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検索結果 »  平成24年 第363回市議会定例会(開催日:2012/09/07) »

一般質問 2日目(高木正平)

質問者:高木正平

答弁者:市長、関係課長


○副議長(竹内克憲君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。7番高木正平君。
      〔7番 高木正平君登壇〕
○7番(高木正平君) おはようございます。
 四たび防災対策につきましての質問をさせていただきます。
 大津波が想定される太平洋沿岸で、この宿命の地域に多くの皆様がお住まいでございますが、この多くの皆様方はこの地域に住み続けたいとの思いは強く、切なる思いが防災対策でございます。早速質問をさせていただきます。
 先般、岩沼市長をお迎えしたシンポジウムが、同期の田中議員、山中議員、岩松議員の若手議員を中心に、たくさんの熱心な皆様方のお骨折りによりまして、2日間にわたって開催されました。全ての日程に参加をさせていただきましたが、初日のシンポジウムで、高知大学の大年先生が、あと10年で津波対策のめどをつけなければ間に合わないと述べておられました。国の被害想定が公表されましたが、対策の上限値、つまり解決すべき目指す目標は、それは想定外をなくするというハード整備であり、逃げないことを許させないコミュニティーの形成であります。南海地震が来たら大津波が来る宿命の地域に住む私たちでございます。昨年初めての質問で、寺田寅彦の随筆より「災害を防ぐには、人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するよりほかはない」との一文を引用いたしました。去る9月1日は防災の日でございました。関東大震災を記憶し、災害に対する認識を改めて知る日でもありますが、寺田寅彦の随筆「震災日記」というのを見てみますと、9月1日は上野の美術館で絵画の鑑賞の後、談話中に急激に地震が襲い、自分の全く経験のない異常の大地震であったとあり、これが大正12年9月1日の関東大震災でございました。寅彦は地震の起きた瞬刻に、子供のときから何度となく母に聞かされていたという土佐の安政大地震の話がありありと思い出され、怖いながらも強震の震動を注意深く観察し、震動が衰えてから外の様子を見に出、そして記憶をしたようでございます。私は大湊小学校の校区に住んでおりますが、改めて見なれた、通りなれた地域の地形や構造物など見て回りました。校区は昨年東日本を襲った津波と同じ太平洋の沿岸に面しております。まずは遮る、防御するということで、津波の威力を減衰さすための防潮堤の整備につきまして、6月議会で吉川建設課長は、国、県に対して随時要望活動を行い、早期実現を図っていくとの答弁がございました。この10年で対策のめどをつけなければ間に合わないという専門家の見方もあり、巨大地震の揺れに耐え、津波を遮る強度と高さを備えた十分な防災機能を持った海岸線の整備につきまして、国策の中心に捉えた対策はどうなのか、具体的実施に向けた対応、取り組むべき対策はどのように進められているのか、まずお伺いいたします。
 防潮堤の整備同様橋梁の整備もまた重要でございます。校区内には後川、秋田川が集落を流れ、後川放水路から太平洋に注いでおります。後川筋、三和小学校の校区境に境目橋がありますが、ここから東へ境目下橋、伊都多橋、前浜橋、正興寺橋、山王橋とあり、これらの橋はいずれも架橋から22年、23年を経過いたしております。山王橋から下流の後川は秋田川と合流し、川幅は20メートル余りから40メートル以上とぐんと広くなり、合流してからの橋は新田橋、新上橋、切戸橋と3つの橋がかかっております。これらの橋はいずれも架橋から30年近くになっております。橋づくしが続きますが、秋田川にかかる黒潮ラインには新秋田川橋があり、それから北へ秋田川上流に焼橋、そして滑走路のすぐ南に下島里橋がかかっております。久枝の集落の北を流れる後川には7つの橋がかかり、後川分流水門から東へ、まず無名の橋があり、続いて宮前橋、前川橋、無名の橋、恵比須橋、後川橋、後川下橋とかかっており、後川樋門から太平洋へ流れております。これらの橋は昭和45年から58年ごろにかけての竣工でございますが、6月議会でコンクリートの耐用年数は50年と聞き、そうであれば、これらの橋は限りなく耐用年数がすぐに迫っております。
 また、下島浜から久枝は、後川と太平洋に囲まれた土地で、集落をつなぐ橋は、発災時避難や救援・救護など重要な構造物で、唯一命の動線でございます。耐用年数が迫るこれらの橋梁は、揺れや衝撃に耐えられる構造物として急ぐ対応が必要となってまいります。南海地震の発生確率を30年先60%と言われておりましたが、仮に30年先とするならば、校区内の橋は全て耐用年数を過ぎ、揺れや衝撃に耐えるは困難で、危険な状態で経過していることになります。
 そこで、橋梁機能を確実に堅持できる維持管理について、耐用年数による橋梁点検や抜本的な計画、改修などの実現を関係機関に対しぜひお願いをいたしたいと思うところで、その対応などいかがなものなのか、お伺いをいたします。
 また、後川の境目橋付近から太平洋に浜改田第2放水路がありますが、設置から既に30年以上もたっており、揺れに伴い陥落の危険性など心配されておりますが、水門の現状など検証の上、しかるべき対策をお願いいたしたいところでございます。
 次に、路線バスのバス道にかかる切戸橋からすぐ北、海抜一、二メートルの川筋に、その低い土地に住宅の家並みが幾重にも連なっております。後川放水路と海岸堤防は、まさに家屋敷、家財道具などを守る命の地域のとりででありますし、避難タワーなどの高台は命のとりでであります。その命のとりで、既に完成いたしております南部市民館の避難タワーでございますが、高さの優位性、役に立つかどうかですが、早い結論が必要で、それにより再構築あるいは新設など図るが急務となります。先月末に国の公表があり、県の発表も続けてあるようでございますが、公表後は直ちに結論を地域にお示しいただき、対応をお願いいたしたくこの是非についてお尋ねいたします。
 危機管理課西原課長を初め担当職員の皆様は、再三私たちの地域に出向いてこられ、熱心な説明で積極的な対策、対応をしていただき、地域の皆様の期待も大きいところでございますが、避難タワー建設につきまして、今2カ所でボーリング調査など行われておりますが、進捗や現況、また年度内の完了見込みなど御説明をお願いいたします。
 さて、岩沼市長をお迎えしてのシンポジウムですが、井口市長は発災後3日間で不足したもの、それは安否情報、水、食料、電気、ガス、衣類。そして困ったことは、不安、空腹、寒さだったと言われました。発災1カ月後不足したものは、水、お金。困ったことは、風呂に入れない、何も買えないと言っておられました。その不足したという水、災害時の生活用水確保は、被災地の実態から何としても確実なものにしておく必要があります。先月末の高知新聞香長総局の取材記事を拝見いたしましたが、上下水道局では、南海地震に備え水源地や配水池など耐震強化を急ぎ、緊急給水体制の充実を図っているとの記事があり、高田局長は、10年あればさまざまな手を打てると、スピードを持った対策で水道管や庁舎など施設の防災と被災時の給水確保のため耐震強化を急いでいると述べておりました。その対策の進展にあわせ生活用水を身近に確保するため、隣近所の助け合いという近助で水を分け合い、利用し合うことができるよう、集落内に手動ポンプ設置の必要性を感じており、再度お伺いをさせていただきます。
 電気がなくても水をくみ上げられる井戸ですが、東日本大震災以降、その井戸が見直されており、東京都練馬区では、一般家庭の井戸を防災用井戸として登録する制度を設けているようでございます。登録された井戸は、ミニ防災井戸として区と協定を結び、練馬区が無償で手動ポンプを設置するなどの対応をしているようでございます。南国市でも身近で手近な手動ポンプによるミニ防災井戸の整備、設置の推進につきまして、そのお考えをお伺いいたします。
 次に、防災教育、再三ではございますが、お伺いをさせていただきます。
 校長会の先生方と学校教育課長も参加をされまして、姉妹都市岩沼市を訪問されましたことを市政報告で承知をいたしました。さまざまな協議を通じ、被災地から多くのことを学んでこられたことだと思います。6月議会で教育長は、みずからの命をみずからが守るという子供たちを育成するためには、やはり学校・家庭・地域が一丸となった防災教育が必要であると、前田議員の質問にお答えになりました。大湊小学校は本年度実践的防災教育推進事業の指定推進モデル校の指定を受け、一層積極的な取り組みを行っていることだと思いますが、被災地岩沼市を訪問され、現場の先生方や子供たちにじかに接し、率直なお話をお聞きになり、地域の地形や環境もごらんになった中で、南国市の沿岸部の保育所や学校は、岩沼市を襲った災害が再び繰り返されたとしたなら、あるいは想定外の災害が襲ったとしたなら、訪問で得た教訓もあわせどのような防災教育、災害対策の必要性をお感じになられたのか、まずお伺いをいたします。
 そして、発災時子供たちはみずからが正しい行動をどうとればいいのか、決められることができるのか、瞬時に適切な行動をとることができる意識の備えについて、防災教育のヒントとなるような新たな取り組みの構想などぜひお聞かせいただければと思います。
 そして、大湊小学校のモデル校としての実践に早速どのように生かしていかれるのでしょうか。
 またさらに、南国市の学校、当然学校によって立地条件は違っておりますが、モデル校の実践を他校にどのように活用していかれるのか、その活用性なども含めてお伺いをいたします。
 東日本大震災以降、防災への意識をさらに高めなければと思い続ける中で、先日ドキュメンタリー番組を見ました。釜石小学校の児童全員が自力で大津波を生き延びた貴重な体験をしたとして語り継がれている子供たちのことで、改めて災害から身を守るために必要なことなど考えさせられました。寺田寅彦は子供のときにこそ身につけさせる必要性を提言しており、根本的対策としては、小学校教育並びに家庭教育において、児童の感受性豊かなる頭脳に鮮明なる、しかも持続性ある印象として、災害に関する最重要な心得の一般を固定させるよりほかに道はないと述べております。大人顔負けの判断力や想像力で危機を乗り切ったその行動を伝えたドキュメントを見、発災時子供も親も命を守り抜くというきずな、その信頼の強さで瞬時の行動ができるよう、日ごろのPTA活動での取り組み、実践も重要になってまいります。災害や危険に備えたPTA活動はどのように進められているのか、お伺いいたします。
 防災教育は安全教育のみならず、危険教育でなければならないという点も重要なことであります。こうすれば安全という重要な危険回避の方法を教えるのみでなく、どこにどのような危険があるのかを教え、危険認識を持つ必要もあります。そうでないと、想定外の問題に柔軟に対処するために必要な意識基準を自分の中につくることができないのではと思いますが、教育長の御認識と再三ではありますが、防災教育の実践についてお聞きいたします。
 さて、防災教育に関連し、子供たちにぜひ伝えたい民話があります。昭和48年3月、南国市教育委員会が発行した「南国市の民話と伝説」というおもしろい本で、大野教育長と同じく崇高な教育者で教育長をお務めになられ、私が最も尊敬をする利岡冨次先生がお書きになった民話でございます。短編の一つ、「物部郷の由来」という奈良時代にさかのぼった話があり、その中のおもしろい話でございます。お聞き苦しいと思いますが、少し朗読をさせていただきます。
 昔、物部川の河口に2つの大きな岩山があり、川の流れを塞いで、氾濫の原因となっていたので住民は困り果てていた。ところがある日、突然大きな赤鬼があらわれ、みるみるうちに2つの岩山をそれぞれ大縄で縛り上げ、オオクを渡して担い上げた。物すごい地響きとともに2つの岩山は宙に浮いた。赤鬼は一段と顔を赤くし、満身の力を絞って一足、一足と力強く歩き出した。物部川の流れを東に渡ろうとして中流に差しかかったとき、オオクがめりめりと折れてしまったからたまらない。そのため2つの岩山は川を挟んで東西に分かれ、どかっと腰を据えたのである。そして東岸の岩山を上岡山、西岸の岩山を久枝山と呼ぶようになったという民話でございます。民話ではありますが、命山の起源でございます。私は緩衝緑地帯のかさ上げによる命山の再現など要望してまいりましたし、命山の経緯からしんしゃくして、ぜひ復元をと申してまいりましたが、航空法の規制のため不可能ということでございました。6月議会市長は、中・長期的には本来の命山構想というものの実現をぜひ図っていきたいと田中議員の質問にお答えになられました。
 また、西原課長も中山議員の質問に対し、鉄骨やコンクリートの建築物に比べても経年変化も少ないため、長時間長期間にわたって使用できる、平常時に公園として活用できるなどメリットもあり、命山構想の避難場所の確保の一つの手法として人工的な山や高台公園の造成も検討していたが、この2年間では避難タワーと述べられ、平成26年度以降避難場所整備の計画をする際には、その時点で最良と思われる整備方法も参考にすると述べました。私は初めての一般質問以来、命を守る高台は人々の憩いの場所であり、公園であり、子供たちの遊びの記憶の中にしっかり根差していることが重要であると申してまいりました。ぜひ本来の命山を高台公園として実現できますよう、今後とも要望してまいりたいと思います。
 多額の費用がかかります。また、造成にも長い時間がかかります。だんだんと高くなり、山になっていく造成過程こそ、日々東日本大震災の記憶も薄れることなく、災害の記憶も鮮明であり続ける、そうした命山でございます。東日本大震災で大きな痛手を受け、今復興また再生への長い道のりに立ち向かわれている姉妹都市岩沼市を支え合うということを象徴する命山であり、いずれはこの命山に支え合いを象徴するモニュメントの設置もと願っております。将来の世代にいつまでもインスピレーションを残し、防災意識を高め生かし続けていける新命山でございます。今後の取り組みをぜひとも願うものでございますが、市長の御所見をお伺いいたします。
 最後に、防災意識の喚起につきましてお伺いをいたします。
 啓蒙啓発の視点による喚起でございますが、地震の揺れと津波から身を守るために、そのとき何をすればいいのか、日ごろからの危機意識をどう高めていけるのか、重要なことですが、地震と津波への備えについて、その意識づくりは多角度からの積み重ねが大切で、その一つの方法として広報への掲載があり、しかも継続した掲載が必要と思っております。6月の広報に特集記事が掲載されておりましたが、その前後の広報には、危機感を伝える記事はありません。一口メモとかワンポイントとか、毎号に継続して掲載すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 そして成人式です。危機意識の比較的低い世代というのでしょうか、避難訓練や防災活動への参加や体験など空白の世代でないかとも思われます。ことしの成人式で20歳のメッセージを述べられた代表の方が、力強い発表の中で東日本大震災のことをしっかり述べられておりました。成人の皆様に防災に対する主体性を持っていただき、防災・減災に対して積極的であるよう成人式こそ防災・減災への喚起を促すいい機会であると思い、式典に先立ちアトラクションの企画でございましたが、防災・減災への喚起を促す内容の企画にと思うところでございます。いかがでしょうか、教育委員会のお考えをお聞きいたします。
 南海地震対策、津波対策につきまして申し上げてまいりましたが、東日本大震災の甚大なあの悲惨な被害の状況を知る多くの人が、必ず次の南海地震を体験いたします。国の被害想定は7割以上は津波が原因で死亡するとの公表でございました。再び繰り返されることがないよう、津波対策の強化、減災対策につきまして、それぞれの答弁をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○副議長(竹内克憲君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) おはようございます。
 高木議員さんの新命山構想といいますか、これについて私の考えを述べさせていただきまして御答弁としたいと思います。
 本市の物部、久枝、三島村が相寄りまして、県下屈指の優良な村となって栄えてまいりました当時の三島の里に鎮守室岡山がございました。白鳳から明治にかけまして、地震、津波、洪水から幾度となく村人が避難して助かったため命山と呼ばれたと言い伝えられております。この命山は周囲が470メーター、標高28.2メーターございましたけれども、昭和16年に旧海軍航空基地建設に伴いまして一瞬のうちに爆破され、壊されまして、跡形もなく現在のような状況でございます。このような地区の歴史から考えましても、命山にかわるものとして、やはり自然の山の復元が難しいわけでございますけれども、人工的な山や高台公園の造成を中・長期的に実現できないものか、私も実現の思いは持ち続けているわけでございまして、決して諦めているものではございません。1,000年のような長期間にわたりまして使用できる高台公園は、避難場所確保の一手法として、その思いは高木議員と私は同じだと、このように思っております。
 しかしながら、本市が今の現状で実現に向けて取り組むには、いろんな制約がございます。農地法の問題もしかりでございます。御存じのとおり高知平野は優良農地が大変多いわけでございまして、この優良な農地を建設用地に転用することに対しましては、いろんな制約がございます。また、農業公共投資対象農地であったり、集団農地で生産性の高い農地などは、原則農地転用は認められていないこと、またこういうものにつきまして、財源につきましても新たな財源の見通しがつかないことなど、不確定な要素もございます。したがいまして、もう少し時間をかけて法制度改革なども含めまして見きわめていく必要があると、このように思っております。まずは今避難タワーをつくりまして、その後にじっくり取り組んでまいりたい。必ず自然の昔の命山は取り戻したいと、私は市長としてそのように思っておるところでございます。
 以上です。
○副議長(竹内克憲君) 建設課長。
      〔建設課長 吉川宏幸君登壇〕
○建設課長(吉川宏幸君) 高木議員さんの御質問にお答えをします。
 まず、高知海岸の堤防につきましてですけれども、これは以前にも申しましたように県管理の部分と国交省管理の部分、これがございまして、まず久枝から十市までの県管理の部分でございますけれども、先日中央東土木のほうでこの件につきまして協議といいますか、ちょっと要望も兼ねてお話にお伺いしまして確認をしましたところ、高知海岸につきましては、平成23年度より堤防の耐震の調査を行っておるということで、今後も必要な箇所において、これらの結果に基づいた耐震補強を検討し、またこうした取り組みを進めながら砂浜や構造物の変化に注意しながら適切な維持管理を実施してまいりますという回答をいただいております。
 それと直轄の部分につきましてですけれども、これは国土交通省高知河川国道事務所、こちらのほうに先日別件で用がありまして、そのときにもちょっと確認をいたしたところでございます。南国工区、つまり十市から仁井田、高知市の仁井田までの区間、これを南国工区ということになっておりますけれども、これにつきましては、今現在高知新港に防波堤を設置するという計画があるようでございまして、その防波堤による波高の影響等の解析の段階で今ございまして、工事の着工年度というのは、まだ明確にはなっておらないようですけれども、その解析ができ次第計画を立てて工事の実施ということになっていこうかと思います。いずれにしましても、今までかなり申してきましたけれども、直轄高知海岸改修期成同盟会、それ土佐市会長筆頭に、土佐市、高知市、南国市含めた強力な要望を行っていきたい、こういうふうに思っております。
 そして、2問目の橋梁点検の件でございます。
 これは平成21年、22年に点検を実施をしまして、昨年23年度に長寿命化計画これを策定をいたしました。この計画におきましては、緊急輸送路、生活道としての利用等、これが十分加味されておりますけれども、この中には耐震については含まれておりませんで、今後は長寿命化計画と耐震を含めた検討を今現在行っております。平成24年度はみのこし橋、下島橋これに着手をしますけれども、引き続き緊急性の高い箇所から随時計画性を持って実施をしてまいります。
 そして次に、後川の第2放水路の件でございます。
 この放水路につきましては、去る5月23日に中央東土木事務所と一緒に現地のほうに出向きまして、放水路の中に入り目視による調査をしました結果、かなり老朽化が進んでいる状況でございます。中央東土木事務所としましては、とにかくこのもう第2放水路は塞ぎたいという思いを持っております。ただその塞ぐに当たりましても、当然もしこれを塞ぎますと、後川の本線への流量の影響が出てきますので、その辺を今土木のほうで解析をしておるようですので、それができ次第もう早急に塞ぐというような回答をいただいております。
 以上でございます。
○副議長(竹内克憲君) 危機管理課長。
      〔危機管理課長 西原三登君登壇〕
○危機管理課長(西原三登君) 高木議員さんの御質問にお答えいたします。
 安全な避難場所の整備ということで、既に完成をしております南部市民館の避難タワーは、新想定での暫定50メートルメッシュによる浸水深によれば、市民館の敷地から地上約8メーターになるとされております。避難タワーの避難場所の高さは、敷地から6メートルを築造しており、避難場所として使用できないことになります。建設当時は安政南海地震の想定による津波想定に基づいて設計を進めてまいりましたが、将来のことを考慮して、高さにつきましては5メートル増築する、地震の揺れに耐える、津波の波力対策では、津波波圧の算定は設計用の浸水深の3倍、つまり18メーターの静水圧が建物にかかっても倒壊・転倒・滑動しない計算をして内閣府津波避難ビルガイドラインに基づいて築造してきたわけでございます。
 しかし、新想定では2メーター超えることになりましたので、再構築するためには、この2メートルの津波波力を再計算して、避難タワーが倒壊・転倒・滑動しないことを再確認する必要があります。その後津波波圧の計算は、内閣府の津波避難ビルガイドラインではなく、平成23年11月17日付で津波避難ビル等の構造上の要件に係る暫定指針として国土交通省より示されております。本設計法は、津波避難ビル等の構造設計に適合するとなっており、本市の進める津波避難タワーに採用できるものかどうかわからない状況であります。したがいまして、高知県が取り組んでいる津波避難タワー設計のための参考資料及び高知県版第二弾南海トラフの巨大地震による津波浸水予測の公表があり次第、再構築か新設かの対応について検討し、その結論について地区に説明をいたします。
 次に、津波避難タワーの進捗状況につきましては、用地買収済みが1カ所、用地の見通しがついている場所は5カ所、残りは用地選定などの交渉中となっております。設計では、構造概算費用を比較するための基本設計を発注しております。地質調査につきましても、伊都多神社と浜改田中ノ丁の2カ所を開始しております。埋蔵文化財の試掘も4カ所で終了し、いずれの場所も埋蔵文化財は発掘されておりません。
 また、年度内の完了見込みにつきましては、津波避難タワーの避難場所の高さなどを決定するためには、高知県版第二弾南海トラフの巨大地震による津波浸水予測の公表を待つ必要がありますが、県がことしの秋としていた第二弾の公表が少しおくれて年末とお聞きをしております。年度内の完成は厳しいのではないかと考えております。
 次に、防災井戸整備の設置につきましてお答えいたします。
 高木議員さんの御提案のとおり、井戸の所有者と協定を結び、災害時の生活用水の確保をすることは、有効な施策であると考えるところです。
 しかしながら、手動でくみ上げるポンプの整備につきましては、6月議会にて上下水道局長がお答えしましたとおり、平成18年度よりボーリング業者から、避難所となる学校4校に井戸水をくみ上げる手押しポンプの寄贈を受けております。また、南国市の整備も昨年度稲生小学校に設置をしております。市としましては、手動ポンプの設置は地下水が出るという条件がございますが、避難場所に指定しているところより順次整備をしていきたいと考えております。
 また、発災後の対策も重要でございますが、命山構想に基づき避難タワーや避難路など逃げ場の確保を2カ年という限られた期間、財源のもと迅速に対応を進めているところです。したがいまして、議員さんの御提案の練馬区のように井戸の所有者と協定を結び、自主財源による制度を立ち上げて手動ポンプを整備するということは、現在のところ考えておりません。災害時の水の確保としましては、先日も高知新聞にて報道のありましたように、配水池への自動遮断弁の設置や耐震性貯水槽の整備などの対策も進めておりますので、御理解と御協力のほどよろしくお願いをいたします。
 以上でございます。
○副議長(竹内克憲君) 学校教育課長。
      〔学校教育課長 竹内信人君登壇〕
○学校教育課長(竹内信人君) 高木議員さんからの防災教育についての御質問にお答えいたします。
 去る7月31日から8月2日にかけまして、南国市校長会代表6名と私を含めた計7名で岩沼市を訪問してまいりました。視察は被害を最も受けた沿岸部を中心に復興の様子を直接拝見させていただきました。校長先生方は1年半近くたった今でも残る震災の爪跡に驚き、改めて地震・津波の恐怖を感じられたと同時に、似通った地形の本市に地震・津波が襲うことを予期した学校での取り組みが必要だとの思いを新たにした様子でした。私は震災直後の状況を見ておりましたので、あの手のつけられない状況の中から生活ができる状況へと、その復興の速さに驚かされました。
 また、岩沼市教育委員会と岩沼市校長会との交流も行い、親睦を深めるとともに、現地の校長先生方から震災時またはその後の学校での取り組みについて、臨場感あふれるお話を聞かせていただきました。特に玉浦中学校を訪問させていただき、校内の被災状況や復興状況を目の当たりにしながら横橋校長先生からは、現在の取り組み状況や今なお残る子供や保護者の精神的なダメージ、トラウマなど詳しい説明をいただき、教育における復興はまだまだ時間がかかることを実感いたしました。
 しかし、玉浦中学校の防災教育の取り組みは大変参考となることが多く、個人の防災力の向上、学校の防災力の向上を2つの柱として、防災個人マニュアルや避難所運営マニュアルの作成、そして生徒の訓練から教師の訓練へと指導者が育つ避難訓練の取り組みは、まさに大きな教訓から得た実践であると感じました。意識が変われば行動が変わると言われますが、目的を明確にした避難訓練等の実施や学校と家庭が連携した防災個人マニュアルの作成は、高木議員さん御指摘のとおり、子供たち一人一人の防災意識の向上とともに時と場に応じた判断力の育成や危険回避能力の育成に大変有効な取り組みであると思いますので、岩沼市の実践を本市でも積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
 また、実践的防災教育推進事業の指定により、大湊小学校がその先導的な役割を担っておりますが、防災カリキュラムの作成を初め、11月23日の地域ぐるみによる防災訓練については、今後具体的な実施計画を話し合う段階からPTAや地域の方々にも入っていただいて進める準備をしております。
 さらに、1月22日の実践的防災教育発表会等を通じて、沿岸部の学校だけでなく、全市的にその実践を普及していきたいと考えておりますので、その際には皆様方の御支援、御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
○副議長(竹内克憲君) 企画課長。
      〔参事兼企画課長 西山明彦君登壇〕
○参事兼企画課長(西山明彦君) 高木議員さんの防災意識の喚起という点についての御質問にお答えします。
 高木議員さんからは、「広報なんこく」のほうに一口メモとかワンポイントとかといった形で毎号に継続して掲載をするべきであるという御提言をいただきましたけれども、南海地震に備えるということで市民への意識づけをしていくということでは、非常に有効な手段になるというふうに思います。したがいまして、紙面の問題もございますけれども、早くても11月号ということになりますけれども、危機管理課と相談しながら、どういった形で載せるかは別といたしまして、前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(竹内克憲君) 生涯学習課長。
      〔生涯学習課長 谷合成章君登壇〕
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの成人式でのアトラクションの企画を変更し、防災・減災への喚起を促す内容の企画に変更してはとの御質問にお答えいたします。
 成人式につきましては、高木議員様を初め、多くの議員様の御臨席を賜りまして本年も盛大に開催できましたことを厚く御礼申し上げます。
 さて、本年の成人式におきましては、御提案いただきました防災に関する啓発コーナーを初めて設置いたしました。コーナーは会場後方に約20メートルのスペースを使いまして、十数枚のパネルや防災グッズ、書籍等を展示し、司会からも数回にわたりコーナーの紹介をいたしました。
 しかしながら、東日本大震災直後の成人式でございましたが、関心を示す新成人はほとんどおりませんでした。
 また、防災啓発コーナーの案内役を務めました西原危機管理課長に様子を聞きましたところ、式典終了後に直接新成人やその保護者等へ呼びかけを行ったそうでございますが、やはり一生に一度の成人式でございまして、開場時間も限られていることから、熱心な反応は見られなかったとのことでございます。このことを踏まえまして、新成人を含めた若い世代には、近隣他市の取り組みも参考にしまして、別の方法での啓発について検討してまいりたいと考えております。今後につきましても、高木議員さんがおっしゃられました防災意識の喚起を促すためにも6月議会で御答弁を申し上げましたとおり、危機管理課を中心に庁内での情報共有を図りながら、本年度を防災元年と位置づけて取り組んでおります避難施設の整備や市民啓発などの防災対策を進めてまいりたいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○副議長(竹内克憲君) 7番高木正平君。
○7番(高木正平君) 市長を初めそれぞれの課長さん方、ありがとうございました。
 まず、市長のほうから、命山につきましては自然の山の復元ということで、必ず昔の命山を取り戻したいというその思いを持ち続けていただいておることにつきまして、非常に大きな安心の思いをその言葉に委ねる気がいたしますけれども、岩沼市は今1,000年を見越した丘づくりに取り組んでおります。岩沼市の災害の教訓から、南国市は10年先あるいは数十年先を目途に、ぜひ高台の命山の実現に、避難タワーの進捗にあわせて計画を具体的に進めていただけるお取り組みをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 建設課長のほうからは、6月議会でもお聞きいたしましたけれども、東土木あるいは国との現地の状況に基づく検討を重ねていただいておりまして、長寿命化計画あるいは耐震計画など具体的にその計画は進められておりますけれども、3市と共同しながら、ぜひ海岸線の津波対策あるいは揺れに対する橋梁の計画補修など取り組んでいただくことを改めてお願いをし、建設課長のお取り組みの姿勢に敬意を申し上げたいと思います。
 それと、浜改田の第2放水路ですけども、今課長も言われましたように、現地の防災連合会の会長もその放水路の中に入って目視調査もしております。今日では大雨の折、御存じのように畑は砂地でございますけれども、陥落の箇所もあるなどの現状も申されておりましたけれども、現状の放水路の役割を踏まえた中で最も適切な、いざというときの避難の支障にならないような対応をぜひお願いしたいと思います。
 それから、危機管理課長、避難タワーのことにつきまして、今2カ所のボーリングを行っております箇所が、まず最初に完成するところかなと思うところですけれども、ぜひ誰の目にも、中の構造というものはよくわかりませんけれども、これやったらまことこの辺の人間がこじゃんと大丈夫に思うというふうな思いを、安心を抱かせることができるような見た目にも丈夫な避難タワー、高さも備えた避難タワーの完成を念じておりますので、お願いしたいと思います。
 それから、手押しポンプですけれども、6月議会もそうでしたけれども、現に4校に設置をされているとかという話もあります。ぜひその設置されている箇所では、日ごろ使いなれて、水が絶えることがないというか、誘い水を出さな、何ぼ上下に動かしても出んようなことではらちが明かんと思いますので、そのこととか、私の住まいの周辺には、家庭の飲み水、生活用水を全てくみ上げのポンプ一本で生活している、いわゆる上水道を設置してない家庭もあります。そのあたりの井戸につきましては、いわゆる自主防災を通じて近助という思いで私たちもそのあたりの意識を浸透させていかないといけないと思いますので、そのあたりの共同姿勢でもこれからの取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 それと学校教育課長、発災直後も現地に行かれた様子ですし、そして1年5カ月ぶりの訪問であったという中での状況を御報告を含めて伺いましたけれども、市政報告の中で、学校教育レベルでの交流・連携が一層深まるものと考えているということがありますけれども、ぜひここは何か受け身のような文言じゃなくて、深めていきたいという強い意志の中で、と申しますのは、先ほどの御答弁にもありました大きな教訓から得た実践というのは、岩沼市被災後のあの悲惨な状況を受けての教訓ですけれども、私たちの南国市では、これから起こるとされる防災に対してのこの教訓は、実際被災を受けた岩沼市の教訓が大きな教訓になりますので、積極的に岩沼市の状況というものを再三というか、校長先生方の立場あるいは子供たちの立場でじかに見聞ができるような機会へのお取り組みも計画していただきたいということをお願いしたいと思います。
 そして、啓蒙啓発のことに関してですけれども、あるメディアでは、南海地震一口メモというのを定時のニュースの番組で、ローカルニュースの番組の中で毎日のように、もう数年続いていると思いますけども、ぜひ広報の表紙などのよく効果のある、よく目にすることができる箇所に、帯状でも一口メモあるいはワンポイントメッセージを送っていただきたいと思います。6月の広報にも防災キャラクターの「なんこく防災くん」が載っておりましたけども、例えばゴメンジャーを、認知度です。いわゆるPR効果といいますか、活動度といいますか、ゴメンジャーを100としたらなんこく防災くんの認知度というか、登場頻度、どれぐらいだと思われるかなということをお聞きしてみたいところですけども、仮にさほどでもなければ、なんこく防災くんの制作経緯は承知しておりませんけれども、県が制作しておりますやなせたかし先生のさまざまな防災キャラクターをもっと積極的に活用する方向で、市民のみならず県民の方にも南国市の状況を伝えることができるキャラクターとしての登場を願ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。いわゆるゆるキャラの効果を求めての県のキャラクターの活用についてです。
 そして、最後に成人式ですけれども、例年式典の前にライブ、ミニライブのようなショーを行っておりますし、ロンドンオリンピックでも、それこそサプライズにポール・マッカートニーが「ヘイ・ジュード」を歌われた音楽の効果というのは非常に高いということは十分承知しておりますけども、ここは今成人者の方々に申し上げましたような意識の中では、式典の前に一定の短いレクチャーでも行うことで、この時期ならの企画じゃないかということを思いますし、ぜひ続けていっていただける計画をお持ちいただきたいと願うところです。
 ことしの成人式にさほど効果がなかった、別の方法というようなことも言われておりましたけれども、そりゃまあ、あの暗がりの中で、見ようち見れんじゃないかなと思います。ぜひ学校の卒業式も、あるいはさまざまな市の式典でも、式典に該当する当事者といいますか、つまり成人式で言えば成人者の方が主役でございますので、会場全体を明るい中で成人式をすれば、あるいは関心を示す方ももっといたかもしれないと思います。ぜひ啓蒙啓発につながるようなレクチャー的な企画でもいいじゃないかと思いますけれども、成人式への企画について再考していただきたいということでございます。
 幾つか申し上げましたけれども、それぞれ重ねてお答えいただければという願いを持っております。
 以上です。
○副議長(竹内克憲君) 答弁を求めます。企画課長。
○参事兼企画課長(西山明彦君) 高木議員さんのキャラクターの使用ということで、南国市防災キャラクター「なんこく防災くん」というキャラクターを制作しております。認知度についてということですけども、まだ決して高くないというふうに思います。せっかくつくったキャラクターですので、これを活用させていただいて、広報に毎号意識づけを図るということにしていきたいというふうに思います。
 以上です。
○副議長(竹内克憲君) 危機管理課長。
○危機管理課長(西原三登君) 防災井戸のことでございますが、確かに誘い水がないと緊急時に出ないということについて、私も寄贈いただいたものが出るかということで確かめをせえということでやりましたところ、全て4カ所ともが出ないと。これは学校が日々に使っていただきたいという思いもございまして先生にもお願いもしましたけれども、その後その直した井戸のポンプが、ほんのこの前、さらにまた出んと。それはやっぱりおっしゃるように、誘い水を日々に行わないと機能しないというようなものになっているわけでございますので、高木議員さんのおっしゃるように、昔の深い井戸がきちっとあれば、それはまたやり方として違うんですが、打ち込みという形については、少しあの機能は、私は問題があるというふうに感じておりますので、今後いろいろ見きわめながら、発災時水の必要性というのは感じてございますので、どういう手法でやるかも含めて取り組んでまいりますので、もう少し様子を見ていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。