかかったり、人員が必要という話になります。それはよい取組だと思っていても、なかなか実現できるものではないのではないかと疑問なところもありますが、この法改正を基に、南国市としてはどう取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現時点では、国による予算措置の内容は定かではありませんが、国の動向を注視しつつ、法改正の趣旨を踏まえ、災害対策の強化を図るため、災害時における福祉的支援の充実、広域避難の円滑化、ボランティア団体との連携、防災DX、備蓄の推進、インフラ復旧復興の迅速化等について、具体的に取り組むことが必要であると考えております。多岐の分野にまたがる対策となりますので、本年4月に設置した本市の危機管理推進本部でも検討事項として取り上げ、具体的対策につなげてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いします。今後、国の動向を踏まえて、よりよい災害への準備を南国市でも進めていただけたらと思います。
ここからは自助と共助、防災教育について質問させていただきます。
先日の丁野議員の質問と重複する点もあろうかと思いますが、南国市での自主防災会などで、具体的にどのような活動をどこでしているのかなどの状況が分かればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在、本市には171組織の自主防災組織、16の地区自主防災連合会、1つの市防災連合会が組織されております。特徴的な取組といたしましては、例えば、稲生地区では、小学校と地域が連携して通学途上の避難訓練を行っておりますし、久礼田・瓶岩地区防災連合会も、継続して同様の取組を実施しております。また、白木谷地区では、白木谷、上八京、下八京の各防災会と小学校及び地域が連携しての防災の集いを、毎年、実施していただいております。年ごとにテーマを決めて、防災資機材の使用方法や避難所で使用する段ボールベッドの組立て方、水消火器での訓練など、工夫を凝らした内容となっております。そのほか、三和地区、片山地区、日章地区での避難所開設訓練や、大湊地区での小学校と合同での避難訓練などを継続的に行っていただいております。
このように、地区防災連合会が地域と連携して実施する防災活動もありますが、一方で地区の自主防災会でも、例えば避難訓練と併せて防災学習を行ったり、一斉清掃の日に併せて避難路の草刈り、清掃を実施するなどの活動を行っていただいているところもあります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。それぞれの地区で特色のある活動に取り組まれていると分かりました。私も大分以前に、地元の白木谷小学校の防災の集いで、ペット同行避難についての講演を子どもたちの防災学習の中でさせていただき、大変熱心に学校と地域が防災学習に取り組んでいると感じたところです。しかしながら、今後の課題としましては、地域のこのような活動は、どうしても地域のお世話役の方の努力に全面的に頼っていることが多く、しかもそのような方は様々な役職を兼任されていたり、どんどん御高齢になっていくのに、自治会や防災会、お世話役に新しい方が入ってきてくれないというような現状もかいま見え、心配なところでもあります。これからどんどん高齢化が進み、地域での防災活動が持続可能にならなくなるのではと心配ですが、南国市はこの先を見据えた自治会や自主防災会の今後の活動についてどう考えているのかお答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 自主防災組織の活動の活性化につきましては、今、最も重要であると考えていることは、私もあなたも防災会のメンバーであるという意識を全ての住民に持っていただくということです。自主防災組織は、一部の住民で組織され活動しているものではなく、年齢や職種に関係なく、その地域にお住まいの方全てが防災会のメンバーであります。数年後を見据えたとき、この意識の醸成を強力に進めていくことが重要であると感じております。この意識を醸成することにより、それぞれの立場で、例えば子どもの立場で、子育て世代の立場で、PTAの立場で、高齢者の立場で、様々な職業人の立場で防災に参加することができると考えております。避難所ではお客さんをつくってはいけないという教訓もありますが、一人一人が自主防災会のメンバーであるという意識を持つことにより、防災活動にお客さんをつくらないという姿を実現できるのではないかと考えるところです。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。様々な立場で自分も防災に参加する1人だと、市民一人一人が感じていただけるように、工夫やアプローチがあるかと思います。私も10年以上、ペット同行避難などに関わっておりますが、ペットの飼い主として防災に興味を持っていただけるということも一つと思い、最近の啓発活動では、ペット同行避難の説明をする以前に、ハザードマップの確認や自宅の耐震化、家具転倒防止、備蓄品のローリングストックなどのお話をさせていただいております。まずは御自身が無事であることがペットを守ることにもなると話をすれば、皆さん、すんなりと自分事と捉えてくださることが増えてきたと、肌感覚で感じるところです。様々な立場の方が防災力を上げるためにアプローチや工夫をしなくてはならないと思います。
ところで、南海トラフ地震も近々起きると言われているわけですが、その頃には、恐らく今の中学生が防災活動、避難所運営等の中心世代となるわけで、今後の防災に関しての教育が本当に大切になっております。
そこで、中学生防災士の養成にも取り組む南国市における防災教育の状況を教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 中学生防災士の養成につきましては、令和4年度から開始し、3年が経過しました。この間、165名の方が防災士養成講座を受講され、99名の方が資格を取得されました。防災士養成講座は、夏休みの2日間で実施し、朝から夕方まで、合計11こまの講義を受けるものであります。中学生にとっては難しい内容もありますが、3年間で165名もの中学生が講座を受講していただいたということは、受講した中学生だけでなく、その御家庭やお住まいの地域の防災力の向上につながっているものと思います。現在、市として具体的な活動の場を設けることはできておりませんが、地域防災活動などへ参加いただいている地域もあるようです。今後、市としても活動の場を設けてまいりたいと考えております。
なお、本年度から資格取得の有無にかかわらず、自信を持って家庭や地域、学校での防災活動を行っていただくことを目的として、防災士養成講座を受講していただいた全ての中学生に「なんこく防災アンバサダー」の認定証とバッジを配布することとしております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南海トラフの主人公になる人材づくりが大切だと思います。次世代を担う子どもたちがしっかりと防災意識を持つことこそ、将来の南国市を安全で住みやすい町にすることになると思います。中学生の皆様が志を持って資格取得を目指されていることに、心から敬意を表します。バッジをもらうことで、受講した中学生も防災に関わる1人としての意識を持つことができると思います。ぜひ今後も多くの中学生に防災士資格取得、養成講座受講に挑戦していただけたらと思います。
南国市では、毎月21日をなんこく防災家族会議の日として、家族で防災について意識を高め合う日にしております。ホームページでは、チェックシートや避難行動計画が見られるのですが、これだけだと、わざわざ開いて見るだろうかと感じてしまいました。
そこで、なんこく防災家族会議の日の周知のために、開いてみたくなるような工夫をするのはどうでしょうか。例えば、防災アンケートやクイズを掲載し、参加してくれたらプレゼントがあるというのはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) なんこく防災家族会議の日は、昭和南海地震が12月21日に発生したことから、南国市民に年間を通じて継続的に防災意識を持ってもらうことを目的として、毎月21日をその日としたところです。毎月、家族や地域、隣近所で防災について少しでも話題にすることで、本市の防災力は大きく向上すると期待をしております。このなんこく防災家族会議の日をさらに広げるためのイベントやアンケートなどについて、今後検討してまいります。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まだまだ多くの市民には周知されていないと思いますので、何らかの形で取組をしていただき、防災を意識していただけるなんこく防災家族会議の日になればいいなと思います。
今後は、人の集まるところに防災意識を持っていくことにも尽力していただきたいです。例えば、年に何回も避難訓練に参加するのは難しいかもしれませんが、特別なことではなく、子ども食堂や土曜市、各種イベントにも出かけて、市民に防災アンケートや南国市の防災への取組を紹介してみたり、南国市のアプリにもただ防災の情報だけを掲載するのではなく、高知県の防災アプリのように参加型の防災クイズの要素を取り入れてみてはいかがでしょうか。市民の中には、自助の必要性がよく分かっていらっしゃらない方も多いと思います。災害時におけるトイレ問題などについても、もっと普及啓発が必要なのではないかと思うところでして、例えば自分で簡易トイレなどを準備する重要性などを啓発するために、それほど高いものではないので、携帯トイレをもっと配布するなど、啓発活動のときにしてみてはいかがかとも思います。常に目につくところに防災を意識させるものを掲示するということであれば、令和6年度3月議会におきまして、植田議員の質問にもありました、ごみステーションに津波想定浸水深プレートを設置してみてはという提案なども有効なのではないかと思うところです。日常的に防災を意識していただき、市民との接点をつくる活動について、南国市はどのように取り組まれ、また今後どのような活動をされますでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 危機管理課では、日常の生活の場面で少しでも防災を意識していただくことを目的として、生活まるごと防災という取組を進めております。これは、南国市地域防災計画にも位置づけているものですが、市役所の各部署が実施する各種イベント等に危機管理課として参加し、防災の視点を加えるというものです。例えば、南国市の健康まつりきらりフェアには、「防災は健康から」のキャッチフレーズの下、参加したり、さわやか健康ウオーキングに参加し、ウオーキングルートに防災啓発のポイントを設置するなどをしております。また、後免町商店街で開催されております軽トラ市へ参加したこともございます。今後、生活まるごと防災の考え方をさらに広げていくために、様々なイベント等へ積極的に参加をしてまいります。
また、防災クイズにつきましても、広報紙の防災コーナーや公式LINE等で実施できるよう検討をしてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。様々な場所に出かけて普及啓発に努められていることがよく分かりました。今後もぜひ日々の生活の中に防災意識を持てるような工夫をよろしくお願いいたします。
防災対策基本計画が改正され、その内容がこの質問を作成している間にもかなり変わってきました。7月の政府の中央防災会議で決定される内容を注視し、南国市としても、市民の命を守る防災、特に南海トラフ地震に関しましては、やはり経験したこともないような大きな災害であり、行政側の努力だけでは減災には限界があります。市民との情報共有や協力体制が、助かる命を増やすことになります。
つい先日の高知新聞に、時間予測モデルの確率計算に関する記事が出ておりました。南海トラフ地震に関しては、古文書に記された記録を基に、時間予測モデルを使って次の地震が起こりそうな時期を予測しています。その記事には、2030年、もう今から5年後ですが、その頃に発生がなければ、時間予測モデルを計算手法に使わないようにするということに関して言及しておりましたが、100年から150年間隔で起きる地震であることに変わりはなく、私たち日本人はプレートがぶつかり合い隆起した土地に暮らしており、特に地震災害からは逃げられないということを日々自覚しながら準備をしておかなければなりません。2030年代に地震が来るかもしれないという地学の専門家の見解もあります。今のうちにできる限りの準備をしなくてはいけないという意見を述べさせていただき、防災に関しての質問を終わりたいと思います。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午後0時4分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○議長(岩松永治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。7番斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 2番目の質問に移りたいと思います。
次に、南国市の消防について質問いたします。
高知県では、将来的な人口減少と税収見通しの不透明さ、財源確保の制約強化といった課題を背景に、令和6年11月29日、高知県消防広域化基本構想案が発表され、消防広域化に向けた議論が開始されたと承知しております。消防の広域化とは、複数の市町村が消防事務を共同で処理することを指し、国もその推進を図っております。高知県においても、この方向で、今後、議論が進むものと認識しております。市長の市政報告にもありましたが、この基本構想案をたたき台として、第1回高知県消防広域化基本計画あり方検討会が4月28日に開催されたとのことです。この検討会ではどのような話合いが行われたのでしょうか。西山議員の質問とも重複するかと存じますが、御説明ください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 西山議員にもお答えをした内容と同じになりますが、第1回高知県消防広域化基本計画あり方検討会において、県内の34市町村長及び県下15消防本部の消防長が出席し、基本構想案をパブリックコメント等で寄せられた意見を踏まえて一部修正したとして説明がございました。その説明に対し、委員からは、各自治体の財政負担や職員の処遇、組織体制に関するシミュレーションがどのようになるのか具体的なことが示されていないので、現在のところ、判断することができないとの意見が出されておりました。県は、各消防本部の予算や消防力、組織運営等に関するデータを外部機関に委託調査しておりますが、集約したものを少しでも早くお示しし、広域化したときのメリット、デメリットが明確になるように努めていきたいとの説明があっておりました。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。パブリックコメントの募集期限が1月6日であったということは知っておりましたが、これについては後ほど改めて質問させていただきます。広域化を進めるに当たり、メリットとデメリットを判断するための明確な材料が不足している現状では、議論を進めにくいと感じております。まずは、組織運営等に関する詳細なデータが示されるというところから始めるべきではないでしょうか。
消防広域化の先行事例として、10年前から取り組んでいる奈良県があります。先日、総務常任委員会として、奈良県消防広域化に参加している葛城市を視察いたしました。奈良県広域消防組合の設立経緯や管轄規模、署所配置状況、消防組合の課題などを御報告いただき、大変参考になりました。その際、委員から、広域化でデメリットはないのかという質問に対し、住民においてはデメリットはないとの御回答をいただきました。しかしながら、高知県と奈良県では、その地形、面積、人口分布、近隣県との位置関係などに大きな違いがあると考えます。高知県と奈良県の消防広域化における相違点、特に地理的人口分布の特性による影響について、市の見解をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 今回の総務常任委員会の視察先である奈良広域消防組合消防本部は、奈良県全体の約90%を管轄面積としており、消防広域化の先進地となっております。県の基本構想の内容は、同消防本部の取組を参考につくられていると考えられております。高知県と比較しますと、管轄面積は3,361平方キロメートルと半分以下であり、管轄人口は17万人ほど多い約82万人となっております。その人口は、関西圏に近い北部に集中しており、署所についても北部を中心に配置され、署所間の距離は比較的短く、応援体制等、広域化によるメリットを生かすことのできる地域であると考えます。高知県については、面積が広い上に東西に広く、署所間の距離が長いため、応援体制等、広域化のスケールメリットを生かすことが難しい地域であると考えます。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。地図で比較しても、高知県特有の東西に長い海岸線の地形と奈良県の地形は大きく異なります。また、人口が関西圏方面に集中している奈良県に対し、高知県では人口が点在している状況も、両者の違いを際立たせていると思います。確かに一度出動した場合、場所によっては署に戻るまでにかなりの時間を要することも想像できます。
その上で、近年、消防士の成り手不足が深刻化しているという話をよく耳にします。令和4年度の総務省調査によると、消防職の普通退職者のうち、25歳未満が26.7%、25歳以上30歳未満が31.6%を占めており、これは一般行政職退職者25歳未満10.1%、25歳以上30歳未満23.9%と比較して大きな差があります。少子化による人口減少に加え、成り手不足と若年層の退職者が多い現状において、今後、現場要員の人手不足がますます深刻になるのではないかと懸念しております。南国市において、消防職員の配置人数に対する不安や問題はございませんでしょうか。現状についてお答えください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 当消防本部の条例定数は、前倒し採用を含め71名となっております。また、4月1日現在の実員は66名となっております。近年、若年層や経験豊富な職員の中途退職により、定数の確保に至っておりません。救急出動の増加により、現場要員の確保が喫緊の課題となっておりますが、広域化することにより管轄の線引きがなくなるため、近隣地域への出動が必要となってきます。県は、総務等の間接部門をスリム化し、生じた余力を現場業務に振り分けるとしておりますが、具体的な人数が示されていないため、広域化後の救急出動体制がどのようになるか、注視していきたいと思います。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市においても、現段階で職員定数を満たしてないとのこと、まずこの課題の解決が重要であると認識いたします。
また、南国市周辺には人口の多い団地や住宅地が近隣市にも存在してます。広域化によって、そうした地区への出動の可能性が生じるとすれば、ますます現場業務が逼迫するのではないかという懸念が生じます。パブリックコメントでは、市町村や消防関係者から138件もの意見が寄せられたと伺っております。その中でも、職員の給与、処遇、人事異動、定数、人員配置に関する意見が特に多く、具体的な議論がなされないまま広域化に向けて話が進むのではないかという不安を多くの方が抱いていると強く感じます。特に消防職員においては、憲法で保障された労働基本権が認められておらず、団結権がないため、労使合意の権利もありません。つまり、給与や労働条件などの処遇について、前提条件として確実に保障されない限り、議論を進めることは極めて困難であると考えます。この点に関して、市としてどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) パブリックコメントの意見の中で一番多かったのが、職員の処遇に関する意見で、47件あったようです。基本構想の職員の処遇等に関しては、広域化後に市町村と検討及び協議を行うこととなっておりますが、4月28日に開催されたあり方検討会において、職員の処遇に関することは広域化前に決めていただきたいとの委員の意見が多かったと認識しております。組織を大きく変える今回の取組に対して、実際に業務を行う職員の処遇を後回しにすることは、離職者等を招くおそれがあり、人員不足等により市民サービスの低下につながらないか不安に感じるところでありますので、広域化前に職員の処遇は決めてもらうよう求めていきたいと思います。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。地域を守りたいという強い思いから消防職員になられた方も多いと思います。そのお気持ちを考えると、広域化により職務遂行に支障が生じるのではないか、あるいは処遇に対する不安を抱えたままではモチベーションが維持できなくなるのではないかと心配いたします。
また、高知県においては、火災出動において、地域の消防団との連携が不可欠であり、特に南国市においては、消防職員が消防団担当者として各地域の消防団と密に連携し、良好な関係の下、市民の安全が守られていると認識しております。広域化により、消防本部が広域連合に、消防団が市町村に属するという立場の分断が生じることで、これまでの連携が取りにくくなるのではないかと懸念しておりますが、見解をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 高齢化による救急出動件数の増加により、同時に3台以上、出動する件数が年々増加してきております。出動が重なった場合、人員を救急に振り分ける必要があるため、火災等への対応など、消防団の存在は必要不可欠となっております。西山議員にもお答えしましたが、東日本大震災以降、消防団と連携を密にし、地域防災力強化に努めてまいりましたが、広域化により、消防団と別組織になった場合、今後、火災や災害等の連携及び顔の見える関係が希薄化することも考えられ、地域防災力の低下につながりはしないか心配しておるところでございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 消防団の皆様におかれましても、これまでの連携が失われるのではないかとの不安を抱いていると伺っております。この不安が払拭されるべきであると考えます。南国市の消防団は、地域において消防本部とともに頼りになる活動をされてきた経緯がございます。広域化によりその関係性が損なわれるようなことがあれば、消防団のモチベーションにも影響が出るのではないか、重ねて心配いたします。もちろん通常業務における懸念もさることながら、発生確率がますます高まっている南海トラフ地震においては、その被害が広範囲に及ぶと想定されており、発災時には県外からの援助はなかなか期待できない状況になるのではないかと思います。そのような状況下で、広域化した消防本部が近隣市町村の被害に優先的に出動することになり、南国市は消防団と行政が公助部分を担うこととなる、あるいは消防本部との連携が取りにくくなり、消防体制が手薄になるのではないかという懸念がございますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 南海トラフ地震等により、広範囲に被害が拡大し、幹線道路等が寸断された場合、県外からの応援が遅れる可能性はあると思います。そのような状況におきましても、地域内の関係機関と連携を行い、減災につながるよう取り組まなければならないと考えております。あり方検討会における県の見解によりますと、最寄りの消防署所の幹部職員を災害対策本部に派遣し、連携して指令を出していくことになる。なお、その最寄りの消防署所の幹部職員を災害対策本部の本部員として任命することにより、連携体制を確保することも考えられるというようにしておるところで、御発言もあったところでございまして、その実効性につきましては、今後、また議論をしていかねばならないところではないかと考えております。
いずれにしましても、組織体制に関するシミュレーションがどのようになるのか、現在のところ示されておりませんので、示されてから適切に判断をしてまいりたいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まず、今後、広域化により具体的にどのような影響が生じるのかが明確にならない限り、適切な対応や準備を講じることは困難だということが分かりました。しっかりとシミュレーションを示された上で、南国市としてどのように対応していくのかを早期に明確にすること、そして職員や消防団の不安を払拭することが何よりも必要であると考えます。今後のあり方検討会においても、これらの点がしっかりと議論されるよう、市として積極的に働きかけていただくとともに、議会への報告も密に実施していただくよう要望いたします。
奈良県においても、平成21年、奈良県消防広域化協議会設立後、平成24年には奈良市と生駒市が協議会から脱退したという事例がございます。また、パブリックコメントでは、新体制への移行スケジュール案に関する意見が、処遇、人事異動、定数、人員配置に関する意見の次に多かったとのことです。これは、拙速に話を進めることに不安を感じる県民の声が多いことを示していると考えます。広域化実施スケジュールありきではなく、まずは納得できる丁寧な話合いを重ねていくことが、この取組において最も重要であると認識しております。今後の県民、市民の安全・安心、そして命を守るための話合いとなりますので、決して見切り発車のようなことがないよう強く要望し、消防の広域化に関する質問を終わらせていただきます。
次に、観光について質問させていただきます。
連続テレビ小説「あんぱん」の放送開始から約2か月半が経過しました。私自身、県外での研修などに参加したときに、今話題のあんぱんの舞台モデルである御免与町を有する南国市から来ましたと言いますと、多くの方から、テレビ見てます、後免なんて、面白い町の名前ですねというふうに大変好意的な反応をいただきます。以前は、高知市の隣の市で、空港があるんですよっていう話をしても、あんまり盛り上がらなかったんですけれども、やはりテレビの影響力の大きさっていうのを感じるところです。南国市がこれほど注目される好機はめったにないからこそ、この機会を最大限に生かすべきであると考えます。
そこで、まずお伺いいたします。
南国市は、「あんぱん」放映に向けて、具体的にどのような取組を進めてこられましたか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 連続テレビ小説「あんぱん」の放映に向けた南国市の取組につきましては、受入れ環境の整備、観光資源の磨き上げとして、後免町周辺における臨時駐車場等の整備や臨時観光案内所の整備をはじめ、後免町周辺ではやなせ先生の世界観が感じられるやなせライオン公園や日吉町三丁目公園のリニューアル、後免町商店街には既設のアンパンマン石像に加え、やなせ先生ゆかりのキャラクター等のシャッターアート、おもてなし体制の整備として、高知農業高校と高知東工業高校、後免町住民との連携による花によるおもてなし、やなせ先生が育った後免町を巡る観光ガイドやスマートフォン等を用いた音声ガイドツアー、そして誘客周遊施策として、海洋堂SpaceFactoryなんこくでの連続テレビ小説ドラマ展の開催、周遊クーポン事業などを行っております。また、連続テレビ小説や後免をテーマとした、観光客に対して訴求力の高いお土産品の開発を支援する中小企業振興事業費補助金におけるお土産品開発事業を設け、令和6年度は株式会社道の駅南国のごめんしょうがパイなど、5件の活用がございました。また、観光協会もこの機会に合わせ、後免観光ガイド養成講座の開催や南国市周遊観光PR動画を制作し、ユーチューブで配信しております。また、物部川エリアでの観光博覧会の取組として、2月9日にプレイベント、3月29日に香美市、30日には南国市と香南市でオープニングイベントを開催いたしました。また、これらの観光情報を提供するため、現在行っている市公式SNSによる情報発信に加え、公式ホームページのリニューアルや特設ページの制作、物部川DMO協議会のホームページ内に物部川エリアでの観光博覧会の特設ページを開設しております。また、連続テレビ小説関連の観光誘客に向けたPRについては、県内や近隣県に対しては物部川エリアでの観光博覧会、県外、海外に対しては高知県によるどっぷり高知旅キャンペーンで行われており、物部川DMO協議会等による国内外の旅行会社等との商談会やセールス、県外イベント出展での観光PRも実施してきたところでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。ドラマを御覧になった観光客の皆様が、それぞれのイメージを抱いて南国市を訪れてくださっている現状を理解したところでございますが、特に初回から舞台モデルとなった後免の町への関心が高く、わざわざ足を運んでくださる観光客の方々に対し、南国市としてもしっかりと歓迎の姿勢を示すことが不可欠であると考えます。南国市周遊観光PR動画の再生数が1.4万回に達してるというのを拝見しました。大変喜ばしいことですし、さらなる周知に期待いたします。私自身も、ごめんしょうがパイは県外へのお土産物としていつも持参しておりまして、やなせ先生ゆかりのキャラクターが大変皆様に喜ばれているというので、うれしい気持ちです。
次に、これまでの様々な取組によります経済効果の見込みについてお伺いいたします。
せっかくの「あんぱん」の効果を確実に経済的な成果へと結びつける必要があります。それによる経済効果というのは、どのくらい見込めているでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 経済効果につきましては、連続テレビ小説を生かした南国市観光施策推進事業実施計画書におけるKPIとして、物部川エリア3市全体の観光消費額として、85億7,000万円としております。令和5年度の3市の観光消費額は67億8,000万円でございますので、令和5年度から3市で17億9,000万円の観光消費額の増加を目標としております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。観光の楽しみは、もちろん景観や歴史、体験、そういうのも大事ですけれども、またその土地ならではの食とかお土産物の購入も非常に重要です。観光客の皆様は、いろんなものを見て、楽しんで、体験して、そして何か買って帰ろうという期待を持って来られているわけで、これが観光客消費額の増加にもつながります。
そこで、南国市はお土産品開発支援の補助金を用意されたということですが、令和6年度では5件の活用があったと、先ほど答弁いただきました。令和7年度のほうの活用状況はどのようになっているでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 令和7年度の中小企業振興事業費補助金におけるお土産品開発事業の活用状況につきましては、3月下旬から5月上旬まで募集を行いましたところ、1件申請がありましたので、審査会を経て交付決定し、事業に着手していただいております。なお、現在、お土産品開発事業の予算が残っていることから、6月20日を申請締切りとする2次募集を行っているところでございます。お土産品開発を御検討されている南国市内の中小企業事業者様の方がございましたら、商工観光課にお問合せ等していただけたらと思っております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。6月20日まで募集ということで、もうすぐですけれども、ぜひ多くの事業者に御活用いただきたいと思います。
ところで、9月末の放送終了までに、お土産物の増加というのは見込めそうでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) お土産品の開発につきましては、開発する商品の内容によると思いますが、昨年度の状況から一定の期間は要するものとも思っております。しかしながら、観光客が一番多くなる秋の行楽シーズンに間に合うよう開発していただくことが望ましいとの考えから、第1回目は公募を3月下旬から開始し、補助事業の完了日を年内に設定したものでございます。現在、交付決定している事業者のお土産品につきましては、秋の行楽シーズン中での販売開始に期待しているところでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。放送後の行楽シーズンってことに、そちらにも向けて準備を進めているということを承知いたしました。秋からの行楽シーズンに向けても、お土産物の販売促進、観光客の誘致、そして南国市のPRに引き続き注力していただきたく思います。
そして、お土産品の差別化にもぜひ取り組んでいただきたいと提案いたします。「らんまん」放送時には、お土産品に統一感のあるシールを貼ることで、地域全体での盛り上がりを創出していました。同様にシールを活用することで、「あんぱん」で話題の南国市を訪れたあかしとして、お土産品が一役買い、購入時の差別化にもつながります。もちろんシール貼付の判断は事業者に委ねられると思いますが、市として協力を求める姿勢は不可欠であると考えます。この点について、南国市ではどのような状況でありますでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 南国市の取組につきましては、佐川町がロゴを制作したように、南国市においても、やなせたかし先生が少年期を過ごした町としてPRしていくため、キャッチフレーズとやなせライオンを掛け合わせてデザインした南国市ロゴを制作しております。この南国市ロゴや南国市関連のやなせ先生著作のキャラクター、しょうがちゃん、ありがとう駅のセンベちゃん、ごめん生姜地蔵、やなせライオンが、市の特産品やイベントのPRとして使用することが可能であることを市ホームページや市広報1月号への掲載、キャラクター使用に関するチラシを南国市商工会の会報誌に同封しての配布、県主催のキャラクターの利活用に関する説明会を通じて、事業者への周知を図ってきたところでございます。また、お土産品開発事業の補助金を活用した事業者にも、これら南国市ロゴややなせ先生著作のキャラクターがお土産品のPRに使用できることを説明しております。
また、観光協会においては、南国市の特産品であることの目印として、商品に貼ることのできる南国市ロゴのシールを作成し、観光案内所で販売している事業者にシールをお渡しできることのお知らせを行っております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。やなせライオンのシールが観光協会のほうにもありまして、私も昨日、寄って見せていただいたんですけども、とてもかわいらしい、小っちゃいけどかわいらしいシールでございます。それを事業者さんのほうにはぜひ貼っていただいて、このやなせ先生のゆかりの町、南国市をPRしていただけたらと思います。
次に、ドラマにも登場する御免与町のモデルとなった後免町の現状についてお伺いいたします。
3月30日には、JR後免駅から南に延びるシンボルロードが開通し、やなせライオン公園や観光案内所など、ようやく観光の窓口が整備されました。この観光案内所におけるお土産物の販売状況、特にあんパンの販売状況はどのようになっていますか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 観光案内所のお土産品の売上状況につきましては、3月は購入者数209人、売上金額19万7,188円、4月は購入者数558人、売上げ45万1,609円、5月は購入者数528人、売上げ41万1,272円となっております。なお、観光案内所が3月21日オープンでございますので、3月は4月、5月に比べて営業日数は少ないものでございます。観光案内所を運営している観光協会の印象では、あんパンを希望される方が日に日に多くなっているとのことで、あんパンなどは基本的に毎日1回納品してもらってますが、後免町に団体ツアーが入る日は、あらかじめ多めに納品していただくようお願いし、売り切れた際には2回目の納品をお願いしたこともあるとのことでございました。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 昨日、案内所のほうにも行ってたんですけども、平日にもかかわらず、あんパンが売り切れておりまして、あんパン、すごい売れてるんだなっていう話をしてきたところです。後免の町であんパンというイメージは、観光客の間で定番となりつつあると認識しており、売り切れは観光客の期待を裏切ることにもつながりますので、十分な供給をお願いしたいと思います。
そのほか、案内所に来所された観光客の皆さんからの問合せはどのようなものが多いでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 観光案内所での観光客の問合せにつきましては、観光駐車場の場所ややなせたかしさんゆかりの地はどこで、どうやって行くのかとの質問が圧倒的に多いとのことです。このほか、アンパンマンミュージアムや海洋堂SpaceFactoryなんこくへの行き方、連続テレビ小説「あんぱん」のロケ地の場所や、後免まち歩きガイドの概要や申込方法などの問合せもあるとのことでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 後免の町は、なかなか道も狭くて、初めて訪れる方にはちょっと入りにくい町の構造ともなっております。今後、まち歩きガイドの皆様がこれまで以上に活躍できるような工夫が必要であると考えます。
あんパンの話に戻りますが、ドラマであれほどまでにあんパンを作り販売するシーンが多く描かれるとは予想しておりませんでした。私を含め、ドラマを見て、後免の町であんパンが食べたいと感じた視聴者は相当数に上ると推測いたします。後免の町には、現在営業している店舗が少ないものの、町歩き中の観光客が、あんパンはありませんかと店を訪れるケースが少なくないと聞きます。先日も県外の方から、朝田パンは後免の町でまだ営業していますかという問合せがありました。今や南国市の後免の町といえばあんパンの町というイメージが定着しつつあります。消費期限の問題や仕入れロットの折り合いがつかず、某有名店のあんパンを道の駅で置くことができなかったと聞いております。せめてこの時期だけでも、観光客の皆様に喜んでいただけるよう、道の駅でのあんパン販売は不可欠であると考えますが、南国市としてはいかがお考えでしょうか。また、ほかにも観光客が立ち寄る可能性のある海洋堂SpaceFactoryや地元の皆様が利用される南国市スポーツセンター、さらには後免の町で営業されている店舗などにもあんパンの販売協力を依頼してみてはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 連続テレビ小説「あんぱん」において、御免与町のヒロインの実家でパンを製造販売していることから、後免町や南国市内であんパンを販売することは、ドラマを見て南国市に来られた観光客を楽しませる効果が期待できるものと思われます。しかしながら、一般的にパンは消費期限、または賞味期限が短いことから、事業者としては、販売に際し、売れ残り等の懸念もあるものと思われます。
なお、道の駅南国では、現在、市内事業者が製造するあんパンの販売を始められております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 道の駅で置いていただいてるということで、ちょっと安心しました。しかし、後免の町にあんパンが手軽に購入できる場所があまりないというのは、残念でなりません。この点については、南国市として事業者への協力依頼だけではなく、市が買い取って販売場所に設置するなどの積極的な働きかけを検討すべきではないでしょうか。様々なハードルがあることは承知しておりますが、せっかく後免の町を訪れた観光客の皆さんが、楽しみにしていたあんパンを探して、ありませんと言われてしまっては、失望を招いてしまいます。できれば常時、様々な場所であんパンを販売していただきたいと願いますが、それは難しいというのであれば、あんパンが買えるお店マップを作成する、あるいはあんパンにちなんだイベントを開催するなどの工夫もしてみてはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) あんパンが買えるお店マップにつきましては、観光協会がごめんさんぽマップやグルメガイド等を制作しておりますので、これらのリニューアル時にその情報を組入れられないか、検討したいと思います。
また、パン屋さんなどの新規開店やあんパンなどの新商品の販売といった新着情報がございましたら、観光協会のSNS等を活用し、発信してまいりたいと考えております。
また、あんパンフェスなどのイベントの開催につきましては、物部川エリアでの観光博のプレイベントやオープニングイベントにおける企画として、県内外のあんパンを集めた販売会、全国あんパンサミットやあんパン食い競争を行いましたところ、多くの方に楽しんでいただいたことから、にぎわい効果のある企画と思っております。他市のパンフェスに出店経験のある事業者から、他市の開催事例や参加いただくパン屋さんの内容によって規模感が大きく変わることなどをお聞きしておりますので、イベント開催には、出店者に伴う規模感や開催場所、駐車場対策などの検討が必要となります。
また、9月には、連続テレビ小説放送終盤の時期での効果を狙って、物部川エリアでの観光博におけるイベントを香美市で開催することを計画をしており、この中であんパンサミットやあんパン食い競争など、パンのあんパンにちなんだコンテンツを検討しているところでございますので、これらを踏まえて、南国市での開催について検討したいと考えております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ドラマの中では、あんパンを製造販売していたのが御免与町、すなわち後免の町でした。このため、南国市は、あんパンのイメージを持って来訪される皆様に対し、しっかりとPRすべきです。あんパンにちなんだイベントに関しましては、南国市が主体となって開催を進めるべきであると考えます。ぜひ開催に向けて準備を進めていただきたいと思います。
南国市は、空港を有し、高速道路のインターチェンジ、JR駅、路面電車といった交通の利便性に恵まれながらも、長年、素通り市として観光客誘致に苦戦してきました。しかし、今回のテレビ放送により、その知名度は飛躍的に向上しました。
そこで、お尋ねいたします。「あんぱん」放送終了後を見据え、南国市は観光に関してどのような取組を計画されていますか。先日の山中議員の質問と重複する点もあるかと存じますが、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 連続テレビ小説「あんぱん」放送終了後の観光の取組につきましては、この放映を契機に、やなせ先生が育った町として、やなせキャラクターの設置や磨き上げた観光素材、整備したやなせライオン公園や日吉町三丁目公園、観光駐車場などのハード事業に加え、音声ガイドツアーや観光協会に養成していただいた観光ガイドなどのソフト事業等も生かしてまいりたいと考えております。
また、今後は、一昨日、都市整備課長も答弁いたしましたが、やなせたかしロードに新たな街灯を設置し、景観にも配慮した道路舗装を行うなど、歩いて楽しいまちづくりに向けた取組を進めていく予定としております。
また、斉藤議員の御提案のあんパンをアピールする取組、あんパンの町としてPRしていくことも一つの方法であろうというように思います。
その資源のほかに、まだ南国市には、紀貫之や国衙跡、長宗我部元親や岡豊城跡、国分寺や禅師峰寺とお遍路、戦争遺産としての掩体群など、貴重な歴史や文化もございますし、国内外に高い知名度を有し、大きな情報発信力を持つ海洋堂の関連施設である海洋堂SpaceFactoryなんこくもあるところでございます。今は、連続テレビ小説の放映に加え、各種メディアがやなせ先生ゆかりの地として、南国市や物部川エリアを取り上げていただいているところでございますが、これら観光施設等の情報を、高知県の観光キャンペーンなどと連携して、引き続きPRしてまいりたいと考えております。
そして、物部川DMO協議会には、これらの情報を国内外の旅行会社等へ旅行プランとして、引き続き積極的に売り込んでいただきたいと考えております。特に観光ガイドにつきましては、利用していただいた観光客から好評価をいただいているとお聞きしております。グルメもそうですが、旅先での人との交流は、旅の思い出となるものの一つでございます。私たち一人一人がよろこばせごっこの精神を発揮し、南国市に来られた観光客に一つでも多くよい思い出を持ち帰っていただくことが、再度の来訪、リピーターの獲得へとつながるものと思っております。連続テレビ小説放映後につきましても、これらの取組によって、国内観光客とともに、クルーズ船等を含めた外国人観光客の誘客も図ってまいりたいと考えるところです。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 観光ガイドに関して大変よい評価をいただいているとのことを喜ばしく思います。6月11日の高知新聞には、やなせさん母校の児童3人ガイドにという見出しで、後免野田小学校の児童3名が、6月19日から7月14日まで、観光案内ガイドとして活動されるとの記事が掲載されていました。これはすばらしい取組であり、ぜひ多くの方に利用していただきたいと願います。御答弁にもありましたとおり、やなせ先生が大切にされたよろこばせごっこの精神が、南国市の子どもたちにもこのように受け継がれていくことは、先生が最も喜ばれることではないでしょうか。私たち大人は来訪してくださった方々を大切にし、喜んでいただけるような活動を通じて、地域への愛情を育む背中を子どもたちにも見せるべきです。自分たちが育ったふるさととして、後免の町や南国市、高知県を深く愛し、大切にされたやなせ先生の郷土愛の精神を次の世代に受け継ぐよい機会と捉え、また史跡や歴史文化、戦争遺産である掩体壕などを有する南国市として、観光行政を強化し、これを生かした教育にも力を入れていくよう御提案を申し上げ、今議会での私の一般質問を終えさせていただきます。それぞれ御丁寧な御答弁をいただき、誠にありがとうございました。
答弁者:市長、関係課長
○議長(岩松永治) 7番斉藤喜美子議員。
〔7番 斉藤喜美子議員発言席〕
○7番(斉藤喜美子) なんこく市政会の斉藤喜美子です。
一般質問の最終日となりました。同僚議員の質問とも重複する点もございますが、よろしくお願いいたします。
まず、1つ目に防災に関して質問させていただきます。
南海トラフ地震について質問いたします。
2025年1月には、30年以内の発生確率が、「70から80%」から「80%程度」と引き上げられました。その後、3月31日に初めて想定が見直されたとのことですが、その内容について教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 南海トラフ地震に関しまして、2011年3月11日に発生しました東日本大震災を受けて、2012年及び2013年に国が被害想定を公表しております。今回、この被害想定公表から10年が経過することから、2023年から専門家とともに被害想定見直しの議論を進めてきたものですが、昨年の能登半島地震の発生を受け、作業を一時中断し、改めて能登半島地震の災害教訓も取り入れた新想定として、本年3月31日に発表されたものです。
新しい想定では、地震による揺れや津波の予測モデル等、地震の外力の想定は変更されておりませんが、より詳細な地形データを使用するなどの理由により、30センチ以上の津波の浸水想定区域が、日本全体で約30%増加しております。そのほか、被害想定の変化につきまして、全国ベースの数字ですが、死者数は32万3,000人から29万8,000人、建物の全壊、焼失棟数は238万6,000棟から235万棟と、僅かではありますが、減少しております。一方、避難者数は950万人から1,230万人、経済被害は214兆2,000億円から270兆3,000億円と増加しております。また、避難生活などで体調を崩して亡くなる災害関連死につきまして、今回の被害想定で初めて推計されております。この中で、最悪の場合、5万2,000人の災害関連死が発生すると想定されており、これは東日本大震災の13倍の数字となっております。災害関連死には様々な要因があり、推計する手法が定まっていない中で、今回、東日本大震災を受けた岩手県、宮城県、能登半島地震の例を基に、避難者1万人当たり40人から80人として試算されたものです。
以上が新想定における変化の概要となります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 詳細な地形データとかの変更によりまして、浸水区域が増加していたりとか、避難者数、経済被害っていう分に関しては増えているようです。災害関連死についてっていうのは、後ほど質問させていただきますけれども、今回初めて推計されたと理解いたしました。日本では、直接死以上に災害関連死の問題が大きく、最近、特に注目されており、今後、大きな課題となることは間違いありません。今回の見直しで、少なくなったとはいえ、死者数があまり減少してるようには感じないところですけれども、防潮堤や津波タワーなどのインフラ整備が進んでいるにもかかわらず、なぜでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 被災者数などの被害想定が大きく減少してない背景として、津波からの避難行動について、避難行動要支援者の避難速度を前回よりも遅く見込むなど、被害を推計するデータの前提が変わったことが上げられます。例えば、先ほど申し上げましたように、今回、より詳細な地形データを使用したことにより、30センチ以上の津波浸水想定面積が全国ベースで30%拡大しました。また、避難行動につきましては、地震後、すぐに避難する人の割合を20%と低く設定しております。これは、一旦防災意識が醸成されたとしても、将来にわたって継続的にその意識が継続できるか、不確定な要素が大きいことから、最低の数字を採用したとのことです。これら推計手法の変更が、被害想定の大幅な減少に至っていない大きな原因の一つとなっております。
一方で、これまでの対策が無駄ではなかったことを示す試算も出ております。例えば、各地で防潮堤や津波避難タワー等の整備が進んでおりますが、こうした取組の効果を示すために、前回と地形データなどの条件を同じにして試算したところ、死者数は20%、全壊、焼失建物棟数は17%、それぞれ減少するという結果も出ております。また、今回の想定では、地震後、すぐに避難する人の割合を20%としておりますが、浸水のおそれがあるところから全員がすぐに避難すれば、津波による死者はおよそ7割減少する試算がされる等、住民の意識向上により想定の数字が大きく変わる部分もあります。本県や本市では、現在の津波避難意識は、全国ベースで見れば比較的高いと言えますので、将来にわたって津波避難意識を持っていただく対策を行うことで、死者数を大きく減少させることができるものと考えております。
今回の想定につきましては、南海トラフ地震対策を考える上での資料となるものであります。先ほど申しましたとおり、地震の規模や想定される震源域などが変更されたものではありませんので、これらの想定の数字に一喜一憂することなく、今年度、高知県が策定する高知県版の詳細な新しい被害想定の結果も見ながら、新たに必要となる対策を見極め、また今までの取組の強化に取り組んでまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 避難行動の設定として、要支援者の問題に加え、すぐに避難する人の割合が低めに設定されているというところもあって、死者数がなかなか減っていないという計算になっているということだと理解しました。ハードの整備でせっかく助かる命が増えるというのであれば、避難行動を取るというようなソフトの面もしっかり取組を強化していかなくてはいけません。高知県はもともと南海トラフ地震の際に大きな津波が発生することが予想されており、県民の防災意識は全国的に見ても高いほうだと認識しております。津波から身を守ることができれば、生存確率はかなり高まります。しかしながら、先日発表された県の地震津波県民意識調査によると、揺れたらすぐ避難すると答えた方が69.7%にとどまり、2013年の調査開始以降、約7割で頭打ちとなっているようです。約3割がすぐに避難しないという選択をしていることについて、どのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 高知県が、南海トラフ地震による津波浸水想定区域にお住まいの方を対象に、津波からの避難を開始するタイミングについてアンケート調査を行ったところ、揺れが収まった後、すぐと答えた方が69%にとどまり、課題が残る結果となりました。この数字は、前回、1年前の数字と比較して7.6ポイント減少したということで、大きな津波災害を引き起こした東日本大震災から時間が経過する中で、意識の低下がアンケート結果として表れたものではないかと考えております。今回の国の新想定では、高知県内の死者は、最悪の場合、4万6,000人であり、このうち3万6,000人が津波によるものとされています。一方、試算では、津波のおそれのあるところから全員がすぐに避難した場合、津波による死者を8,700人にまで減らせるとしています。残り30%の方のすぐに避難を開始しない理由は定かではありませんが、市としては、津波による死者を減らす対策としてのさらなる避難意識の向上に改めて取り組んでまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 実際に自分事として捉えるのは難しいのが人の心だと思います。まだ起きていないことを想像するのは難しく、自分は大丈夫、来たら来たで、逆に仕方ないから諦めるなど、様々な思いから、すぐに避難はしないという選択をしてしまうのかもしれません。まずは、御自身のいる場所が災害時にどのようになるか、例えば浸水するとしたらどのくらいの時間でどのようになるかなどを知ることが大切です。先日のことですが、6月1日に開催されました令和7年度高知県総合防災訓練、防災フェスタin高知で、ハザードマップの確認をしたことがあるかというアンケート調査を実施しましたところ、ほとんどの来場者が確認したことがあると回答してくださいました。しかし、確認されたという方の中には、ハザードマップは非常に見にくいという声も聞かれました。これは、日頃から消防、防災に関わる地域の消防団員の皆様からも聞かれた声です。まずは分かりやすく危険を伝える方法を考える必要があると感じておりましたところ、いの町が、浸水や土砂災害のリスクを可視化する3D都市モデルを導入したというニュースを知りました。これはどのようなものなのでしょうか。
○議長(岩松永治) 都市整備課長。
○都市整備課長(篠原正一) いの町では、洪水や土砂災害のリスクを住民に分かりやすく伝えるため、3D都市モデルを導入したと伺っております。この3D都市モデルとは、国土交通省が主導するプロジェクトで、地形や建物、道路などの情報や災害リスク情報などを3次元で見える化するというものです。仁淀川や宇治川の氾濫リスクが高いいの町では、浸水や土砂災害の想定区域を3次元で表現することで、住民の避難意識を高め、迅速な避難行動につなげるという狙いがございます。今後は、まちづくりや避難計画の立案にも活用される予定であると聞いております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) いの町では、特に川の氾濫による洪水が昔から多く、可視化することで町民の防災意識も高まることと思います。この3D都市モデルは、南国市での導入は可能なのでしょうか。もし可能だとしたら、いつ頃になるか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 都市整備課長。
○都市整備課長(篠原正一) 本市では、高知県土木部都市計画課が実施主体となりまして、令和7年度から令和8年度にかけて、3D都市モデルの整備を予定しております。今回の整備対象区域につきましては、津波浸水想定区域と市街化区域となる予定で、災害リスクの高いエリア及び都市活動の中心地における精度の高い3D都市モデルの構築を目指しています。
なお、今後の活用方法といたしましては、まずはいの町と同様に、防災分野での活用を主軸とし、津波浸水被害のシミュレーションや地形、建物情報を活用した避難経路の分析のほか、被災後の復興シナリオの視覚的な検証など、今後、予定をしております地区別の事前復興まちづくり計画の策定において、非常に有効なツールになると考えております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南国市でも導入が予定されていると聞き、大変心強いです。津波浸水被害においては、ハザードマップだけではなく、より具体的に可視化することで市民が自分事と思えるようになれば、避難行動や避難計画を考えるきっかけになると思います。また、地区別の事前復興まちづくり計画にも役立つとのことですので、導入時には、多くの市民の皆様に周知していただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、地震発生時において、自宅などで身の安全をどう確保するのか、いわゆる家屋倒壊などによる直接死をどう防ぐのかについてお聞きします。
南国市国土強靱化地域計画では、直接死となる家屋の倒壊について、住宅等耐震化促進プランを引き続き実施していると認識しております。令和7年度以内には90%を完了目標とのことでしたが、現在の達成率はどのような状況かお答えください。
○議長(岩松永治) 住宅課長。
○住宅課長(松岡千左) 平成30年の調査により把握している住宅総数が1万7,747棟ですが、それを母数としまして、新耐震基準の住宅が1万218棟、それに旧耐震基準の住宅で耐震性のある住宅と耐震改修済みの住宅棟数を合わせ、耐震性を満たした住宅が1万3,154棟となっていますので、耐震化率としては74.12%になります。耐震工事が完了している住宅の数から耐震化率を計算しておりますので、5月末時点ではこの割合になりますけれども、現在工事中の住宅や、工事に着手はしていないものの設計を行っている住宅など、今年度中に耐震化が完了されると見込まれる住宅も合わせますと、74.56%になると考えられております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 今のところ75%程度とのことですが、何としてでも目標をクリアしていただきたいと願っております。現在の耐震化率に対する評価や今後の課題があればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 住宅課長。
○住宅課長(松岡千左) 能登半島地震後、耐震診断についての相談や申請は激増しましたが、現在は落ち着いてきています。そのため、耐震診断の相談・申請よりも、診断後の耐震設計や工事に申請・着手している件数が増えてきており、今後、ゆっくりと設計数も工事数も落ち着いていくと想定されます。そのような中、目標の90%に届いていない現時点での耐震化率は十分なものとは言えず、今後も確実に進めていくべき課題であると考えております。今後は、旧耐震基準の住宅において、まだ耐震診断を受けるに至ってない住宅の所有者に対しての働きかけが課題であると考えております。そのため、昨年度からは戸別訪問業務を顔の見える関係で説明し、より強い動機づけにつなげられるよう、地元の自主防災会に委託をしました。本年度も引き続き自主防災会に委託をする予定でございます。あわせて必要であればアウトリーチ的な手法も状況に応じて検討し、今後も積極的に耐震化を進めてまいりたいと考えております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。実はこの質問を考えていたところ、国が6月10日に南海トラフ巨大地震の防災対策推進基本計画の改正案を公表しました。それによると、強い揺れが予想される地域では、耐震性が不十分な住宅を今後10年で解消するとのことです。恐らく3月の被害想定見直しで死者数があまり減少していなかったことを受けてのことだと思いますが、今後、耐震化率も100%に近づけていくような事業に取り組んでいくのではないかと考えられますので、私も注視していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
家屋の倒壊と同じく危険なのが、家具の転倒です。家の倒壊が防げても、倒れてきたり飛んできたりする家具で負傷すると避難が困難になりますし、室内に割れた食器やガラスなどが散乱したり、倒れた家具で逃げ道が塞がれ避難できないということが考えられます。南国市でも家具の固定などに経費支援を行っているとのことですが、改めてどのようなものかお聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市では、南国市家具等安全対策支援事業といたしまして、本市に住所を有する方を対象に、家具の固定やガラスの飛散防止フィルム貼り、感震ブレーカーの設置について、器具代も含め3万2,000円の補助をしております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) それでは、最近の利用状況についてお答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 直近3か年の利用状況につきましては、令和4年度12件、令和5年度22件、令和6年度70件となっております。令和6年度の申請件数が大きく伸びていることにつきましては、能登半島地震や宿毛市で震度6弱を観測する地震が発生したこと、また南海トラフ地震臨時情報の発表が大きく影響しているものと考えております。令和6年度に限らず、例えば熊本地震が発生した平成28年度も申請件数が49件と、前年までと比べて大きく増えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) やはり自分事となるときに利用が増えるということが分かりました。地震の場合、家の倒壊で命を落とさないことと家具の転倒で命を落とさないことが大変重要になってまいりますので、大切な取組だと思います。
それでは、本事業に関して改善してきた点などはありますか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本事業につきましては、本事業の重要性に鑑み、随時、対象者や補助内容の拡大を行ってまいりました。制度設立当初の対象は、自分で家具を固定することが難しい高齢者世帯などを対象としておりましたが、平成27年度から、南国市に住所を有する全ての方を対象に拡大しております。また、以前は、家具を固定する金具につきましては実費としておりましたが、令和2年度から、器具代につきましても補助対象としております。先ほど答弁いたしました、国による南海トラフ地震の新想定でも、家具の固定率を現状の全国平均35.9%から100%に上げることにより、倒れた家具により亡くなる方は7割減少すると試算されております。引き続きこの制度を活用して家具の固定に取り組んでいただけるよう、啓発を進めてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
ところで、日本では、直接死を免れても関連死が非常に多く、しばしば大きな災害の後で問題となります。家の倒壊や家具などの転倒による圧迫死などから免れ、火災や津波から逃げられたとしても、その後の避難生活の中で心身状況が急激に悪化することで亡くなる方が大変多いのが日本の現状であり、それを減らすことが今後の課題になります。
そこで、改正災害対策基本法や改正災害救助法など、6つの改正法が5月28日に成立したそうですけれども、その内容について教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 今回の災害対策基本法などの改正の目的は、令和6年度能登半島地震の教訓等を踏まえ、災害対策の強化を図るため、国による支援体制の強化、福祉的支援の充実、広域避難の円滑化、ボランティア団体との連携、防災DX・備蓄の推進、インフラ復旧・復興の迅速化等について、措置を講ずることであります。
国による地方公共団体に対する支援体制の強化として、国は地方公共団体に対する応援組織体制を整備・強化すること、国は地方公共団体からの要請を待たず先手で支援することが、災害対策基本法に盛り込まれました。また、内閣府に司令塔としての防災監を設置することが、内閣府設置法に盛り込まれました。
被災者に対する福祉的支援の充実について、高齢者等の要配慮者、在宅避難者等、多様な支援ニーズに対応するため、災害救助法の救助の種類に福祉サービスの提供を追加し、福祉関係者との連携が強化されました。また、災害対策基本法においても、福祉サービスの提供が明記されております。さらに、支援につなげるための被災者、避難所の状況の把握についても盛り込まれました。
次に、広域避難の円滑化について、広域避難における避難元及び避難先市町村間の情報連携の推進、広域避難者に対する情報提供の充実、市町村が作成する被災者台帳について、都道府県による支援の明確化などが、災害対策基本法に盛り込まれました。
また、避難所の運営支援、炊き出し、被災家屋の片づけ等、被災者援護に協力するNPO、ボランティア団体等の被災者援護協力団体について、国の登録制度が創設されました。登録被災者援護団体は、市町村から被災者等の情報提供を受けることができること、都道府県は災害救助法が適用された場合、登録団体を救助業務に協力させることができること、国民のボランティア活動の参加を促進させることなどが、災害対策基本法や災害救助法に盛り込まれております。
そのほか、防災DX・備蓄の推進につきましては、被災者支援等に当たってのデジタル技術の活用や、地方公共団体は、年1回、備蓄状況を公表することなどについて、災害対策基本法に盛り込まれました。
最後に、水道復旧の迅速化のための水道法の改正、宅地の耐震化の推進のための災害対策基本法の改正、町の復旧拠点整備のための都市計画の特例に関する大規模災害復旧法の改正等が行われております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 御丁寧にありがとうございます。被災者に対する福祉的支援等の充実ということで、やはり被災地での要配慮者や在宅避難者に対しても福祉支援が届くようになればと思います。熊本地震は、直接死よりも関連死が多かったことで有名ですが、関連死亡時の生活環境として、在宅避難の高齢者が多かったというデータがあります。能登半島地震においても災害関連死の認定作業が進められており、亡くならなくてもよい方までが避難生活環境のせいで亡くなられている現状かと思います。備蓄状況の見える化で物資支援の円滑化や、能登半島地震で初動対応の遅れが指摘された災害ボランティア団体の登録制度もできるということで、今後、これまでの経験から改善が進められていけたらと思っております。
この改正法によって、災害時の福祉支援は今後どのように変わっていくのでしょうか。福祉事務所長にお伺いします。
○議長(岩松永治) 福祉事務所長。
○福祉事務所長(天羽庸泰) 災害対策基本法等の一部を改正する法律案要綱によりますと、災害応急対策の被災者の生活環境の整備では、災害対策基本法第86条の6の関係では、「災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、遅滞なく、避難所の運営状況に関する情報を把握し、当該避難所における福祉サービスの提供、情報の提供等の措置を講ずるよう努めるとともに、情報の把握及び提供に当たっては、情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならないものとすること。」とすると、それから同第86条の7の関係では、「災害応急対策責任者は、避難所に滞在することができない被災者に関する情報を把握し、福祉サービスの提供等の措置を講ずるよう努めるとともに、情報の把握及び提供に当たっては、情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならないものとすること。」とされています。
また、附則の第1条では、「この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において、政令で定める日から施行する」とされてます。この改正法は、令和7月4月17日に衆議院の本会議で可決されまして、5月28日に参議院の本会議で可決されたもので、災害対策基本法等の一部を改正する法律が6月4日に公布されました。
また、災害対策基本法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令が6月6日に公布されまして、災害対策基本法等の一部を改正する法律の施行期日は7月1日となりました。福祉サービスの提供、それから情報の提供等については努力義務とされてまして、今後、この福祉サービスの提供の内容とか範囲がどのようなものかというのを情報収集を行いまして、災害の状況によってどのような対応ができるのか、人員や体制も含めて検討していきたいと思っております。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まだ可決、公布されたばかりで、ちょっと具体的な内容、取組はこれからだというところだと思いますけれども、福祉サービスが届かないというところで、それが原因で命を落としていくという人たちが増えてしまわないようにということに取り組んでいただけたらと思います。今後、県外のDWAT、災害派遣福祉チームとの連携なども考えながら、現実的に要配慮者の福祉支援に取り組むってことができるという仕組みができたらと期待しております。
ところで、このような話が出るたびに、それを達成するということに関しては、お金もかかったり、人員が必要という話になります。それはよい取組だと思っていても、なかなか実現できるものではないのではないかと疑問なところもありますが、この法改正を基に、南国市としてはどう取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現時点では、国による予算措置の内容は定かではありませんが、国の動向を注視しつつ、法改正の趣旨を踏まえ、災害対策の強化を図るため、災害時における福祉的支援の充実、広域避難の円滑化、ボランティア団体との連携、防災DX、備蓄の推進、インフラ復旧復興の迅速化等について、具体的に取り組むことが必要であると考えております。多岐の分野にまたがる対策となりますので、本年4月に設置した本市の危機管理推進本部でも検討事項として取り上げ、具体的対策につなげてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) よろしくお願いします。今後、国の動向を踏まえて、よりよい災害への準備を南国市でも進めていただけたらと思います。
ここからは自助と共助、防災教育について質問させていただきます。
先日の丁野議員の質問と重複する点もあろうかと思いますが、南国市での自主防災会などで、具体的にどのような活動をどこでしているのかなどの状況が分かればお聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在、本市には171組織の自主防災組織、16の地区自主防災連合会、1つの市防災連合会が組織されております。特徴的な取組といたしましては、例えば、稲生地区では、小学校と地域が連携して通学途上の避難訓練を行っておりますし、久礼田・瓶岩地区防災連合会も、継続して同様の取組を実施しております。また、白木谷地区では、白木谷、上八京、下八京の各防災会と小学校及び地域が連携しての防災の集いを、毎年、実施していただいております。年ごとにテーマを決めて、防災資機材の使用方法や避難所で使用する段ボールベッドの組立て方、水消火器での訓練など、工夫を凝らした内容となっております。そのほか、三和地区、片山地区、日章地区での避難所開設訓練や、大湊地区での小学校と合同での避難訓練などを継続的に行っていただいております。
このように、地区防災連合会が地域と連携して実施する防災活動もありますが、一方で地区の自主防災会でも、例えば避難訓練と併せて防災学習を行ったり、一斉清掃の日に併せて避難路の草刈り、清掃を実施するなどの活動を行っていただいているところもあります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。それぞれの地区で特色のある活動に取り組まれていると分かりました。私も大分以前に、地元の白木谷小学校の防災の集いで、ペット同行避難についての講演を子どもたちの防災学習の中でさせていただき、大変熱心に学校と地域が防災学習に取り組んでいると感じたところです。しかしながら、今後の課題としましては、地域のこのような活動は、どうしても地域のお世話役の方の努力に全面的に頼っていることが多く、しかもそのような方は様々な役職を兼任されていたり、どんどん御高齢になっていくのに、自治会や防災会、お世話役に新しい方が入ってきてくれないというような現状もかいま見え、心配なところでもあります。これからどんどん高齢化が進み、地域での防災活動が持続可能にならなくなるのではと心配ですが、南国市はこの先を見据えた自治会や自主防災会の今後の活動についてどう考えているのかお答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 自主防災組織の活動の活性化につきましては、今、最も重要であると考えていることは、私もあなたも防災会のメンバーであるという意識を全ての住民に持っていただくということです。自主防災組織は、一部の住民で組織され活動しているものではなく、年齢や職種に関係なく、その地域にお住まいの方全てが防災会のメンバーであります。数年後を見据えたとき、この意識の醸成を強力に進めていくことが重要であると感じております。この意識を醸成することにより、それぞれの立場で、例えば子どもの立場で、子育て世代の立場で、PTAの立場で、高齢者の立場で、様々な職業人の立場で防災に参加することができると考えております。避難所ではお客さんをつくってはいけないという教訓もありますが、一人一人が自主防災会のメンバーであるという意識を持つことにより、防災活動にお客さんをつくらないという姿を実現できるのではないかと考えるところです。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。様々な立場で自分も防災に参加する1人だと、市民一人一人が感じていただけるように、工夫やアプローチがあるかと思います。私も10年以上、ペット同行避難などに関わっておりますが、ペットの飼い主として防災に興味を持っていただけるということも一つと思い、最近の啓発活動では、ペット同行避難の説明をする以前に、ハザードマップの確認や自宅の耐震化、家具転倒防止、備蓄品のローリングストックなどのお話をさせていただいております。まずは御自身が無事であることがペットを守ることにもなると話をすれば、皆さん、すんなりと自分事と捉えてくださることが増えてきたと、肌感覚で感じるところです。様々な立場の方が防災力を上げるためにアプローチや工夫をしなくてはならないと思います。
ところで、南海トラフ地震も近々起きると言われているわけですが、その頃には、恐らく今の中学生が防災活動、避難所運営等の中心世代となるわけで、今後の防災に関しての教育が本当に大切になっております。
そこで、中学生防災士の養成にも取り組む南国市における防災教育の状況を教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 中学生防災士の養成につきましては、令和4年度から開始し、3年が経過しました。この間、165名の方が防災士養成講座を受講され、99名の方が資格を取得されました。防災士養成講座は、夏休みの2日間で実施し、朝から夕方まで、合計11こまの講義を受けるものであります。中学生にとっては難しい内容もありますが、3年間で165名もの中学生が講座を受講していただいたということは、受講した中学生だけでなく、その御家庭やお住まいの地域の防災力の向上につながっているものと思います。現在、市として具体的な活動の場を設けることはできておりませんが、地域防災活動などへ参加いただいている地域もあるようです。今後、市としても活動の場を設けてまいりたいと考えております。
なお、本年度から資格取得の有無にかかわらず、自信を持って家庭や地域、学校での防災活動を行っていただくことを目的として、防災士養成講座を受講していただいた全ての中学生に「なんこく防災アンバサダー」の認定証とバッジを配布することとしております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 南海トラフの主人公になる人材づくりが大切だと思います。次世代を担う子どもたちがしっかりと防災意識を持つことこそ、将来の南国市を安全で住みやすい町にすることになると思います。中学生の皆様が志を持って資格取得を目指されていることに、心から敬意を表します。バッジをもらうことで、受講した中学生も防災に関わる1人としての意識を持つことができると思います。ぜひ今後も多くの中学生に防災士資格取得、養成講座受講に挑戦していただけたらと思います。
南国市では、毎月21日をなんこく防災家族会議の日として、家族で防災について意識を高め合う日にしております。ホームページでは、チェックシートや避難行動計画が見られるのですが、これだけだと、わざわざ開いて見るだろうかと感じてしまいました。
そこで、なんこく防災家族会議の日の周知のために、開いてみたくなるような工夫をするのはどうでしょうか。例えば、防災アンケートやクイズを掲載し、参加してくれたらプレゼントがあるというのはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) なんこく防災家族会議の日は、昭和南海地震が12月21日に発生したことから、南国市民に年間を通じて継続的に防災意識を持ってもらうことを目的として、毎月21日をその日としたところです。毎月、家族や地域、隣近所で防災について少しでも話題にすることで、本市の防災力は大きく向上すると期待をしております。このなんこく防災家族会議の日をさらに広げるためのイベントやアンケートなどについて、今後検討してまいります。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まだまだ多くの市民には周知されていないと思いますので、何らかの形で取組をしていただき、防災を意識していただけるなんこく防災家族会議の日になればいいなと思います。
今後は、人の集まるところに防災意識を持っていくことにも尽力していただきたいです。例えば、年に何回も避難訓練に参加するのは難しいかもしれませんが、特別なことではなく、子ども食堂や土曜市、各種イベントにも出かけて、市民に防災アンケートや南国市の防災への取組を紹介してみたり、南国市のアプリにもただ防災の情報だけを掲載するのではなく、高知県の防災アプリのように参加型の防災クイズの要素を取り入れてみてはいかがでしょうか。市民の中には、自助の必要性がよく分かっていらっしゃらない方も多いと思います。災害時におけるトイレ問題などについても、もっと普及啓発が必要なのではないかと思うところでして、例えば自分で簡易トイレなどを準備する重要性などを啓発するために、それほど高いものではないので、携帯トイレをもっと配布するなど、啓発活動のときにしてみてはいかがかとも思います。常に目につくところに防災を意識させるものを掲示するということであれば、令和6年度3月議会におきまして、植田議員の質問にもありました、ごみステーションに津波想定浸水深プレートを設置してみてはという提案なども有効なのではないかと思うところです。日常的に防災を意識していただき、市民との接点をつくる活動について、南国市はどのように取り組まれ、また今後どのような活動をされますでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 危機管理課では、日常の生活の場面で少しでも防災を意識していただくことを目的として、生活まるごと防災という取組を進めております。これは、南国市地域防災計画にも位置づけているものですが、市役所の各部署が実施する各種イベント等に危機管理課として参加し、防災の視点を加えるというものです。例えば、南国市の健康まつりきらりフェアには、「防災は健康から」のキャッチフレーズの下、参加したり、さわやか健康ウオーキングに参加し、ウオーキングルートに防災啓発のポイントを設置するなどをしております。また、後免町商店街で開催されております軽トラ市へ参加したこともございます。今後、生活まるごと防災の考え方をさらに広げていくために、様々なイベント等へ積極的に参加をしてまいります。
また、防災クイズにつきましても、広報紙の防災コーナーや公式LINE等で実施できるよう検討をしてまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。様々な場所に出かけて普及啓発に努められていることがよく分かりました。今後もぜひ日々の生活の中に防災意識を持てるような工夫をよろしくお願いいたします。
防災対策基本計画が改正され、その内容がこの質問を作成している間にもかなり変わってきました。7月の政府の中央防災会議で決定される内容を注視し、南国市としても、市民の命を守る防災、特に南海トラフ地震に関しましては、やはり経験したこともないような大きな災害であり、行政側の努力だけでは減災には限界があります。市民との情報共有や協力体制が、助かる命を増やすことになります。
つい先日の高知新聞に、時間予測モデルの確率計算に関する記事が出ておりました。南海トラフ地震に関しては、古文書に記された記録を基に、時間予測モデルを使って次の地震が起こりそうな時期を予測しています。その記事には、2030年、もう今から5年後ですが、その頃に発生がなければ、時間予測モデルを計算手法に使わないようにするということに関して言及しておりましたが、100年から150年間隔で起きる地震であることに変わりはなく、私たち日本人はプレートがぶつかり合い隆起した土地に暮らしており、特に地震災害からは逃げられないということを日々自覚しながら準備をしておかなければなりません。2030年代に地震が来るかもしれないという地学の専門家の見解もあります。今のうちにできる限りの準備をしなくてはいけないという意見を述べさせていただき、防災に関しての質問を終わりたいと思います。
○議長(岩松永治) 昼食のため休憩いたします。
再開は午後1時であります。
午後0時4分 休憩
――――◇――――
午後1時 再開
○議長(岩松永治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き一般質問を行います。7番斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 2番目の質問に移りたいと思います。
次に、南国市の消防について質問いたします。
高知県では、将来的な人口減少と税収見通しの不透明さ、財源確保の制約強化といった課題を背景に、令和6年11月29日、高知県消防広域化基本構想案が発表され、消防広域化に向けた議論が開始されたと承知しております。消防の広域化とは、複数の市町村が消防事務を共同で処理することを指し、国もその推進を図っております。高知県においても、この方向で、今後、議論が進むものと認識しております。市長の市政報告にもありましたが、この基本構想案をたたき台として、第1回高知県消防広域化基本計画あり方検討会が4月28日に開催されたとのことです。この検討会ではどのような話合いが行われたのでしょうか。西山議員の質問とも重複するかと存じますが、御説明ください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 西山議員にもお答えをした内容と同じになりますが、第1回高知県消防広域化基本計画あり方検討会において、県内の34市町村長及び県下15消防本部の消防長が出席し、基本構想案をパブリックコメント等で寄せられた意見を踏まえて一部修正したとして説明がございました。その説明に対し、委員からは、各自治体の財政負担や職員の処遇、組織体制に関するシミュレーションがどのようになるのか具体的なことが示されていないので、現在のところ、判断することができないとの意見が出されておりました。県は、各消防本部の予算や消防力、組織運営等に関するデータを外部機関に委託調査しておりますが、集約したものを少しでも早くお示しし、広域化したときのメリット、デメリットが明確になるように努めていきたいとの説明があっておりました。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。パブリックコメントの募集期限が1月6日であったということは知っておりましたが、これについては後ほど改めて質問させていただきます。広域化を進めるに当たり、メリットとデメリットを判断するための明確な材料が不足している現状では、議論を進めにくいと感じております。まずは、組織運営等に関する詳細なデータが示されるというところから始めるべきではないでしょうか。
消防広域化の先行事例として、10年前から取り組んでいる奈良県があります。先日、総務常任委員会として、奈良県消防広域化に参加している葛城市を視察いたしました。奈良県広域消防組合の設立経緯や管轄規模、署所配置状況、消防組合の課題などを御報告いただき、大変参考になりました。その際、委員から、広域化でデメリットはないのかという質問に対し、住民においてはデメリットはないとの御回答をいただきました。しかしながら、高知県と奈良県では、その地形、面積、人口分布、近隣県との位置関係などに大きな違いがあると考えます。高知県と奈良県の消防広域化における相違点、特に地理的人口分布の特性による影響について、市の見解をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 今回の総務常任委員会の視察先である奈良広域消防組合消防本部は、奈良県全体の約90%を管轄面積としており、消防広域化の先進地となっております。県の基本構想の内容は、同消防本部の取組を参考につくられていると考えられております。高知県と比較しますと、管轄面積は3,361平方キロメートルと半分以下であり、管轄人口は17万人ほど多い約82万人となっております。その人口は、関西圏に近い北部に集中しており、署所についても北部を中心に配置され、署所間の距離は比較的短く、応援体制等、広域化によるメリットを生かすことのできる地域であると考えます。高知県については、面積が広い上に東西に広く、署所間の距離が長いため、応援体制等、広域化のスケールメリットを生かすことが難しい地域であると考えます。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。地図で比較しても、高知県特有の東西に長い海岸線の地形と奈良県の地形は大きく異なります。また、人口が関西圏方面に集中している奈良県に対し、高知県では人口が点在している状況も、両者の違いを際立たせていると思います。確かに一度出動した場合、場所によっては署に戻るまでにかなりの時間を要することも想像できます。
その上で、近年、消防士の成り手不足が深刻化しているという話をよく耳にします。令和4年度の総務省調査によると、消防職の普通退職者のうち、25歳未満が26.7%、25歳以上30歳未満が31.6%を占めており、これは一般行政職退職者25歳未満10.1%、25歳以上30歳未満23.9%と比較して大きな差があります。少子化による人口減少に加え、成り手不足と若年層の退職者が多い現状において、今後、現場要員の人手不足がますます深刻になるのではないかと懸念しております。南国市において、消防職員の配置人数に対する不安や問題はございませんでしょうか。現状についてお答えください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 当消防本部の条例定数は、前倒し採用を含め71名となっております。また、4月1日現在の実員は66名となっております。近年、若年層や経験豊富な職員の中途退職により、定数の確保に至っておりません。救急出動の増加により、現場要員の確保が喫緊の課題となっておりますが、広域化することにより管轄の線引きがなくなるため、近隣地域への出動が必要となってきます。県は、総務等の間接部門をスリム化し、生じた余力を現場業務に振り分けるとしておりますが、具体的な人数が示されていないため、広域化後の救急出動体制がどのようになるか、注視していきたいと思います。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。南国市においても、現段階で職員定数を満たしてないとのこと、まずこの課題の解決が重要であると認識いたします。
また、南国市周辺には人口の多い団地や住宅地が近隣市にも存在してます。広域化によって、そうした地区への出動の可能性が生じるとすれば、ますます現場業務が逼迫するのではないかという懸念が生じます。パブリックコメントでは、市町村や消防関係者から138件もの意見が寄せられたと伺っております。その中でも、職員の給与、処遇、人事異動、定数、人員配置に関する意見が特に多く、具体的な議論がなされないまま広域化に向けて話が進むのではないかという不安を多くの方が抱いていると強く感じます。特に消防職員においては、憲法で保障された労働基本権が認められておらず、団結権がないため、労使合意の権利もありません。つまり、給与や労働条件などの処遇について、前提条件として確実に保障されない限り、議論を進めることは極めて困難であると考えます。この点に関して、市としてどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) パブリックコメントの意見の中で一番多かったのが、職員の処遇に関する意見で、47件あったようです。基本構想の職員の処遇等に関しては、広域化後に市町村と検討及び協議を行うこととなっておりますが、4月28日に開催されたあり方検討会において、職員の処遇に関することは広域化前に決めていただきたいとの委員の意見が多かったと認識しております。組織を大きく変える今回の取組に対して、実際に業務を行う職員の処遇を後回しにすることは、離職者等を招くおそれがあり、人員不足等により市民サービスの低下につながらないか不安に感じるところでありますので、広域化前に職員の処遇は決めてもらうよう求めていきたいと思います。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。地域を守りたいという強い思いから消防職員になられた方も多いと思います。そのお気持ちを考えると、広域化により職務遂行に支障が生じるのではないか、あるいは処遇に対する不安を抱えたままではモチベーションが維持できなくなるのではないかと心配いたします。
また、高知県においては、火災出動において、地域の消防団との連携が不可欠であり、特に南国市においては、消防職員が消防団担当者として各地域の消防団と密に連携し、良好な関係の下、市民の安全が守られていると認識しております。広域化により、消防本部が広域連合に、消防団が市町村に属するという立場の分断が生じることで、これまでの連携が取りにくくなるのではないかと懸念しておりますが、見解をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(三谷洋亮) 高齢化による救急出動件数の増加により、同時に3台以上、出動する件数が年々増加してきております。出動が重なった場合、人員を救急に振り分ける必要があるため、火災等への対応など、消防団の存在は必要不可欠となっております。西山議員にもお答えしましたが、東日本大震災以降、消防団と連携を密にし、地域防災力強化に努めてまいりましたが、広域化により、消防団と別組織になった場合、今後、火災や災害等の連携及び顔の見える関係が希薄化することも考えられ、地域防災力の低下につながりはしないか心配しておるところでございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 消防団の皆様におかれましても、これまでの連携が失われるのではないかとの不安を抱いていると伺っております。この不安が払拭されるべきであると考えます。南国市の消防団は、地域において消防本部とともに頼りになる活動をされてきた経緯がございます。広域化によりその関係性が損なわれるようなことがあれば、消防団のモチベーションにも影響が出るのではないか、重ねて心配いたします。もちろん通常業務における懸念もさることながら、発生確率がますます高まっている南海トラフ地震においては、その被害が広範囲に及ぶと想定されており、発災時には県外からの援助はなかなか期待できない状況になるのではないかと思います。そのような状況下で、広域化した消防本部が近隣市町村の被害に優先的に出動することになり、南国市は消防団と行政が公助部分を担うこととなる、あるいは消防本部との連携が取りにくくなり、消防体制が手薄になるのではないかという懸念がございますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 南海トラフ地震等により、広範囲に被害が拡大し、幹線道路等が寸断された場合、県外からの応援が遅れる可能性はあると思います。そのような状況におきましても、地域内の関係機関と連携を行い、減災につながるよう取り組まなければならないと考えております。あり方検討会における県の見解によりますと、最寄りの消防署所の幹部職員を災害対策本部に派遣し、連携して指令を出していくことになる。なお、その最寄りの消防署所の幹部職員を災害対策本部の本部員として任命することにより、連携体制を確保することも考えられるというようにしておるところで、御発言もあったところでございまして、その実効性につきましては、今後、また議論をしていかねばならないところではないかと考えております。
いずれにしましても、組織体制に関するシミュレーションがどのようになるのか、現在のところ示されておりませんので、示されてから適切に判断をしてまいりたいと考えております。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。まず、今後、広域化により具体的にどのような影響が生じるのかが明確にならない限り、適切な対応や準備を講じることは困難だということが分かりました。しっかりとシミュレーションを示された上で、南国市としてどのように対応していくのかを早期に明確にすること、そして職員や消防団の不安を払拭することが何よりも必要であると考えます。今後のあり方検討会においても、これらの点がしっかりと議論されるよう、市として積極的に働きかけていただくとともに、議会への報告も密に実施していただくよう要望いたします。
奈良県においても、平成21年、奈良県消防広域化協議会設立後、平成24年には奈良市と生駒市が協議会から脱退したという事例がございます。また、パブリックコメントでは、新体制への移行スケジュール案に関する意見が、処遇、人事異動、定数、人員配置に関する意見の次に多かったとのことです。これは、拙速に話を進めることに不安を感じる県民の声が多いことを示していると考えます。広域化実施スケジュールありきではなく、まずは納得できる丁寧な話合いを重ねていくことが、この取組において最も重要であると認識しております。今後の県民、市民の安全・安心、そして命を守るための話合いとなりますので、決して見切り発車のようなことがないよう強く要望し、消防の広域化に関する質問を終わらせていただきます。
次に、観光について質問させていただきます。
連続テレビ小説「あんぱん」の放送開始から約2か月半が経過しました。私自身、県外での研修などに参加したときに、今話題のあんぱんの舞台モデルである御免与町を有する南国市から来ましたと言いますと、多くの方から、テレビ見てます、後免なんて、面白い町の名前ですねというふうに大変好意的な反応をいただきます。以前は、高知市の隣の市で、空港があるんですよっていう話をしても、あんまり盛り上がらなかったんですけれども、やはりテレビの影響力の大きさっていうのを感じるところです。南国市がこれほど注目される好機はめったにないからこそ、この機会を最大限に生かすべきであると考えます。
そこで、まずお伺いいたします。
南国市は、「あんぱん」放映に向けて、具体的にどのような取組を進めてこられましたか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 連続テレビ小説「あんぱん」の放映に向けた南国市の取組につきましては、受入れ環境の整備、観光資源の磨き上げとして、後免町周辺における臨時駐車場等の整備や臨時観光案内所の整備をはじめ、後免町周辺ではやなせ先生の世界観が感じられるやなせライオン公園や日吉町三丁目公園のリニューアル、後免町商店街には既設のアンパンマン石像に加え、やなせ先生ゆかりのキャラクター等のシャッターアート、おもてなし体制の整備として、高知農業高校と高知東工業高校、後免町住民との連携による花によるおもてなし、やなせ先生が育った後免町を巡る観光ガイドやスマートフォン等を用いた音声ガイドツアー、そして誘客周遊施策として、海洋堂SpaceFactoryなんこくでの連続テレビ小説ドラマ展の開催、周遊クーポン事業などを行っております。また、連続テレビ小説や後免をテーマとした、観光客に対して訴求力の高いお土産品の開発を支援する中小企業振興事業費補助金におけるお土産品開発事業を設け、令和6年度は株式会社道の駅南国のごめんしょうがパイなど、5件の活用がございました。また、観光協会もこの機会に合わせ、後免観光ガイド養成講座の開催や南国市周遊観光PR動画を制作し、ユーチューブで配信しております。また、物部川エリアでの観光博覧会の取組として、2月9日にプレイベント、3月29日に香美市、30日には南国市と香南市でオープニングイベントを開催いたしました。また、これらの観光情報を提供するため、現在行っている市公式SNSによる情報発信に加え、公式ホームページのリニューアルや特設ページの制作、物部川DMO協議会のホームページ内に物部川エリアでの観光博覧会の特設ページを開設しております。また、連続テレビ小説関連の観光誘客に向けたPRについては、県内や近隣県に対しては物部川エリアでの観光博覧会、県外、海外に対しては高知県によるどっぷり高知旅キャンペーンで行われており、物部川DMO協議会等による国内外の旅行会社等との商談会やセールス、県外イベント出展での観光PRも実施してきたところでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。ドラマを御覧になった観光客の皆様が、それぞれのイメージを抱いて南国市を訪れてくださっている現状を理解したところでございますが、特に初回から舞台モデルとなった後免の町への関心が高く、わざわざ足を運んでくださる観光客の方々に対し、南国市としてもしっかりと歓迎の姿勢を示すことが不可欠であると考えます。南国市周遊観光PR動画の再生数が1.4万回に達してるというのを拝見しました。大変喜ばしいことですし、さらなる周知に期待いたします。私自身も、ごめんしょうがパイは県外へのお土産物としていつも持参しておりまして、やなせ先生ゆかりのキャラクターが大変皆様に喜ばれているというので、うれしい気持ちです。
次に、これまでの様々な取組によります経済効果の見込みについてお伺いいたします。
せっかくの「あんぱん」の効果を確実に経済的な成果へと結びつける必要があります。それによる経済効果というのは、どのくらい見込めているでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 経済効果につきましては、連続テレビ小説を生かした南国市観光施策推進事業実施計画書におけるKPIとして、物部川エリア3市全体の観光消費額として、85億7,000万円としております。令和5年度の3市の観光消費額は67億8,000万円でございますので、令和5年度から3市で17億9,000万円の観光消費額の増加を目標としております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。観光の楽しみは、もちろん景観や歴史、体験、そういうのも大事ですけれども、またその土地ならではの食とかお土産物の購入も非常に重要です。観光客の皆様は、いろんなものを見て、楽しんで、体験して、そして何か買って帰ろうという期待を持って来られているわけで、これが観光客消費額の増加にもつながります。
そこで、南国市はお土産品開発支援の補助金を用意されたということですが、令和6年度では5件の活用があったと、先ほど答弁いただきました。令和7年度のほうの活用状況はどのようになっているでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 令和7年度の中小企業振興事業費補助金におけるお土産品開発事業の活用状況につきましては、3月下旬から5月上旬まで募集を行いましたところ、1件申請がありましたので、審査会を経て交付決定し、事業に着手していただいております。なお、現在、お土産品開発事業の予算が残っていることから、6月20日を申請締切りとする2次募集を行っているところでございます。お土産品開発を御検討されている南国市内の中小企業事業者様の方がございましたら、商工観光課にお問合せ等していただけたらと思っております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。6月20日まで募集ということで、もうすぐですけれども、ぜひ多くの事業者に御活用いただきたいと思います。
ところで、9月末の放送終了までに、お土産物の増加というのは見込めそうでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) お土産品の開発につきましては、開発する商品の内容によると思いますが、昨年度の状況から一定の期間は要するものとも思っております。しかしながら、観光客が一番多くなる秋の行楽シーズンに間に合うよう開発していただくことが望ましいとの考えから、第1回目は公募を3月下旬から開始し、補助事業の完了日を年内に設定したものでございます。現在、交付決定している事業者のお土産品につきましては、秋の行楽シーズン中での販売開始に期待しているところでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。放送後の行楽シーズンってことに、そちらにも向けて準備を進めているということを承知いたしました。秋からの行楽シーズンに向けても、お土産物の販売促進、観光客の誘致、そして南国市のPRに引き続き注力していただきたく思います。
そして、お土産品の差別化にもぜひ取り組んでいただきたいと提案いたします。「らんまん」放送時には、お土産品に統一感のあるシールを貼ることで、地域全体での盛り上がりを創出していました。同様にシールを活用することで、「あんぱん」で話題の南国市を訪れたあかしとして、お土産品が一役買い、購入時の差別化にもつながります。もちろんシール貼付の判断は事業者に委ねられると思いますが、市として協力を求める姿勢は不可欠であると考えます。この点について、南国市ではどのような状況でありますでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 南国市の取組につきましては、佐川町がロゴを制作したように、南国市においても、やなせたかし先生が少年期を過ごした町としてPRしていくため、キャッチフレーズとやなせライオンを掛け合わせてデザインした南国市ロゴを制作しております。この南国市ロゴや南国市関連のやなせ先生著作のキャラクター、しょうがちゃん、ありがとう駅のセンベちゃん、ごめん生姜地蔵、やなせライオンが、市の特産品やイベントのPRとして使用することが可能であることを市ホームページや市広報1月号への掲載、キャラクター使用に関するチラシを南国市商工会の会報誌に同封しての配布、県主催のキャラクターの利活用に関する説明会を通じて、事業者への周知を図ってきたところでございます。また、お土産品開発事業の補助金を活用した事業者にも、これら南国市ロゴややなせ先生著作のキャラクターがお土産品のPRに使用できることを説明しております。
また、観光協会においては、南国市の特産品であることの目印として、商品に貼ることのできる南国市ロゴのシールを作成し、観光案内所で販売している事業者にシールをお渡しできることのお知らせを行っております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ありがとうございます。やなせライオンのシールが観光協会のほうにもありまして、私も昨日、寄って見せていただいたんですけども、とてもかわいらしい、小っちゃいけどかわいらしいシールでございます。それを事業者さんのほうにはぜひ貼っていただいて、このやなせ先生のゆかりの町、南国市をPRしていただけたらと思います。
次に、ドラマにも登場する御免与町のモデルとなった後免町の現状についてお伺いいたします。
3月30日には、JR後免駅から南に延びるシンボルロードが開通し、やなせライオン公園や観光案内所など、ようやく観光の窓口が整備されました。この観光案内所におけるお土産物の販売状況、特にあんパンの販売状況はどのようになっていますか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 観光案内所のお土産品の売上状況につきましては、3月は購入者数209人、売上金額19万7,188円、4月は購入者数558人、売上げ45万1,609円、5月は購入者数528人、売上げ41万1,272円となっております。なお、観光案内所が3月21日オープンでございますので、3月は4月、5月に比べて営業日数は少ないものでございます。観光案内所を運営している観光協会の印象では、あんパンを希望される方が日に日に多くなっているとのことで、あんパンなどは基本的に毎日1回納品してもらってますが、後免町に団体ツアーが入る日は、あらかじめ多めに納品していただくようお願いし、売り切れた際には2回目の納品をお願いしたこともあるとのことでございました。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 昨日、案内所のほうにも行ってたんですけども、平日にもかかわらず、あんパンが売り切れておりまして、あんパン、すごい売れてるんだなっていう話をしてきたところです。後免の町であんパンというイメージは、観光客の間で定番となりつつあると認識しており、売り切れは観光客の期待を裏切ることにもつながりますので、十分な供給をお願いしたいと思います。
そのほか、案内所に来所された観光客の皆さんからの問合せはどのようなものが多いでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 観光案内所での観光客の問合せにつきましては、観光駐車場の場所ややなせたかしさんゆかりの地はどこで、どうやって行くのかとの質問が圧倒的に多いとのことです。このほか、アンパンマンミュージアムや海洋堂SpaceFactoryなんこくへの行き方、連続テレビ小説「あんぱん」のロケ地の場所や、後免まち歩きガイドの概要や申込方法などの問合せもあるとのことでございます。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 後免の町は、なかなか道も狭くて、初めて訪れる方にはちょっと入りにくい町の構造ともなっております。今後、まち歩きガイドの皆様がこれまで以上に活躍できるような工夫が必要であると考えます。
あんパンの話に戻りますが、ドラマであれほどまでにあんパンを作り販売するシーンが多く描かれるとは予想しておりませんでした。私を含め、ドラマを見て、後免の町であんパンが食べたいと感じた視聴者は相当数に上ると推測いたします。後免の町には、現在営業している店舗が少ないものの、町歩き中の観光客が、あんパンはありませんかと店を訪れるケースが少なくないと聞きます。先日も県外の方から、朝田パンは後免の町でまだ営業していますかという問合せがありました。今や南国市の後免の町といえばあんパンの町というイメージが定着しつつあります。消費期限の問題や仕入れロットの折り合いがつかず、某有名店のあんパンを道の駅で置くことができなかったと聞いております。せめてこの時期だけでも、観光客の皆様に喜んでいただけるよう、道の駅でのあんパン販売は不可欠であると考えますが、南国市としてはいかがお考えでしょうか。また、ほかにも観光客が立ち寄る可能性のある海洋堂SpaceFactoryや地元の皆様が利用される南国市スポーツセンター、さらには後免の町で営業されている店舗などにもあんパンの販売協力を依頼してみてはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) 連続テレビ小説「あんぱん」において、御免与町のヒロインの実家でパンを製造販売していることから、後免町や南国市内であんパンを販売することは、ドラマを見て南国市に来られた観光客を楽しませる効果が期待できるものと思われます。しかしながら、一般的にパンは消費期限、または賞味期限が短いことから、事業者としては、販売に際し、売れ残り等の懸念もあるものと思われます。
なお、道の駅南国では、現在、市内事業者が製造するあんパンの販売を始められております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 道の駅で置いていただいてるということで、ちょっと安心しました。しかし、後免の町にあんパンが手軽に購入できる場所があまりないというのは、残念でなりません。この点については、南国市として事業者への協力依頼だけではなく、市が買い取って販売場所に設置するなどの積極的な働きかけを検討すべきではないでしょうか。様々なハードルがあることは承知しておりますが、せっかく後免の町を訪れた観光客の皆さんが、楽しみにしていたあんパンを探して、ありませんと言われてしまっては、失望を招いてしまいます。できれば常時、様々な場所であんパンを販売していただきたいと願いますが、それは難しいというのであれば、あんパンが買えるお店マップを作成する、あるいはあんパンにちなんだイベントを開催するなどの工夫もしてみてはいかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 商工観光課長。
○商工観光課長(山崎伸二) あんパンが買えるお店マップにつきましては、観光協会がごめんさんぽマップやグルメガイド等を制作しておりますので、これらのリニューアル時にその情報を組入れられないか、検討したいと思います。
また、パン屋さんなどの新規開店やあんパンなどの新商品の販売といった新着情報がございましたら、観光協会のSNS等を活用し、発信してまいりたいと考えております。
また、あんパンフェスなどのイベントの開催につきましては、物部川エリアでの観光博のプレイベントやオープニングイベントにおける企画として、県内外のあんパンを集めた販売会、全国あんパンサミットやあんパン食い競争を行いましたところ、多くの方に楽しんでいただいたことから、にぎわい効果のある企画と思っております。他市のパンフェスに出店経験のある事業者から、他市の開催事例や参加いただくパン屋さんの内容によって規模感が大きく変わることなどをお聞きしておりますので、イベント開催には、出店者に伴う規模感や開催場所、駐車場対策などの検討が必要となります。
また、9月には、連続テレビ小説放送終盤の時期での効果を狙って、物部川エリアでの観光博におけるイベントを香美市で開催することを計画をしており、この中であんパンサミットやあんパン食い競争など、パンのあんパンにちなんだコンテンツを検討しているところでございますので、これらを踏まえて、南国市での開催について検討したいと考えております。以上でございます。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) ドラマの中では、あんパンを製造販売していたのが御免与町、すなわち後免の町でした。このため、南国市は、あんパンのイメージを持って来訪される皆様に対し、しっかりとPRすべきです。あんパンにちなんだイベントに関しましては、南国市が主体となって開催を進めるべきであると考えます。ぜひ開催に向けて準備を進めていただきたいと思います。
南国市は、空港を有し、高速道路のインターチェンジ、JR駅、路面電車といった交通の利便性に恵まれながらも、長年、素通り市として観光客誘致に苦戦してきました。しかし、今回のテレビ放送により、その知名度は飛躍的に向上しました。
そこで、お尋ねいたします。「あんぱん」放送終了後を見据え、南国市は観光に関してどのような取組を計画されていますか。先日の山中議員の質問と重複する点もあるかと存じますが、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 連続テレビ小説「あんぱん」放送終了後の観光の取組につきましては、この放映を契機に、やなせ先生が育った町として、やなせキャラクターの設置や磨き上げた観光素材、整備したやなせライオン公園や日吉町三丁目公園、観光駐車場などのハード事業に加え、音声ガイドツアーや観光協会に養成していただいた観光ガイドなどのソフト事業等も生かしてまいりたいと考えております。
また、今後は、一昨日、都市整備課長も答弁いたしましたが、やなせたかしロードに新たな街灯を設置し、景観にも配慮した道路舗装を行うなど、歩いて楽しいまちづくりに向けた取組を進めていく予定としております。
また、斉藤議員の御提案のあんパンをアピールする取組、あんパンの町としてPRしていくことも一つの方法であろうというように思います。
その資源のほかに、まだ南国市には、紀貫之や国衙跡、長宗我部元親や岡豊城跡、国分寺や禅師峰寺とお遍路、戦争遺産としての掩体群など、貴重な歴史や文化もございますし、国内外に高い知名度を有し、大きな情報発信力を持つ海洋堂の関連施設である海洋堂SpaceFactoryなんこくもあるところでございます。今は、連続テレビ小説の放映に加え、各種メディアがやなせ先生ゆかりの地として、南国市や物部川エリアを取り上げていただいているところでございますが、これら観光施設等の情報を、高知県の観光キャンペーンなどと連携して、引き続きPRしてまいりたいと考えております。
そして、物部川DMO協議会には、これらの情報を国内外の旅行会社等へ旅行プランとして、引き続き積極的に売り込んでいただきたいと考えております。特に観光ガイドにつきましては、利用していただいた観光客から好評価をいただいているとお聞きしております。グルメもそうですが、旅先での人との交流は、旅の思い出となるものの一つでございます。私たち一人一人がよろこばせごっこの精神を発揮し、南国市に来られた観光客に一つでも多くよい思い出を持ち帰っていただくことが、再度の来訪、リピーターの獲得へとつながるものと思っております。連続テレビ小説放映後につきましても、これらの取組によって、国内観光客とともに、クルーズ船等を含めた外国人観光客の誘客も図ってまいりたいと考えるところです。以上です。
○議長(岩松永治) 斉藤喜美子議員。
○7番(斉藤喜美子) 観光ガイドに関して大変よい評価をいただいているとのことを喜ばしく思います。6月11日の高知新聞には、やなせさん母校の児童3人ガイドにという見出しで、後免野田小学校の児童3名が、6月19日から7月14日まで、観光案内ガイドとして活動されるとの記事が掲載されていました。これはすばらしい取組であり、ぜひ多くの方に利用していただきたいと願います。御答弁にもありましたとおり、やなせ先生が大切にされたよろこばせごっこの精神が、南国市の子どもたちにもこのように受け継がれていくことは、先生が最も喜ばれることではないでしょうか。私たち大人は来訪してくださった方々を大切にし、喜んでいただけるような活動を通じて、地域への愛情を育む背中を子どもたちにも見せるべきです。自分たちが育ったふるさととして、後免の町や南国市、高知県を深く愛し、大切にされたやなせ先生の郷土愛の精神を次の世代に受け継ぐよい機会と捉え、また史跡や歴史文化、戦争遺産である掩体壕などを有する南国市として、観光行政を強化し、これを生かした教育にも力を入れていくよう御提案を申し上げ、今議会での私の一般質問を終えさせていただきます。それぞれ御丁寧な御答弁をいただき、誠にありがとうございました。