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検索結果 »  平成24年 第361回市議会定例会(開催日:2012/06/08) »

一般質問 3日目(田中 徹)

質問者:田中 徹

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(野村新作君) 1番田中徹君。
      〔1番 田中 徹君登壇〕
○1番(田中 徹君) 平成23年3月11日14時46分東北地方太平洋沖地震発生。あの日本列島を震撼させた巨大地震からはや1年3カ月、今日まで我々南海地震に備える者にとっては、大きな衝撃を受け、多くのことを学び、多くのことを考えさせられたのではないでしょうか。今被災地では、復旧復興に向けさまざまな課題に直面しながらもしっかりと前を向き、懸命に努力し続けておられます。
 先日被災地の中でも特に被害の大きかった宮城県に約2週間滞在し、現状の課題や教訓など多くのことを学んでまいりました。宮城県の女川町や岩手県の陸前高田市など、壊滅的な被害を受けた沿岸部の状況を目の当たりにすると、被害の甚大さを痛感するとともに、改めて南国市民には同じ思いをさせてはならないと強く決意いたしました。
 そのような思いから、今回は私自身が被災地滞在中に直接聞き、感じたことを本市の施策にも反映させたく、提案も踏まえ質問をさせていただきます。
 それでは、まず初めに今後の南海トラフ巨大地震対策として、事前復興計画策定の必要性についてお伺いいたします。
 事前復興とは、災害が発生した際のことを想定し、被害の最小化につながる都市計画やまちづくりを推進することであり、減災や防災まちづくりの一環として行われる取り組みの一つであります。
 本市においては、本年を防災元年と位置づけ、今後2年間で14基の避難タワーや2棟の避難ビルの建設予定など、さまざまな防災対策事業が始まっております。
 また、予算面においても、本年度当初に続き、今定例会にも8億円を超える大規模な補正予算案が提示されております。
 今だからこそ将来の南国市を見据えたグランドデザインを描くべきであり、大局的な観点から指針を示すべきだと私は考えます。そのためには、第3次総合計画や都市計画マスタープランの見直しも必要になってくるのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
 次に、命山構想についてお伺いいたします。
 本市の沿岸地域にとって津波避難場所の確保は喫緊の課題であり、避難施設の早期完成を願う気持ちは私も同じであります。ただ1つ危惧するならば、現在建設予定のすべての避難施設は、耐用年数が30年から50年という建築物であるということです。
 被災地では、姉妹都市岩沼市の千年希望の丘構想を初め、岩手県大槌町の鎮魂の森構想など、多くの自治体で命を守る森の防潮堤プロジェクトが進んでおります。本市においても見習うべきと思います。
 歴史的な背景をひもとけば、関東大震災で発生した震災瓦れきを埋め立てて山下公園がつくられ、ドイツでは第2次世界大戦後に大量に発生した戦災瓦れきを利用した森ができております。小高い丘を構築することは、財政上の問題などハードルが高いことは重々承知いたしておりますが、被災地のように震災瓦れきを使わなくても、84%の森林面積を誇る本県ですので、その特性を生かした方法もあるのではないかと考えます。
 地球資源の循環という発想や平常時活用の利点、そして何より建築物の耐用年数を考慮していただきながら避難場所として小高い丘の構築を考えていただきたいと思います。そこで、これらの提案も踏まえ、命山構想の将来のビジョンについてお聞かせください。
 次に、要援護者対策として1つ提案がございます。今議会におきましても取り上げられておりますが、被災前に集団移転を進めるため、本年4月県庁内に南海地震対策高台移転検討ワーキンググループを立ち上げ、防災集団移転促進事業そのものや防集事業と組み合わせて実施する事業の要件緩和や補助の拡大拡充について、今月中にも提言内容を取りまとめ、国に政策提言しようとしております。
 私は、今回の提言が国に認められ、要件の緩和や補助の拡大拡充が実際に制度化されれば、災害時要援護者対策として活用できるメニューの一つになるのではないかと考えます。
 今回このような提案をさせていただいたのは、今想定されております南海トラフを震源域とする巨大地震は、東日本大震災とは違い、揺れも強く、津波到達時間が地震発生から短いと想定されていることから、自助に重点を置かざるを得ない現実があるからです。そこで、このような県の動きや事前復興の観点から、要援護者の内陸部への移転について市の考えをお聞かせください。
 次に、災害発生前に備えておくべき候補地の選定についてお伺いいたします。
 被災地滞在中には、宮城県庁を初め多くの被災自治体を訪問し、発災から現在に至るまでの教訓や反省点などについて調査を行いました。その中で、今回お聞きする瓦れき集積場所、仮設住宅建設地、遺体安置所、災害対策本部員の休憩場所については、ほぼすべての自治体から早急に候補地の選定を行うことが必要であると示された項目であります。
 瓦れき集積場所や遺体安置所については、発災後すぐに必要であり、仮設住宅建設地については事前に備えておかなければ、発災後の速やかな復旧に際し重大な支障を来す要因となります。
 また、災害対策本部員の休憩場所については、今回の東日本大震災から得られた教訓でもあります。発災直後から災対本部員を複数のパーティーに分け、運営に当たることが望まれるということです。そこで、現在の本市における取り組み状況や進捗状況についてお聞かせください。
 また、今回上げました項目以外にも、事前に準備されている事項がありましたらあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、南海トラフ巨大地震対策の2点目といたしまして、情報発信のあり方についてお伺いいたします。
 御承知のとおり、本年3月31日には内閣府の検討会議が震度分布、津波高を公表し、5月10日には高知県から50メートルメッシュによる津波浸水予測第一弾が公表されました。とりわけ3月31日に公表された津波高については、多くの高知県民が衝撃を受け、昨年の東日本大震災での津波が押し寄せる光景を思い出し、恐怖心や不安感を抱きました。3・31ショックとも評されたほどです。
 その後約1カ月後に津波浸水予測の発表があり、本市でも海岸線から3.5キロメートルの内陸部まで津波が到達するとされております。
 また、今月6月末には国の被害想定が公表される予定であり、秋ごろには高知県から第二弾となる10メートルメッシュによる津波浸水予測が公表される予定になっております。
 本市におきましても、先日配付された広報6月号に、防災特集として内閣府発表の津波高が掲載されております。この一連の流れから考えますと、最悪に最悪を重ねた想定とはいえ、数字だけが先に走り、これから前向きに南海地震対策を考えていこうとする市民の方々が恐怖心や不安だけを募らせることになるのではないかと心配でなりません。
 県の被害想定策定までの間、厳密に言えば本市の被害想定が確定するまで、市民が正しい知識を正しく理解するための対策が求められると思います。そこで、今後発表される情報について、どのように啓発し、どのように対応していかれるのかお尋ねいたします。
 最後に、防災教育としての学校現場における被災地支援についてお尋ねいたします。
 今回私が被災地にお伺いする上で一つの大きな使命がございました。それは、大篠小学校ちぎり絵クラブの皆さんが一生懸命作製したちぎり絵のうちわ30個を岩沼市の玉浦小学校に贈呈することでございました。
 私が被災地へお伺いする計画があることを知った方が、作製期間は短いけれども、頑張ってできるだけたくさんつくるからぜひとも被災地に届けてほしいと申し出があり、私が責任を持って届けることにいたしました。
 このうちわは、ことしの夏もこのうちわで暑さをしのいでほしい、遠く離れた高知もエコで頑張りますという思いを込めてつくっていただいたものであり、直筆のメッセージも添えられておりました。
 防災訓練など日ごろの学校活動での防災教育ももちろん大切ですが、被災地の子供たちと直接心の交流を行うことこそが本当の意味での防災教育につながっていくのではないでしょうか。私はそう考えます。
 大篠小学校では、昨年夏に玉浦小学校の児童をお迎えし、その後もさまざまな交流を続けておられます。北陵中学校も生徒会を中心に玉浦中学校との交流を続けておられます。
 訪問させていただいた玉浦小学校の山内校長や玉浦中学校の横橋校長から、今後も継続的な支援と交流をお願いしたいと私に訴えておられました。そこで、大篠小学校や北陵中学校だけでなく、南国市全体で岩沼市との学校間交流がなされるべきだと思いますが、今後の岩沼市の小中学校との交流について、教育委員会は今後どのような形でどのように進めていかれるのかお聞きしたいと思います。
 以上で1問を終わります。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。企画課長。
      〔参事兼企画課長 西山明彦君登壇〕
○参事兼企画課長(西山明彦君) 田中議員さんの南海トラフ巨大地震に対する対策についての事前復興計画の策定についてお答えいたします。
 田中議員さんからはさまざまな御提言をいただきましてまことにありがとうございます。御指摘のありました第3次総合計画につきましては、平成18年度に策定し、平成27年度までの10カ年計画、また都市計画マスタープランは総合計画を踏まえて平成21年度に策定した20年後を見据えた平成30年までの10カ年計画でございます。
 南海地震に備えた事前復興計画の策定も大変重要な課題であると思います。地震対策を進めるに当たりまして、市民の命を守るという最も重要な対策を進める上で、田中議員さんを初め今議会では多くの議員の皆様からたくさんの貴重な御提言をいただいております。それらも参考にさせていただきながら本市の将来像を定め、その位置づけに向けての基本計画であります総合計画、そしてそれに基づいての土地利用を含むまちづくりの基本計画であります都市計画マスタープラン、こういった計画の見直しにつきましても、慎重に検討してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
○議長(野村新作君) 危機管理課長。
      〔危機管理課長 西原三登君登壇〕
○危機管理課長(西原三登君) 田中議員さんの御質問にお答えいたします。
 命山構想の将来ビジョンにつきましては、昨年3・11の東日本大震災を受け、本市における南海地震発生時の津波対策といたしましては、昨年の5月に津波対策検討会を設置いたしまして、副市長を会長、災害対策本部設置時の部長、班長クラスの職員を検討委員に各部署で取り組むべき課題について短期、中期、長期に分けて対策を検討してまいりました。
 命山につきましては、検討会においても、山や高台の整備による命山の再現について、平成28年度以降の長期目標として上げておりましたが、ことし初めに津波避難対策等加速化臨時交付金の事業実施について県から打診があり、2カ年という事業期間内に整備を進めるべく、短期の計画として津波避難タワーなどの建築物による避難場所の整備を計画して、実現に向けて迅速に取り組んでいるところです。
 中山議員さんの御質問でも一定お答えをいたしましたが、山や高台を複数箇所に整備するとなりますと、広大な用地が必要となることから、本市の優良な農業用地を建設用地に転用することへの農業従事者の合意形成、造成に係る法律的な制約、整備に係る交付金や補助メニューがないなど、早急に整備を進めるためには解決すべき課題が多過ぎ、2カ年という事業期間で進める避難対策としましては、タワー等の建築物によって避難場所を確保していきたいと考えております。
 なお、短期の整備計画という点では、前述の山や高台移転の整備による命山構想は見合わせましたけれども、避難場所として建築物に比べて経年変化することも少なく、非常に有効な対策と考えておりますので、今後整備に係る支援策や農地の転用や造成に係る規制緩和などの法整備などの条件が整いましたら、山や高台移転の造成による避難場所の確保について検討していくよう長期的な計画としてとらえておきたいと考えております。
 次に、事前復興の観点から、要援護者の内陸移転につきましては、津波対策としての事前の高台移転について、前田議員さんの防災集団移転促進事業に係る答弁でも申し上げましたとおり、住民の費用負担やコミュニティーの創出などの問題も多く抱えており、現状の制度のままでは事業の実施には至らないと考えております。
 東日本大震災の教訓でも、身体的理由から避難することができなかった高齢者、災害時要援護者、介護者である家族など災害弱者が多く犠牲になった事実もございますので、災害時要援護者の避難対策は大変重要な課題であると認識しております。
 減災の考えでいけば、田中議員さんのおっしゃるとおりに、事前に要援護者を浸水しない内陸部に移転させておくことが、避難に際して家族や近隣住民を巻き込むことを避けることができるため、大変有効な備える事前対策と思っております。したがいまして、津波による犠牲者を一人でも少なくするためには、事前の移転も選択肢の一つとなり得るかと考えます。
 なお、高知県の南海地震対策高台移転検討ワーキンググループにおいては、事前復興の観点で一定の時間をかけて移転が可能となる制度の政策提言を目標に検討しており、実際に市町村の意見を聞きながら集約をし、この6月中旬の国の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループに間に合うように一定の方向性を出すようであります。そして、対策の検討、提言内容を取りまとめ、7月の国のワーキンググループを政策提言の発信の場として知事が国に提言するようであります。
 市としましては、県からのヒアリングなどの機会に要望などをしっかりと伝えていきたいと考えております。
 次に、事前に備える取り組みである仮設住宅建設用地の候補地選定につきましては、東日本大震災に見られるように、大規模な地震津波災害が発生したときには、甚大な住宅被害が発生し、短期間に大量の仮設住宅を建設することが必要となります。
 仮設住宅については、災害救助法により公有地に建てることを原則として、国が費用を負担し、建設は都道府県、用地の確保、施設管理は市町村が担うことになっております。
 一方、東日本大震災での現状を見ますと、岩手県は建設用地として公有地、私有地、有償、無償を問わず用地を探した結果、早期に仮設住宅建設工事が着工されるなど、仮設住宅建設のおくれた宮城県と対照をなしました。
 また、岩手県のこの動きについて、国も建設用地として民有地や農地を活用することを積極的に認める通達が相次ぎました。
 御質問の仮設住宅建設敷地の候補地選定につきましては、以上述べた東北地方の現状も踏まえ、危機管理課としても事前に候補地を選定しておくことの重要性を十分認識しており、災害時の円滑な応急仮設住宅建設を通じ、被災住民の少しでも早い不安解消を図ることを最終的な目的とし、市としても農地が仮設住宅建設用地になり得るとの認識のもと、都市計画課とも連携をして事前に住民に対し広く用地の登録を求め、計画的に仮設住宅建設候補地を確保するための防災協力農地の登録制度を定めるべく現在準備を進めているところです。
 この制度により、発災される新想定の直接被害の推計をもとに、発災時の仮設住宅必要戸数を予測し、建設用地の計画的な確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、災害対策本部員の休憩場所につきましては、一たび災害が発生しますと災害対策本部員となる市職員は、応急復旧そして復興活動に取り組まなければなりません。特に生存救出など最も重要となる発災後の72時間については、不眠不休の活動が必要だと考えております。
 しかしながら、市職員も被災者であるため、その後の対策を長時間遂行するには、適時な仮眠、休眠が必要となります。中越地震の際にも、災害対策本部員の休憩のローテーションや休憩場所の確保が教訓として報告されております。したがいまして、災害対策本部員の休憩仮眠室の確保につきましては、仮に議会の委員会室や旧四国労働金庫の建物などを活用できないか検討をいたします。
 また、食料確保や交代体制なども考慮しながら、発災後の活動や対策が滞ることがないように努めてまいります。
 次に、市民への情報発信のあり方につきましては、田中議員さんのおっしゃるとおり、国や県から次々と発表される新想定の情報に本市も翻弄されております。早く高く避難できる場所の確保として、津波避難タワーを迅速に2カ年で行うために、限られた情報の中で住民説明会を進めておりますが、特に内陸の津波到達時間の情報が出されていない時期の説明には大変苦労を強いられております。
 南海トラフの巨大地震モデル検討会による発表の経緯につきましては、昨年9月28日にはおおむね5分で避難できる場所の確保、12月27日には想定震源域が約11万平方キロメートル、想定津波波源域が約14万平方キロメートルが公表され、本年3月31日には新想定の震度分布と津波高が公表されました。
 次期南海地震に必ずしも当てはまるものではないと言いながらも、報道各社などに大きく取り扱われたことで市民に衝撃的な不安を与えたことは否めません。その後県は5月10日に、これらの沿岸線の津波高さの数値がひとり歩きすることを危惧し、内陸域の津波浸水予測第一弾50メートルメッシュを公表するに至った経緯があります。
 本市におきましても、想像を超える震度分布と津波高が示されましたが、海からの距離は3.5キロメートルに及び、内陸への浸水域は約21平方キロメートルとなりました。
 市民が正しい知識を正しく理解するための施策としましては、専門的な領域である地震、津波について、市民に正しく伝えることの難しさを痛感しております。
 しかし、市民に正しく理解してもらうには、数字だけではなく、根拠、留意点をしっかり伝える必要があると考えております。
 南海トラフの巨大地震による振動分布、津波高さの発表された内容の概要を述べますと、1、検討会が推計した震度分布、津波高さの性格として、ア、発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波、イ、今回の推計は現時点の最新の科学的知見に基づき最大クラスの地震、津波を想定したものであって、南海トラフ沿いにおいて次に起きる地震、津波を予測したものでないこと、ウ、何年に何%という発生確率を念頭に地震、津波を想定したものでもないこと。
 2番目といたしまして、対象地震の規模について、最大クラスの地震、津波を想定して震度分布を推計する強震断層モデルのモーメントマグニチュードは9.0、強震断層域は約11万平方キロメートル、これによって四国山脈の内陸までとなり、30キロから40キロメーターの深いところまで震源域が拡大したこと。
 3、津波を推計する津波断層モデルのモーメントマグニチュードは9.1、津波断層域は約14万平方キロメートルとなり、津波を引き起こす断層の滑りは、震源断層面に一様に発生するのではなく、特定の領域が大きく滑るプレートセンター部の浅いところを大滑り域と超大滑り域と呼ぶことにしたこと。
 4番、津波高さについて、大滑り域と超大滑り域が大きな津波が発生することが知られていることから、これを駿河湾から日向灘北部に至る地域で津波断層モデルの滑り量を設定して、11ケースの津波高の最高値を重ね合わせているので、実現象としてこの複数が同時に発生しないこと。本市はこの11ケースの中でパターン4の場合、つまりプレート境界の浅い場所の四国沖に大滑り域を設定したときが最大津波になるということでございます。
 5番目に、留意点といたしまして、地震、津波は自然現象であり、不確実性を伴うものであることから、今回推計の震度分布、津波高はある程度幅を持ったものであり、それらを超えることもあり得ることに注意することが必要であることなどでございます。
 したがいまして、市民に正しい知識を正しく理解するための施策としましては、地震学という専門分野で研究した内容を科学的知見で発表されておりますので、一般市民は理解しづらい面もございます。市民に説明を行う際は、言葉だけでなく、資料や図を使用して視覚的にもわかりやすい方法で説明をしております。今後も国、県の発表が続く予定でございますので、正確な情報の伝達に努めるとともに、この機会を通じまして、数字に恐れることなく正確に認識してもらい、正しく恐れることの大切さや自助の必要性について気づいてもらい、各家庭で備えていくことの大切さを説いてまいります。
 今後も引き続き最新情報の収集に努め、市民に正しくわかりやすい情報伝達を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 福祉事務所長。
      〔福祉事務所長 南 幸男君登壇〕
○福祉事務所長(南 幸男君) 先ほど要援護者の内陸部の移転につきましては、危機管理課長が答弁をいたしましたので、私のほうからは、要援護者対策、遺体安置所について答弁をいたします。
 まず、要援護者対策につきましては、昨日今西議員さんに答弁をしましたので重複する部分があると思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 昨年度より災害時における障害者や高齢者など何らかの援護や支援が必要な方につきまして、災害時要援護者台帳の整備を進めております。
 民生児童委員さんが地域での日常相談支援活動の中で、独自に地域を回って収集しました要援護者情報や重度の障害者や難病患者で要援護者候補者のうち、登録及び情報共有の同意確認のとれている方約1,500人につきまして台帳登録を行っております。
 そして、6月4日以降に地区民協の会長さんを通じてそれぞれの地区民生児童委員さんに登録をした要援護者の一覧表、地図、個別台帳を配付をしました。また、市消防本部とも要援護者情報の共有を行い、平常時等の見守り及び災害時での支援などに活用していただくこととなりました。
 本年度につきましては、さらに要援護者対象者についての掘り起こしや個別支援計画、自主防災組織との情報共有を行い、民生児童委員さんや地域の方々と一緒に考え、取り組んでいく所存でございます。
 次に、遺体安置所につきましては、東日本大震災での教訓から、議員さんから御指摘ありましたとおり、できるだけ早い時期に設置することが重要であると考えております。
 南海トラフの巨大地震による津波浸水予想につきまして県が5月10日に新想定に基づいた津波浸水予想を公表しました。この浸水予想では、現在指定されています緊急避難場所や収容避難場所の見直しが必要となっています。このため、新たに避難場所など指定した後に場所の選定をする必要があると考えます。今後の重要な課題として関係課と引き続き協議を重ねながら取り組んでいきたいと思いますので、御理解よろしくお願いいたします。
○議長(野村新作君) 環境課長。
      〔環境課長 田渕博之君登壇〕
○環境課長(田渕博之君) 田中議員さんの瓦れき集積所の御質問についてお答えをいたします。
 災害廃棄物等処理計画につきましては、平成22年3月をめどに策定作業を行っておりましたが、東日本大震災の状況を見るにつけ、再度大きな見直しが必要であると考え、一時策定作業をストップしておりました。
 しかし、3月議会の施政方針でも触れましたが、今年度から被害状況等の見直しを受け計画策定を手がけることとしています。
 しかし、震災はいつ起きるかはだれもわかりませんので、今対応しておかなくてはならない事項については直ちに行うべきであると考えております。当面急がれておりますのは、御指摘のとおり、瓦れきの集積所であると思います。
 瓦れき等の処理の基本的な考え方につきましては、次によって行う必要があると考えております。
 まず、瓦れきの処理量を推定し、処理及び処分を円滑に行うための仮置き場を設置すること。その設置に当たりましては、推計発生量を確定させ、必要な面積を確保すること。重機による作業ができる広さ、廃棄物の搬入及び排出車両及び作業用の重機の通行が容易にできる道路が確保できる場所であること。それから、瓦れきの保管期間が長期に及ぶことが予想されるため、中・長期にわたる使用ができること。そして、近隣住民の生活環境が悪化しないために、十分な距離が確保できることが上げられると思います。
 これら検討する課題が多くありますが、具体的な置き場を確保していくために、次のことを念頭に設定をする必要があると思います。
 南海地震の場合は、地震による家屋の倒壊やその後の津波による被害、両方を考えておく必要があります。被害は市内全域に及ぶと予想されます。そのために、液状化に伴う道路の寸断、家屋等の倒壊による交通の遮断等、また仮置き場への進入を容易にするためには、道路と仮置き場の高低差が少ない適地を選定する必要があると思います。
 以上勘案しますと、南国広域道路沿いに南部、中部、北部の地点にそれぞれ瓦れき置き場を設定するべきではないかと考えています。
 また、議員さんの指摘されている素早くスムーズに確保していくためには、事前にすぐに対応できる準備もしておかなくてはなりません。ただ、先ほど来言っております災害廃棄物処理計画の策定には、今後の詳細な浸水予測や倒壊家屋等の瓦れき量などのデータが必要ですので、すぐにとはまいりません。よって、当面瓦れきの仮置き場の設定を関係課とも調整を行うとともに、先ほど危機管理課長から答弁がありましたが、地権者の同意を得ることができれば仮置き場として登録をしていただき、災害時に協力をしていただくという制度をつくって対応できるように進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 田中議員さんの防災教育としての学校現場における被災地支援についての御質問にお答えいたします。
 初めに、大篠小学校ちぎり絵クラブの皆さんが一生懸命作製しましたちぎり絵のうちわを、岩沼市の玉浦小学校にお届けいただきありがとうございました。
 岩沼市と本市との学校間の交流につきましては、東日本大震災以後その意識、機運がより高まってきたように感じておるところでございます。震災直後から市内小中学校での募金活動や励ましの手紙の送付など数々の支援や交流が行われたことは、皆様も御承知のとおりだと思います。
 その中でも、昨年8月、よさこい祭り振興会主催のよさこい祭りへの被災地の子供たち招待事業を通して、当時岩沼市立玉浦小学校の5年生19名と6年生11名、大沼校長先生を初め教職員6名の計36名が高知へお越しくださいました。3日目の8月12日には大篠小学校を御訪問いただき、短時間ではありましたが、歌や子供自身の手でつくられました名刺交換等を通して、当時の大篠小学校5年生との交流を行うことができました。その後もビデオレター等を通して交流は継続しております。
 そして、最近では、カシオオープンゴルフ実行委員会が岩沼市の小学校にスナッグゴルフの寄贈を行うことに対しまして、大篠小学校の児童がその橋渡しをするとの報告も受けております。
 また、昨年8月5日には南国市校長会主催の夏期研修会の講師として、当時玉浦小学校の大沼校長先生を、また本年2月25日には、北陵中学校が体育館落成記念事業の一環としてPTAと共催し、玉浦中学校の横橋校長先生を講師としてお招きし、被災から学ぶ多くの教訓や生々しい体験に基づく防災対策について貴重な御示唆をいただくことができました。
 ことしの計画といたしましては、南国市校長会が7月31日から8月2日の3日間、代表者6名により現地での視察学習を初め、学校間交流についての具体的な協議を目的に岩沼市への視察研修を計画しております。校長会の情熱と自発的な取り組みに対し、大変心強く感じますと同時に、教育委員会といたしましても、岩沼市と本市との交流がより具体的に前進できるよう、竹内学校教育課長を同行させまして両市との連携、交流が深まるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 1番田中徹君。
○1番(田中 徹君) それぞれ項目に御丁寧に、また大変わかりやすく御答弁をいただきましてありがとうございました。
 また、先ほど教育長には、私の先日の滞在の活動についても触れていただきまして感謝申し上げます。ありがとうございました。
 南海トラフ巨大地震対策として私が事前復興計画策定の必要性について、今回さまざまな項目を上げて述べさせていただきました。先ほどの各項目ごとの答弁をお聞きしますと、やはりまだまだ多くの喫緊の課題が残っておると、私はそのような印象を受けましたので、やはり早急に大きな柱となる計画を1つつくっていただきまして、今後の南国市の将来を見据えていただきたいと、このように考えております。
 先ほどありました要援護者対策について、もう少し触れさせていただきたいと思います。今回私が要援護者対策として国の進める防集移転促進事業の要件緩和が国に認められ、制度化されれば活用していただけないかと提案をさせていただきました。
 先ほど西原課長の答弁にもございましたし、先ほどのお昼のニュースでも取り上げておりましたが、本日県のワーキンググループの第3回目の会議が開かれ、政策提言のイメージをまとめ、本日付で県内沿岸自治体に意見を求めるために政策提言のイメージが送付されることになっております。
 移転に関しては、今議会でも取り上げられましたように、防災集団移転促進事業だけでなく、現行法では多岐にわたり課題があります。そこで、本市においても各分野、各部署で課題の洗い出しを行っていただき、現状に沿った施策を逆に県に提言していただきたいと思います。1週間程度は意見集約する予定と私のほうはお聞きしておりますので、全庁挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、学校現場における被災地支援についてでございますが、岩沼市の小中学校との今後の交流について、先ほど教育長から、7月下旬には6名の校長会の有志の方が竹内課長同行で岩沼市に訪問されるという計画を立てていることがわかりました。そこで、今回の校長会の交流をきっかけに、ぜひとも今後の学校間の交流が広がることを私は期待しております。
 また、宮城県においては、本年度24年度から宮城県内すべての小中学校や高等学校に防災主任が配置されております。また、岩沼市立玉浦小学校では、児童一人一人の個別避難マニュアルを作成する取り組みも始まっております。
 防災主任の全校配置は、まだ始まって3カ月ほどですが、昨年度と、また震災前とどのように変化したのか、そして防災主幹教諭と防災主任との役割の違いなど、ぜひとも竹内課長行かれるということですので、調査をしてきていただきたいというふうに思います。
 また、個別避難マニュアルですが、直接玉浦小学校の山内校長先生やまた防災主幹教諭である柴田先生にお聞きできれば、本市の防災教育にも反映していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
 以上で2問終わります。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) ただいま田中議員から多方面にわたっての提言、現地を歩いた経験を経ての提言がございました。ありがたく拝聴いたしました。
 県のほうからは、きょう付で送ってくるということでございますので、私は中山議員からも命山構想についての意見がありました。先ほどもいただきましたが、とにかくとりあえず目に見えるものをという考えが少し焦りも正直言ってありました。
 そしてまた、これも答弁の中で申し上げたかもわかりませんが、一番低い、しかも物部川を横に控えておる久枝地域をとってみても、全部川、橋に囲まれておると、そういうこと、そして海岸線に近い集落というのは、すぐ近くに広い用地がないというようなことから、非常にその辺で苦慮しておるわけでございますが、建設課長も答えたような橋の問題なんかも、いずれは全部クリアしていかないかんハードの部分での問題でございますので、こういうものが整えば、やはり当初描いておった、先ほど危機管理課長もございましたが、壮大なといいますか、大きな用地も要るかもわかりませんけど、中・長期的には本来の命山構想というものの実現もぜひ図っていきたいと。これは専門業者も呼んで一度は検討しました。検討しましたけれども、なかなか海岸地域の地盤の問題もございまして、いろんな問題から、もうこれは私が考えたレベルではどうもこれは避難タワーにしないと、本来の命山構想というのはすぐ実現するのはなかなか難しいなという判断もありました。
 そのほかの問題でもまだまだ不十分なところがあろうかと思います。そして、県からきょうの日付で届く案も、この議会中に、来週に入りましたら第一弾、関係課長会も早急に開いて善後策も練っていきたいなと思っておりますので、また今後ともよろしくお願いいたします。
○議長(野村新作君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) 田中議員さんからは御提案をいただきましてありがとうございました。
 まず、市の岩沼市との市間のまず交流という前提の上に立ちまして、学校間の交流というところへ広げてまいりたいというふうに考えております。
 また、2点目の防災主任が全学校に配置されたということでございまして、これは多分宮城県の教育委員会の措置だと思うんですが、その辺のあり方、そして岩沼市でどのように主幹教諭も含めて活動、活躍されておるのかということにつきましても、玉浦小学校等、山内校長先生、柴田先生等初め、お伺いしていきたいと思っております。
 それから、3点目の一人一人の個別マニュアルでございますが、これは先般私も申し上げましたように、学校管理下においては絶対子供の命を守るんだという強い決意で臨んでますが、それ以外のいわゆる休業日、土曜、日曜、祝日等、そのときについても、地域の方々と一緒に、あるいは家族で一人一人が自分の命を守るための行動をということを自分自身でマニュアル化して家族で持っておると思いますので、多分そういうことの家族とのつなぎ方なんかも含めて書かれているんじゃないかなと、また私もそのようにしたいなという思いがありまして、ぜひその辺も勉強させていただいて、竹内課長のほうで十分習得をし、お習いをし、南国市の子供たちのために生かしていけるように取り組んでまいりたい、校長会ともども取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。