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検索結果 »  平成27年 第385回市議会定例会(開催日:2015/09/04) »

一般質問1日目(高木正平)

質問者:高木正平

答弁者:教育長、関係課長


○議長(前田学浩君) 7番高木正平君。
      〔7番 高木正平君登壇〕
○7番(高木正平君) 命を、人々の営みを一瞬にして奪う災害、また事故も世界中で再三発生しており、痛ましく忌まわしく心痛が絶えることがありません。東日本大震災の大惨事を目の当たりに、命を、人々の営みをしっかり守ることができる対策をと、あの日のことからこの場に臨ませていただきました。
 従来、市長は、早急性を必要とする対策には率先したいそしみで迅速に取り組まれ、避難タワーを初めとする津波への安全対策を積極的に進展してくださり、命を守る対策をという私の使命は、曲がりなりにも果たさせていただくことができたのではと思っております。市長を初め副市長、教育長、危機管理課の皆様など、関係する職員の方々に心より感謝を申し上げまして、任期最後の質問をさせていただきます。
 6月議会で東日本大震災の被災者の方々が、スマートフォンや携帯などで写した津波の多々ある映像は、将来への大きな教訓であることを述べさせていただきましたが、その恐怖をじかに実際に体験していない我々でございます。確実に発生する南海トラフ地震・津波をもろに受ける地域に住む我々でございますが、身を持っての恐怖というのは、ややもすると直面しないことには、また身に振りかからないことにはというのが、世の常ではないかと思います。一人一人が怠らない備えを持ち続けるためには、未知の恐怖を疑似体験することも一つの手法ではないかと思うところで、想定した実際の恐怖のありさまを映像で見せる、ストレートに見せることでその効果があるのではと考えます。本市の沿岸を襲い、二波、三波と繰り返す驚異の津波が堤防を乗り越え、また河口や放水路を遡上する古文書の記述をもリアルに再現した生の映像をコンピューターなどでシミュレーションし、コンピューターグラフィックで実際の驚異の様子を見せる。コンピューターグラフィックの映像は、視察をさせていただきました黒潮町で拝見いたしましたが、もろに恐怖を覚えることこそ、地域の防災向上につながることができるのではと思います。シミュレーションによるコンピューターグラフィックで見せるこの制作取り組みは可能か不可能か、制作費の検討も含めてお聞きいたします。
 対策のシミュレーションとして、あと一つお伺いいたします。
 南海トラフという海底のへこみは、静岡県から宮崎県の沖合まで続いており、過去の南海トラフ地震発生の記録を見てみますと、東海・東南海・南海と常に連動して発生しております。昭和の南海地震は、昭和東南海地震の2年後に発生しておりますし、一つ前の安政の南海地震は、安政の東海地震の32時間後に発生しております。さらに前の宝永の南海地震は、東南海とほぼ同時に動いたとされております。連動して活動すると言われている南海トラフ地震は、過去の歴史をさかのぼり、東海・東南海・南海と歴史をもとに3つの地震に順があると仮定して、時間や発生の年がずれることがあるとして、過去の地震になぞらえ、東海あるいは東南海地震が発生したとしてすぐに行うことは、被災地への緊急の援護で、それらを即座に行った後、間髪入れず次の発生に備えての対応を緊迫の中で行わなければなりません。発生が迫るまさに直近の対応などはどのようになるのでしょうか。このシミュレーションもまた大変重要なことではないかと思います。安全を守る対応策、情報等も含めてどのように捉えているのか、お伺いいたします。
 真理の認識と申しますか、確実に生じる自然の驚異の中でどのように備えることが安全で安心な対策なのか。連動して発生してきた過去の事実から手抜かりのない対応策をお伺いするものでございます。
 さて、ことしの夏休みも岩沼市など被災地を訪ねる中学生の大変意義のある視察学習が行われたと思います。例えば2年生などが修学旅行のスタイルで全員で訪ねることができないものか、私の願望もあってお伺いしたことがありましたが、続けて行われている生徒の視察による成果は、自分の命を守る貴重な武器となっており、その体験した知識を未体験者にどのように伝授していくのか、どのようにすれば意識の共有ができるのか、そのようなことを思い、これまでに視察体験されました生徒の皆さんは卒業された方もあったりで、生活環境も変わっていくわけですが、それぞれが得た成果を何らかの形で相互に深め合い、語らいの場があって、教育的なつながりや広がりを持つことができる機会などどのように持たれているのか、また持つべきなのか、それらのことにつきましてまずお伺いをいたします。
 文部科学省の学習指導要領の狙いに、学んだことや体験したことなどを活用することが大切であるとありますが、まさにこのことで、ぜひとも教育長にお答えいただければと願うところでございます。
 これらは学校教育での学びでございますが、体験された生徒の皆さんを、あるいは体験された内容を情報としても共有できるよう、地域に伝える手だてとして、社会教育主事の業務また役割があるのではと思います。社会教育主事が中学生の体験を地域の方々に伝えられる企画や立案も社会教育主事の業務ではないかと思いますが、社会教育主事の現状など、生涯学習課長にお伺いいたします。
 生涯学習講座につきましては、高齢者教室など多様な学習機会を設けていることなど、6月議会の市政報告がございましたが、社会教育主事の企画・立案・実践・評価などを踏まえ、社会教育指導員を初めとする社会教育を担う方々への助言や指導はどのように行われているのでしょうか、このことにつきましてもお伺いいたします。
 被災地を訪ねた生徒の体験は、一生の知識として植えつけられ、生涯にわたっての成果となるはずです。生涯の学習として生かし続けるためにも、その役割を社会教育主事が担い、生涯学習を通して防災知識の力が蓄えられるよう、そう期待するところでございます。教訓として生かし得るためにそれぞれお伺いさせていただきました。答弁よろしくお願いいたします。
○議長(前田学浩君) 答弁を求めます。危機管理課長。
      〔危機管理課長 中島 章君登壇〕
○危機管理課長(中島 章君) 高木議員さんの御質問にお答えいたします。
 地震・津波対策の啓発のために黒潮町は、町に津波が押し寄せてくるシミュレーション映像を作成しており、その映像を拝見させていただきました。津波が押し寄せてくるという生々しい映像であり、それを見て疑似体験することは、津波の恐ろしさを直接感じることになると思います。疑似体験することによって地震・津波対策をしなければならないのは自分であると意識することにつながれば、防災意識は高まるかもわかりません。しかしながら、その反面恐怖を植えつけることにもなり、諦めの意識が生じてくることにもなりかねません。また、映像を見ても自分だけは大丈夫という正常性バイアスの心理が働く人もいると思われます。やはり自分だけは大丈夫という意識ではなく、自分のこととして防災を意識しなければ意識の向上にはつながらないと思います。
 防災意識の向上のために津波ハザードマップを沿岸地域だけでなく市内全域に配布しましたが、十分とは思っておりません。沿岸部の自主防災組織につきましては、津波避難タワーや高台への避難訓練など継続して行っており、また平野部、山間部においても避難訓練や炊き出し訓練など実施しており、自主防災組織みずからが防災意識の向上に努められており、その活動には頭が下がる思いでございます。
 また、そのほかの啓発としまして、市が購入しております東日本大震災などの災害DVDや書籍の貸し出しも行っておりますので、学習会などで活用していただくことにより、さらなる防災意識の向上につながるのではないかと考えております。今後におきましても、防災意識の向上のために自主防災組織の避難訓練や学習会などの活動に協力してまいりたいと考えております。
 高木議員さんからの御提案でございますが、このような考え方ですので、防災意識の向上のための啓発としまして、南国市に津波が襲来する映像をコンピューターグラフィックで制作するということは考えておりません。
 次に、次の南海地震の発生は、東海・東南海と連動して発生する可能性が高いと言われております。地震発生に時間差があるという仮の話になりますが、そのときの啓発としましては、やはり今まで各家庭で取り組んできた防災対策、減災対策についていま一度再確認していただき、できていない対策や不足しているものを補っていただくよう啓発していくことになると思います。知っていると知らないとでは、いざというときの行動に大きな違いが出ます。さらに、訓練をしているとしていないとでは、もっと大きな違いになると考えております。
 質問の答えとはずれますが、防災に関しましては、100点満点ということはないと思っております。積み重ねが重要で、最初の点数が10点であっても、積み重ねれば50点、100点、150点にもなります。これで十分満点という考え方はありません。やったことは実になり、忘れたらまた繰り返し行えばいいことです。南国市の98%の地域で揺れの大きさは震度7と6強が想定されております。起震車に乗って震度7がどれほどの揺れかを体験してみる、また避難先を考える、避難先まで行ってみるなど、無理をせず簡単なことから取り組んでいけばいいと考えております。
 津波につきましては、正しく理解して、正しく恐れて対応していくことが大事だと思っております。
 以上でございます。
○議長(前田学浩君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 高木議員さんの被災地の体験を知る、学び合う機会は、の御質問にお答えをいたします。
 平成24年度南国市内の中学生が、市長と南国市の未来を語り合うドリームトークの場で、岩沼市の小中学生との交流の要望が出たことを受けまして、平成25年度から南国市・岩沼市小中学校交流事業として、被災地から学ぶことを目的として交流が始まり、今年度も8月27日から29日まで「岩沼を知るだけではなく岩沼から学ぼう」をスローガンに、姉妹都市岩沼市を中心に交流学習に行ってまいりました。この交流事業を通しまして、児童生徒は現地へ行き、現地の方の話を直接聞くことができ、大変貴重な経験をすることができたのではないかと考えておるところでございます。この学習の報告会につきましては、11月24日に行われる予定でございますので、議員の皆様方にもぜひとも御参加いただきまして、子供たちの学習成果を御確認いただければと思っております。よろしくお願いをいたします。
 また、高木議員さんの御指摘にもありましたように、この視察に参加した児童生徒は、あくまでもその学校の代表でありますので、この研修で学んだことをそれぞれの学校や地域に広げ、学校や地域全体の共有財産となり、それが児童生徒一人一人の思考力・判断力の育成、さらには地域の自主防との共済による防災意識の高まりにつながっていくよう各校が工夫をして取り組んでいるところでございます。よろしくお願いいたします。
 以下、社会教育や生涯学習へのつながりにつきましては、生涯学習課長から御答弁させていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(前田学浩君) 生涯学習課長。
      〔生涯学習課長 谷合成章君登壇〕
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの中学生の被災地視察体験を地域に伝える手だての御質問につきまして、教育長に引き続き社会教育や生涯学習へのつながりについてお答えをいたします。
 まず、社会教育につきましては、議員さん御承知のとおり、大きく申し上げますと、学校の教育課程として行われる教育活動を除きまして、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動のことで、幅広い内容がございます。そして、社会教育は、全ての人が豊かな人生を送るため、心豊かに学び続ける社会を目指して取り組んでおります生涯学習の理念を実現するための重要な教育の一つであります。
 さて、御質問の中学生の視察体験を地域に伝える手だてにつきましては、教育長が申しましたとおり、地域全体の共有財産として、防災意識の高まりにつなげるためにも重要な取り組みであると思います。生涯学習課では、現在7名の社会教育指導員のうち、1名の社会教育主事がおりますので、社会教育や生涯学習を推進していくために毎月行っております指導員会の中で、被災地で子供たちが学んだことを地域につなげていくための方法について今後検討を行ってまいりたいと思います。
 また、危機管理課と連携して行っております防災教育や避難対策につきましても、議員さんにも御尽力いただいております前浜公民館の改築を含めた避難施設の整備を初め、学校と地域が合同で行う避難訓練や防災学習など、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、議員さんにおかれましても、今後とも御支援、御協力のほどよろしくお願いをいたします。
 以上でございます。
○議長(前田学浩君) 7番高木正平君。
○7番(高木正平君) まず、危機管理課長から御答弁をいただきましたCDのことですけれども、結論的に考えていないということで、その側面というか理由としては、諦めを与えるとか、あるいはおびえを起こすとかいうふうなことから考えていないという答弁だったというふうにお聞きいたしましたけれども。黒潮町への視察は、危機管理課長も御一緒してくださいまして、一緒に黒潮町での映像を拝見したわけですけれども、じゃあつくらない南国市、課長の答弁で、つくっている黒潮町では、住民の方々にそのことを防災教育の活動の大きな一つの手法として取り組まれて、実際おびえが生じたり、あるいは諦めが生じたりしているような状況なのでしょうか。実際活用している黒潮町の状況というのが非常に気になるところですけれども、そのあたりの状況をつかんでいるとするならば、お教えいただきたいと思います。
 それから、連動して起きるということで、起こってその後起きるのか、同時に起きるのか、これは全く予測がつきませんけれども、動揺とかパニックとかデマとか風評とか、そのようなことがないような手だても今からやっぱり模索しておく必要があるのかなというふうに思います。そのあたりのところをどういうふうに捉えておられるのか、このことも含めて危機管理課長にお伺いしたいと思います。
 それと、教育長さんからも御答弁いただきまして非常に成果が、まさに成果としての広がりを持たれている工夫が継続して行われていることを実感いたしました。そのことで生涯学習活動として、地域の皆様方への機会をということで申し上げましたことですけれども、社会教育主事が1人任命されているということで、その社会教育主事を一つの何というか、指導・助言の立場に社会教育指導員の方々への振興・普及が図られているということをお聞きいたしまして、なるほどな、南国市の生涯学習活動の何か活況を感じましたけれども、ぜひ社会教育主事の有資格者が、社会教育法に基づく社会教育主事であって、その方々の数も増員していっていただけるような、そんなふうな取り組みをしていただきたいと思います。
 以上です、2問目。
○議長(前田学浩君) 答弁を求めます。危機管理課長。
○危機管理課長(中島 章君) 高木議員さんの第2問目の質問にお答えいたします。
 黒潮町さんの住民に対しての啓発についてですけれども、状況についてはつかんでおりません。ただ黒潮町さんとは、背景といいますか、それが若干違うと考えております。黒潮町さんで言えば、最大の津波浸水深は34メートル、それから1メートルの津波が到達するというのが8分、南国市で言えば、最大の津波浸水深は16メーター、それから1メートルの津波の到達が17分と一番早いところで、というふうになっておりますので、そこのところが若干違うので、そこまでは考えておりません。
 また、黒潮町さんの規模の映像の制作費につきましては、500万円とお聞きしております。市としましては、防災意識の向上の啓発ということで、防災教育や防災学習、防災の講演会などなどで、そういうふうな形での啓発をしていきたいと考えております。
 それから、デマとか風評についてでございますけれども、これについては正しく理解をしていただき、正しく恐れて、やはり正しく対応をしていただくというふうな形の啓発をしてまいりたいと思います。で、安心を与えるような形での啓発をしていきたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(前田学浩君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) 社会教育指導員有資格者の増員ということでございますが、実は県内にも有資格者は非常に少のうございます。そういう状況の中で確保していくということは非常に難しいですが、退職した教職員等の中にも有資格者はおりますので、今後生涯学習課ともども検討してまいりたいというふうにお答えさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(前田学浩君) 7番高木正平君。
○7番(高木正平君) 今教育長さんからお答えいただきました社会教育主事ですけれども、かつて学校籍の方が行政のほうに、あれ何ていいますか、派遣といいますか、配属されまして、社会教育主事という資格をその場で取得されて、随分長く南国市の社会教育ということへの充実に大きな役割を担われたという経過がありますけども、今はその制度がないにしても、新たに行政職を社会教育主事として養成をするという手法と、学校籍の先生方を行政の現場に迎えることで、社会教育主事としての資格もあわせて持ちえていただくことで、学校の現場、教育の現場の状況、あるいは生涯学習の現場の状況ということの捉え方がまた違う、何というか期待というかその良さがあると思いますので、ぜひそういうことも踏まえた今後の予算確保を含めた人材の配置体制をお考えになっていただきたいという思いを強く持ちますので、実現をしていただくことを望みたいと思います。
 それと、危機管理課長に先ほどCDをつくるつもりはない、500万円、それから津波高が違うというふうな自然の驚異の状況を比較されての答弁がありましたけれども、ちょうど4年前に高知新聞の香長総局においでた総局長が、つい最近「おびえ」というタイトルで高知新聞の「話題」というコラムに載せておりました記事が印象に残りましたので、というのも、印象に残るというか、よく総局長から自分の災害体験談をお聞きしたことがありましたので、そのような体験談をおまとめになったことだなということで切り抜きをしてありました。その中に、自然へのおびえを意識せざるを得ないというふうな最後の結びの言葉がありましたけれども、まさに防災という意識は、ある面おびえという側面もあるのかなというふうなことを思います。そのあたりもお考えになっていただいて、市コンピューターグラフィックの制作の有無につきまして、また再考していただきたいというお願いでございます。
 最後に、実はこの私の席は、ちょうど向かいに大野教育長がいらっしゃいます非常にすばらしい自席ですけれども、大野教育長もいらっしゃいますし、橋詰市長も、それから大勢サッカーということにつきましては、たけた方々が大勢いらっしゃる中で、いささか面映い気がいたしますけれども、一つサッカーのことでU21とか22とか、いわゆる若い世代のオリンピックを目指す選手のチームの監督をされております手倉森誠監督が言われた言葉が大変印象に残っとりますので、少し御紹介させていただきたいと思います。
 東日本大震災にかかわった私の心に残った言葉ですけれども、悲しみ、不安といった思いは風化させなければならない。支え合う、助け合う、一人では生きていけないという気持ちは風化させてはならない、こう言われた言葉です。この希望の言葉の示すように風化をとどめて、東日本大震災を教訓にこれからの取り組みを市長以下皆様方にお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。本当にありがとうございました。