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検索結果 »  平成24年 第361回市議会定例会(開催日:2012/06/08) »

一般質問 1日目(西本良平)

質問者:西本良平

答弁者:市長、関係課長


○議長(野村新作君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。4番西本良平君。
      〔4番 西本良平君登壇〕
○4番(西本良平君) おはようございます。
 この6月定例会一般質問は、私一番バッターとなりました。クリーンヒットをよう打ちませんので、出塁をすることを念がけて、一生懸命質問させていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 今回、私が通告しておりますのは、中山間地域の対策についてでございまして、これ1問に絞って質問をさせていただきます。
 さて、高知県におきましては、昨年から今春にかけまして、中山間地域対策の抜本化に向けまして新施策を打ち出し、集落の維持と再生に向けて新年度が取り組みがスタートしています。県は本腰を入れるべく、知事を本部長として、中山間総合対策本部を設置し、機能強化を図りつつ、集落活動センター主導に向けて手が挙がっております今市町村と詰めておるというふうに聞いております。南国市におきましても、これらの事業を含め、今後どのように中山間地域を守っていくのかあるいはどういう対策があるのかという視点で私質問をいたします。
 まず、中山間地域について、地域の生活者の一人である私から見た今日の現状を述べてみたいと思います。そもそも中山間地域とは、地理的、経済的な条件不利地域として、特定農山村法や過疎法など、地域振興5法の指定を受けた地域と規定をされ、県内では27市町村全域と7市町村の一部などが該当しておるところでございます。本市におきましては、御承知のとおり、上倉地区と瓶岩地区がこれに該当をいたしております。
 さて、この上倉地区と瓶岩地区の世帯数や人口を見てみますと、ことし4月30日現在では、上倉地区が328世帯、767名、瓶岩地区が253世帯、558名で、両地区を合わせますと1,325名の方が住んでおられます。この数字につきましては、市の行政区別人口統計表で見ております。私個人の感覚とすれば、世帯数、人口ともに生活者としてはもう少し少ないように思いますが、入院されておる方などもおるというふうに理解をいたします。また、高齢化率で見ますと、南国市の平均が25%に対し、上倉地区は36.9%、瓶岩地区は37.1%となっており、いずれも平均を大きく上回っておるところでございます。地域の特徴としましては、若い人の大部分、この若い部分というのは、生産年齢の方々のことでございますが、地区外や市外へ勤められ、近年は県外への流出も多くなってございます。一方、農業へ目を向けてみますと、従事者は70歳以上の方が大半でございまして、専業農家は大変少なくなっております。しかしながら、地域の特産品の栽培や加工を生かし、今頑張っている農家は、四方竹、ゴーヤ、春のタケノコ、シキミ、サカキ、梅、イタドリなどの多品目の栽培によって元気な生産活動を行っており、特に四方竹につきましては、年間5,000万円を売り上げる品目に成長され、ゴーヤも1,500万円を超える売り上げに至っております。今や中山間地域の2大品目となっております。
 一方、上倉地区には、白木谷小学校、奈路小学校両小学校が、ともに地域の方々が学校に愛着を持たれ、地域のみんなが支えるすばらしい学校であると思います。実際私もJA勤務の折には、支所長として入学式や卒業式あるいは運動会などたくさんの行事に出席をさせていただいておりましたが、小さな学校とは思えないほど、子供たちの伸び伸びとした態度にいつも感動しておりました。また、学力も大変すぐれていると聞いています。
 一方、瓶岩地区には、今から50年前、すなわち私が小学校2年生まで瓶岩小学校がございました。しかし、石灰鉱山の進出によりまして、当時100名を超える子供たちがおりましたけれども、やむなく久礼田小学校と統合になりまして、現在に至っております。最近、久礼田小学校にお聞きしますと、24年度の瓶岩地区から通う生徒は、わずか3名と聞いております。大変寂しい限りで、胸の痛む思いがいたしております。しかし、宍崎集落に南国市で1園になりましたたちばな幼稚園がございまして、地区内外から100名を超える子供たちが通園をされております。内外と言いましたけれども、ほとんどが外でございます。唯一瓶岩地区で元気な声のする場所となっております。近年、高齢化はどんどん進み、一方では若い夫婦が地区外へ流出、集落単位で見ると、ほとんどの集落に小中学生が見当たりません。ここ10年から15年で本当に集落に見える姿が変わってまいりました。15年ほど前と言えば、ちょうど棚田米が学校給食に使われるようになり、米つくり親子セミナーが始まったころでございます。先日、6月7日でしたか、第16回米つくり親子セミナーが上倉地区で開催をされまして、私も参加をさせていただいております。来ていただいております農業者の方、すなわち子供たちの先生役の方々の高齢化は甚だしく、また日ごろ見えておった方で見えてない方も多く見受けられるようになった今日、きょうこのごろでございます。さきの12月定例会で、西川議員の農業振興についての答弁で、市長は、豊かな恵みをもたらす水は、農業の源であります。市としましては、農業振興はもとより、一層中山間地域に目を向け、山が豊かでなければ平場も海も豊かにならないとの思いで市政を運営してまいる決意でございますと申されました。浜田市政から橋詰市政へと引き継がれ、中山間地域振興に大変御尽力をいただいておるところでございますが、これら私が申し上げましたことを踏まえまして、これからの南国市の中山間地域対策についてどのように思われ、これからどのように取り組まれていくのか、まずもって市長にお伺いをいたします。
 次に、中山間地域の抜本強化を掲げて、尾崎県政が24年度から設置を進めます集落活動センターの取り組みについてお聞きをいたします。
 昨年度、高知県は、中山間地域の抜本強化に向けて集落調査を初め、生活実態などの把握を行い、集落の世話役などから聞き取り調査を行い、その結果を公表しましたところ、今後10年で集落が消滅、または衰退するという危機感を強めている現状が明らかになったことを受けまして、集落活動センターの設置を24年度より進めておるところでございます。本年度の開設予定は、6カ所程度のようにお聞きをしておりますが、さらにその広がりを見せているようでございます。このセンターの活動内容は多岐にわたるため、地域の実情に応じてメニューを組み合わせるオーダーメード方式をとり、市町村の臨時雇用する高知ふるさと応援隊が集落維持の仕組みづくりの推進役となるとされております。したがって、市町村の果たす役割は、大変大きいものがあると思いますし、該当する地域は限られると存じます。なぜなら、センターの設置に対して、一定の要件がございまして、1つ、集落支援センターの運営する組織があること、2つ、センター設置に対して、地域住民の総意があること、3つ、将来を含め、市町村の支援活動体制が整っていることなどでございます。しかし、設置ができますれば、活動内容としましては、1つ、共同作業や伝統行事、集落活動のサポート、2つ、地域の課題となっている福祉や生活面でのサービス提供活動、3つ、地域でのお金の回るための経済的な活動などがございまして、中山間地域の維持や再生には、大きな効果があると期待をされます。これらを総合的に判断し、この新施策を南国市として導入されるのか、導入するのであればどの地区に設置を予定されておるのか、また当該事業においては、県の地域支援企画員の役割が大変大事になってくると考えますが、これからどのようにかかわってもらうのか、今後の取り組みについてお聞きをいたします。
 また、これらの事業に乗れない地域については、地域住民の感情として、取り残されないしっかりとした取り組みが必要と考えます。最初に、中山間地域の現状の中で申し上げましたが、集落単位で見れば、多くの集落が近い将来衰退、または消滅の危機感を強めています。県の調査でも75%という高い数字で出ており、南国市とも一致をいたしております。
 さて、これからの集落維持という視点で見ると何が問題となるんでしょうか。年々厳しくなるのが、高齢化や世帯数の減少などによる地域の共同作業、これは地域の下草刈りや道路の補修、昔で言うと道つくりでございますが、あるいは簡易水道の保全作業もろもろこういったものがあると思います。集落の発展維持には欠かせない神社の祭り事など、たくさんございます。この地域の維持機能につきましては、3月の定例会で前田議員が詳しく質問をされております。私も全くそのとおりだと思います。また、市長も詳しく行政としてできることも含めまして御答弁をされました。私自身、中山間地域の生活者の一人として、その思いの一端を述べさせていただきましたが、今後南国市にとりまして、長期的展望に立って今後どのように取り組まれるのか、お聞きをいたします。
 次に、鳥獣被害対策の件であります。
 平成8年3月に南国市鳥獣被害対策協議会が設置されたと私は記憶しております。この組織設立に当たりましては、当時、上倉、瓶岩両地区において、今まで余りなかった鳥獣による農産物被害が頻繁にあり始め、中でもイノシシによる被害が急増し、農家の生産意欲が衰退、今後の営農に支障があると判断をされまして、地域の農家代表や市、JA、NOSAIなどが構成員となり組織化されました。その後は、猟友会の方々にも会員に加わっていただき、駆除を行っていただき、現在に至っておると思います。この会での事業は、1つ、被害調査の実施、2つ、鳥獣対策の研究、3つ、有害鳥獣の駆除及び防除などとなっております。被害の大きい作物は、四方竹や春のタケノコ、なかて米など多岐にわたり、特に収穫間際に被害に遭うことが多く、農家の所得に直接影響する事案であり、この組織への農家の期待は大きなものがあったと聞いております。特にイノシシ被害は大きく、一晩で壊滅状態になることもたびたびあり、イノシシの駆除と防除は欠かせないものでございます。南国市やJAなどの指導により、協議会が事業主体となりまして、電気牧さくの導入など、たくさんのあり得るできる限りの対策は進めてまいりました。市の農林水産課では、この15年余りにわたりまして、駆除の許可業務はもとより、国、県の補助金導入の事業、また市単独事業など多くの業務を担っていただき、地域の農家所得向上に努力されてきたことは言うまでもない事実でございます。地域の方々にとって、協議会やこの事業がなかったとすれば、営農意欲が失われ、一層地域の衰退が早まったのではないかと考えております。出身者の一人として、この場をおかりし、私からも心より感謝を申し上げたいと思います。今後におきましても、引き続き御支援をお願いしたいと存じます。また、近年は、カラスやシカ、猿といった被害が急増しておると聞いております。県の鳥獣対策課とも連携をさらに深めまして、国、県の補助金導入をされ、被害の縮小に努められるよう、お願いを申し上げたいと思います。今日までの駆除並びに被害に対する成果と今後の取り組み方針についてお聞きをいたします。
 最後の質問となりますが、中山間地域の足の確保についてであります。
 これにつきましては、昨年の12月の定例会で私質問をさせていただきましたが、南国市域公共交通会議において検討していくと答弁をいただいておりました。このたび生活交通ネットワーク計画が策定をされまして、調査報告書の中でその方向が示されておるところでございます。また、市政報告の中でも、公共交通の空白地の解消を図るため、デマンド方式による乗り合いタクシーを運行させると書かれておりますが、その内容につきましてもう少し詳しくお聞きをいたします。
 中山間地域の対策につきましての質問でございましたが、この中に震災、防災の関係のことが含まっておりません。昨日の高知新聞の土佐あちこちにも出ておったと思いますが、今南国市は津波対策に一生懸命でございます。私もこの進捗状況を見ながら、次回に山の防災対策についてもお伺いさせていただきたいということを申し添えまして、以上で私の1問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 西本議員さんの御質問にお答えいたします。
 南国市の北部山間地域につきましては、西本議員さんが言われましたとおり、高齢化が大変な速さで進みまして、大変厳しい状況にあると思います。しかしながら、一方では、元気に活動されておる方たちもたくさんいらっしゃいます。西本議員さんからも御紹介ございましたが、四方竹あるいはゴーヤ、シキミ、サカキあるいはまた梅など効率的に栽培されまして、これの所得を上げて頑張っておられる方もたくさんおいでになります。中山間で暮らし、住み続けることができる、そうした環境を整えることこそが、我々の行政に課せられた問題である、課題である、そのように思っております。また、買い物や通院などの足の確保であったり、地域にあります資源の活用した産業おこしであったり、そして生活環境基盤、これを早急に整えることだと思います。こうしたことを皆さんと話し合いを交えながら、中山間地域でも、平場でも、地方でも、都会でも、格差のない生活ができるように環境を整えてまいる覚悟でございます。この中山間地域における諸問題というのは、本当に待ったなしの課題である、そのように私自身思っておりますので、スピードを持って取り組んでまいりたい。西本議員さんあるいは西川議員さんは、よく中山間のことは熟知されておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以下につきましては、企画課長、農林水産課長が御答弁申し上げます。
○議長(野村新作君) 企画課長。
      〔参事兼企画課長 西山明彦君登壇〕
○参事兼企画課長(西山明彦君) おはようございます。
 西本議員さんの中山間地域対策の御質問にお答えしたいというふうに思います。
 まず、県の中山間地域支援施策の導入につきましては、現在、集落活動センターの導入についてということですけれども、その導入を現在検討しております。西本議員さんの言われましたように、県の考えている集落活動センターにつきましては、基本的には地域からの提案によるオーダーメードの仕組みづくりというふうにされております。実際に実施する事業につきましては、非常に自由度が高くなっているというようなことを県のほうから伺っております。ただ、議員さんから紹介がありましたとおり、センターを運営する地域での組織が必要であること、それから地域住民の総意があること、また将来を含めて市町村の支援体制があること、そういった一定の要件がございます。さらに、県の今回の制度につきましては、助成が3年間という中での取り組みということで、着手して3年後には地域の組織が自立して運営していかなければならないというようなところがございます。そのような条件をクリアできる地域として、現在市のほうで検討している地域としましては、まだ地元の方にはお話ししておりませんけれども、白木谷地区はどうかというふうに考えております。白木谷地区につきましては、公共交通の空白地であり、今回の公共交通会議の生活交通ネットワーク計画の中でもまだ解消には至っていないというような状況で、何らかの対策が必要であるというふうに考えております。また、西本議員さんが長い間おいでになったJA支所も今はなくなっておりまして、買い物などについても非常に不便になっているというふうに思います。さらに、白木谷小学校では、昨年度、特認校に指定いたしまして、外からの児童を受け入れて、活気あふれる学校と地域の結びつきを目指しておりますけれども、2年目の本年平成24年度も2名にとどまっているという状況でございます。
 一方で、この地域では、四方竹が生産され、また梅林もあるとか、そのほかにも御紹介がありましたとおり、いろんな作物がとれるということでございますが、今後竹チップの生産に取り組もうとされている方々もいらっしゃるというふうに伺っております。このような状況を考えますと、集落活動センターを設置することによって、自立した地域づくりが可能ではないかというふうに思います。まだあくまでも市が一方的に考えている段階でございますが、今後白木谷地区に入って、地域の皆さんの御意見もお伺いさせていただきたいというふうに考えております。地元の皆さんが描く白木谷地域の将来像を実現していけるように取り組んでいければというふうに考えております。
 また、県との連携につきましては、既に県の担当課でございます中山間地域対策課あるいは地域支援企画員と県が昨年度実施しました集落実態調査などを含めた情報交換を行っておりますが、今後は県の新施策の活用方法やそのための条件整備などについていろいろアドバイスをいただきながら連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。
 また、県の今回の集落活動センターなどの事業の導入が困難と思われる地域への集落機能維持についてでございますけれども、例えば中山間地域といいましても、地理的あるいは地形的条件やそれからインフラ整備の状況とか、また環境、それから産業といった面でいろいろ地域によって地域資源も違います。そういったことで、それぞれの地域ごとに状況が異なっている状況ですので、地域の皆さんの思いも違っているというふうに思います。したがいまして、それぞれの地域の皆さんと話し合いを持ちながら、地域ごとに住民の皆さんの描く地域の将来像、それを踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。いずれにしましても、将来像をどうするかということを、どう描くかということが非常に大事になってくるというふうに考えております。
 次に、生活交通ネットワーク計画に基づくデマンド方式の乗り合いタクシーについて御説明いたします。
 対象地域といたしましては、上倉地区の中の黒滝地域とそれから上倉中谷地域の集落と領石を結ぶというもので、本年10月1日の運行開始を目指して、現在、国土交通省四国運輸局のほうへ申請を行うべく準備を進めているところでございます。具体的な運行方法等でございますけれども、運行ルートは、対象地域の各集落から高知県交通の領石出張所までを結びます。運行日でございますが、月曜日、水曜日、金曜日の週3回、バスの発着時間にあわせて往復各4便の定時運行を行いたいというふうに考えております。運賃につきましては、1回の乗車、片道につき1人500円とし、利用者は事前登録制としたいというふうに考えております。
 なお、運行事業者につきましては、公共交通会議において選定委員会を設置して公募した結果、応募が1社しかありませんでした。選定委員会では、当該事業所が運行事業者として適当であるか否かの判断をした結果、適当であるという判断をいたしまして、公共交通会議の承認を受けております。具体的には、有限会社いだいハイヤーが予定運行事業者として決定されております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 農林水産課長。
      〔農林水産課長 村田 功君登壇〕
○農林水産課長(村田 功君) おはようございます。
 西本議員さんの今日までの有害鳥獣の駆除並びに被害に対する成果、今後の取り組みの御質問にお答えいたします。
 イノシシ等の有害鳥獣の被害激化の原因に、地球温暖化や人工林の増加、狩猟者人口の減少等が上げられておりますが、最大の要因は、人間活動に伴う広義のえづけがございます。えづけによる野生動物の栄養状態がよくなると、自然淘汰される個体が減少し、個体数増加が加速し、さらにえづけは野生動物の行動パターンまでも変化させ、大胆な行動、昼間でも道路を横断するイノシシや人なれの進行した猿など、個体を増加させます。2番穂、収穫残渣、放棄果樹、そして農作物被害もえづけであり、無意識のえづけをなくすことが被害対策を成功させます。被害対策としまして、画期的な最新の対策はございません。野生生物にえさになるものを与えない、生活環境を与えない、効率的な捕獲を行うの3点を念頭に置いて実施し、効率的な被害対策を行うには、農家、非農家、市担当、林業関係者等地域の人すべてが被害対策の3つの考え方に対して共通の認識を持つ必要がございます。南国市のイノシシの捕獲頭数とその主な年度の被害金額を申し上げますと、15年度には67頭で34万円の被害額がございましたが、翌16年度には127頭にふえ、被害額も157万4,000円、そしてその後、捕獲頭数等は減っておりましたが、22年度にまた168頭、105万円、23年度には173頭、146万円と16年度に一度ピークがあり、22年度には前年度の2倍に捕獲頭数がふえ、それに伴う被害額も連動して倍増し、23年度は捕獲頭数が5頭ふえたのに対し、被害額は3倍増となっております。市としまして狩猟期間外のイノシシの捕獲奨励金を、南国市鳥獣被害対策協議会を通じて交付しておりますが、これまでは県費8分の3、市費8分の3、協議会負担8分の2の負担割合であったものが、本年24年度からは、南国市が補助金として8分の6を交付した後、翌年度に補助金額の8割を国が特別交付税、1割を県が県補助金として財源措置されることとなりました。この財源措置は、捕獲おり、電気牧さくにおいても同様でございます。非常に多くの不確定要素をこの財源措置は含み、私は大変不満でありますが、捕獲おり、電気牧さくは要望量が多く、特に電気牧さくは、イノシシ被害防止に大きな威力を発揮しておりますので、今後もできるだけ御要望にこたえてまいりたいと考えております。この有害鳥獣駆除は、中山間地域の地域住民を守る生きがい対策の面も大いにあります。西本議員さんの言われた収穫前の四方竹や水稲が一夜にして全滅の憂き目に遭う悲惨さは、言葉にあらわせないものがございます。今後も個々ではなく、集落、集団での電気牧さくによる被害防止、作物の防御にも努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 4番西本良平君。
○4番(西本良平君) 市長を初め、それぞれの担当課長さんから御答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。
 まず、市長答弁の中で、いろいろな角度から市長さんの思いを述べていただきました。先般も市長は本当に伸ばせるところは山も伸ばしていかないかんし、衰退しておるところはそれなりの対応をしていかないかん、こういうことだろうと思います。今おっしゃった中で一つ一番気になるところが、待ったなしのところが実はございます。これには前田議員もおっしゃってましたが、タイムリミットの話も出てきておったと思います。そうしたときに、このスピード感を持って取り組んでいきたい、いっていただける、これはもう過去の質問の中からもずっと来ておりますが、私も生活者の一人として、先ほども申したかもしれませんが、自分自身の集落、11戸で現在二十数名がおるところでございますが、実際地域活動にかかわれるのは、今もう五、六名になってございます。ここに1人、2人欠けますとどうかと。これ20年前に置きかえてみますと、土佐弁で言いますれば、やごと、家ごと後継者がおって、まあ成合は上等やねやと、これは私の集落のことでございます。地域に大きな集落もございますが、負けんばあ後継者がおらあという思いで我々も油断をしております。これは事実でございます。ところが、その次の次の世代、私たちの子供の代が皆さんおります、ちゃんと跡取りがおりますが、やはり市長も申されました。今の世の中で都市に負けない生活をし、子供に教育をさせていく、そういう意味におきましては、やはりこの成合あるいは中山間地域に若い夫婦が定着をする、そして人並みの給料を得て子供にそれだけの教養、能力をつけていく、そういうことはやはり難しい。だから、私たちの後の代がいないわけであります。全部出ております。これは、私もほかの地区を見ても、間違いでは決してないと思います。以前市長おっしゃられたと思いますが、やはりこれは一市町村の問題ではない。国家の問題でありあるいは社会構造が長い間の歴史の中で、特に戦後、行け行けどんどんの時代に一極集中が始まってこういう構造が生まれたということあるいはもう一歩言い方を変えますと、農業の衰退、林業の衰退、そこで飯が食えなくなった、そうすることによって生態系も崩れてきて、先ほどのイノシシの話にも当然なってくる。だから、非常に循環をして、いろんなものが悪循環をしてこういう形ができたと。しかしながら、市長がおっしゃいましたように、やるべきことはやらないと、1,325名が生きちゅうわけですね、この山で。だから、そこに向けましては、若い夫婦に土日、構んときに戻ってきてもらうことは、これはそれぞれの地元がやるべきであります。これは自主防と同じ考え方やと思います。かかわってもらえる、作業には帰ってこらす、これも我々せないかんと思います。行政ばっかりにお頼みするということではこれは決してならんと思います。しかしながら、今の時代、勤め人がなかなか土日であってもそういうところに行けない実態もあるわけでございまして、ここの部分をやるには、先ほど企画課長もお話がございましたけれども、やはりいろんな意味で総合的にこの中山間の問題は見ていかなくてはならないんだろうというふうに総括すればおっしゃったと思います。私は、この地域に乗れない地域の話をさせていただきました。この県の事業、まさにここのところを市長がおっしゃる方針でやるとするなれば、もう一回といいますか、市としてもやられてはおるとは過去に思いますけれども、ここに来たこの契機に、実際ここの小集落単位の実態調査をして、人口統計表だけじゃなくて、本当にこの地域の人は何人入院しとってどこの病院におるぐらいまで徹底的にやっていただいて、これから5年スパンでどうなっていくんだと。その集落単位でこの集落が何を求めており、どういう対策を講じれば、5年、10年長くこの地域が生き長らえるのか、そういう視点でもうやらないといけないのは一つであると思います。
 もう一つは、先ほど市長申されました。元気な農家もおりますし、元気な地域もございます。ここはやはりめり張りをつけまして、県の事業、国の事業もとってきていただき、南国市の中山間をこの地域だったらまだしばらく守れる、そのことによって水源の涵養や中山間の多面的機能が生かされるんだ、そういうモデルを私はつくっていただきたい、今回の質問の思いはそういうことでさせていただいたつもりでございます。
 2問目というところではございませんけれども、一つだけお聞きをするとするなれば、今後企画課長が申されました中で、ちょっと私の聞き間違いかもしれませんが、月、水、金のバスの運行にあわせてということ、これは自宅前からという認識でよろしいですかね。タクシー、自宅前、これ後で、じゃあちょっと質問させていただきます、2問目にさせていただきます。
 それと、鳥獣被害対策の件でございます。
 この件は、私も感謝の意も申し上げましたけれども、本当にこれからまだまだいろんな角度でやり方は今後徐々に変わっていかなくてはならないと思います。地域が地域としてイノシシ被害あるいはそれ以外の被害をふやさないようにしていく努力も、やっていくこともしていかなくてはなりませんが、お隣の香美市とかいろんなところで南国はまだ若干少ないようでございますが、シカが非常にふえておるということが今問題になっております。これが人工林の食い荒らしやら、いろんなところで悪さをしておる。これらの対策が若干見えませんでしたので、そこのところもう少し詳しくお願いしたいと思います。
 いろいろ申し上げましたけれども、今力強いいろいろな角度からの御意見もいただき、早速昨年の12月からのお願いしておった中山間の足の問題も1つずつ解決しており、中山間地域の公共交通空白地帯の問題もやろうということで進んでおりますので、そのことに心から期待を申し上げ、お願いを申し上げ、先ほどの2問を残しまして、私の質問を終わります。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) 西本議員さんからは、いろんな御提案と思える御意見ございましたが、そういうものを踏まえて、何とかこの中山間の衰退といいますか、そういうものを食いとめていくのは今しかない、このように決意を新たにしておるところでございます。急ぎどういう手法が一番有効なのかというようなこともすぐに検討に入りたいと思います。私、こういう議論をしておるときに、表現といいますか、として適当かどうか、ふとこの日本の1次産業を何とか守っていかなければならないということで、これは全体としては一自治体で頑張り通せるかなと。自信のないことを市長が言っておったらいかんわけでございますが、かつてお隣の中国では、いわゆる文化大革命のあらしが吹き荒れるときに、青年が地方へ、田舎へどんどんどんどん行きました。行って農家の応援隊的な、その背景というものは余り私も詳しく申し上げる必要もないと思いますが、そしてカンボジアでは、御承知のように、ポルポト政権というのが知識階級、都会の知識階級などどんどん田舎に送って、その当時の都を空っぽにしてしまったと。そして、大虐殺が行われたと。これは表現でも決してないんですが、やはり第1次産業、これから国レベルで守ろうとすれば、何らかの応援組織というものをつくらないと、例えば私どもの地域を考えてみても、集落営農組織、農業生産法人と一口で言っても、それを維持していくメンバーさえ不足する事態がもうそこへ来ておる、そのように思うわけでございます。ですから、もう少し組織的に一方では考えないかんのじゃないか、もっと中山間はこれがもっと深刻であると。先ほど西本議員が言われたように、元気なあの棚田を守る人がもういない、数人しかいないというような事態が来ておるし、いわゆる集落によっては、これは南国市のことでなくっても、中山間の集落においては、守る人すらさえ、次の世代がいないというような事態にもなっておるように思います。ですから、全体的にそれをどういうように最もしていくことが効率的になるのか、効率面からも考えてみなくてはならないと思いますので、急いで取り組みたい、そしてまた必要、私は必要だと思っておりますが、地域へ参りましても皆さんの意見も聞くことも大事だと思っておりますので、地域の座談会であったり、いろんな意見を聞き取り組んでまいりたい、そのように思っております。
○議長(野村新作君) 企画課長。
○参事兼企画課長(西山明彦君) デマンドタクシーの件でございますが、1つ済みません、紹介が抜かっておりましたけれども、週3回の1日4便、4往復のをというふうに申し上げましたけれども、事前予約制、前日までの予約ということで、予約がなかった便はもう走らせないと、走らせれば経費が要るだけになりますので走らせないということにしております。自宅前からかということでございますが、基本的には自宅前、要はタクシーが入れるところまでで、領石出張所、それからバス停でいきますと病院前、それから農協前まで結ぼうかというふうに考えております。
 以上です。
○議長(野村新作君) 農林水産課長。
○農林水産課長(村田 功君) 西本議員さんのシカについての御質問でございます。
 南国市としましては、今のところ23年度2頭の捕獲の実績が上がっておりまして、余り大きな被害の状況はお聞きしてないんですが、三嶺とか香美市とかでは、相当大きな被害が受けておりますので、近い将来、南国市もシカに対応した対策をとらなければならないなと思っております。そのためには、猟友会の御協力もいただきながら検討が必要ですし、浜田勉議員さんからも鳥獣被害防止特措法の施行の機会にという御質問も受けておりますので、またそちらでも御答弁差し上げたいと思います。
 以上です。