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検索結果 »  平成28年 第393回市議会定例会(開催日:2016/12/02) »

一般質問2日目(高木正平)

質問者:高木正平

答弁者:市長、副市長、関係課長


○議長(西岡照夫君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。8番高木正平君。
      〔8番 高木正平君登壇〕
○8番(高木正平君) おはようございます。
 一般質問2日目、早速質問をさせていただきます。
 前浜防災コミュニティーセンターが完成いたしました。長年の念願が結実した感動はひとしおで、感慨無量でございます。市長、教育長を初め、生涯学習課長、危機管理課長、またそれぞれの課の職員の皆様に心から御礼を申し上げます。
 平成25年7月11日でございましたが、前浜公民館へ、市長、生涯学習課長、危機管理課長にお越しをいただき、改築に関する懇談会を開かせていただきました。以来、地元の提案も受け入れていただくなど再三の協議を重ねまして、念願の完成に至りました。
 かつて村役場や私の母校、前浜小学校など今はありませんが、前浜の標、目じるしという場所、地域のポイントでもある適地に、南海トラフ地震、津波の浸水予測地である意味合いから高床式といわれる特徴のある建物構造で、まさに安心・安全を象徴する地域のシンボルとして完成いたしました。
 この防災コミュニティーセンターの完成に時を合わせたように、橋詰市長は、細川元首相が理事長を務める公益財団法人鎮守の森のプロジェクトと共催し、津波の威力を弱めるためにと植樹が行われました。市政報告にございましたが、津波の威力を弱める防災林づくりで、大湊小学校校庭と大湊保育所園庭に、小学校の全児童、園児、そして保護者も加わり、大勢の関係者ともどもに、高く伸びる木や低く茂る木など320本という苗木が植えられました。この木々の生育とともに、前浜防災コミュニティーセンターの活動も相まって、地域防災への関心はますます高まっていくものと確信するところでございます。
 それでは、毎回の津波対策につきましての質問をさせていただきます。
 10月11日の議員総会で計画の概要が示されたスポーツセンター周辺の津波避難施設につきましての質問でございますが、通告後、危機管理課長から実施保留の説明がございました。
 以前、一般質問の中で民話を紹介したことがございました。今はない室岡山、通称久枝山と物部川を挟んで東側の船岡山は、赤鬼がオークで荷なって物部川を渡っているとき、そのオークが折れて、それこそドスンと落ちて今の山ができたと利岡富治先生が書かれた民話がございました。その久枝山は、75年ほど前、人為的に取り崩されました。この山こそ、たび重なる自然災害から多くの人々の命を救った山であり、今もって語り継がれております。
 このたび、津波避難の新たな高台を築造するという計画で、よみがえる山への期待は大きく、その姿を描くばかりでございますが、平成の築造は保留となりました。実現への期待は大きく、幾つかの確認事項としてお尋ねいたします。
 議員総会の説明会資料で、事業費として4億円程度を見込み、国庫補助として工事施設によって2分の1、また3分の2の事業費が確保されているとの説明でしたが、凍結解除後、事業費の確保は確実なのでしょうか。また、保留の要因が圃場整備事業への影響とのことですが、何より圃場整備事業に専心し、その後高台築造の着工に位置として示されました箇所の確保こそ重要となりますが、傾注すべきことなどお伺いいたします。
 次に、私の要望でございますが、築造されましたその山の頂に保育所の建築を切望いたします。保育施設の津波対策として、浸水予測地にある保育施設を、統廃合を視野に移転の検討など子育て支援課長の対応策をお伺いいたしておりますが、私はここに新たにできる新山の高台の頂に、丘の上の保育所、子供も保護者も憧れる魅力的なステータスな建物の保育所の建築を要望するものでございます。
 位置的に、市内一円からの通園、アクセスなど申し分ない場所です。丘の上からは360度の展望ですし、魅力ある建物は東西南北どこからも見上げられます。あわせて、保護者が求めるサービスを最大限拡充し、質の高い保育の充実など相まって入所の希望も多くなり、入所児童数も一定バランスを保った児童数になるなど、加えて、私は少子化の解消にも一翼を担うのではと、その可能性にも期待をいたしております。被災時にあっては避難所として、いわゆる災害弱者の方など園舎内に避難をしていただき、給食設備は完備いたしておりますので、食料の供給など即座、適切に実施できます。このようなことなどから、保育施設の新設を願い、求めての要望でございますが、いかがでしょうか。存念をお伺いいたします。
 南国市まち・ひと・しごと創生総合戦略は、施策の点検また検証を行い、施策の追加また見直しされた改訂版の配布がございました。私が思うことでございますが、この改訂版も独創性に弱志なことです。もっと本市の特性を持った独自性のある戦略を求めるところで、願わくば、魅力てんこ盛りの戦略でございます。歴史、伝統、芸能、文化、芸術、食べ物、酒、それらは春も夏も秋も冬も、本市の豊かな自然の恵みの中で人々が創造し、継承してきたさまざまな営み、風習を問題意識を持って掘りおこすことが重要でございます。
 そのような観点から、前回の日本遺産のことなど引き続きお伺いいたします。
 9月定例会で、私の日本遺産の質問に生涯学習課長がおっしゃられたことは、その活用につきましては、文化財審議委員会を開催し、歴史、文化基本構想の策定を含めた取り組みにつきまして今後の検討を始める、と歴史文化基本構想はまだ策定されていないと申され、その策定のこともあわせて文化財審議委員会を開催すると言われましたが、この3カ月間にどう進展したのかお伺いいたします。
 また、商工観光課長は、観光素材として非常に有効なものであると考えており、生涯学習課と連携をしながら、日本遺産認定につきまして検討を加えていきたいと、観光担当部署の責任者として、新たな観光資源・観光施策に生かせる手だてであると申されましたが、3カ月間の検討経緯はどうだったのでしょうか、お伺いいたします。
 企画課長は実に積極的で、この認定は大変興味深い試みであり、ぜひ実現に向けて関係部署と一緒に検討を進めていくと意欲を示されました。本市の魅力を引き出す地方創生の戦略として、どのように検討などされたのでしょうか。前の定例会から、まだ三月ではございますが、早速検討するとの姿勢を示されましたので、その経緯をそれぞれお伺いいたします。
 2つの事例を申し上げます。
 1つは酒蔵のある町、安田町ですが、この安田町を含め中芸地域には、かつての魚梁瀬森林鉄道、これは国の重要文化財でありますが、この魚梁瀬森林鉄道を日本遺産にと認定を目指した取り組みが中芸広域で進められております。安田町で、東京大学大学院の准教授で松田先生とおっしゃる方をお迎えして、「文化財と文化遺産の関係について」という講演会が行われたと先月初めの高知新聞にございました。この中で先生は、文化遺産は住民の愛着と誇り、これらのことが形成されればつくられると、そう話されておりました。
 あと一つ、今年度認定されました千葉県内の日本遺産のことですが、話題となった銚子電鉄や成田空港からも近いことなどから、国内だけでなく、海外の方にも楽しんでいただける魅力ある町並みをアピールしていけると、乗り合わせたJALの機内誌での紹介を読んだことでした。
 これらの事例からも、日本遺産というのは地域の賛同と行政の積極的な戦略があれば認定されると思ったことです。腕をこまねく、手をこまねくのではなく、認定を目指し積極的な取り組みを願うところでございますが、いかがでしょうか。単独で、県下では初めてという認定を実現さすことも大きな意義がありますし、またインパクトも大きくなります。地域振興の成果につなげるこの認定につきまして、前の定例会でお答えくださいましたそれぞれの皆様にお伺いをいたします。
 次も、文化財の活用につきましてお伺いいたします。
 国の文化財行政は、これまでの保護重視から活用重視へと力点が置かれております。今日文化財の保護・保存、また維持・継承の重要性とともに、その活用は必然的で、活用するためには、その文化財が成り立った歴史とともに自然環境や周囲の景観など総合的に捉えることが大切であると言われております。そのためには、それらを担える人の存在、文化財の価値や性質、それらを取り巻く環境などを一体的に見詰め、活用できる技術や経験を持った、そういう人材の確保こそ重要となってまいります。
 文化財審議委員会は、条例により設置されております。その条例に基づき、それぞれ専門のお立場で教育委員会は委員を委嘱しております。私は、文化財の活用重視の側面から、固定化された思考を脱却した新しい価値を示していく専門の技術を持った経験豊富な人材を委員に加えるべきだと思います。文化財の活用重視など新たな視点からの委員の委嘱につきまして、教育委員会の見解をお伺いいたします。
 最後に、日本遺産のことにもかかわりますが、県内外から、また国外からも、もっと外部から人を呼び込めるための実現性の高い戦略などにつきましてお伺いいたします。
 南国市は交通の要衝と、これまでも今も高知県のかなめで大切な要所であるとアピールいたしております。交通の要衝であるならば、ビジネスや観光などで高知県を訪れる旅行者にとりまして、本市は出発点であり終着地でもあるわけですが、南国市に滞在されたり宿泊されたり、その動向、人の動きや足取りなど行動実態は把握できるのでしょうか。南国市に来られた方はどこから来られたのか、季節ではどうなのか、滞在していただけたのか、それとも素通りするだけだったのか、このあたりの分析ですが、行動のデータ分析など実態の把握につきまして教えていただきたいと思います。本市に来ていただき、お泊まりも願うなど、誘客のための施策などもあわせてお伺いいたします。
 高知龍馬空港におり立ち、せっかくお迎えしたお客様を、本市を素通りさせない新たな観光資源の発掘が重要で、日本遺産の認定は、観光行動の一つの動線ともなり観光スポットともなり得ます。観光需要を喚起するため、実現性の高い総合戦略の実践につきましてお伺いいたします。
 以上でございます。それぞれ答弁よろしくお願いいたします。
○議長(西岡照夫君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 高木議員さんの質問にお答えをしたいと思います。
 以前にもお答えをいたしましたように、幼い子供たちの命を確実に守るために、安全・安心な場所での保育の提供ができるよう進めてまいりたい、このように私は常日ごろから考えておるわけでございますが、今回高木議員さんからの御提案いただきました命山への保育施設の整備は、子供たちの命を確実に守ることができる一つの方法であるとも考えております。
 その一方で、安全・安心の暮らし、市民の暮らしを守るこの行政と、一方では本市の農業の将来の発展を見据えた国営圃場整備、これの同時進行で推進していくことは決して矛盾するものではない、このようにも考えておるわけでございますけれども。圃場整備を推進しておる市民の方々のこの熱意、こういうものを、命山をつくる、農地を取得することが非常に事業の推進に誤解を与えるような行動にはなってはならないというようなこともあるわけでございまして、そういう意味で、今回命山の整備計画は一時凍結、このように決断をしたわけでございます。
 整備を検討しております命山への保育施設整備が、いろんな方面から検討を加えまして、可能であるかどうか、また施設整備ができる面積を確保できるのかどうか、財政面でも多方面に検討を行う必要があると、このように思われますので、いつ来るかわからない南海トラフ地震に対しまして、少しでも早い時期に幼い子供たちの命の安全確保を進める上で、十分に検討を重ねてまいりたい、このように考えております。
 以上です。
○議長(西岡照夫君) 危機管理課長。
      〔危機管理課長 中島 章君登壇〕
○危機管理課長(中島 章君) おはようございます。
 高木議員さんの御質問につきましてお答えいたします。
 スポーツセンター周辺における津波避難施設である命山の整備計画につきましては、本年度設計などを行う予定でありましたが、一時凍結することにいたしました。地権者の皆様や地域の関係者の皆様に御迷惑、御心配をおかけすることになり申しわけありません。
 今後の計画といたしましては、社会資本総合整備計画を新たに平成29年度から33年度までの5カ年計画を立てる中で、命山の整備計画を上げております。また、順延に際し傾注すべきことということですが、命山の事業を進める上で、地域の皆様や地権者の皆様の御理解と御協力をいただき、事業を実施していくことが大切であると考えております。
 以上でございます。
○議長(西岡照夫君) 生涯学習課長。
      〔生涯学習課長 谷合成章君登壇〕
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの日本遺産の認定及び歴史文化基本構想の取り組みと、文化財審議委員会についての御質問にお答えをいたします。
 まず、日本遺産の認定及び歴史文化基本構想につきましては、文化財審議委員会を9月26日に開催いたしまして、御提案いただきました内容についての審議をしていただきましたが、議員さん御提案の掩体やえんこう祭りなどによる日本遺産の認定を目指すことは困難ではないかということでございました。その理由といたしましては、認定申請の必須要件として歴史文化基本構想の策定があり、南国市での策定はハードルが非常に高い事業で困難であることや、本市にございます四国霊場第29番札所国分寺、第32番札所禅師峰寺を含めた四国遍路が世界でも類を見ない巡礼文化として既に認定されていることなどが挙げられました。
 次に、文化財審議委員会の委員につきましては、本年度から2年間の委嘱を行っておりまして、専門といたしましては、建築、埋蔵文化財、古文書、有形文化財、樹木、歴史の分野がございます。御提案いただきました新たな専門分野につきましては、教育委員会といたしまして今後検討を重ねてまいりたいと思いますので、議員さんにおかれましても引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。
 以上でございます。
○議長(西岡照夫君) 商工観光課長。
      〔商工観光課長 長野洋高君登壇〕
○商工観光課長(長野洋高君) 高木議員さんの日本遺産認定についての質問にお答えいたします。
 先ほど生涯学習課長から答弁があったとおり、文化財審議委員会による審議を行った結果、日本遺産認定については困難ではないかとの結論でした。このことが南国市の歴史、伝統、文化、食、自然などの地域資源の魅力を左右するものではありません。日本遺産認定を既に受けている四国遍路なども含め、引き続き南国市の地域資源の魅力を発信していきたいと考えております。
 続きまして、総合戦略の実践の観点からの旅行者等の外部からの滞在者、宿泊者、訪問者の動向など行動実態の把握についてですが、高知県が県外観光客動態調査を実施していますが、南国市として旅行者の動態調査は実施できておらず、南国市としてのデータはないというのが実情であります。
 現在、物部川流域3市、香美市、香南市、南国市、3市の観光協会、観光関係事業者、交通関係事業者、旅行事業者、四国銀行、地域経済活性化支援機構等を会員とし、物部川流域、圏域の観光資源を活用した交流人口の拡大、観光・芸術文化の振興などを目的に、物部川DMO協議会を設立しております。
 物部川地域につきましては、交通の利便性が高く、一定集客実績のある観光施設があるという利点があり、DMO協議会では今後この利点を生かした観光振興のための戦略を立てていくことになります。そのためには、まず観光客の動態を把握することが必要であると考えており、動態調査の実施について検討を行っております。今後の観光施策に生かすために、どのような方法、内容でということも含め、次年度以降の実施について協議会会員の皆様と協議を進めていきます。
 以上です。
○議長(西岡照夫君) 企画課長。
      〔企画課長 松木和哉君登壇〕
○企画課長(松木和哉君) 高木議員さんの文化財の保護と活用並びに総合戦略の実践についての御質問についてお答えをいたします。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略では、基本目標2において新しい人の流れをつくるを4つの大きな目標の一つに掲げておりまして、移住施策や観光施策等を通じまして、県内外から人を呼び込む、人の流れをつくることについては、特に力を入れていくべき施策であります。
 高木議員さんより御提案をいただいておりました日本遺産への登録につきましては、先ほどそれぞれの担当課長から答弁がありましたとおり、現時点では難しいということでございますけれども、外から人を呼び込むための今ある観光資源や自然、文化、歴史等をいかに結びつけて市全体としての価値を高めていくかという点につきましては共通認識でございまして、高木議員さんの思いと同じであります。
 本市では、国道195号線あけぼの街道の全線開通、また本年4月の高知南国道路なんこく南インターチェンジから南国龍馬空港インターチェンジの開通など、自動車利用者にとっては利便性は高まっておりますが、一方で本市を素通りされてしまうのではないかという危機感も持っておるところでございます。
 高木議員さんからは、総合戦略の実践、実現性というお話がございましたけれども、先ほど商工観光課長から答弁がありましたとおり、観光分野では物部川流域3市による物部川DMO協議会が発足し、官学民で流域の観光経済、芸術文化の振興を図っていくこととしております。企画課としましては、こうした総合戦略に沿った担当課のそれぞれの取り組みについて企画調整していくという役割を担っておりまして、具体的な政策の実現に結べるべく協議を行っております。
 総合戦略の進捗については、毎年南国市行政計画審議会に報告し、検証、評価をしていただくことにしております。また、必要に応じて改訂も行うことにしております。引き続き目標に沿った新規事業の追加、そして既存事業の実施に向けまして取り組んでまいりますので、高木議員さんにおかれましても、引き続き御提案等、御支援、御協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
○議長(西岡照夫君) 8番高木正平君。
○8番(高木正平君) 市長を初め、それぞれの課長さんからの答弁をいただきましてありがとうございました。
 市長も言われました、またこの圃場整備のこと、この後も我々に対する説明の勉強の機会もありますけども、まずはこのことに専心していただくことは、それぞれが持つ大きな思いでございますが。さすが西川議員は造詣が深うございまして、この圃場整備の進捗に合わせて予定地の確保という中での除外転用などを申されておりましたけども、このことも踏まえて、ぜひ圃場整備に専心されながら、いずれこの命山への取り組みの実現を期待いたしております。私は、その取り崩された久枝山の形を見たことがありませんけれども、そのような山の出現を地域の住民多くの方々の期待に応えていただけるその時期を、圃場整備の進展にあわせて期待いたしたいと思います。
 それから、保育所につきましても、これからいろいろ財政面も含めて建築ができるスペースも含めてお考えになっていただけることだと思いますけれども、ぜひ魅力的な保育所ができればいいなという切実な思いは持ち続けておりますので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 次に、日本遺産ですけれども、きょうの高知新聞にも中芸地域の住民の団体組織と中芸広域のそれぞれの5町村ですか、高知県知事を訪問されたという記事を拝見いたしました。先ほど申し上げましたように、日本遺産は住民の愛着と誇り、それと行政の積極的な、ということで認定に向けての取り組みが進められるものだと思っております。まさにけさの高知新聞のあの記事は、住民とその愛着、誇りと行政の積極性が一丸となって、ここまで進められてきているんだなということを実感しております。
 今、生涯学習課長が、文化財審議委員会では困難と言われたことでありますけれども、私は中芸広域の取り組みを見ながら、私たちの海岸域の地域に住む者は、これまでも何度も申し上げてきましたように、津波という得体のしれないと言ってもいいぐらい大きな恐怖を背中に毎日を過ごしておりますし、その恐怖を、やはり安心・安全だなというふうなことで、避難タワーも含めて、公民館の建築も含めて、非常に地域の人たちの生活できる安心・安全の環境を整えていただいたこと。でも、やはりいずれ津波ということに襲われる。それでいたとしても、ここまで住み続けたこの大湊校区の地域、これからも住み続けていきたいと思う全ての1,800人の住民の方々の思いが、日本遺産という認定を受けるこの地域に住んでるんだという誇りも新たに生じることで、高知龍馬空港から即お迎えをし、また案内もし、一緒にその地域のこれまでの歴史、風土のことなどもお伝えできる。県内外から人の流入につながる龍馬空港を玄関に、そんな思いも住み続けることゆえに日本遺産の必要性を、強くこの南部域で、その地域で認定を求めていただきたいと思う思いはいまだに強く持っております。
 文化財審議委員会で、委員の御意見としてハードルが高いとか、それに、既に四国八十八カ所の霊場に指定されたところであるので再びというふうなことは、というふうな答えもありましたけれども、この中芸地域には魚梁瀬森林鉄道ということで目指しておりますけれども、既に八十八カ所のお寺がこの中芸地区には幾つか札所がございます。つまり重複認定も当然あり得ることであって、取り組みが進められております。
 そして、この日本遺産というのは、御存じと思いますけれども、文化庁が2020年までに全国で100カ所認定しようというふうな取り組みで、一昨年ですか始められて、初年度は18件、2年度、3年度と数は覚えておりませんけれども、今4年目の認定を中芸地域は目指しております。そうしますと、100地区という目標までは比較的もう数年もない、2020年まで数年もありませんので、なぜ文化庁が2020年という認定期限を設定して取り組んでいるかといえば、もう御承知のとおりですけれども、高知県にも国外からのお客様をお迎えすることも多く、戦略を持って期待をし、取り組んでいかなければならないことです。
 そのときに、私たちあの地域に住む人たちが、それこそハードルが高いと申されました生涯学習課長の文化財審議委員会のお答えを聞きながら、随分大きな落胆といいますか、掩体にしても、えんこう祭りにしても、それからいわゆる西の峰寺にしましても、稲作の黎明の地である田村遺跡にしましても、もっと範囲を広げてもそれはかなうことだと思いますけれども、そういうこれまでの歴史、文化、風土の中で地域の住民の生きるその意欲、文化的に歴史的に、風習的に生きる意欲というものを持ち得て、ぜひ日本遺産にという思いをハードルが高いというふうなことでなくて、文化庁の思いを酌み取って、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますし。もう一つ、歴史文化基本構想の策定のことにつきましても、前回これが必須だということを申し上げますと、文化財審議委員会ではこの策定がいまだできてないことと間に合わないということで、これも見送る要件の一つのように聞きとめましたけれども、どうも私の勘違いかもしれません。
 安田町にお伺いしますと、文化基本構想はできていないと、策定されていないのに文化遺産の認定に取り組んでいるというふうに申されておりました。ちなみに、中芸広域ではことしの6月に協議会を立ち上げまして、それから取り組んで、1月の申請時期に間に合うようにということで、1年足らずの間のスピード戦略で取り組んでいるようでございます。非常に感心をいたしましたのは、6月から組織をつくって、9月以降毎月、先ほど御紹介しました東京大学大学院の松田先生を含めて5名の方々をお迎えしたリレー講座という講演ということもやられておって、この12月には北川村で講演会を行うと。この講演会にお迎えした講師が、驚きましたけれども、日本遺産の審査に当たるわずか6名の選考委員のお一人をお迎えして、中芸地区の魚梁瀬森林鉄道の認定についての取り組みについて御示唆をいただくというふうな講演会も計画しているなど、実に中央から、それぞれの立場の専門の方々をお迎えしての講演会を取り組むなどの意欲で、まさに行政の意欲で住民の愛着と誇りがベースになっての取り組みを進めております。
 1月の認定を目指して、その結果を待つばかりで今最後の調整のようで、けさの高知新聞にも森林鉄道とユズの加工ということででておりましたけれども、そのストーリーそのものはわずか200字、原稿用紙半分だけでアピールするようなこんな勝負で、真剣勝負のような勝負で選考は決まるようです。
 ぜひ、この中芸地域の取り組みの状況も捉えながら、私たち南国市の南部域に住む方々の、今申し上げたような事ごとを踏まえて、ぜひ日本遺産への取り組みを2020年という一応文化庁の設定の中でどう捉えることができるか、進めていただけることができるか、難しいのではなく、できる手だてを講じていただきたい。ぜひそういうことでの取り組みを、仮に認定されないとしたとしても、それまでの取り組みというのは決して無駄なことではなくて、大きな足跡として地域の方々へつながっていける、記憶に残るものだと思っておりますので、日本遺産につきましてのそのあたりの意気込みをぜひお聞かせいただきたいと思います。
 それから、文化財審議委員ですけれども、文化財保護法の中でもさまざま有形無形あるわけですけれども、それぞれ専門のお立場の方々でこれまでも審議されてきております。新たな市の指定文化財云々、あるいは市の指定から県の指定ということで、それぞれの専門の方々の委員として構成されることはとりもなおさず必要だと思いますけれども、委嘱されたばかりということで。次の改選のときにはぜひこの文化財の、とりわけ民俗的な視点で文化財を見て、そしてそのことを地域の方、市民の方々にお伝えできる、説明できる方々が南国市に随分たくさんいらっしゃると思っております。その方々が、やはり文化財審議委員というような、そういう意識の中でも文化財について説明されることの大きなパワフルなものにもなると思いますので、ぜひ次の改選の折には、これまでの顔ぶれに若干新たな顔ぶれを加えていただくようなことでお取り組みをいただきたいと思いますので、そのあたりも確認をさせていただきたいと思います。
 最後に、この魅力的な地域づくりの中での交通の要所も含めてですけれども、昨日小笠原議員の御質問の中で、ふるさと納税がただ返礼品だけではなくて、魅力を伝えるとか、あるいは南国市に来ていただけるようなことの思いを含めてお尋ねになられた折に、財政課長はぜひ南国市をどんどんアピールしていきたいというふうにお答えになりましたけども、まさにそういうことであって、戦略の一つとして、ことしの5月に行政視察で伊豆のほうに伺う機会が実現いたしましたけども、この伊豆ではワイナリーを持った施設に泊まりました。そこでワイナリーの工場も見たことですけども、南国市も稲生にとってもすてきな魅力的なワインがあるということで、お話を平山副市長から再三聞くことがありますけども、何か平山副市長のひとり占めみたいな感じがしまして、私まだ一度も飲んだことがありません。来週には飲む機会がありますけれども、こういうワインも南国市の思いも寄らない魅力かなと。このワインをもって、しかも平山副市長のお話ではどうやらタイへつながっていくというふうなものが、このワインが世界へ広がっていくワインのように。となると、高知龍馬空港はすぐさま玄関口ですので、そのタイとワインと市民というふうなことで、あわせて県内外から、国外も含めてそんな機会の実現もできるものかと思いますけれども。返礼品のことから見えてくる地域へ、南国市を今度は行ってみようと思いを起こさすような何か工夫というか、実現に向けての取り組みを、まだまだたくさん南国市には夢が残っていると思いますので、その夢の実現のために気がつかれる、思いつかれるようなことがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(西岡照夫君) 答弁を求めます。生涯学習課長。
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの2問目にお答えいたします。
 歴史文化基本構想につきましては理念がございまして、その理念と申しますのは、地域に存在している文化財を国が指定しているかどうかにかかわらず、幅広く捉えることによって的確に把握して、文化財をその周辺環境まで含めて総合的に保存・活用するための構想でございます。
 先ほど申されました中芸地区の文化基本構想がないというお話でございましたが、日本遺産の申請で単独で申請するには必須でございますが、中芸地区5市町と認識しておりますが、多くの市町村にまたがって申請する場合は、歴史文化基本構想は不要でございます。ちなみに高知県では、歴史文化基本構想が完成している市町はございません。
 地方公共団体にとっては、非常に重要なプランでありますが、構想によりまして文化財そして周辺環境など、関係しているもの全てをひっくるめて保全をするということでございまして、やる場合は市の方向性を決める大きな事業ということで、慎重に議論を重ねる必要があるということも会の中ではおっしゃられておりました。
 続きまして、文化財審議委員の任期、2年後の改選ということでございますが、先ほど御提案いただきました民俗的な視点で見てお伝えできる人材をという御提案でございましたので、そのことも含めまして、会の中で議論をして、ぜひ前向きに検討をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(西岡照夫君) 平山副市長。
○副市長(平山耕三君) 高木議員さんの御質問にお答えいたします。
 先ほどタイということで御発言いただきましたが、タイのワインを、タイに井上石灰工業がこちらでつくったワインを輸出するとか、そういう交流は、生産したワインでしようというふうに直接しているわけではございません。そのワインというのは、井上石灰工業がぜひともこの高知県でつくったブドウで、そのワインをつくりたいということで、南国市の稲生でも生産されているブドウでつくったということでございます。そのワインは「TOSA」という名称のワインでございますが、非常に飲み心地のええワインでございました。
 そのワインをふるさと寄附の記念品にという話は井上社長のほうからも、私相談を受けております。今後その生産体制がきちっと確立できれば、そういったことは実現できるのではないかというふうに思っております。
 また、将来的には、それを高知県にワインを使った、島根ワイナリーとか、そういった施設ができればいいねという話は社長とはしたことはございますが、まだそれは実現が見えて、まだ先の夢という段階でございますので、将来的にはそれも実現できたらすばらしいことだというふうに思います。
 この南国市をどんどん売り込んでいくような、そういった特産品、どんどんふるさと寄附金で使っていきたいというふうに思いますので、今後とも皆様方のアドバイスもいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。
○議長(西岡照夫君) 8番高木正平君。
○8番(高木正平君) どうもありがとうございました。
 さすが長い期間生涯学習という現場に携わっておられます課長でございますので、非常に豊富な取り組みの中でのお答えをいただきまして、文化財審議委員につきましてはそういうことで、ぜひ実現への期待をいたしております。
 また、歴史文化基本構想、単独では必須がこの日本遺産でというふうに示されておるということもお聞きいたしましたので、時期的に無理であったとしても、日本遺産の認定に取り組むようなそんな思いを持って、やっぱりこの南部域のさまざまな歴史、風土は、育て活用していただけるようにお願いいたしたいと思います。
 また、15日に催しがございますけども、テーブルに稲生のワインなどが並べば、ちょっと味わい深いかなと思ったりもいたします。何より、こまねくという意味は、地域を埋没さすことにもなりかねませんので、そのことを強調して終わりにいたします。
 ありがとうございました。