令和5年度虚血性心疾患に関する重症化予防事業に協力しました
本事業は、高知県が、ノバルティスファーマ株式会社及び国立大学法人高知大学と締結している『循環器疾患対策に関する産官学連携協定』の一環で実施しています。
令和5年度は、南国市が協力させていただきましたので、以下に報告致します。
【虚血性心疾患とは】
動脈硬化や血栓で心臓の血管が狭くなり、心臓に酸素、栄養がいきわたらず、運動やストレスで前胸部などに痛み、圧迫感といった症状を生じる状態です。疾患名としては、心筋梗塞、狭心症等があります。
ご家族の中に、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満、心疾患等の罹患歴がある方は、虚血性心疾患になりやすい傾向があるといわれています。
【事業の目的】
虚血性心疾患重症化リスクを持つ方に対してアプローチすることで行動変容を促し、適切な生活習慣の推進及び医療アクセス推進により、心疾患に関する地域住民のヘルスケアを向上させること、並びに高知県における虚血性心疾患重症化予防事業の展開に活用できる成果及びアウトカム評価結果を取得することを目的としています。
【南国市の現状】
男女ともに虚血性心疾患による死亡が全国よりも起こりやすい状態であり、経年では女性が悪化傾向です。
(統計は、第3期データヘルス計画をご覧ください↓)
【事業の内容】
南国市国民健康保険加入者の特定健診結果、医科・調剤レセプトデータを分析し、虚血性心疾患発症のリスクが高い方に対し、右の通知(抜粋)により医療機関への受診を勧奨を行いました。なお、リスク度に応じて通知の内容を変えました。
【通知送付者】 404名(全対象者 4,393名)
【評価結果】
通知を送付した方(介入群)と通知を送付しなかった方(コントロール群)を比較し、本事業の成果を検証しました。
(1)医療機関を受診(血液検査)をしたか?
介入群は、コントロール群と比較し、1.5倍高く、受診した。
(2) 受診により診断名がついたか?
介入群は、コントロール群と比較し、2.2倍高く、『脂質異常証』と診断された。
(3) 薬剤治療につながったか?
介入群は、コントロール群と比較し、薬剤治療率が2.7倍高かった。
詳細は以下をご覧ください。
【事業を終えて】
通知した方から『自分が、健康な方より心疾患発症のリスクがあると気づき、生活習慣の見なおしに繋がった』との声もありました。
また、普段の保健事業において受診勧奨を行わないリスク度の方に対し、通知したことで、結果的に薬剤治療に繋ぐことができ、虚血性心疾患予防に効果があったと考えています。
今回ご協力いただきました各医療機関の皆様には、感謝申し上げます。今後も南国市保険行政にお力添えをお願い致します。
問い合わせ先
市民課国保係
電話 088-880-6555
FAX 088-863-1523
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