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検索結果 »  平成25年 第370回市議会定例会(開催日:2013/06/14) »

一般質問 3日目(田中徹)

質問者:田中徹

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(野村新作君) 1番田中徹君。
      〔1番 田中 徹君登壇〕
○1番(田中 徹君) 今月4日、平成25年版環境白書・環境循環型社会・生物多様性白書が閣議決定されました。白書の中では、特に国のあり方を評価する基準として、国内総生産GDPに加え、自然環境の充実や幸福感も対象とする新たな豊かさ指標の必要性が強調されました。このことは、私にとって非常に興味深く、また今後の南国市のあり方を探る上でもとても意義深いと考えます。
 そこで、今回は、豊かさということを一つの大きなテーマに掲げ、順次質問を行います。
 冒頭にも触れましたが、今年度の環境白書に新たな豊かさ指標の必要性が提唱されたことを踏まえ、初めに今後の南国市における豊かさについて考えてみたいと思います。
 戦後、我が国においての豊かさは、1960年代の高度経済成長期の三種の神器に代表される物資的な豊かさから、70年代の2度にわたる石油ショックや80年代のバブル景気、また90年代のバブル崩壊といった大きな社会経済情勢の変化とともに、人々の意識や価値観も多様化し、今日では心の豊かさを求める時代へと移り変わってきています。指標についても、GDPを初めとする経済指標だけでなく、非貨幣指標も含めた社会指標SIが1974年に公表され、その後も国民生活指標NSIや新国民生活指標PLIなどが策定されています。また、近年では、豊かさとともに、幸福度という言葉も多用されているように感じます。このように、戦後から今日までを振り返りましても、まさに社会情勢の変化とともに、人々の求める豊かさや幸福度は刻々と変化し続けています。
 そこで、今後の市政運営や将来の南国市について、私の考えや思いの一端を述べさせていただきたいと思います。
 まず、子供の詩を1つ御紹介します。「きょう僕は秋を見つけた。6つも見つけた。アキアカネが飛んでいること。木の葉っぱが枯れていること。木の下に落ち葉があること。セミが死んでいること。クリがいっぱい落ちていること。ドングリが葉っぱの上にあること。まだまだいっぱいありそうだ。秋を見つけるのはおもしろい。もっともっと見つけたいよ」。これは昨年度発行された南国市子ども詩集、のびゆく子46号に載っている稲生小学校2年、西岡俊博君の「秋見つけ」という作品です。子供らしい素直な表現の中に、豊かな感性があふれるすばらしい作品だと思います。私は、これまでの一般質問においてもさまざまな提案や提言を通し述べさせていただきましたが、やはり今の子供たちが成人になったときに、この南国市で住みたいと思い、そして住み続けることができる社会を構築することが私たち大人の使命であると考えています。そんな社会の実現のためには、自然と共生することが最も大切であり、人間として人間らしく、自然の中で自然とともに生きることこそが本来の人間としての生き方であるという考えが私の根幹にはあります。さきの東日本大震災では、私たち日本人は、改めて自然への畏敬の念を持つとともに、人間の無力さも痛感いたしました。私たちは、海、山、川に恵まれたこの南国市で、豊かな自然環境のもとに生活できることを何事にもかえがたい豊かさであると知り、この自然環境を後世にしっかり引き継ぐことを重要なテーマとしなければなりません。ことしも、来年も、5年後、10年後も、いや50年後、100年後も子供たちが身近な環境の中に秋をいっぱい見つけられる、そんな南国市を保ち続けることが、今の私たちに課せられた大きな役割と責任ではないでしょうか。
 そこで、市長には、今後の市政運営をなされる上で、自然との共生を常に念頭に置いていただき、さらなる市勢発展のために手腕を発揮していただきたいと存じますが、さまざまな施策を行う上でどのようなことに重点を置き、取り組んでいかれようとしているのか、お聞かせください。また、豊かさについてのお考えや御意見もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、2点目としまして、貝類による水稲被害についてお伺いします。
 ことしは、例年にも増してジャンボタニシに稲を食害された水田を多く見かけます。通称ジャンボタニシと呼ばれるスクミリンゴガイは、1980年ごろ人間の食用として台湾から輸入されましたが、日本人の口になじまず廃棄されたものや養殖場から逃げ出したものが野生化したものです。本市におきましても、これまでも被害はありましたが、これほど大きな被害はなかったとお聞きしております。要因として、ことしは田植え時期に例年より気温が低かった影響で、苗の生育に時間がかかったこと、また近年の農業者の兼業化による水田の管理不足などが挙げられます。一方では、このスクミリンゴガイは、稲が一定生育すると、雑草を食すことから、除草の手段として利用する農家もあります。このような背景から、大々的な駆除が行われなかったとも考えられます。効果的な対策の一つとして、貝が冬眠する時期に石灰窒素を散布し耕うんすることが挙げられますが、米の価格も低下しており、そこまで手間をかけられないという農家の方の声もお聞きします。他県においては、人海戦術により捕獲した貝を買い取る制度を創設したり、スッポンを利用した駆除も行われています。
 そこで、本市においても、駆除や対策について行政が関与する時期に来ているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。まず、この貝による水稲被害に対してどのような認識を持たれ、来年度以降に向けてどのような対策をなされるのか、お伺いします。そして、時期尚早かとは思いますが、今秋の収量の見込みがわかりましたらあわせてお聞かせください。
 最後に、3点目としまして、幼児期における体力、運動能力向上の取り組みについてお伺いします。
 このたび南国市教育委員会が、文部科学省公募事業「平成25年度幼児期の運動促進に関する普及啓発事業」に応募し、委託先に内定しました。大野教育長におかれましては、県内他自治体に先駆け、幼児期の体力、運動能力向上の取り組みの必要性をいち早く認識していただき、積極的に取り組んでいただいております。敬意を表し感謝申し上げます。
 さて、5月の教育民生常任委員会の行政視察では、「健康寿命延伸都市」長野県松本市と幼児期の運動能力向上について先進的な取り組みを実践されている山梨県南アルプス市に伺わせていただきました。松本市では、「まつもとっ子元気アップ事業」と題し、保育園で歩数計を使った運動量調査や5項目の運動能力調査、また生活アンケートなどを行い、幼児期からの望ましい生活習慣の獲得に向け取り組まれていました。また、南アルプス市では、百田保育所で実際に子供たちの活動を見せていただき、私自身とても参考になりました。今回の教育民生常任委員会の行政視察は、幼保支援課岩川課長に同行していただきましたので、課長は松本市と南アルプス市の視察を通じてどのような感想を持たれたのか、また今後の南国市における幼児期の運動能力向上の取り組みにどのように生かしていかれるのか、お聞きします。
 そして、「平成25年度幼児期の運動促進に関する普及啓発事業」では、具体にどのような取り組みを実践されるのか、事業内容を詳しくお聞かせください。
 以上で1問を終わります。
○議長(野村新作君) 昼食のため休憩いたします。
 再開は午後1時であります。
      午前11時44分 休憩
      ――――◇――――
      午後1時   再開
○議長(野村新作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 田中議員に対する答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 田中議員さんからは、豊かさあるいは幸福度という視点での質問がございました。人々の求める豊かさや幸福度は、刻々と時代によって変化している。私もそのとおりだと思いますし、田中議員さんの質問、聞いてまして、ずっと昔々の我々が幼いころのことを思い出し、そして私が生まれ育った地域のことを考えておったわけでございますが。昔は循環型社会ということでも一定の地域でやれることでは本当の意味で循環型社会であったんではないだろうかと。そして、自然との共生ということにつきましては、本当に我々の生活そのものが自然との共生の部分が多かったように思うわけでございます。稲わらということを考えてみましても、稲を収穫しまして、脱穀機でもみにしました後、稲わらは稲ぐろとしてちゃんと保存されまして、農閑期にはある家ではそれを縄になう、あるいはイソ、イソと言っても少しわからん方もおいでになるかもわかりませんが、イソ縄をつくる。特に、今梅雨の梅雨の季節でございますが、そういうときは割合農家は外に出ての農作業というものができないもので、よくイソ編みをしました。そして、簡単なといいますか、原理が非常に簡単な縄ない機械というのがございまして、それで縄をないました。これはまたいろんな使い方がございまして、私のところもたばこづくり農家でございましたので、私は小学校4年生ぐらいからもうたばこの乾燥をすると言えば、一人前に今の大変これから暑い時期に、その縄をもう一度縄同士をなって連縄というのをつくりました。これも単純な機械、機械とは言えないかもわかりませんが、手作業でやるもんですが、それで縄をもう一度ないまして、これをぱっと緩めて、これにたばこの葉っぱを入れて、これを乾燥場につり上げてやるわけです。そうなると、我々子供も一人前の働き手でございました。今思うと本当に暑い、むせ返るようなたばこの物すごく熟れたたばこのにおいがする密室での作業でございました。そうしたものは、きちんと循環型社会とは言えないまでも、再利用といいますか、そういうことがやられておったわけでございます。
 また、季節季節には我々は常に自然の中で大きくなったと言っても過言ではないわけでございます。これから長雨ぐらいになりますと、魚が産卵のために小川をずっとよじ登ってくるわけでございますが、私小学校ちょっと大きくなって3、4年ぐらいになったら、父に連れられて、ヤスを持ってカーバイトのあのにおい、香りといいますか、そういうものをよう忘れないで魚をとりに行ったものでございます。ですから、川という川は、あそこに大体ああいう魚がすんでおるとかいうことは、本当によく知っておりました。そして、何といいましても、我々は国分川で育ったと言っても過言ではございません。取水堰というのがございまして、これは結論からいいますと、四国電力の要請によりまして全部取っ払われました。これは、理由は、ダム放流時に河床を下げる意味でございまして、この取水堰がございますと、一時的にダム放流しますとごんと水かさがふえますので、こういう変化をできるだけ持たさないために堰を全部取っ払って河床を低くしました。そういうことで、それぞれの関係地区は補償金をいただいて、それにかわるものをつくっていったという経過もありますが、そこが我々のプールでございまして、夏休みになりますと、もう保育園、今で言えば保育園の子供から小学校、中学校までがそこで泳いでいって、上級生の方に泳ぎを教えてもらうあるいは魚のとり方を教えてもらう、これがやっぱりその成長成長の過程での地域の子供たちのきずなといいますか、結びつき、こういうものが自然にでき上がっていったわけでございます。夏には泳ぐこと、そして秋になると秋の恵み、シイの実をとりに行ったりそれからアケビをとりに行ったりということで、これも大体どこの山へ行ったらそういうものがあるかというとはみんな覚えておりました。そして、冬になりますと、山にたき木拾いでございます。別に家がたき木をとらないと困るという問題ではなかったんですが、一つの子供たちの遊びの場でもありますし、親が、両親とかじいさん、ばあさんが大変喜んでくれます。たき木をとって、それぞれの子供に合ったぐらいの重さにして、荷づくりをして、昼はお弁当を食べて、夕方になったら山からおりてくると、こういうことをしておりました。夏は、今のような冷蔵庫がないもので、スイカはいつも井戸におろして冷やす。それが結構冷えた冷えたと言って喜んで食べたもんですが、余り今思うと井戸水で余りどれぐらい冷えたかなと、そんなことも思うわけでございますが、いずれにしても、自然との共生といいますか、自然のことを、自然の中で育ったということは、非常にその子供からずっと成長していく過程で、人間にその自然への愛着とかいうものが非常に育っていくんではないかと。常に低学年から上級生までが一つの行動をするわけですので、その中では自分の目下の者を大事にするとか、やっぱり年上の者を敬って、いろんなことを年上の上級生から学び取る、こういうような一つの子供の中の一つのどういいますか、集団、こういうものができ上がっておったわけでございます。
 今、山に入りますと、本当に恐ろしくなる。何が違うかといいますと、農家はやっぱり苗を育てたりするのに、常に落ち葉拾い、落ち葉を集めてそれを袋に詰めて取ってきて、それを寝かせて、それでやわらかい土とまぜて、半堆肥化して、それを代表的なのはたばこの苗床にする、こういうことをしたわけでございますが、そのことによって、山がきれいになる、そういうことでございました。その一つの社会の循環というものがなくなってきますと、一たび雨が降ると、山の保水力がないわけで、どんと流されてしまう、全てが流されて、つるつるの山肌が植林の木の中へ行くと見えております。落ち葉も実はないんです、一挙に流されますから。そういうような今の山の状況でございます。本当に私たちが小さいころの山というのは、それなりの条件が整って、山に保水力があって、そしてそのことは山崩れから山肌を守るというようなことがあったわけですが、そういう意味では、一口に言いますと、本当に赤トンボの童謡やふるさとという童謡がまことによく理解ができるような時代背景であったと思うわけでございますが、それが全部いいとは言いませんけれども、そうした自然との共生の中で育ったといいますか、我々というのは本当に自然を理解できたし、本当に今思っても幸せな時代に育ったなと、こんなことを思うわけでございます。これからもやはり一つの物の豊かな時代には、農村の水路という水路が全部コンクリート3面張りになってしまった。そして、コンクリート3面張りになって、原因はよく知らないんですが、コンクリートの3面張りにしますと、2年か3年しますと砂のたまるところにはシジミ貝が異常発生します。これは、数年で、1年か2年でございます。そして全くいなくなる、こういう現象が起こるわけでございますが、私たちの地域ももう随分前になりますが、圃場整備という事業をやりました。これに排水対策特別事業といいまして、幹線の水路を抜きます。これをコンクリートの3面張りの主要な幹線でございますからかなり大きいです。子供が大雨のときに落ちるとまず上がってこれなくて、大きな川まで流れ込んでいくというような川でございます。ですから、私はこのことを何とか魚がすめるようなことをところどころにしてくれないかと、こういう意見を出しましたけれども、大変残念なことは、自然を少しずつ残していくというのは、考え方としては非常にいいわけですが、工事が高くなると、こういう問題がございます。自然工法が高いのか、ところどころに入れていくから高いのかよくわかりませんが、大変残念なことであったなあと思います。しかし、しかしこれからずっと時代を経てくると、自然の大切さ、川には小魚、いろんな魚が自然の中ですんでいくものだということが理解されると、やはり自然工法の河川の姿が本来あるべきだということになると、費用対効果とか、いろんな面でそんな時代も来るのではないかと、私はそんなことも考えております。今は人の考えた循環型社会ということで、いろんなできるものは再利用するということが制度的といいますか、一つの枠組みの中で行われておるわけでございますが、それが今日でございますけれども、昔はそれが自然に当たり前のように行われていたと、こういうところにも時代の流れの変化というものが感じ取れるんではないかと思っております。しかしながら、どういう時代になっても、自然との共生、循環型社会というものは、人間がこの世の中にいる限り、常に追求していかなければならない課題である、このことには私は間違いない現実ではないかと、このように確信をしております。答弁にかえさせていただきます。
○議長(野村新作君) 農林水産課長。
      〔農林水産課長 村田 功君登壇〕
○農林水産課長(村田 功君) 田中議員の貝類による水稲被害についてお答えいたします。
 ことしのジャンボタニシ、スクミリンゴガイの水稲の被害状況でありますが、高知県中央東農業振興センター、JAに確認しましたところ、被害調査基準日の設定が7月1日であり、正確な数字は申し上げられませんが、議員御指摘のとおり、貝の食害が増加し、被害の大きかった水田は、苗を植えかえたりもしております。収量見込みについても、精度の高い情報はまだ得られておりません。ただ、貝自体の発生面積はほぼ変わらず平年並みで、早期稲で南国市の属する高知県中央部では、3,977ヘクタール中、平年1,381.5ヘクタールに対し、ことし1,391.4ヘクタールの調査結果が出ております。ジャンボタニシの被害地域の増大、拡散する理由として、貝生育水田で耕うんしたトラクター等の機器が、そのまま貝未生育地で作業することによる感染農地の拡散があります。被害防止対応策としましては、薬剤、農薬、パダン、キタジン、スクミノン、石灰窒素等の使用や水田へ侵入防止ネット等が挙げられますが、抜本的な対処方法がないのが現状です。3センチメートル以上の貝は、秋、冬、春のロータリー耕起で死滅できますが、小さなものが生き残ります。原産が南米で、寒さに弱く、南国市でも北部の中山間地域では冬が越せないようです。ことしの当市の被害の主な要因としましては、昨年秋の長雨により耕うんができず、貝密度を減らさなかったこと、また議員の言われた4月上旬に植えつけした早期稲が、寒い期間が続いたため生育がなずんだことにより、貝の食害を受ける期間が長期になったことが挙げられます。タニシは、秋から春に幹線水路の清掃等により貝や卵を捕殺する地域一斉駆除や耕うんにより貝密度を減らすと効果的であります。また、田植え後の2葉、2.5葉のやわらかい稚苗が食害に遭うので、3.5葉程度の早進化苗で食害に遭わない苗の移植の方法も検討されております。現段階で完全駆除というのは不可能に近く、県普及員の意見としましては、浅水管理を徹底して、1週間放りっ放しではなく、日々水田の状況を管理すること、つまり手を足して、目で見てと、そういうことが高温障害による白濁米の発生予防にもつながるということでありますが、多くの農家は、兼業化、高齢化等により、管理に十分手が回らないのが現状です。そのため、県、市、JAで組織する営農改善会普通作物部会としまして、先ほど申しました4月上、中旬の苗がやわらかく若い時期に、できるだけ浅水にして、貝の移動を抑えることにより食害を軽減させることが最大の防衛策として来年の作付に向け重点課題と捉え、JA広報紙、水稲栽培講習会等を通して、その周知、広報、啓発に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 幼保支援課長。
      〔幼保支援課長 岩川節生君登壇〕
○幼保支援課長(岩川節生君) 田中議員さんの御質問にお答えいたします。
 まず、5月13日から15日にかけまして、教育民生常任委員会の行政視察に同行させていただきました。委員の皆様に大変お世話になり、またいろんなことを教えていただきまして、どうもありがとうございました。今回の行政視察の感想を述べさせていただきます。
 生涯を通じた健康づくりには、幼児期における運動能力の向上の取り組みが大変重要であることを強く感じました。長野県松本市では、子供の時期から望ましい生活習慣の獲得を目的とし、食生活力及び体力の向上に取り組まれ、山梨県南アルプス市では、子供の体が危機に至っているとの経緯から、子供が生き生きと遊ぶことができる環境をつくるプレイリーダーの派遣や養成をし、運動能力、体力の向上に取り組んでおり、両市とも継続して実践するため、運動能力調査と生活習慣アンケートも実施しておりました。また、実施に当たっては、保育所、学校、行政との連携強化を図り、保護者と一体となって取り組むことが重要であるということを学びました。
 次に、平成25年度幼児期の運動促進に関する事業内容と今後の南国市の取り組みにつきましてお答えします。
 南国市教育委員会では、本年度、文部科学省と委託契約いたしまして、幼児期の運動促進に関する普及啓発事業を長岡東部保育園で実施をいたします。具体的には、6月末に大学教授等の外部の有識者及び関係団体や保護者の代表者等から成る南国市幼児期運動指針実践調査研究委員会を設置し、指導、助言をいただきながら、園児の走る、投げる、飛ぶの計測と生活習慣や休日の運動量調査を実施し、親子運動教室、保護者対象講演会や親子料理教室等を開催いたします。これらの検証結果をもとに、心身の発達が著しい幼児期にどのようにすべきなのか、将来像も見きわめ、独自性のある幼児期運動方針を作成し、また今回の教育民生常任委員会の行政視察で学んだことを踏まえ、市全体の検討も進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 1番田中徹君。
○1番(田中 徹君) 市長を初め、関係課長には御答弁いただきましてどうもありがとうございました。先ほど市長には、市長御自身の幼少期の四季を通じての遊びや思い出を語っていただきました。その中で学んだ人と人とのつながりや社会の循環といいますか、自然との共生は、今後も人が生きていく限り必要であるというような御答弁をいただきまして、私は本当にそういう逆に思い出がございませんでして、我々の時代、幼少期といいますと、やはりもうテレビゲームが主流になってきた時代でございまして、今改めて私が子供を持つ身となりまして、やはりそういう我々よりも親の世代、いわゆる市長と同じような年代なんですが、たくさんその幼少期のお話を聞かせていくたびに、親としてはやはりそういう子供の教育といいますか、環境を常につくってあげれば幸せかなあという思いが私にはすごいあります。今市長には1問目でも触れましたけども、やはり自然と共生していける社会というものを常にこの南国市でも構築できるように、今後さまざまな施策においても念頭に置いていただいて、取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 2つ目の貝類による水稲被害についてでございますが、少し国の動向を含めましてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、スクミリンゴガイは、要注意外来生物に選定されております。要注意外来生物とは、外来生物法の規制対象となる特定外来生物や未判定外来生物とは異なり、外来生物法に基づく飼育、栽培、保管及び運搬が規制されるものではありませんが、生態系に悪影響を及ぼし得ることから、利用にかかわる個人や事業者等に対し、適切な取り扱いについて理解と協力をお願いする生物です。また、平成17年6月に施行されました外来生物法の附則第4条では、法の施行後、5年を経過した場合において、同法の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしていることから、昨年6月から中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会におきまして審議が行われ、昨年12月に中央環境審議会から環境大臣及び農林水産大臣に対しまして意見具申がなされております。この意見具申において、仮称ではありますが、外来種被害防止行動計画や侵略的外来種リスト作成の必要性が指摘をされております。また、昨年9月に閣議決定された生物多様性国家戦略2012−2020においては、外来種の防除の優先度の考え方を整理し、計画的な防除等を推進するとともに、各主体における外来種対策に関する行動や地域レベルでの自主的な取り組みを促すために行動計画を策定すること、また外来生物法に基づく特定外来生物のみならず、我が国の生態系等に被害を及ぼす、または被害を及ぼすおそれのある侵略的外来種についてリストを作成することを目標にしております。そして、ことし2月22日に行われました第2回愛知目標達成のための侵略的外来種リスト作成会議の資料におきましては、スクミリンゴガイも候補種としてリストアップされております。また、2月28日に行われました第2回外来種被害防止行動計画策定会議におきましては、今年度、平成25年度中をめどに行動計画を策定し、公表するとしています。また、IUCN国際自然保護連合の世界の侵略的外来者ワースト100にも挙げられておりますし、農林水産省では、各都道府県に対して被害防止対策として、水田や河川等に生息しているスクミリンゴガイを処分する等の指導も現在行っております。このように、国や世界の状況からもわかりますように、現在はスクミリンゴガイが植物防疫法の規制対象となっているために、外来生物法が適用されず、強制的な駆除や防除は行いませんが、生態系に悪影響を及ぼすことは、世界的にも認識をされており、近い将来国レベルでの対策が必ず出てくると思っております。
 また、1点目の豊かさを追求する観点からも、自然と共生していくためには、こういった外来種や外来生物の対処や対策が今後重要な施策になってくると思います。今後も県と連携し、国の動向に注視しながら、外来生物の駆除や対策について検討していただきたいと思います。
 そこで、外来生物に対しての認識や今後の市としての対応を市長より御答弁いただければと思います。
 次に、幼児期における体力、運動能力向上の取り組みについて少し2問目をさせていただきたいと思います。
 先ほど岩川課長より平成25年度文科事業の事業概要について、内容について御説明をいただきました。今年度、この委託されます事業は、南国市が高知県内唯一の受託自治体であり、高知県教育委員会も、今後のこの取り組みに関心を寄せ、期待しているとお聞きをしております。
 そこで、教育長には、この事業の取り組みや成果をぜひ県内の他自治体へ普及、拡大していただき、高知県全体の幼児期の運動能力に対しての認識を高めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 また、竹内学校教育課長は、小中学校を所管される立場から、今回の幼児期の取り組みをどのように評価され、保・幼・小の連携を図られていくのか、また教育研究所では、保・幼・小の連携を専門的に研究する専任主事が配置されており、体力や運動能力の分野についても研究対象に加えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。課長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) 田中議員さんの外来生物に対しての認識並びに市としての今後の対応につきまして御答弁を申し上げます。
 外来生物に対しましての認識でございますが、スクミリンゴガイに限って言えば、何かに紛れ込んで偶発的に侵入した、いわゆる非意図的導入ではなく、食用という目的を持って持ち込まれました意図的導入でございまして、それが今日野生化して、水稲に被害を及ぼすという、農家にとりましては大きな迷惑というしかありませんが、全国的に被害を拡大している現在では、言っても詮方ないことだと思うわけでございます。意図的導入であろうとなかろうと、外来生物が本来の日本の生態系に悪影響を及ぼしていることは間違いなく、駆除を含め対応策の必要性は認識しておるところでございます。議員御指摘のとおり、スクミリンゴガイが侵略的外来リスト候補種に選定されておりまして、外来種被害防止行動計画策定会議は、今年度、25年度中をめどに、外来種被害防止行動計画を策定し公表するとしております。今後、国から県、市に対しまして、対処、対策の指導があるものと思われますので、その動向を十分注視いたしまして、その情報をもとに、JAなどとともに的確に対処してまいる決意でございます。
○議長(野村新作君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) 第2問の御答弁を申し上げます前に、このたびの幼児期の運動促進に関する普及啓発事業を文科省から委託をいただけましたのも、田中議員さんの御尽力のたまものでございまして、心から敬意を表しますとともに、日ごろより本市の教育行政に何かと御支援、御協力いただいておりますことにこの場をおかりしまして心から感謝を申し上げます。
 さて、幼児は、最初に出会う社会、家族を初めとする身近な大人の愛情に包まれ、心の安定を得ることによって、自分のよさや可能性に気づき、意欲や自信を持って主体的に生活できるようになり、いろいろな体験へチャレンジすると言われております。家庭の次に体験する社会、それが保育所、保育園、幼稚園での体験でございまして、幼児期の教育は、遊びを中心として、生活の中で一人一人の主体的な学びを通して、基本的な生活習慣や社会での態度を育て、規範意識や思考力、さらには豊かな感性と表現力等の芽生えを培う、養うと言われています。そのような中での今回の子供の心と体をつなぐ運動、身体運動は、極めて大切であると私も考えておるところでございます。皆様も御存じと思いますが、スキャモンの発達曲線によりますと、神経系統は、5歳から6歳で成熟期のほぼ80%が完成され、12歳でほぼ100%に達すると言われております。例えば、自転車に1回乗れ出したら、しばらく乗らなくっても乗れる、水泳も1年休んでいても翌年夏になれば泳げる、これもしかりでございますが、こま回しでありおじゃみなんかもその部類に入ろうかと思います。神経系統が最も発達するこの時期は、脳を初めとして、さまざまな神経が張りめぐらされる時期でございます。その中での遊び、例えば鬼ごっことか木登りとか隠れんぼ、虫とりとか川に石を投げるなど、遊びを取り入れた多種多様な動き、運動を経験することが大切であると思います。今回の取り組みの成果を南国市内の保育所、保育園、幼稚園へ広げることと、それに続いての現在行っています保・幼・小の連携及び小中の連携、南国市の教育委員会が取り組んでおります0歳から15歳の教育の継続ということの中で、3年間を通し、その実績を踏まえ、成果を踏まえて、高知県へ県内へ発信することがあれば発信してまいりたいと思いますし、まず南国市内で東部保育園を中心に、しっかりお取り組みをいただきたいと思いますし、運営の委員にもなっていただいております田中議員さんにもお力添えをいただき、また本市議会の議員の方々にも、委員にほかにも入っていただいておる方がございますので、皆様方のお力添えをいただきながら、有意義な実践になるように取り組んでまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(野村新作君) 学校教育課長。
○学校教育課長(竹内信人君) 人生に必要な知恵は、全て幼稚園の砂場で学ぶと言われるぐらい、就学前教育につきましては、非常に重要なものだという認識はしております。それだけに、今回の運動促進に関する普及啓発活動事業の指定につきましては、期待するものが大変大きいというふうに考えております。田中議員さんもおっしゃいましたように、現在、教育研究所に保・幼・小の連携教育のあり方を研究をするために専任主事を配置しております。ここで保・幼・小の連携カリキュラムの作成に向けての研究を行っておるわけですが、今回のこの指定、運動促進に関する普及啓発活動事業にもありますように、遊びの中の学びということにおきましては、小学校の学習や生活にどうつながっているかは、共通の研究テーマにもなろうかとは思いますので、歩調を合わせた研究に取り組んでいきたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、5育、知育、徳育、体育、食育、才育、こういったもののバランスがとれた教育実践を行っていきたいと思いますので、御支援、御協力をよろしくお願いいたします。
○議長(野村新作君) 1番田中徹君。
○1番(田中 徹君) 市長を初め、教育長、課長ありがとうございました。
 1点だけ3問目に行きたいと思うんですが、3問目といいますか、お願いの部分になるかもしれませんが。今年度、この25年度文科事業を委託されるわけですけども、今年度は単年度ということになっておりますけども、先日岩川課長とも同行させていただいて、教育民生常任委員会の山梨県南アルプス市へお伺いさせていただいたときに、実は南アルプス市では、平成19年から21年までの、今回の事業の1つ前段階の文科省事業に参加されておりまして、そこには山梨大学の中村教授が入っていただいているわけなんですけども、そこでお話をお伺いしますと、この事業は、本来、24年度、25年度、26年度の3カ年にわたっての継続事業であるということで、来年度も単年度契約にはなるけども、継続していく事業であるというようなお話もお伺いしておりますので、先ほど教育長の御答弁でありましたように、高知県内へ広げていく前に市内全域への拡大というお話もありましたように、来年度事業に関しましては、あるとするならば、今回は実施園が1園でございますけども、南国市、もう少し広げていっていただきたいというような思いがございますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。