トップページ > 南国市議会 > 議会議事録
読み上げる

議会議事録

  • 開催別
  • 一般質問
  • 議員提案
  • 市長提案
  • その他
  • 検索

検索結果 »  平成23年 第357回市議会定例会(開催日:2011/12/09) »

一般質問 1日目(高木正平)

質問者:高木正平

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(野村新作君) 7番高木正平君。
      〔7番 高木正平君登壇〕
○7番(高木正平君) あの日から9カ月でございます。大規模な複数の災害に見舞われ、未曾有の事態となった東日本、この東日本大震災で被災をされました皆様に、改めてこの席上から心からのお見舞いを申し上げるとともに、でき得る復興支援を今後も続けなければとの思いの中で、あの津波被害を目の当たりに、南国市の沿岸の地域で再びあのような津波被害が繰り返されることがないよう、地域の皆様の切実な願いも受け、津波から命を守る対策、人命を尊重した早急な対策を具体的実現のため市議会議員の活動を始めさせていただきました。
 この議場には7年間担当課長として臨席をいたしました。同じ議場ではありますが、このたびの本会議は初登壇でございます。橋詰市長を初め副市長、教育長、消防長、またそれぞれの管理職の皆様、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ところで、私が生まれ育ちましたところは、前浜でございます。物部川の河口から高知市境まで8キロの海岸線が続く沿岸部で、砂地が堆積した土地でございます。太平洋を目の前にした土地柄は、特有の風土があり、歴史があり、魅力あふれる地域でございます。かつてこの浜では、炎天下にてんびん棒を担ぎ、潮水を砂浜にかけて塩をつくる作業が行われていましたし、また地びき網も盛んで、子供のころは遊びながらの手伝いに、タチウオなどの魚を御褒美にもらったりしました。何かの折にふっとよみがえる懐かしい記憶でございます。私的な、大変個人的な記憶を申し上げましたが、今だれもがしっかり記憶の中に刻み込み、忘れてはならない記憶が、東日本の未曾有の津波被害でございます。克明に、鮮明に、詳細に記憶しておかなければなりません。沿岸の地域はもとより、海岸から離れた地域であっても、河口から、また放水路から遡上する波は、激流となって津波の被害が広がりました。8キロの海岸線の中で沿岸に近く、海抜もさほどではない久枝、前浜、浜改田などの地域、突然の大きな揺れが起こり、地震発生から短時間で押し寄せる津波、この津波から逃げられるのか、命を守る津波対策の基本は逃げることです。どこへ逃げる。近くに高台がないとしたら、どう逃げる。逃げ切ることができるのか。東北の太平洋沿岸地域に大きなつめ跡を残し、多数の住民の方が犠牲となった巨大津波、その災害は必ずまた繰り返し起こります。30年、60%という予測で発生すると言われておりますが、私の地域で言えば、大湊保育所や大湊小学校に通う子供たちが大人になるころ、あるいはなったころ南海地震が発生し、その日、宝永の南海地震をしのぐ津波が襲ったとしたら、東海・東南海・南海地震の3連動地震で最も高い津波に襲われるのは、高知県と考えられてもいます。前浜でも講演をしていただいた東京大学地震研究所の先生のお話ですが、高知には20メートル以上の避難場所をたくさんつくるべきと言っておられます。また、20メートルはないと命は守れない。そうでなければ無意味ですとも言っておられます。久枝、前浜、浜改田など、高台や高い建物がない津波到達時間が短い地域での安全を確保できる高台の整備はどのように行えばいいのか、東日本大震災の津波被害の教訓を南国市はどのように生かし、安全への備えを行わなければならないのか、このことにつきまして、具体的な整備の実現のため地域の思いをしっかり伝え、着実に実行していただけますよう、幾つか私の視点で申し上げたいと思います。
 やはり避難タワーの整備は大変重要なことでございます。その日は直近に来るかもしれません。だから火急に行わなければなりません。事は急を要しますが、命を守る重要なとりではどのようなものでなければならないのか。私は避難施設として、命を守るとりでは、地域の防災活動の拠点であり、しかも日常生活の活動の場の中に存在すると考えております。そのことは、そこが地域の憩いの場所であり、そこでは自然に触れ合い、仲間の交流があり、また多世代の交流もあり、遊びや学びが存在し、さらに自然と共生する力をも養う、子供から大人まですべての人の憩いの場所であること、地域のイベントの拠点であったり、子供たちにとっては、遊びの場所である構造物の必要性が浮かんでまいります。公園の中の地域のシンボルとして、子供たちの遊びの記憶の中にしっかりその場所がインプットされ、その日能動的な姿勢で、家族や仲間と一緒にその高台に向かって逃げる。安全な高台は、日々の活動や成長過程の中で感受性や想像力を身につけておくことが大切であり、その体験が命を守る重要なとりでになると思っております。
 さらに、被害を最小限に食いとめる人々のネットワークも形成される場所でもあります。市長は津波対策を優先課題として、高台のない海岸には、避難タワーと言っておられます。そのことからも避難タワーの整備、防災対策における社会基盤整備としての高台の整備について市長のお考えをお伺いいたします。
 また、沿岸の地域で適地といいますか、最適な場所の検討など、来年度に向けての具体的な実施についてお聞かせいただきたいと思います。
 さらに2点、高台整備につきまして、私の視点で具体性を持たせた提案を申し上げます。
 宝永の南海地震の災害記録である古文書です。その文書には、久枝、下島より浸入した津波で、下田村は全戸が流失、西に進んだ津波は、前浜の家屋を半分程度流失させ、浜改田の北に進み、田畑を浸し、里改田の山に達していると一部の記述ですが、このようにあります。南国市教育委員会発行の「南国の歴史を歩く」という冊子にもありますが、江戸時代半ばに前浜の下田村で、医者であり学者でもあった野見嶺南が残した大湊図記というのがあります。その大湊図記という地図には、下田村周辺の地形は、久枝から西にひょうたん形に入り江が広がっていたと、その形状が記されており、州と記録されております。いわゆる河川や海の水面上にあらわれた土砂が堆積したところですが、その様相を思い描きましても、物部川の河口や切戸の放水路から遡上する波は、まことに想像することができます。そのような地形であったことから1点は、前浜公民館の周辺に20メートル以上の高台として避難タワーの設置を提案いたします。
 前浜公民館の周辺には、市の指定文化財掩体があります。この周辺の田んぼに7体点在いたしておりますが、まさしくこの掩体のある周囲が、大湊図記にある州の範囲だと思っております。必ず浸水するところで、先ほど申しました宝永の南海地震では、下田村は全戸が流失したとありますし、久枝、下島より北に進んだ津波は、物部の大道に達したとあり、ここでの津波の高さは14メーターから15メーターとなると書かれております。ゆえに高台が必要な場所で、この掩体を見おろすことができる高い構造物で、まさに周辺のシンボルとして歴史を探索することができるタワーの設置を求めるところでございます。
 このタワーは、四方から逃げてくることができる場所であり、地理に不案内な人々にも目指して逃げることができる避難施設となります。東京タワーや話題のスカイツリーの展望台ではありませんが、高いところから眺望を楽しむことは、だれもが求める身近な楽しみでございます。私たちの子供のころは、この掩体が周辺で一番高いところでございました。この掩体に駆け上り、飛行機に歓声を上げたり、遊山と称しててっぺんで弁当を食べたりしたものでしたが、高台からの眺望は、まさに遊びや学びであります。その体験こそが、その日安全を確保できる高台として、津波から命を守ることができるものと確信いたします。指定史跡の探索や地域の憩いの場所であるという観点から、教育委員会の答弁をお願いいたします。
 2点目は、命山です。
 11月1日発行の市議会だよりを拝見いたしました。先輩の西岡議員が、命山の復活や空港の緩衝緑地帯を利用しての避難場所整備についての質問があり、答弁で、避難場所として、さらにかさ上げなどできないか、大阪の空港事務所にお願いしたいと思っていますとの記事でございました。
 まず、企画課長に、大阪の空港事務所の回答はいかがであったか、お聞きいたします。
 私も滑走路の南側に緩衝緑地として、でこぼこと連なるほんの少し高い一帯を避難のとりでとした高台に命山の再現を、と提言するものでございます。高さの制限はあるのか。あるとしたら、かなえられる高さはどの程度なのか。今の緑地帯のかさ上げが無理としたら、滑走路から一定離すことで、命山をよみがえらすことができるのか、企画課長に実現への調整をぜひとも担っていただきたいと重ねてお答えをお願いいたします。
 以上、安全な高台について、1つに、地域の憩いの場所でもある高台、2つに、四方から目指して逃げてこられる掩体も眺望できる高台、3つに、命山の再現でもある高台、それぞれの答弁をよろしくお願いいたします。
 危機管理課長は、午前中の西川議員の答弁に際し、命を守るを最優先に取り組むと申されましたが、それぞれの所属長にもその姿勢責務での答弁をよろしくお願いいたします。
 次に、同じく津波対策でございますが、啓蒙啓発についてお尋ねいたします。
 宝永の南海地震の被害の記述につきましては、先ほども申しましたが、津波対策は、過去の状況や被害の実態を知ることが極めて重要だと思っております。過去にこの土佐で起きたという地震・津波被害の光景、テレビや新聞などで実際に見た岩手・宮城・福島の光景、現実に起こるという、繰り返し起きるという教訓を生かさなければなりません。そのためにも震災の記録を古文書や地元の歴史から多くの教訓を学び取ることが重要だと思います。寺田寅彦が残した随筆の中に、「災害を防ぐには、人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するよりほかはない」との一文がございます。ここは生涯学習課が古文書を解読した文章などから、災害記録を活用できるよう、そして生かすことができるよう、今行わなければならないと思います。資料の収集や過去に学ぶことができる資料を発掘するなど、一定専門の知識を持つ人材を充てるなどして、過去の状況や被害の実態をまとめていただく取り組みは今行うべきですが、できないものでしょうか。いかがでしょう。過去の被害状況や実態を防災教育や啓発の一つとして教育委員会のお考えをお伺いいたします。無論小学生、中学生を初め市民すべての皆様に大変意義のある啓蒙の一つだと思いますが、教育長、生涯学習課長のお考えをお伺いいたします。
 啓蒙啓発としてあと一点、想定される災害に対しまして、最も大きな課題と言われている一つに、若い世代への啓発と言われています。またとない貴重な機会と思いますが、成人式で行うことはいかがなものでしょうか。はやそこに期日が迫っておりますので、計画はほぼ固まっているかもしれませんが、この年度の成人式より実施すべきと思います。成人式を迎えた皆様に、東日本大震災を改めて思い、被災者や災害の状況を十分に知り、この現実を受けとめ、災害に対する認識を深めていただく。災害に関する知識の水準を高めるためにも、最も有効で効果のある機会ととらえますが、生涯学習課長の答弁をお願いいたします。
 再度申し上げます。震災後10カ月です。この成人式で、災害に関して何らかの手だてが必要と私は思います。
 まず、掩体も眺望できる高台構想、そして過去に学び、教訓を生かすことができるようどのように取り組むのか。最後に、成人式での啓発について、以上教育長、生涯学習課長の答弁をお願いいたします。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 高木議員さんの質問に、基本的な防災についての私からの考えを申し述べるその前に、高木議員さんは市役所に籍を置いておいでのときは、防災あるいは救急救命の最前線の責任者として大変御活躍をされました。そして役所を去られまして、今回この地域の声を議会というところを通して、非常にわかりやすく我々に問題点を投げかけてくれておりますし、また要所要所では大変重要な御示唆もいただけるんではないかとそういう意味で、何とぞこれからもよろしくお願い申し上げます。
 私のほうからは、基本的な考え方について申し述べさせていただきます。
 本市の沿岸地域の津波避難につきましては、市政報告でも少し触れましたが、未曾有の被害をもたらした東日本大震災のつらい経験と厳しい教訓は、未来につなぐ証拠として、災害に負けない地域づくりの知恵として、後世に引き継いでいかなければならないものと考えております。国の東北地方太平洋沖地震を教訓といたしました地震・津波対策に関する専門調査会の防災対策で対象とする地震・津波の減災に向けた考え方は、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を検討すること、古文書等の分析、津波堆積物の調査など、あらゆる科学的知見に基づき、想定地震津波を設定することなどであります。
 また、津波対策を構築するため、想定津波の考え方を2つのレベルの津波を想定して進めるとしておりまして、1つ目は、発生頻度の極めて低いもの、甚大な被害をもたらす最大クラスの津波、つまり500年あるいは1,000年に一度のものは、住民などの生命を守ることを最優先とし、住民の避難を軸に、取り得る手段を尽くした総合的な津波対策を確立していくこととなっております。
 2つ目といたしまして、発生頻度が高く、津波は低いものの、大きな被害をもたらす津波、つまり100年から150年に一度のものは、人命保護に加えて、住民財産の保護、地域の経済活動の安定化、効率的な生産拠点の確保の観点から、海岸保全施設等の整備を進めていくことであります。津波被害を軽減するための対策における海岸保全につきましては、県が既に堤防調査に入っておりますので、優先順位をつけた補強対策等が行われるものと期待をしておるところでございます。本市も国の考え方に沿って最大クラスの津波に対しては、被害の最小化を主眼とする減災の考え方に基づきまして、海岸に面する地域の避難場所の確保を最優先に取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上答弁申し上げまして、細部につきましては、担当課のほうからお答えを申し上げます。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 危機管理課長。
      〔危機管理課長 西原三登君登壇〕
○危機管理課長(西原三登君) 高木議員さんの御質問にお答えいたします。
 新しい南海地震の地震動、津波高さは示されておりませんけれども、早急にできることから、迅速に取り組んでいるところです。地震・津波対策の方向性につきましては、津波からの避難は、おおむね5分程度で避難できることを目指すことが望ましい旨の意見が述べられております。5分程度の避難ということになりますと、半径約300メートルごとの避難場所整備が必要となるため、本市におきましても、抜本的な津波避難対策の見直しに迫られております。東日本大震災でも情報伝達の重要性が改めて認識されておりますので、津波から早く、高く避難する円滑な避難行動が行えますように、防災行政無線の整備など情報伝達体制の充実強化を図ってまいります。
 また、津波避難ビルの協定、避難路や避難場所の整備をあわせて進めてまいります。具体的には、災害に強いまちづくりを目指すために、国の地域自主戦略交付金における農村災害対策整備事業を導入した沿岸部の津波対策を推進するものとして、地域住民参加による集落防災マップ作成や防災体制づくり、ワークショップの開催など、農村防災施設の調査を進めます。
 次に、地域住民の安全性確保の観点から、必要となる施設整備の優先度を決定し、効率的な対策を行うための農村災害対策整備計画を策定します。平成24年度は全体計画を、平成25年度には詳細な実施設計を策定し、採択をされましたら、補助率90%の緊急避難施設整備といった津波避難場所の確保のためのハード事業を実施することが可能となります。仮に採択が見送られた場合でも、農村災害対策整備計画は、住民の意見が反映された計画となりますので、沿岸地域の津波避難対策の指標として活用していけると考えております。
 このほかにも県の津波避難対策総合推進事業、補助額3分の2でございますが、を活用することによって、今後における国の東海・東南海・南海地震3連動の被害想定や県の地震・津波計算結果による津波浸水区域の公表を待つことなく、順次避難場所の確保に努めてまいります。
 次に、避難場所の確保に当たり、日常生活にも活用でき、憩いの場となる整備につきましては、地区住民参加による取り組みを進めまして、迅速な避難が可能である適地を選択してまいりますが、津波は繰り返し押し寄せるため、津波施設には6時間から8時間にわたる避難体制をとっていただくものであります。したがいまして、基本的な考えは、津波避難施設においては、日常生活の活動の場や憩いの場としてではなく、緊急で一時的に避難する施設として整備を進めることが、財源問題や利用頻度などを考慮すると妥当ではないかと思っています。
 しかしながら、津波により孤立する地区もございます。孤立という不安を解消するためにも場合によっては平常時も使えて、緊急時は長時間の避難に備えるための施設整備も考えていく必要があると思いますので、御理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 高木議員さんの防災教育についてお答えいたします。
 高木議員さんの御指摘のとおり、古文書による過去の記録や今回の大震災を踏まえ、これからの学校には、危機管理能力、防災力、児童・生徒の防災対応力といった命を守る教育が求められることを強く認識しております。東日本大震災以降、各小中学校では、これまで以上に防災教育への緊張感が高まり、避難訓練や防災訓練を含めた防災教育の見直しや新たな取り組みも始めております。本年度真っ先に全小中学校における地震・津波による避難場所、避難経路の見直しと訓練方法の改善に努めました。その計画に基づき避難訓練を行い、修正や改善を加えながら、より綿密な組織体制や行動計画を進めております。
 また、市長部局、特に危機管理課とも連携いただき、子ども防災キャンプや出前授業を通して教職員や児童・生徒の防災意識の高揚に努めております。昨年度は久礼田小学校、本年度は大湊小学校で、子ども防災キャンプを実施しております。
 さらに、10月には国府小学校におきまして、学校が自発的に地域の自主防災組織に働きかけ、危機管理課や消防本部の協力も仰ぎながら防災訓練を実施しております。このように学校が核となった自発的な取り組みも進んでおり、これらの実践を関係各課との連携のもと、全市的に広げてまいりたいと考えております。
 また、教職員への研修も広めていく必要がありますが、ことし8月には、南国市の校長会が、被災を受けました岩沼市の玉浦小学校の校長先生においでいただき、夏期研修会を実施いたしました。
 平成24年度は、高知県教育委員会が安全教育プログラムを作成し、県内の全教職員に配付し、安全教育の取り組みを進めていくとの報告もお聞きしておるところでございます。私ども南国市教育委員会もそれを受けまして、さらなる防災教育の充実と推進を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 生涯学習課長。
      〔生涯学習課長 谷合成章君登壇〕
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの津波災害の啓発に関しての御質問にお答えいたします。
 南国市における津波災害の過去の史実につきましては、高木議員さんのおっしゃられた「南国の歴史を歩く」や南国市史を初め、昭和60年10月に発足し、現在も活動を続けております南国史談会の発行している「南国史談」にも記載がございます。この記載内容につきましては、南国市だけでなく高知県全体の史実についても記載されており、大変貴重な資料でございます。その他古文書等につきましては、県立歴史民俗資料館等と連携をしながら生涯学習課として情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、若い世代への啓発につきましては、危機管理課とも連携しながら来年1月3日にございます生涯学習課のイベントであります成人式等での啓発につきまして、早速実施をしてまいります。どうも御提言ありがとうございました。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 企画課長。
      〔企画課長 西山明彦君登壇〕
○企画課長(西山明彦君) 高木議員さんの津波避難所の整備についての御質問にお答えいたします。
 空港周辺の緩衝緑地の活用なんかにつきましても、空港事務所のほうに要望をしておりますけれども、実際には高さの制限が周辺にはあるということで、具体的には、空港滑走路の中心から傾斜7分の1、すなわち7メートル離れて1メートルの高さというような形での制限がございます。最大が45メートルということになっております。空港滑走路につきましては、南北といいますか、河口に近いほうほど低うなっておりますけれども、そこで海抜大体4.5メートルということでございます。河口に近いほど低くなっておりますけれども、津波の避難施設のためには、海抜仮に20メートルということになると、あと15メートルぐらいの高さが必要でありますけれども、15メートルの高さをやるためには、滑走路の中心から約105メートル離れる必要があるというようなことで、緩衝緑地につきましては、大体詳細ではございませんけれども、かなりもうこれ以上、上には使えないというようなところでございます。ただいま高知空港事務所を経由して大阪航空局に要望しておりますけれども、先日高知新聞の報道にもありましたとおり、空港ビルへの避難についてもだめであるというようなことで、その他の緩衝緑地の活用についても、現在のところノー回答ということでございます。
 しかしながら、やはり一番利用しやすい、市民が利用しやすい空港ビルでありますとか、それから緩衝緑地、あるいはその周辺の避難タワーでありますとか、そういったこと、法の規制はありますけれども、その範囲内で避難施設の整備に向けて、なお大阪航空局のほうにも要望をしてまいりたいというふうに思います。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 7番高木正平君。
○7番(高木正平君) どうもありがとうございました。
 答弁する立場の思いというのは、よく思い出すまでもなく理解できますので、そうかなというふうな思いはいたしますけれども、いささか前浜、久枝、浜改田というあの沿岸の地域に住む人々の毎日の募る思いの中で今のお答えを伺いますと、少しこれではおさまりがつかないかなというふうな気がいたします。1つには避難所、3つの提案をさせていただきましたけれども、まず避難所としてのとらえ方が、危機管理課長が言われるように、あくまでも避難所の目的であるというのは十分に理解はできますけれども、その避難所の存在を日々住まう人々が生活の中でどうそこを見詰めているか、つまり利用しているかということ、利用できるかということが非常に大事なことであって、そのときにそこに向かって一斉に逃げることが、落ち合うことができる場所になるんじゃないかということを常々考えております。そのためにも、先般落成式に参加もさせていただきました南部市民館のあの避難施設も、入り口には錠前が、簡単にあくかもしれませんけれども、あそこもやはり高台として、日ごろここに上がればこの高さということが実感できるような毎日の人々の交流が、その場所で交わされることがないと意味がないじゃないかなと、そのときに活用できることができるかどうかというのを非常に疑問を持ちますので、避難所の設置については、その場所の検討も含めて、その後の避難所の活用をやっぱり住民の意向を踏まえながら検討していただくことをまずもって申し上げたいと思いますし、そしてその避難場所につきましても、危機管理課長が、半径300メーター以内で5分以内というふうな一つの設置の目安として御紹介されましたけれども、じゃあ先般の南部市民館のあの避難施設は、200人の収容人員が可能だというふうに説明も伺いましたが、現在久枝には大体500名、前浜で、下島浜、里を含めまして1,530名、浜改田の前浜よりに近いところで480名、ざっと2,500名の方々が、非常に海抜の低い沿岸地域での生活を毎日過ごしております。まさにリスクと向き合ったというふうな地域での生活の数がこの数ですので、仮に200名ができたとしても、2,100人の収容ができる避難施設がまだ必要なわけで、300メートルで5分以内ということとあわせて人口の規模からしても、箇所数としてはこれから計画的に取り組んでいくとしましても、10カ所以上の箇所が必要です。
 さらに、先ほども申しましたように、住民以外でも前浜を通りかかる、この地域を通りかかる人たちの目印と目指すものの施設としての一定の高さを備えた避難タワーというものも、質問で申し上げましたように、避難タワーという目的を持ちながら、日ごろは高台というふうなそういう展望も楽しむことができる展望ということで、前浜公民館の周辺ということを具体的に提案させていただきましたけども、そういう避難場所の設置、整備の仕方というものを目的ということとあわせて設置の場所と高台のそのものの構造につきましても、御検討いただきたいと思いますし、命山につきましても、確かに空港のビルということがありますけども、そこにはさらに距離があります。沿岸の背後地で、一番周辺から高台がかなうかなというのは、日々の光景の中でもあのあたりかなと思うところですので、さらに要望ということと、法的な規制がクリアできるかということも含めて、3つの提案につきましての高台を具体的に検討していただきまして、また都度都度お聞きいたしますので、お答えをいただきたいと思うところでございます。
 それから、教育長さんからも児童・生徒の皆さんへの防災教育とか防災訓練は引き続きということで御紹介をいただきましたけども、それはもう当然のことで、そのようなことは継続してお取り組みをいただきたいと思いますけれども、古文書などに見るところの被害の状況を生涯学習課長はそれぞれの機関紙で紹介もされているということですけれども、やはりそういう機会を目にする方々というのは、一般の市民の方々が目にする機会ということよりも、そういう研究家仲間の中での機会がベターかなと、一般的かなと思いますけれども、このあたりを少し発掘をしながら、調査をしながら広報などで、実際これまでの南海地震の実態というものを、その光景というものをお伝えいただく取り組みが必要だと思いますので、もう少し踏み込んだ啓蒙啓発についての古文書の活用などについて生涯学習課長からの御答弁をお願いしたいと思います。
 そして、成人式につきましては、御検討くださるということですけれども、これは生涯学習課長が担当してるとは言いながら、南国市の主催事業で、橋詰市長さんが式辞を御紹介する立場の市の式典でございますので、ぜひこの式典の中で、具体的に今の惨事をつぶさに伝えることで、災害に対する知識の水準を上げていただくような時間をぜひとも確保、実現していただくようにお願いいたしたいと思います。
 すぐさまのお答えにならないかもわかりませんけども、お答えしてくださることがありましたら、お願いしたいと思います。なければ、最後にもう一言申し上げたいと思いますので。
○議長(野村新作君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) ただいまちょっと正直言いまして、高木議員さんの質問に対する答えが若干足りなかったようにも思いますが、全体的な収容人口の問題、もちろんこれは満たしていかないかんと思っております。3,000人おるところへ500人入るものをつくってもいかんわけでございますので、それは順次つくってまいりたい。地形的なこととか、いろんな条件を考えて、先ほど高木議員から御提案のありました3つの視点も考えて、順次つくっていくということをお約束いたしまして、答弁にかえさせていただきたいと思います。
○議長(野村新作君) 生涯学習課長。
○生涯学習課長(谷合成章君) 高木議員さんの言われた古文書の一般の方々へのということでございまして、私も先ほど私が出しました南国市史や南国史談を一読させてもらいました。貴重な資料が書かれてございましたので、これをいかにして啓発するかということでございますが、やはりこれにつきましては、南国市の広報とか、そういったものを通じて、一部の方だけではなく、広く市民に貴重な資料の御紹介もしていきたいと私自身は考えております。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 危機管理課長。
○危機管理課長(西原三登君) 市長が答弁をいただいてますので、前浜の公民館の部分を津波避難場所として日々も憩えるものという部分でございますが、一定先ほども説明しましたが、農村災害対策整備計画をつくり込んでいきますので、この中で住民のお話もお聞きすると。意識向上もするし、学びもする。その話の中を受けまして、そういう避難時間のことも出てまいると思いますので、その中で本市の財源のこともございますので、そういうことも見きわめながら進めてまいりたいというふうに私自身は思っております。
 それからもう一点、企画課長の少し補足でございますが、空港について、空港ビルとの津波から逃げる避難場所としての協定につきましては、5月の月に一定お話を申し上げて、再度秋口にもお話も進めています。空港ビルとしても一定屋上が送迎デッキがございますが、14.14という標高のものがございまして、一定そういう場所をうちにも協定を結んでお貸しいただけると、前向きに空港ビル会社として取り組みをしたいという返答もいただいてまして、現時点で協定には至っておりませんけれども、少し企画課長の補足ということで、よろしくお願いをしたいと思います。
 以上でございます。
○議長(野村新作君) 7番高木正平君。
○7番(高木正平君) 危機管理課長の御答弁を考えながら、もう当然のことですけれども、財源の必要もあります。そのことも大変よくわかります。
 また、わかっていただきたいことは、リスクに向き合う地域に住むこれらの人々の存在というものを十分とらえていただきたいと思います。
 そして最後に、今空港の屋上ということが出ましたけれども、私の一つの提案でございますけれども、この地域には高い建物のない地域でございますので、3階建て以上のビルにも相当する公共施設、つまりスポーツセンターの周辺に芸術文化活動の利用ができる施設の構想をお持ちになったらいかがでしょうかということをぜひ申し上げて、質問を終わります。
 以上です。