えんこう祭
担当 : 商工観光課 / 掲載日 : 2016/07/25
古くから土佐では、子供の水難事故防止のため「こんな(夕暮れや大水の)時に川へ行きよったらえんこう(河童)に川へ引っぱり込まれるぞ。」などと警告したものでした。
水難除けを願い、田園の初夏、前浜、久枝の後川筋では、小・中学生の子どもたちが主役になって、えんこう祭りが盛大に行われています。
「えんこう」とは河童、または、河童によく似た妖怪のことで、水のシーズンを前に、えんこうの住む後川を清掃して清めたあと、男の子たちが刈り集めたヨシやショウブの葉で、集落ごとの橋のたもとにお社をつくり、ちょうちんを飾ります。みずみずしい香りのただようお社に、えんこうの好物であるキュウリやお酒などを供え「どうか水の事故にあわないように」とえんこうにお願いするのがこの祭りです。
かつては県下の各地区で行われていましたが、次第にさびれてしまい、今はこの後川筋で引き継がれているだけとなったようです。
川辺に夕やみが迫る頃になると、お社やその周辺のちょうちんに灯がともり、子どもも大人もお社に祈願し、そのあと花火を打ち上げ楽しくすごします。
すっかり暗闇になると、お母さんたちの心づくしのご馳走が待っており、水難を払いのけ晴々しい気持ちでご馳走をいただくこととなります。
初夏の風韻とあいまって神秘的であるとともに、純真な子どもの心が今も伝えられている祭りです。
開催日 |
6月第1土曜日 |
所在地 |
高知県南国市前浜・久枝地区 |