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議会議事録

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一般質問2日目(丁野美香)

質問者:丁野美香

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(岩松永治) 9番丁野美香議員。
      〔9番 丁野美香議員発言席〕
○9番(丁野美香) 議席9番、なんこく市政会の丁野美香です。
 通告に従いまして、順に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、災害時のトイレについてです。
 災害時のトイレ対策は、被災者の健康や衛生環境を守る上で非常に重要な課題です。トイレが適切に確保されない場合、感染症のリスクが高くなったり、避難生活におけるストレスも増加します。そして、避難所などでのトイレの数が足りなくて、暑さや寒さや天候や季節も関係なく、外では長い行列ができることもあります。子どもたちや高齢者、そして障がい者の方にとっては、本当に大変なことだと思います。
 災害が発生すると水道や下水道が使えなくなり、自宅で自主避難されている方も、家庭で使用する通常のトイレが機能しなくなることもあります。トイレパニックで災害関連死のリスクが高まるとまで言われています。それぐらい災害のトイレ対策ということは、食料や水と同じくらい重要となりますが、現在南国市で災害時に想定されている仮設トイレはどのような対策をされているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 現在本市の災害時トイレ対策として、ポータブルトイレなどの便座と排せつ物を固化させる処理剤等の備蓄を進めております。併せてマンホールトイレにつきましても順次整備してしております。
 具体的には、便座としてポータブルトイレを約700基、自動ラップ式のトイレを48基、備蓄をしております。また、ビニール袋やごみ袋がセットになった処理剤、いわゆる携帯トイレを13万5,750回分備蓄をしております。また、マンホールトイレを篠原の都市公園内に2基、地域交流センター内に5基整備しております。また、次年度大篠小学校に9基、十市小学校に6基整備する予定であります。また、新設図書館にも3基整備予定です。併せて次年度トイレカーを1台導入することを検討しております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 携帯トイレの備蓄やマンホールトイレの整備とトイレカーなど対策をされているようですが、災害時、トイレ環境が悪いと避難生活が苦痛になり、体調を崩してしまう方も増えます。ストレス軽減のためにも、快適なトイレ環境の確保は不可欠です。
 先ほど野村課長が言われました対策も大変必要なことですが、携帯トイレやマンホールトイレなど、仮設トイレを設置した場合のし尿処理に困ってしまいます。
 そこで、そういった問題点などもクリアできる仮設トイレに対して、前にも質問させていただいた災害トイレ2Ways大地くんという地下タンク式の仮設トイレがありますが、そのとてもすばらしい災害時の仮設トイレについて、危機管理課野村課長は視察にも行ってこられたとお聞きしました。そのときの感想をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 昨年の11月21日に高知県の主催で春野運動公園内に設置している埋設型の災害トイレの視察に参加しました。トイレ資機材を収納した貯留タンクを地下に埋め込み、発災時に資機材を取り出し、組立て、使用するものです。
 視察の際は、見学だけでなく、私も実際にタンクから資機材を取り出し、設置する作業も行いました。タンク内から重量物を地上へ上げる際にも、手動のリフトで荷揚げできるなど、工夫がされておりました。設置されたトイレは、通常の公衆トイレや仮設トイレと同様の使用感で、災害時でも衛生的に使用できると感じました。整備するスペースの制約が少ないことも特徴であると感じております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 災害トイレ2Ways大地くんは、災害時の仮設トイレを設置するときの課題であるトイレ不足やし尿処理、悪臭の発生などの衛生問題、そして高齢者や障がい者にはバリアフリー対応のトイレといったこともほとんどクリアしているのではないでしょうか。何より仮設トイレの設置場所の確保などの問題も、地下に埋め込みで造っているので心配がありません。地震や洪水で下水道が壊れると汚水が流出し、周辺機器を汚染します。しかしながら、適切な災害トイレを備えることで、環境汚染を防ぐことができます。この災害トイレ2Ways大地くんだと、シェルターが便槽となり、仮設トイレ100基分の大容量となり、500人が30日間使用可能となります。
 そこで、昨年の一般質問のときにも、ぜひ南国市でも取り入れていただきたいというように質問をさせていただきましたが、そのことに対してその後の進展はありましたか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 先ほど答弁いたしました災害時の災害トイレ対策に加えて埋設型のトイレを整備することは、当面の間トイレの対応に係る人員が少なくて済むことや、大人数が長期間衛生的に使用できるという利点がありますので、導入してまいりたいという思いは危機管理課長として非常に強く持っております。しかしながら、現在の厳しい財政状況の中で、この災害トイレ整備は費用面の負担も大きいことから、次年度への予算計上は見送ったところです。
 今回、国が能登半島地震を受けての課題解決のための施策を実施する目的で、新しい地方経済生活環境創生交付金(地域防災緊急整備型)制度を創設し、3月補正において予算措置がされたところです。こちらの交付金の活用も検討いたしましたが、この交付金はあくまで資機材整備が中心で、工事を伴う災害トイレは対象とはなりませんでした。災害時のトイレの重要性とその解決策としての埋設型災害トイレの必要性は十分に認識しておりますので、ほかの財源がないか確認し、何とか整備につなげたいと考えております。
 なお、先ほどの国の交付金につきましてトイレカーは対象となることから、トイレ対策の一環としてトイレカーをこの交付金を活用して導入するべく、3月補正へ計上しております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 毎回厳しい財源状況をできない理由として言われますが、野村課長もおっしゃられておられたとおり、この災害トイレ2Ways大地くんは災害時の各種トイレ対策に加えて、埋設型のトイレを整備することで当面の間対応に係る人員が少なくて済むことや、地域のトイレ不足を解消し、そして何より一番の問題であるし尿処理も大容量の貯水槽で500人が30日間使用可能、そして自然排気型臭突管と太陽光パネルでトイレ内の臭いも軽減、一度設置するとメンテナンスも要らず、誰でも簡単に組み立てられる仮設トイレです。
 先ほど次年度トイレカーを導入するとお聞きしましたが、1台というとなかなか台数も足りなかったりします。メンテナンスにも費用もかかります。この災害トイレ2Ways大地くんだと、最初に導入する費用として市としての負担も大きいかと思いますが、一度設置するとあとはメンテナンスもほとんど要りません。国交省の補助金などをうまく活用して、何年かの計画的な導入を考えていただきたいですが、いかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 今後、災害トイレを整備するための財源として、国交省所管の社会資本整備総合交付金の活用も視野に入れて計画的な導入を検討してまいります。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) よろしくお願いいたします。
 次に、子育て支援課長野課長にお聞きしますが、以前にこの災害トイレ2Ways大地くんのことを質問させていただいたときに、今度新たに高台移転する十市保育園、稲生保育園の建設のときに、ぜひ設置してくださいということをお願いしていたのですが、御検討いただけましたでしょうか。そして、その後どうなっているのかをお聞きします。
○議長(岩松永治) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(長野洋高) 丁野議員から御提案をいただいてます災害用トイレは、災害時のトイレ対策について有効な方法の一つであると考えます。
 ただ、保育施設につきましては、災害発生後、安全の確保をしながら、できるだけ早期に運営の再開をする必要があることから、整備を進めています十市、稲生保育園について、発災時の一時避難場所としての活用を検討することを考えております。
 また、トイレ対策も含めて、発災時、それ以降の住民の生活への対応について考えるときには、避難所となっている十市小学校との兼ね合わせも含めて考える必要があります。十市、稲生保育園の移転園舎については、これから設計に取りかかる予定をしていますので、その作業の中で先ほど御説明させていただいたこと、また資材等の高騰による事業に対する予算規模等のことも考慮しながら検討していかなければならないものと考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 避難場所となっている十市小学校のマンホールトイレだけでは十分な対応はできないことだと予想されますので、保育園を災害発災後早期に運営再開をすることを優先することも大事ですが、避難が長期になることも想定して、とても深刻な問題になってくるトイレ対策も考えていただきたいので、よろしくお願いいたします。
 今回この質問をさせていただくことを踏まえて、先日私もこの災害トイレ2Ways大地くんを見学してきましたが、思っていたよりも貯留タンクも広くて、備蓄品を収納するスペースとしても十分活用できますし、設置されたトイレは通常の公衆トイレと同じような使用感があって、衛生的にもいい感じでした。やはり災害時のトイレ問題は本当に重要なことだということも実感できました。
 今年1月には、医療介護従事者らを対象にした防災フォーラムが高知市で開催されたそうです。災害時のトイレ事情をテーマにした講演や、防災用品の展示などがあって、参加した方の備えの意識も高まったそうです。1995年の阪神・淡路大震災や2018年の西日本豪雨などの際に、トイレが排せつ物でいっぱいになったと言われていますが、2024年元旦の能登半島地震では仮設トイレの設置に2週間以上かかったところもあったそうです。そして、住民は穴を掘って、用を足さざるを得なかったそうです。阪神・淡路大震災から状況はほとんど変わっていないということでした。トイレ問題は本当に深刻です。災害トイレは命を守る重要なインフラの一つです。ぜひ現在まだ御検討されてないのであれば、進めていっていただきたいです。
 南海トラフ地震は必ず発生すると言われています。そのときになっての対応では遅過ぎますので、早くから準備を進めることが大事です。そこで、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) 阪神・淡路大震災をはじめ、大災害時のトイレ環境の悲惨な状況ということは、様々な教訓として残されておるところでございまして、その教訓を基にトイレ対策も進化しておるところでございます。この埋設型災害トイレもその一つであるというように思います。トイレ問題は、災害関連死とも密接に関連しておるというように、議員のほうからもお話しいただいたとおりでございまして、助かった命をつなぐ対策としては非常に重要であるというように認識しております。
 埋設型の災害トイレ整備につきましては、非常に大切なことであるという認識は持っておりますが、費用面の負担も大きいところでございますので、危機管理課長が答弁いたしましたとおり、社会資本整備総合交付金等も含めて有利な財源がないかなど確認し、今後対応してまいりたいというように思います。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ぜひお願いします。
 現在この災害トイレ2Ways大地くんは、南国市では北部に2か所、NEXCO西日本と日本赤十字社高知県血液センターだけにしかありません。基本的に浸水区域への設置はできませんが、南部地域の孤立してしまうような場所への設置は命を守る上でも重要なことではないでしょうか。500人が30日間使用できるということは、一般的な仮設トイレ100基分、トイレカーだと30台分に相当します。そして、使用用途のない地下にトイレを収納できるため、新たに防災倉庫などの収納スペースを準備し、確保する必要もありません。そして、設置後は30年以上の耐久性があり、メンテナンスも必要ありません。
 高知県では、現在22か所、30基が導入されていて、安芸市では9か所、17基あり、補助金などを活用して5か年計画で設置されたそうです。この先発生するであろう南海トラフ地震のことを考えると、この災害トイレが必要だと思えるのではないでしょうか。どうか今後ぜひとも市長や関係課長には導入に向けて考えていただきたいので、引き続き御検討よろしくお願いいたします。
 それでは次に、聴覚障がい者の防災についてです。
 災害時に聴覚障害のある方をどうやって支援することができるのかということは、とても大事です。聴覚障がい者の方たちは、災害時にサイレンの音が聞こえず逃げ遅れたり、避難所で孤立する可能性があり、目に見える形での情報発信を求めています。阪神・淡路大震災の避難所では、聴覚障がい者の方が配給に気づかない例があり、その中には手話も分からない方などもいて、意思疎通には個人差があったそうです。
 そこで、避難所での情報発信には、字だけではなく、絵やイラストなどをつける工夫が大事だと言われているそうですが、そういったことの周知を行政のほうではされているのでしょうか、教えてください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 避難所での情報発信の方法として、避難所運営マニュアルでは掲示するポスターなどについてはできるだけイラストを用いるなどをしております。また、平時の啓発として、避難所運営ゲームなどを使用した防災学習などでは、避難所運営の際には分かりやすい情報掲示をすることが重要であることを伝えるなどしております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 避難所での情報発信としてのイラストや絵などでの目に見える形でポスターの掲示もされているということですが、各種避難所でのマニュアルや避難所運営キットのようなものにも取り入れているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) かねてから丁野議員より御提案いただいておりました避難所開設キットを今年度作成いたしました。この開設キットの中に、6月議会で松下議員より御紹介いただきましたコミュニケーション支援ボードを配置しております。このコミュニケーション支援ボードは、イラストなどを多用し、スムーズなコミュニケーションを図ることができるものであります。今後も分かりやすい情報発信ができるよう工夫を図ってまいります。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
 避難所開設キットを今年度作成されて、その中にコミュニケーション支援ボードを配置していただいているということで、大変心強いです。
 では、聴覚障がい者の方だけでなく、高齢者の方でも少し耳が聞こえづらくなっている方や外国人の方たちが避難所で情報を受け取るときの情報発信は、分かりやすいものになっているのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 先ほど答弁の中で触れましたコミュニケーション支援ボードには、五十音のあいうえお表なども組み込まれており、高齢の方でも指さししてコミュニケーションが図れるものとなっております。
 また、外国人の方につきましても、多言語指さしボードを配置し、最低限のコミュニケーションを図ることができる対策を行っております。
 あわせて、8言語に対応している高知県防災アプリについて、3月号広報では多言語で紹介するなど、外国人の方の災害情報収集についての啓発も行っております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 高齢者には指さしボード、外国人の方たちには8言語に対応する高知県防災アプリを紹介されるということで、少しは安心しましたが、状況によっては救助や支援をしている方がマスクを着用して対応しなくてはならないときなどは、ピクトグラムを提示することが役立つことだと思います。
 前に消防長に質問をさせていただいたときに、消防車両に災害対応ピクトグラムを配置していただきたいとお願いしたのですが、そのときの答弁が導入するに当たって事例の研究をしていくということでした。その後、進展はありましたでしょうか。そして、まだ導入されていないようでしたら、ぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(小松和英) 丁野議員からは、令和3年12月議会に御提案いただきました災害ピクトグラムにつきましては、先進地岡山市から情報を受けまして、現在「歩いてこちらへ」「タグをつける」「服を袋へ」「ポンチョを着る」などのピクトグラムを、多くの傷病者が発生する事故対応として、トリアージシートなどと併せて準備をしております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。
 災害対応ピクトグラムを用意して保管されているということは、大変心強いことです。多数傷病者が発生したときには、本当に必要だと思います。よろしくお願いいたします。
 では次に、一部の自治体や消防車両には視覚情報を活用したサイレン連動LED表示などの取組が進んでいます。消防車両に視覚障がい者の方たちに伝わりやすい機能があるということは、とても安心できて、心強いのではないでしょうか。南国市消防では取り組んでいるのでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 消防長。
○消防長(小松和英) サイレン連動LED表示につきましては、消防車両及び高規格救急自動車に装備をいたしております。
 効果としましては、正面への強力な発光とワイドな視認性、また発光パターンを変えることで、より遠くからでも確認ができる仕様となっております。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) サイレンの音というのは、場所によっては聞こえにくかったりします。視覚障がい者の方ではなおさらだと思いますので、発光パターンを変えて知らせることができると分かりやすくていいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、先日の新聞で聴覚障がい者協会の方が言われていた記事に、手話を勉強中の人に防災士になるように勧めていて、少しでも理解者を増やすことで、避難所で不安になる方が減るよう活動したいというふうに掲載されていました。
 本市でも中学生に防災士試験の補助が出ていますが、ぜひ手話を勉強されている方や聴覚障がい者の方に対しての補助をお願いしたいですが、いかがでしょうか。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 本市が実施しております中学生に対する防災士養成講座は、若い世代の防災士資格取得を通じて、地域の防災力向上を目指して実施しているものであり、継続的に実施する必要のあるものです。
 手話通訳者や障がい者の方の資格取得は確かに大切なことではありますが、中学生に対する養成講座を実施する中で、新たな対象者に対する補助を行うことは財政的に厳しい状況です。高知県でも県民に対する防災士資格取得講座を例年実施しておりますので、こちらを活用いただければと思います。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 聴覚障がい者が防災士を目指す上でのメリットに、聴覚障がい者の防災支援が手話や筆談での防災啓発活動としてできるのと、避難所での情報格差を減らすための活動が可能であること、そして自身の防災力向上と周囲の理解促進に貢献できることがあります。聴覚障がい者が防災士になることで、災害時の情報伝達や避難支援の改善に貢献できるため、とても意義のある資格取得となるのではないかと思いますが、どうでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 危機管理課長。
○危機管理課長(野村 学) 災害時だけでなく日常生活でも、その立場にならないと分からないこと、気がつかないことが多くあります。特に災害時にはそのことが顕著に現れる状況となります。議員の御意見のとおり、聴覚障害のある方など、様々な立場の方が防災士資格を取得することにより、災害時の多様な困難に立ち向かうことができると考えます。そのような意味で資格取得は大変意義のあるものであります。以上です。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 先日も地震が発生し、やはり南海トラフ地震に対しても危機感が増してきているかと思われますが、災害時に活用できることの一つとして、聴覚障がい者の方が防災士になることで、一人でも多くの方の助けになれるのではないでしょうか。市として支援できることは、ぜひ今後必要なサポートや補助制度の充実に向けて後押しをお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、こども議会についてです。
 未来を担う子どもたちに行政や議会の仕組みを学んでもらい、市政や議会活動、まちづくりに関心を持ってもらうことを目的として、全国的にも開催されているところも多いこども議会について、昨年京都府久世郡久御山町に視察研修に行って学んできました。
 久御山町は、小学校が3校、中学校が1校、高等学校が1校という、南国市よりも人口も少ないところですが、こども議会を平成18年から5年に一度の周年行事として取り組んでいるそうです。最初は試行錯誤されて、5年前までは小学校、中学校だけで開催されていたのですが、昨年の8月に開催したときには町制施行70周年ということで、高校生も参加されたそうです。代表者10名で、高校生が議長を、中学生が副議長を務めたそうで、実際の様子をビデオで見せていただいたのですが、町長をはじめ執行部も全員参加で、こども議員の方たちの質問も本格的で、その内容も大人顔負けでした。質問は1人1問だけなのですが、とてもいい質問をしていました。
 例えば、久御山町には電車の駅がなく、隣町の駅からバス利用しなくてはならないという不便さがあるので、新駅を造ることを要望や、町の夜間暗い場所の街灯設置や町民プールに屋根を設置してほしいなどでした。そして、それに対しての執行部からの答弁も、物すごく丁寧に本当の議会のようでした。子どもたちも各学校で質問を準備して、内容を勉強することに2か月ほどかけて事前学習で学んできていました。そして、それに対しての執行部の皆さんの準備も本当にかなり大変なことだとは思いますが、ぜひ本市でも取り組んでいただきたいですが、いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 令和6年9月議会で教育長が土居恒夫議員の御質問に答弁しましたように、令和7年度は以前から行っておりますドリームトークを4中学校合同で議場において実施するよう計画をしておるところでございます。現在4校の校長、担当者とも話を進めております。現在、生徒会の役員の改選時期や部活動の大会日程、生徒全体へどう浸透させていくかを考えながら、日程調整を進めているところでございます。日程が決定いたしましたら、議員の方々にも御連絡をさせていただく予定となっております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 現在ドリームトークを議場で実施する方向で動いているということで、ありがとうございます。
 高知県でも幾つかの市町村でこども議会に取り組んでいるところがあるのですが、その一つに安芸市では、昨年市制施行70周年記念に、市内に8校ある小学校の4年生から6年生の代表者16名が登壇して、開催したそうです。市政に対する理解を深めてもらおうと、安芸市と市教育委員会が開きました。
 ほかにも仁淀川町では、町政を身近に感じてもらおうと15年ぶりの開催を昨年11月21日にされたそうです。池川中と仁淀中の生徒10人が議場に入り、日頃の生活や授業を通じて考えた質問を町長らにぶつけ、町の人口減少対策や観光政策などについて理解を深めたそうです。
 そこで、市長にお答えいただきたいですが、今年は南国市では市長選や、そして参議院選挙もあります。市政や選挙に興味を持ってもらえるように、ドリームトークを議場でやっていただけるといううれしいお答えをいただきましたので、今後定期的に、そして特に安芸市のように南国市の市制70周年のときには、ぜひ本格的なこども議会開催を考えていただきたいですが、いかがでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 市長。
○市長(平山耕三) こども議会の開催につきまして、学校教育課が答えたとおり、開催に向けて準備を進めておるということでございまして、開催するという方向はそれはもう決定であるというようにも思っております。
 ただ、その内容につきまして、どの程度熟度を上げていくかっていうのはちょっと時間をかける必要もあろうかと思います。そこを安芸市のようにどこまで短い期間で熟度を上げていくかっていうのは、今後検討してまいりたいというように思います。以上でございます。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) まずは、このドリームトークを議場でのこども議会へとつなげていただき、選挙に興味を持ってもらえるようにいろんな工夫が大事だと思います。その一つに、こども議会に向けて開催するに当たっては、中学生だけでなく小学生も一緒にということも考えていただきたいですが、昨年の5月に総務常任委員会で福岡県那珂川市へ投票率向上の取組について視察に行ってきました。そのときは近年の選挙での投票率の低下を懸念して、小学校で模擬選挙を実施しているということを学んできました。やはり行政や議会もそうなのですが、まずは選挙権ができる前から、どのようにしてまちづくりがされているのかを小学校から学ぶことも大事なことではないでしょうか。そして、小学校、中学校と連携してこども議会に取り組んていただきたいのですが、そのときに単発のイベントにせずに、継続的に何年かに一度実施して、子どもたちの意見が社会に反映されるような仕組みをつくるように考えてみてはいかがでしょうか。
 そこで、まずは議場への傍聴に市内の小学生、中学生を呼んでいただきたいですが、いかがですか、お答えください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 議会を傍聴できる日は平日でございますので、例えば、社会科の授業の一環として市役所へ足を運んでいただき、議会を傍聴するということも考えられますが、議員の方々が質問される内容や執行部の答弁の内容が子どもたちに理解できるかは事前に確認することができません。要望があれば議場で傍聴ができるよう調整をしたいと思っております。
 また、南国市議会の様子は閉会後であってもユーチューブで確認することができますので、子どもたちにも身近な質問、答弁を授業の中で使うことはできるのではないかと思っております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ユーチューブでの確認もいいかもしれませんが、議場での臨場感を感じることは子どもたちの感性も広がって、とてもいい体験となるのではないでしょうか、よろしくお願いいたします。
 ほかにも提案として、定例議会の前にこども議会を開催して、そのときの議事内容など、結果を市議会の本会議で報告するなど、行政と関わる仕組みをつくるということは、政治や選挙への意識も高まり、子どもたちも自分たちの声が届くという実感ができることは、成長して投票権ができてからも関心が高まり、投票率向上にもなるものではないかと思いますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育次長。
○参事兼教育次長兼学校教育課長(溝渕浩芳) 子どもたちの発達段階にもよりますが、子どもたちの願いは、まず身の回りの生活から始まります。学校では、よりよい学校づくり、学級づくりをするために、学級活動の時間に話合い活動を行い、児童会、生徒会活動の中で話合い活動を行いながら、人間関係形成、社会参画、自己実現という3つの視点を持って教育を進めているところです。
 生徒会活動の中で出てきた声については、ドリームトークで直接市長に要望を伝えることができ、多くのことが実現しております。今回計画しております中学生が参加するこども議会において、議場で自分たちの声を届ける、自分たちの声が届く、大きな体験にしてもらいたいと考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) こども議会は社会参画の意識を育てる重要な学習機会であるということで、教育上での価値が上がります。議会の仕組みを知って、自分たちの声が社会を動かすという経験をできます。そして、異なる立場や価値観を持つ人と議論をする経験もできます。地域や学校の問題点にも目を向ける機会にもなり、実際に提案する力も身につきます。総合的な学習の時間や探究活動とも組み合わせることもでき、大人と直接関わることで社会とつながる経験もできるということで、子どもたちの成長につながるのではないかとも思いますが、教育長の御意見をお聞かせください。
○議長(岩松永治) 教育長。
○教育長(竹内信人) こども議会の件についてでございますが、昨年市長とのドリームトークの中で子どもたちからの意見で、4校合同の生徒会の何か事業をやることはできないかという意見がございました。そういう意見もありましたので、ドリームトークをこども議会に移行する形で現在計画をしております。
 子どもが要望したことを実現するという意味において、こども議会は非常に意義があるんではないかというふうにも思っております。現在各校長にも伝えて計画を立てておりますが、日程調整に非常に難航しているところでございます。といいますのも、この事業というのは生徒会が中心になって行われるものですので、例えば夏休みは部活動の大会、四国大会、全国大会を含めまして、そういった大会がありますし、岩沼市との交流事業もあります。また、2学期中盤は生徒会執行部の改選、学校行事、これは修学旅行とか、体育大会とか、そういう中で生徒会が準備に時間をかける必要があることが非常に多くて、そういう面で日程調整に時間をちょっとかかっております。現在そういった中で、担当の指導主事が調整をしている段階でございます。
 こども議会というのは、主権者教育の一環として社会や政治の接点ともなる、またとない機会と考えておりますので、議場の雰囲気とかも味わっていただきたいと思っております。これを一部の代表になった子どもさんだけの財産とせずに、学校全体が恩恵を受けるような、先ほど次長の話にもありましたユーチューブを活用するなど、そういったことに準備をしてもいきたいというふうに思っております。実際に実施する場合には議員の皆様の御協力も必要になってこようかと思いますので、その際にはまたよろしくお願いしたいと思います。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) ありがとうございます。日程調整も大変だと思いますけれども、来年度のこども議会に向けて、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、こども議会で子どもたちから議会や選挙に興味を持っていただくことも大事ですが、投票率向上に向けては南国市の期日前投票所が市役所の1か所だけというのはいかがなものでしょうか。たくさんの方が思っていることで、今までも何人もの方が質問もされてきたことですが、せめてサニーアクシスなど、買物ついでに投票できる場所を構えていただきたいです。
 投票日当日は、仕事や予定がある人も前もって仕事帰りに行きやすくすることも大事だと思いますし、子どもたちと一緒に買物途中に投票ができるということも、大人が気軽に投票しているところを見せることも教育の一環となるのではないでしょうか。ぜひ御検討いただきたいですが、どうでしょうか、お答えください。
○議長(岩松永治) 選挙管理委員会事務局長。
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(松木和哉) 期日前投票所につきましては、全体の投票率が低下傾向にある中、期日前投票者数の割合は高まってきておりまして、これまでも市役所以外の新たな開設について検討を続けてまいりました。
 昨年11月には、量販店で期日前投票所を開設をしております、いの町に出向きまして、ネットワーク構築や費用面、また人員体制等について研修を行ったところでございます。しかしながら、現時点では依然として投票管理者や立会人などの人員確保、また事務局の体制が課題となっておりまして、本年7月に予定しております選挙では量販店等での開設は難しいという状況にあります。
 ただし、若年層の投票率を上げる取組といたしまして、高知高専におきまして選挙期間中の1日のみとはなりますけれども、学校内に期日前投票所を開設することにつきまして学校側と協議を進めております。これが開設となりましたら、システム構築や人員配置のノウハウが一部蓄積もできますので、これからまた投票のしやすい環境づくりについてつなげていきたいというふうに考えております。
○議長(岩松永治) 丁野美香議員。
○9番(丁野美香) 市役所以外への開設に向けて検討を続けていただき、高知高専へ選挙期間中にまずは1日だけでも開設してもらえるということはすばらしいことだと思います。若年層、そして高校生から選挙権のある人もいますので、若い世代の方が選挙に興味を持ってもらうきっかけとなり、行政に対しても意識を持って大人になる教育の場としてもいいことだと思いますので、今後も展開を広げて期日前投票所を増やしていただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。
 以上で私からの質問を終わらせていただきます。丁寧な御答弁ありがとうございました。

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