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検索結果 »  平成21年 第343回市議会定例会(開催日:2009/12/04) »

一般質問 3日目(前田学浩)

質問者:前田学浩

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(浜田幸男君) 2番前田学浩君。
      〔2番 前田学浩君登壇〕
○2番(前田学浩君) 通告に従いまして、質問いたします。
 第1、協働のまちづくり地域担当職員制度についてです。
 私が議員になり最初に質問させていただいたのは、この協働のまちづくりでの地域担当職員制度についてです。当時、浜田市長は、私の未熟な質問を補っていただくほど丁寧に答弁していただきました。その後、次の3月議会にもう一度確認の質問をいたしました。そのときの企画課長の答弁をあえてきょう繰り返させていただきます。
 地域担当職員制度は、住民自治を支援する制度として全国的に配置する自治体がふえてきておりますし、本市におきましても、19年3月に策定いたしました第3次南国市総合計画の中で、市民との協働、地域協働のまちづくりを最重要課題の一つとして上げておりますことから、浜田前市長がこの制度の導入を検討すると19年の2月議会で御答弁申し上げております。地域担当職員は、担当地域と行政をつなぐパイプ役として地域の実情を把握すること、地域から行政への要望を伝達する、あるいは行政から地域への施策や事業の説明、地域の自治組織の運営や活動への支援などが主な業務となりますが、制度の導入につきましては、職員の労働条件などとの関係など調整を要する幾つかの課題もございます。県外のある市では、小学校単位で、その地域の出身者あるいはその地域に実際居住している職員を3人から4人配置している例もございますが、本市で導入する場合、配置する職員の役職や年齢などの選任条件、担当地域の規模、地域からいただいた要望、施策の中に反映させていく庁内システムの構築などさまざまな検討課題がございます。そこで、新年度より既に制度を導入している自治体の現状や課題について具体的で詳細な調査を行い、できれば21年度の機構改革あるいは職員配置に反映できるよう作業を進めていきたいというふうに考えておりますとあります。
 何度も地域再生について私は触れておりますが、この地域コミュニティーの再生が急務として求められており、このたび新設された危機管理課と同じぐらい重要だと思っています。ここに改めて地域担当職員制度についての実施を早期に求めます。
 このような中、議員の皆様並びに執行部の皆様もごらんになったと思いますが、今週7日の月曜日の朝刊に、「高知市の市民と協働再構築へ」という見出し、そして「地域協働弱体化に危機感」というサブ見出しで大きく特集記事が載っておりました。これが実際の新聞記事で、ほぼ1面を占めております。そこでは、高知市が新しい市民協働部という部門を新設することが本当に大きく紹介されております。なぜこんなにほぼ1面で大きく扱われるのでしょうか。簡単な理由です。それだけ地域のコミュニティー再生が重要だからです。この課題さえ解決すれば、ブランド化や特産品の開発、そして当然ながら自主防災の意識向上、すべてがうまくいきます。これもなぜでしょうか。それは、市民の力の結集につながるからです。民主主義社会で最も重要な要素である、人々の力を合わせることができるからです。以前、市長も共鳴してくださりました私の政治的基本的姿勢、つまり下支えをしながら中上位を引き上げるということが、この地域コミュニティーの再生を通じて可能になります。また、高知市の掲載の新聞にも触れられていますが、地域住民の共助の活動強化は行政の効率化につながります。ますます膨大化していく社会的コストを下げていくことができるのです。
 ただし、時間の猶予はそれほどありません。南国市にて早期の実施が無理なら、総務省の集落支援制度の導入をお願いいたします。市長もしくは担当課長の答弁を求めます。
 続いて、学力向上、22年度の学力テストについての実施予定についてお伺いいたします。
 従来、テストの点数というのは、平均点付近の人数が多く、それより高い、低い点数では人数が少ない、いわゆる正規分布の形をとります。これがいわゆるヒトコブラクダの状態です。しかし、現在の公教育の現場では、平均点付近の人数が少なく、テストができる集団とテストができない集団に大きく分かれていることが多いと言われています。これを図にすると、フタコブラクダの状態になります。特に、数学と英語であらわれているようです。この状況で平均レベルに合わせた授業をしても、テストができない集団には難し過ぎ、テストができる集団には簡単過ぎます。そして、最も重要な点は、このフタコブラクダの状況が、これまで中位層が多かったところが下位層にシフトしていっているという傾向が出ているのです。
 皆様に渡している資料をごらんください。これが3年間の高知県の全国学力テスト数学Bの結果です。上から19年、20年、21年度となっております。なお、このデータは県の小中学校課のホームページから引き出したものです。一番上の19年度に、折れ線グラフが全国のものですが、右側に全国のポイントが上がっているのは、これは国立と私立のデータが入っているからです。次に、中の20年度には国立と私立のデータは入っておりません。20年度の全国の公立は右側の山が高くなっておりますが、高知県は左の山が高くなっております。そして、21年度でまず最初に見ていただきたいのは、グラフの縦軸が倍になっているということです。これは差を見せないときによく使う手法でございまして、私が数学の先生であるならば、このグラフは減点対象になります。
 さて、21年度の全国の公立の結果は12問、13問、14問と解いた子供がふえてきておりますが、高知県は微増した程度で、左の山が高いのは変わっておりません。これから読み取れるのは、先ほど言いましたフタコブラクダの上のこぶが崩れて下のこぶに近づいて、さらにフラット化しているということです。全国学力テストの不要論を掲げる人がいますが、この全国学力テストではっきりしたことの一つが、フタコブラクダの減少が想像どおりあったということです。学力テストの平均点が決して問題ではありません。仮に平均点が低くても、その学校、クラスの結果が正規分布であれば、とれる対策は幾らでもあり、しかも短期間に改善できます。平均点60点のクラスでほとんどが60点近くにいるならば問題ないということです。これが、80点と40点の子供に分かれていることが問題なのです。この現象は公教育の危機と言っても過言ではありません。繰り返しますが、授業を進めていく上で対象となる中間層は極めて少なく、下へ雪なだれしているからです。
 政権がかわり、全国学力テストを抽出調査に切りかえについては、鈴木副文部科学大臣が10月に20日に調整していることを明らかにしました。また、事業仕分けでは、抽出ということだったから、その方向に沿って内部の詰めをしていると語ったようです。ただし、高知県の尾崎知事は、国が抽出方式にしても、県としてはこれまでどおり全数にしたいと述べております。学力テストの結果がブービーの県で成果がこれまで出ていませんので、行政のトップの判断としてはもっともなことだと思います。
 ここで言いたいのは、これといった改善活動もしなくて、新たな調査方法をするなということです。また、抽出方式では、対象とする学年をふやし、従来の国語と算数、数学、2教科以外の教科についても調査する方向であるということですが、学年や科目数をふやすということは焦点をぼやかすだけであると思います。学力テストは、子供の学力維持向上に資するのが最大の目的で、そのために子供の学力を把握して、教育施策や指導の改善に役立てるものです。特に、来年は最初に小学校で受けた子供が中学校で受けるという大変貴重な年度になります。この貴重な時期に教育者として興味がないのか不思議に思います。1日目の一般質問で南国市として来年度の実施についてまだ決めていないようですが、早く実施の姿勢を出してもらいたいと思います。
 ここで質問です。
 これまで南国市としては公表はしていませんが、中学校の数学Bについて度数分布を見せていただきたいと思います。正解数と人数の実際の数値を見せることができないのであれば、グラフの形状だけでも見せていただきたいと思います。そして、多分正規分布でなかったことに対して市教委はどのような対策をとってきたのか、答弁を求めます。
 私は、このフタコブラクダの是正こそが公教育の再生につながると思っており、この改善方法にPDCA手法を用いて、市教委が重点施策とされているPDCAの確立の輝ける実績にしてもらいたいと思います。もう一つの裏面の資料につけていますように、PDCAっていうのはある期間で多くのPDCAサイクルを回さないといけませんので、本当にいい事例となります。私もこの改善活動に参加させてもらいたいほどです。
 さて、議員の皆様、そして執行部の皆様、昼休みに南の山、吾岡山を見てください。今の公教育の数学、そして英語の成績の度数分布は、吾岡山のようにフラットな形状になっていると一般的に言われています。つまり数学でいえば、小学校3年生から中学校3年生まで同じ教室にいるということです。これで教職員に、どこの層に向かってどうやって限られた時間で授業をしなさいと言ってるのでしょうか。今後もあのような、吾岡山の形状のような成績分布のクラスで授業がうまくできると考えているのでしょうか。フタコブラクダフラット化の是正は、当然ながら教職員のためでもあります。教育長の答弁を求めます。
 以上で1問目を終わります。(拍手)
○議長(浜田幸男君) 答弁を求めます。企画課長。
      〔参事兼企画課長 山崎正道君登壇〕
○参事兼企画課長(山崎正道君) 前田議員さんの地域担当職員制度についての御質問にお答えいたします。
 地域担当職員制度の検討は、庁内の係長クラスの中堅職員十数名で地域担当職員制度導入検討会を組織しまして、平成20年度から受け持つ地区の地域の範囲や業務内容等を検討してまいりました。しかしながら、制度導入にはさまざまな課題がありまして、まだ議論の中での意見の集約に至っておりません。
 庁内協議では、まず本制度の実施内容をいかにするか、あるいは地域担当職員のミッションと体制をどうするかなどの根本的な部分で議論が分かれました。と申しますのも、集中改革プランに基づく職員の大幅な削減により個々の職員が非常に多忙になっている、そういう状況の中での体制づくりが大きな課題になってきてるからでございます。したがいまして、現在の職員体制の中で何ができるのかというところから議論がスタートいたしました。その中で、小学校区を1単位として担当チームを編成し、責任者と数名の担当者を選任して、対応可能な地区から順次実施していくという内容で検討し、実施要綱と担当職員の張りつけの素案も策定しております。しかし一方で、可能な地域からだけではなく全地区を一斉に実施すべきであり、まず行政から市民への連絡体制の確立に向けて準備をしていくべきだという意見もございます。このように実施体制と実施内容で大きく異なる意見があり、結論を見出せないまま今日に至っております。
 地域、市民との協働は、本市が第3次総合計画でうたった第1の基本施策、市民と築く地域協働のまちづくりそのものであり、最重点課題でございます。そして、地域担当職員制度はその有効的な手段の一つであると考えております。この間、庁内協議が進まず大変申しわけなく思っておりますが、引き続き庁内協議を行いながら、市内全地区を対象に、できるところからでも制度の運用を早期に図りたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
 一方、集落支援員は、当該地区を担当する市町村職員などと協力しつつ、集落への目配りとして集落を定期的に巡回し、住民の生活状況や農地や森林の状況等把握して集落点検を行い、集落のあり方の話し合いへ参加し、集落の維持、活性化に向けた取り組みについて市町村と協働して取り組むことを任務としております。そして、市町村が集落支援員を雇用した場合には、国は人件費や集落点検に係る費用を特別交付税として配分することにしており、昨年の12月より制度が運用開始されております。
 このように集落支援員制度は、その支援員と連携する担当職員が必ず必要であるということから、本市におきましてはまず地域担当職員制度の導入を検討し、その中で北部中山間地域などの地域コミュニティーの疲弊している地域につきましては、集落支援員制度の導入をもあわせて検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○議長(浜田幸男君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 前田議員さんの教育行政の御質問にお答えいたします。
 まず、全国学力・学習状況調査につきましては、今西議員さんの御質問に御答弁申し上げましたが、学習内容の定着状況を客観的に把握するという立場から、悉皆による調査の継続実施が必要であると考えてきました。現在、政権交代により抽出調査という流れに傾いてきていますが、市内全児童・生徒の学習内容の定着を客観的に把握する必要があるという考え方は持ち続けております。どういう方法がふさわしいか、全国の全児童・生徒の実施継続を言われております県教育委員会とも同じ方向で連携をとり、実施の方向を探ってまいりたいと考えております。
 次に、今年度の中学校数学の度数分布等19年度から資料を提示していただいたんですが、全国、県とも前田議員さんの言われますヒトコブラクダの正規分布のような形にはなっておりませんが、それに近い状況を見せておると考えております。本市におきましても、全国、県とまではいきませんが、ほぼ全国、県と同じ分布を見せております。しかし、御指摘のとおり、前田議員さんも言われましたように、下位を支えるという意味において、学力向上へ手だての必要な児童・生徒に対しましては、今年度は学力向上サポーターや教員補助員を配置し、支援体制をとりながら、PDCAサイクルの中で分布に近いように取り組みを進めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(浜田幸男君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) それぞれの答弁ありがとうございました。
 地域担当職員制度では、高知市の場合も共助の組織の強化が学力の向上にもつながると言っておりますので、早期の取り組みをお願いいたします。
 続いて、私はいつも教育のことで御相談しております宇都宮市の現役校長先生から、今回応援メールが来ましたので、少し読まさせていただきたいと思います。
 議会での質問はとても興味のある内容です。二こぶ分布については、小学校の体力テストも全く同じです。スポーツ少年団等で運動している児童とそうでない児童が二こぶ分布をつくります。体力テスト分布は今回置いておき、学力について考えます。さて、学力の二こぶ分布については、まずどうあるべきか、どういう分布にすべきか、どうしたいのかという志の問題点として初めに確認する必要があります。それによって課題が明確になります。課題が明確でないとPDCAは回りません。私は下の山を引き上げていくことこそが大切だと思います。ただし、労力、エネルギーがとても必要です。そうはいっても、上の山もさらに引き上げる努力はするべきです。この問題はそんなに労力は要りません。ただし、忘れてはならない問題です。多くは授業中、ちょっと待っててねとか、できた人は本を読んでてもいいよなどと言われて進度をストップされてしまいがちなのです。下の山を引き上げる方法、手だてはいろいろ考えられますが、問題は方策、手だての有効性を確認する方法を簡易に実施するやり方を考え、短い期間でPDCAを回すことが大切です。学校文化はこのサイクルが1年でいいやという文化になっているのが大問題なのです。この文化から脱出するためには、全体的に手を打つ以外にはモデル校並びに強化、さらには一番弱点だった単元まで選んで手を打つことで目に見える効果を実感できます。そして、モデル校の取り組みを全体に広めればよいと思います。全体に広めるにも物すごいエネルギーが必要ですが、前田さんの町の規模であれば可能だと思います。目標、目的意識を持って行動することは、絶対みんなで共有してできる楽しい活動になるはずです。私も前田さんのところに行って一緒に活動したくなるほどわくわくする問題ですが、市長、教育長がどれほど問題意識と情熱を持っておられるかも興味ある問題ですね。健闘を祈るばかりですとあります。
 最後に、市長に一般的なお話を伺いたいと思います。
 市長は、就任以来、学力向上に非常に熱心であります。私が先ほどお話ししましたフタコブラクダの状況についてどのような御感想をお持ちになられましたか、お聞かせください。
 以上で質問を終わります。
○議長(浜田幸男君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) どういうように思ったかというよりも、皆さんが持論でおっしゃっておるような、その状況としてフタコブラクダの現状というのはよくないということでございますから、それを1つの山にするということについてどういうように教育現場でしていくかということを我々は後押ししていくしかないんではないかと、このように思っております。
 私は、自分が自分の子供も十分に教育できなかったものでございますから、一般的な教育論を言うほどの問題ではないと、私はその問題は教育委員会にお任せしてございます。