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検索結果 »  平成20年 第334回市議会定例会(開催日:2008/12/05) »

一般質問 3日目(前田学浩)

質問者:前田学浩

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(西山八郎君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。2番前田学浩君。
      〔2番 前田学浩君登壇〕
○2番(前田学浩君) おはようございます。
 通告に従いまして質問をいたします。
 まず、都市計画づくりです。
 市民の意見を反映させ、南国市のマスタープランの策定が進んでいると思います。これまでと重なる部分がございますが、マスタープランの中での住居系用途における基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
 3日目のきょうは、市長のまちづくりにおける思想を伺いたいと思います。
 それは、市民と協働のまちづくりという総合計画のキャッチフレーズを掲げた南国市は、行政コストを単に下げるというねらいで進められる、いわゆるコンパクトシティーを目指し、市の中心のみ市街化区域のまま、これからも住民を呼び込みふやしていくのか、また逆の施策として、例えば小学校区に核を持った地域づくりを目指すのか、具体的に言えば大規模集落の規制を20年から緩和して建てたい人間が住宅を建てやすくするのか、さらに別の方策を考えているのかということです。
 これは、昨日の教育長の答弁で考えはないということですが、将来必ず小学校統廃合の問題に深くかかわってくることになると思います。私は、コンパクトシティーによって行政コストが下がるというのは本当にごくわずかのハードの維持管理費であると思っています。それよりは、自立した市民を地域で育て、自助、共助の意識を高くしていくことのほうがはるかに行政コストが下がっていくと思います。そして、昨年12月議会で前浜田市長が導入に前向きな検討を語ってくれ、本年3月議会で21年度に反映できるような作業を進めたいと答弁がありました。地域担当職員制度の導入が早期に実現すれば、市民と協働のまちづくりが力強く推進されていきます。
 昨日までの都市計画の答弁で多少驚いています。都市計画は四則演算でつくられるものではありません。今後10年のまちづくりの思想が最も大切です。成熟のまちづくりとは、また市民と協働のまちづくりとは、小学校区に核を持った地域づくりという方向性が正しいのではないでしょうか。それぞれの小学校区が星のように輝き、それが星座として、形作る・未来の南国市はこうあってもらいたいと思います。四則演算ではないまちづくりの思想を含めた住居系用途における指針について、市長並びに都市整備課長の答弁を求めます。
 次に、意欲格差についてです。
 大変な時代が来ようとしています。そのような間近に迫った危機に向け、高知県のような脆弱な地方が一番恐れないといけないことは、経済格差でも学力格差でもありません。それは意欲格差だと思います。ノーベル経済学賞を受賞したアメリカのコロンビア大学エドムンド教授は2006年の研究で、国民の姿勢、意欲が国の経済状況を左右すると報告しています。それは、国政で行う税制、社会的支出、労働市場の開放などよりも影響が大きいとも言っています。ニートやフリーターの問題は彼らだけの問題ではなく、私たち市民すべての問題です。みずからの意欲低下に歯どめをかけるとともに、彼らの意欲向上に少しでも力をかそうという心、そして行動が必要になってきます。
 この12月議会で、その意欲格差をなくすために一つ提案をさせていただきたいと思います。それは、3月議会で英語検定の取得の重要性を質問いたしましたが、南国市内の中学校で英検受検の勧めを積極的に行うことです。これは、意欲格差への対策並びにキャリア教育の一環としても重要な施策につながります。
 私が英語検定のことを言うと、必ず、漢検、数検もありますからというような答えをされますが、今回はっきりと伝えます。普通の上場企業は、英語の能力が高くないと管理職にもなれません。現実の社会は英語の能力で決まるのです。8月の高知新聞に出ていましたが、第一生命が英語のスキルテストであるTOEICを全社員に実施するとありました。これは社員の自己改善能力を見ていると思います。日々ステップアップできているかどうかを人事評価として見ているのです。ある電機メーカーは、海外出張を短期間にする場合はTOEICで600点、長期出張の場合は720点、実際に英語の能力で魅力的な仕事につけるかどうか、管理職になれるかどうかが決まるのです。この現実を教えないといけません。そして、意欲を高めていくのです。少し離れますが、進路ガイド基礎というオリジナルな講義をして、社会の厳しい状況を学生に教えている大学があります。金沢工業大学です。そこは正社員としての就職率が99.8%に上っており、2008年の朝日新聞社の大学ランキングで教育分野で堂々トップになっています。
 重要なのは、厳しい社会の現状を教えると同時に、その対処法をわかりやすく教えないといけません。例えば、英語検定で5級、4級、3級、そして準2級と、中学校の間にレベルアップする階段は多くあります。その階段を上らせていくために学校がフォローアップしていく必要があるのです。
 3月議会の答弁で、土曜や日曜に運動部などの試合があるとのケースをお話しされていましたが、グローバルな社会で生きていくという国政の中では、そういうレベルの状況ではないということを正しく理解しないといけません。これからの社会、極論を言えば、みずからの英語能力を高めようとするような意欲の高い人間でないと正社員として雇用されないとも思います。この質問については、市長にも意欲格差が社会を衰退させていくことへの危惧についてお考えをお聞かせください。なお、教育長には、私の提案と杉並区の和田中学校で行っていた英語講座についてどうお考えなのかお聞かせください。
 続いて、まねる力が学ぶ力ということで、学力向上についてお伺いします。
 山口県の山陽小野田市は、人口約6万7,000人、小学校が分校を入れて13校、中学校が分校を入れて6校と、規模的に南国市に近い地方の都市で、2007年に日本の教育史上特筆すべきすばらしい結果が出ました。既にこの結果は教育再生会議や中央教育審議会でも報告されていますので、まず教育長の率直な御感想をお聞きします。
 一般の企業で他社がよい結果を出したら、間違いなくそれをまねろう、学ぼうとします。私は、ぜひ規模も似通っている南国市でもまねてもらいたいのです。まねる力は学ぶ力です。なお、このプロジェクトに参画した陰山さんは以下のように言っています。この山陽小野田市のプロジェクトの特徴は、第1は、日本で初めて全市の小学校が一斉に取り組んだことです。第2は、全学校で一斉に成果があらわれ、学力が伸びたことです。しかも、そのデータは一人一人の子供の学力、生活習慣を記録し、分析した結果に裏づけられたものです。第3は、生活習慣の改善や短時間集中型学習法が学力に影響を与えることが実証されたことで、これまで教師たちの体験や思い入れに基づいて語られることが多かった問題がはっきりした数値で証明されました。今回、どの生活習慣がどのように学力や知能に影響しているかが分析されたことにより、家庭でどのような生活を送ればいいのか、朝は何時に起きればいいのかなど、具体的な指針も出ています。また、百ます計算や音読などの読み書き計算の短時間集中型学習法が学力を伸ばすこともデータではっきり証明されています。教育に関するさまざまな誤解を解くためにも、今回山陽小野田市が行った全市的な手法、科学的な分析、実証的な姿勢は今後の教育界にとっても新しい地平を切り開くものであると思います。正しい分析がなされてこそ、正しい指針が生まれます。
 繰り返しますが、まねる力が学ぶ力だと思っています。子供たちはまねることを何度も何度も繰り返し、熱意や執念を涵養していきます。その涵養がされていない子どもには独自性あふれる発想は浮かびません。子供たちにそれを望む前に、まず教育委員会がそのまねる姿勢を見せていただきたいと思います。幾つかの市が取り組む予定であると聞いています。南国市でも早期の実施を希望いたします。
 そして、もう一点まねてもらいたい事例を紹介します。
 学力テストで2年連続好成績を上げた秋田県の特集が、先月15日の週刊東洋経済で掲載されていました。その中で、秋田の教育関係者の口から何度も飛び出したのがPDCAという言葉です。秋田では、県独自に行う学習状況調査や学校教育に関するアンケート、秋田市が実施する基礎学力調査など、教育現場の調査に余念がないようです。そして、把握した課題に一つ一つ取り組みます。県が算数・数学の共通テストを用意して、インターネットを通じてその結果を教師が把握できるシステムもあります。自分の学級の成績を全県データと比較することで、単元ごとのみずからの指導方法を客観的に評価して見直していくことができるのです。目標を掲げて授業を行う、調査や単元評価を通じ指導内容の改善もする、PDCAサイクルが教育現場で回されているのです。
 これも9月議会で同じことを言いますが、早く教育の現場にPDCAサイクルを導入し確立してください。そして、まねてください。学力の向上は待ったなしの状態です。山口県の山陽小野田市は、1年で全市の全学校で効果が出ると言っています。教育長の答弁を求めます。
 最後に、中学校給食です。
 私にとって2008年中学校給食のまとめの形で、市の重要施策、アクションプランとの整合性、そして命を守るという視点から質問させていただきます。
 南国市の厳しい財政状況は、数値の面から一定理解をしているつもりです。しかしながら、市政報告の中で説明があったように、限られた財政の中で最大限の行政効率を上げるべく、将来に向けた都市整備基盤・産業振興対策、教育、子育て支援・少子化対策、地震防災対策、健康対策、その5点を重要施策として予算編成をしていくとあります。
 まず、農林課長に産業振興対策の面からお聞きします。
 中学校給食の実施により地産地消がさらに図られ、数字的には毎日1,000食分の米を初めほかの食材が使われ、産業の振興にも寄与することは一定お認めになっているところだと思います。また、この件については地産地消の会の会長である小笠原議員も9月議会にて希望、要望を入れているところです。さらに、国の施策にも合致しているところは、9月議会で私への答弁でも確認させていただいております。地域アクションプランの農業の発展はもとより、食育から地域振興、環境への貢献につなげていく地産地消にもつながります。
 また、11月17日付の日経流通新聞、地産地消の特集で、JA全中の地産地消全国協議アドバイザーの緒方氏は、大量生産、大量消費の時代、農家はテストマーケティングの場を持たなかった、しかし地産地消の中ではテストをしながら多様化するマーケットへの対応策を探っていくことができると話しています。さらに、先日、29日土曜日の高知新聞に、三重県津市で学校給食で出されている特大ギョーザを市の名物にしていこうという記事が紹介されていました。その中のコメントで、学校給食発の名物は珍しいとされていましたが、私は前回、前々回で言ったように給食がテストマーケティングに適する場所だと考えています。地域アクションプランにある農産物の加工の地域の特産づくりを探っていく南国市として、その方策を農林課はどう考えていますか。重要施策である産業振興対策の面、2つのアクションプランの面から中学校給食は寄与できませんか。農林課長の答弁を求めます。
 次に、保健福祉センター所長に重点施策の健康対策の面からお聞きします。
 約10年間高知市やその近郊の中学生の生活習慣を追っていた高知大学の環境生理学の先生に先日取材をしてきました。先生は、思春期の、特に女子の夜型生活とともに栄養摂取面が崩れて、生殖機能の定着に重要な時期を脅かす事態になっていると指摘しています。
 まず、保健福祉センター長は、まさしく次世代の子供を産み育てる彼女たちの生活、栄養バランスは十分であると考えていますか。また、弁当をつくっている保護者は、重要な時期である子供に関して、みずから十分な知識を持ち弁当をつくっていると考えておりますか。
 さきの高知大学の先生は、中学時代に給食がないのは大変痛いと言われ、毎日の給食を見て食べるだけでも、その世代の子供たちにとって栄養を摂取するだけでなく、栄養バランスを実体験で覚えることができる。それができないのは、これから先さらに厳しい状況が劇的に進んでいくと警告されていました。
 お聞きします。これは大げさな意見ですか。
 また、子育てに熱心でない保護者が急速にふえていく中で、母体をつくる過程である思春期の女の子にとって、中学給食がないことがどういう負の連鎖という影響を及ぼすのか、食育のまちづくりを推進する立場の市としての御意見をお聞かせください。
 香美、香南市でやっている中学校給食は、思春期の女子にとっても重点施策である健康対策に合致していませんか。保健福祉センター所長に答弁を求めます。
 最後に、福祉事務所長に子育て支援の面からお聞きします。
 市教委の6月の答弁として、1割の生徒が家庭からの弁当を持ってこれないようですが、1割といえば100人を超える数です。ネグレクトの可能性もあり、環境生理学を研究しているさきの高知大学の先生は、給食は最後のとりでであると表現されていました。朝も食べられず、昼も食べないか小さなパンになることを恐れての最後のとりでという表現です。家庭からの弁当を南国市の中学生100人が持ってこられない状況を福祉事務所としてどう考えますか。
 食事をろくに与えてもらえない子供がある程度いるということは、ことし2月の藤岡君の事件を通して多くの市民は知り、危機感を感じていると思います。小学校は給食があり、最後のとりでは守られています。しかし、中学校になり、その最後のとりでを失っている子供がいます。藤岡君が存命であれば、現在6年生。4月から中学生になっていました。彼は、4月から中学校でお昼をどう過ごしていたと想像しますか。それを考えるのはあの事件を教訓とすることではありませんか。福祉事務所長として、生活に厳しい子供が現実に多くいることを踏まえ、何度も繰り返しますが、給食は最後のとりでということに対してどうお考えか、率直な意見をお聞かせください。
 教育長には、給食について3人の担当課の意見をお聞きして、2問目に質問したいと思います。食の自立に関して今年度の実績などをお聞かせください。
 これから地方分権が急速に始まっていくと思いますが、その地方分権社会において基礎自治体が考えないといけないことは、下支えをしながら中上位を引き上げるという思想だと思います。中上位を引き上げていかないと、社会的コストが今後とも加速度的にふえ続けていきます。中学給食の実施により下支えができるのはもちろん、さらに来年度の学校給食法の改正に伴った学校給食を活用した食に関する指導の充実、そして栄養教諭による学校給食を活用した食に関する指導の推進が図られ、それにより中上位を引き上げることができます。今の市教委が行っている弁当を中学生につくってもらう授業は、理想的かもしれませんが、お金も時間も余裕のある一部の最上位の家庭のみしかついていけません。
 最後に、もう一回繰り返します。下支えをしながら中上位を引き上げていくという思想が、社会的コストを下げるため、これからの地方分権社会に必要だと思いますが、今の市教委の取り組みはそれに合致していないと思います。
 以上で1問目を終わります。
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 前田議員さんの質問にお答えいたします。
 まず、コンパクトシティー、これは集約型都市ということになるかと思いますが、これについて私のほうから答弁をいたします。
 まず、国のほうでございますが、まちづくり三法の見直しを行いまして、施策として無秩序な都市の拡散化を防ぐ、こういうためにコンパクトな都市、集約型都市づくりを現在は提唱しております。しかしながら、人々の活動あるいは行動の増大に対応する都市づくりの必要性も一方では同時に考えていかなければならない、このようにも思われます。ただ単に集約型の都市構造を目指すのではなく、例えば市街化区域の中心市街地における都市居住の必要性、市街化調整区域の既存集落における田園居住の必要性が同時に論議されるべきである、このようにも考えております。そういうことから、本市の実情に沿った豊かな緑に囲まれた中でのコンパクトに都市機能が整備された中心市街地と、これを起点とした全市的にネットワーク化された道路などの交通体系を生かして既存集落とともに歩む生活自立の町、こういうものを目指したまちづくりを推進してまいりたい、このように考えております。
 議員さんの言われる小学校区に核を持った地域づくり、これも大変いいまちづくりの考えだと私も思っております。こういうものも参考にしながら、この前田議員さん言われたことと私が今言ったこととの整合性はとれると確信しておりますので、市街化調整区域の既存集落において生活道路あるいは生活排水路などの基盤整備を行い、快適な集落環境の創出、これを目指してまいりたい、このように考えております。
 なお、都市整備課長のほうからもそのほかのことについて御答弁申し上げたいと思います。
 次に、意欲格差の問題でございます。
 最近、教育格差あるいは情報格差とかというように、何々格差といわれる熟語がよく使われるようになってまいりました。このことは、格差社会といわれる現代社会のゆがみを反映しているものである、このように思っております。意欲格差という言葉も余りよいイメージではありませんけれども、教育界、産業界、あるいは精神医学界などの一部で使われ出しているようでございます。企業あるいは地方自治体などのすべての団体におきまして、何事にも意欲を持っている人間を求めておるのも事実でございます。入社試験などの選抜基準で最初に重要視されることが、この意欲があるかどうかということであります。地方自治体や企業などのさまざまな団体は一人一人の人間から構成され、一人一人の構成メンバーの意欲の高低というものが、高いか低いかが、その団体の将来に大きく影響することにもなります。職員研修あるいは企業内研修などによりまして意欲の向上、これに取り組みを行っておる、これも周知の事実でございます。
 一方、近年になりまして、日本の経済あるいは教育、学術などの世界に、これらが世界におくれをとり始めている。その原因を、日本人の意欲の減退症状が進み、意欲格差が生じたからだとする考えもあるようでございます。すべてその原因をそこに求めるということは少し無理があるようにも思いますけれども、しかし社会が発展するかあるいは衰退するか、この社会を構成する意欲の高低が大きなファクターになることには間違いないことである、確かなことである、このようにも考えております。学校教育におきましては、子供たちの学習意欲をいかに引き出すか、さまざまな取り組みをしておるところでございますが、なお一層の取り組みを工夫もして取り組まなければならない、このように考えております。
 最後に、前田議員さんの学校給食の問題も含めまして、下支えをしながら中上位を引き上げる、これは大変私もそのとおりである、大事なことであると思います。以下、関係課長から学校給食などについてのそれぞれの立場からの、それぞれの分野からの答弁もさせますが、それをお聞き取り願いたい、このように思います。
 そして、もう一つ、学校にお弁当を持ってこない子供がいる、これも事実でございます。それは、学校給食とすぐに結びつけるということも一つのお考えだと思いますが、私はこれらのことについて地域に今回の事件、事件でも一つのいい経験といいますか、なったわけですが、民生児童委員、こういう多くの方々、こういう地域の力、そういうものによりまして、その親、お母さんあるいはお父さん方にそういう子供、一部の子供がお弁当を持ってきていないということを、そういう状態をなくする働きかけ、これがやはり地域ぐるみの活動にもなる、そのような方法もあるんではないかということも一つ私のほうから発言しまして、御答弁といたします。
○議長(西山八郎君) 都市整備課長。
      〔都市整備課長 神田 彰君登壇〕
○都市整備課長(神田 彰君) 市長答弁を補足いたしましてお答えいたします。
 御質問の住宅整備における指針についてでございますが、今回での答弁と重複いたしますが、現在策定中の都市計画マスタープランにおきましては、市街化区域への新たな編入は計画しておりません。また、市街化調整区域においては市街化区域に隣接または近接いたしました適地を住居系ゾーンとして位置づけておりますので、そこに地区計画等の住宅の整備を考えております。
 また、議員さんの言われる地域担当職員制度の早期導入を図るとともに、小学校区を核とする既存集落での地域づくりも大変重要と考えております。このため、県の開発審査基準の中の第14号大規模指定集落の選定基準の緩和につきまして、具体的に各小学校区の学級数や児童数の実態等を示しまして、1校一極集中の状態や近い将来に複式学級のおそれのある状態などを訴えるとともに、許可基準の自己用住宅を建築する場合の条件としての通算20年以上の住所を有していることなどは実態にそぐわないと考えまして、県のほうに見直しを要望しております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) おはようございます。
 前田議員さんの御質問に、市長答弁を補足して順次お答えさせていただきます。
 まず、意欲格差についてでございますが、小学校学習指導要領の改訂に伴い、平成23年度より5年生、6年生児童を対象とした英語活動が必修化となります。教育界における国際化の動きに向けまして、本市では本年度、日章小学校を文部科学省指定小学校における英語活動等国際理解活動推進事業の拠点校として取り組みを進めています。
 小学校段階における英語活動は、中学校段階での文法等の前倒しをするのではなく、英語活動を通してコミュニケーション能力の素地を養うことをねらいとしています。英語の音声や基本的な表現になれ親しませ、英語によるコミュニケーションの楽しさ体験を味わわせる言語活動を中心とした学習により、聞く、話すといったヒアリング力やスピーチ力が身につくことが予想されます。また、小学校段階において英語教育の土壌づくりを行うことにより、興味、関心、学習意欲を持ったまま中学校へ移行できるのではないかとも考えております。したがいまして、中学校で英検へチャレンジすることは英語力を図る一つの手段であると思いますが、受験費用のこともあり、家庭の理解が必要であるとも考えております。
 また、東京都杉並区立和田中学校が行っています英語講座についてですが、地域や外部の人材を積極的に取り込み、土曜日や放課後の活用による学習の場や機会の提供等の取り組みは、子供たちの学習意欲の向上及び学力の向上に少なからず影響があるのではないかと評価しています。
 次に、まねる力が学ぶ力に対しまして御答弁申し上げます。
 山口県山陽小野田市の取り組みについて素直な感想をということですが、このプロジェクトが読み、書き、計算の徹底反復、「早寝早起き朝ごはん」を実践の柱として取り組み、成果を上げたことは、基本的生活習慣の確立がすべてにおいて大切であるということを改めて認識したというのが素直な感想でございます。
 また、全国学力・学習状況調査において、全国トップの結果を出した秋田県のPDCAサイクル等の取り組みについても承知しているところでございます。
 南国市における学力向上対策ですが、今年度から始めました小中連携学力向上推進プロジェクト事業は、児童・生徒の実態をきちんと把握した上で計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを確立させ、成果につなげていくものでございます。本事業は、本市では中学校区のブロック単位での取り組みを特徴としていますので、その部分においては少し違いがあると思われますが、多少の違いはあるにせよ、PDCAサイクルを確立した市町村の取り組みから学ぶ姿勢は常に持ち続けなければならないと思っております。したがいまして、前田議員の御指摘のとおり、山口県山陽小野田市や秋田県の取り組みを参考にしていきながら、学力向上対策に一層努めてまいりますので、今後ともどうか御指導、御支援をいただきますようによろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 農林課長。
      〔農林課長 西川 潔君登壇〕
○農林課長(西川 潔君) 前田議員さんの質問にお答えいたします。
 教育分野での農業や食について理解をしていただくことは、産業振興のためにも大変重要なことだと考えております。教育委員会や学校などの協力をいただき、市内の保育園や幼稚園、小中学校、高校で農林課としての取り組みも展開しているところでございます。
 香美市、香南市、南国市の3市のブロック産業振興計画、アクションプラン策定の中間取りまとめの検討会が先月の28日に開催をされました。この席でも、高知県産業振興計画を成功させるためには、農商工の連携だけでなく、教育が大きくかかわるような取り組みを進めていただくよう、3市の市長、JA組合長、県の振興計画にかかわる部長にもお願いをいたしたところでございます。この中には、当然給食現場での地元農産物の加工品の使用もございますが、特に身の回りで行われている農業が我々の生活にどのような関係があるのか、理解を深めるようなことが重要だというふうに思っております。
 今まで以上に地域食材を活用した料理開発や地元の伝承料理講習などの取り組みも進めてまいります。農産物の加工や特産物づくりにつきましては、産業振興計画や食料産業クラスターの取り組みを進めるとともに、農家や学生の開発品の試験販売については道の駅南国などを活用するように考えております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 保健福祉センター所長。
      〔保健福祉センター所長 溝渕 勉君登壇〕
○保健福祉センター所長(溝渕 勉君) 前田議員さんの中学校給食につきましてお答えをいたします。
 保健福祉センターにおきましては、健康増進法そして母子保健法等によりまして、市民の健康づくりに向けましていろいろな事業を実施をいたしております。そこで、食を通じての健康づくりといたしまして、食生活改善事業を実施をいたしておるところでございます。
 この事業は、食生活改善推進員を養成し、その人たちへの研修、そして主に食生活改善の伝達講習を各地域において実施をする事業でございます。市長から委嘱されました84名の食生活改善推進員は、「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンに、各地域におきまして食生活を通じた健康づくりを実践をいたしております。そこで、本市の食生活改善推進員の活動につきましては、地域における生活習慣病予防のための伝達講習といたしまして、各地域ごとに食事栄養バランスガイドの説明や生活習慣病予防食などの実習、そして牛乳、乳製品を使った料理教室などを実施をいたしておりますし、保育園、学校における活動といたしましては、保育園、児童館でのおやつづくり、そして小学校でのお弁当づくり、おやつづくり、料理教室、そして中学校でのお弁当づくりも実施をいたしております。そして、地元の食材を使った親子料理教室も実施をしておりますし、全市民を対象にヘルシークッキングや男性のための料理教室などを実施をしているところでございます。
 また、食生活改善推進員の活動ではありませんが、農林課長も少し触れましたが、白木谷のしらゆり亭の方々やJA南国女性部の方々により、農業高校におきましても伝統食の料理教室を実施をしておるところでございます。
 そして、本年度、保健福祉センターにおきましては、地産地消の取り組みの一環といたしまして、本市の恵まれた環境から生産される安心・安全な農産物を利用した市民と生産者との交流事業として、新米と米粉パンを味わうお米生産農家との交流事業、そして食育の観点から家庭から出るごみを減らすごみ処理場見学事業、放牧場を見学し酪農について学ぶ酪農家との交流事業、さらに野菜農家を訪ね収穫現場を見学ししゅんの野菜を味わう野菜生産農家との交流事業を、9月から11月にかけまして、農家やJA、そして農林課、環境課などの協力を得て実施をしたところでございます。しゅんの材料を活用することで、経済的で季節感あふれる栄養たっぷりの料理にすることができる、このように考えています。
 食の基本は家庭にあると考えますので、保健福祉センターにおきましては食にかかわるいろいろな事業を実施することによりまして、市民の健康づくりに積極的に努めていきたいと考えております。
 以上です。
○議長(西山八郎君) 福祉事務所長。
      〔福祉事務所長 谷田 豊君登壇〕
○福祉事務所長(谷田 豊君) 前田議員さんの御質問にお答えをいたします。
 子供が中学生ともなりますと、保護者は子供を一部大人として接していくことも必要となり、常に見守りはするが育児の時間は短縮されると思います。お弁当を持たせて登校させる、そのお弁当には保護者の愛情がいっぱい詰まっているし、子供の身体状況に応じた献立がされ、子供にとって保護者の愛情が感じられる部分であり、食教育の原点ではないかと考えております。
 ただ、保護者の方にもいろいろな事情で弁当をつくってあげたくてもつくれない方もいることも承知をしております。議員さんがおっしゃるように、弁当をつくるどころではなく、食べさせない保護者がいることも承知をしております。その件数が1割ということで、100件とは聞いてはおりませんが、おっしゃられるような実態があると報告は受けております。このケースにつきましては、現在教育委員会、学校などと連携をとりながら対処をしているところでございます。
 食事を与えられない子供を守る、この点におきましては中学校においての給食は歓迎すべきであると、ただそれだけでネグレクト、虐待が解消されるとは考えておりません。その子供を取り巻く環境、その家庭の実態、生活状況、経済状況、さまざまな要因が重なり合って弱い立場の子供に降りかかってきます。2月の虐待死亡事件を教訓に、このような家庭、子供に対して行政として何ができるのか、ずっと考え続けてまいりました。まだまだこうだという結論が見出せず、問題のある困難な家庭に対処するに当たって、こども相談係ともども日々手探りで個々の事案に対処してまいりました。現在思っていることは、周りの方々、学校、教育委員会、地域の民生委員さん、警察などの御協力を得て、高知県児童相談所の指導をいただきながら、虐待につながる要因を一つずつ取り除いていこう、このように考えています。
 中学校給食が虐待の防止に効果があり、子供の健全な成長を守っていく上で有効な施策の一つであることは承知をしておりますが、中学校給食を実施することで虐待がすべてなくなるとは考えておりません。食事を与えてもらえない子供の環境、特に保護者の子供に対する意識を変えることが大切であり、私たちに課せられた急務であると、このように現在考えております。
 以上です。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) それぞれの御答弁ありがとうございました。
 1つ目の都市計画づくりについては、先ほども言いましたが、思想を持ったマスタープランづくりを求めます。司馬遼太郎の本で「坂の上の雲」の日露戦争当時の陸軍参謀本部児玉源太郎が部下に戦法を変えるときにこう言っています。君たちはきのうまでの専門家かもしれないが、あすの専門家ではない。今後南国市の10年を決めるマスタープランづくりにおいて重要なのは、あすの専門家によるまちづくりの思想です。繰り返しになりますが、四則演算で出てくる居住用土地の思想なきまちづくりに賛同はできません。この件について答弁は要りませんが、今後県との調整を求めます。
 2つ目の意欲格差は、本当に注意をしていかなければならない大切なことだと思います。中学生も5年10年すれば社会に出ていきます。今から意欲、向上心の維持推進を図っていただきたいと思います。
 3つ目のまねる力が学ぶ力ですが、1点お聞きしたいと思います。
 10月29日の高知県教育振興基本計画検討委員会の概要をインターネットで見ました。そこでは、秋田県ではPDCAが長い期間行っている基礎基本を愚直に取り組んでいることを学ばなければならない、高知県の学校ではPDCAサイクルが十分にできていない部分があった、なぜなら教員や学校は到達目標という数値的なものを嫌う傾向もあり、そういう意識づくりもおくれていた、また到達目標というものを考える訓練もできていないし、する時間もないほど忙しい状況もある、そういう組織の問題も的を当てていきたいとしています。
 質問です。
 南国市はPDCAサイクルの確立の前に、到達目標を考える訓練に対して何か対策はとられていますか。
 さて、中学校給食ですが、3人の課長さん、それぞれお答えしにくい中、答弁をありがとうございました。
 私が言いたいことは、中学校給食は市教委だけの問題ではないということです。さらに中学校給食の実施は、3つの重点施策、2つのアクションプランに合致するものだと私は思っています。特に西川課長には9月と2度目の質問でしたが、農政においても必ずや下支えをしながら中上位を引き上げる施策につながると思っています。それは、農家の方々が子供たちに食材を提供するというプライドや喜びができると思うからです。
 さて、教育長への質問ですが、まず今年度の食の自立に関する実績と、事業に関する保護者の反応などがありましたらお話をしていただきたいと思います。また、私が先ほど言った、給食法の改正に伴った、下支えをしながら中上位を引き上げるということに関して御所見をお伺いしたいと思います。
 そしてもう一点、1学期に香長中学校から、弁当を持ってこれない子供が小さいパンでかわいそうだからといって、何か方策を考えてもらえないかという申し入れを市教委にしたということを中学校の広報紙で見ましたが、その対応をお聞かせください。
 以上、2問目です。
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。教育長。
○教育長(大野吉彦君) まず、1点目のPDCAサイクルに取り組む過程での到達目標でございますが、これも本年度から全学年に到達度テストを実施いたしております。これはABC3段階での評価になりますので、各学校におきましては子供の実態を把握をいたしまして、いわゆるC評価、基礎がきちっとできていない子供たちにどのような手だてをするのか、目標数値を決めて、各学校実情に合わせて取り組みをいたしております。
 それから、まず香長中学校からの相談があったパンの件でございますが、実は9月議会で答弁も申し上げましたし、その後学校のほうにはPTAの皆様方、私が校長をしていたときも同じだったんですが、PTA等、北陵中には後援会もございますが、お願いをして食事の準備をできない子供たちに対する御協力、支援をお願いしているところでございます。各学校、持ってこれない子供さんに対しましては、そのように各学校での実情に合った対応していただいておるというふうに考えております。
 それから、現在の食教育での取り組みでございますが、現在小学校では給食を含む食教育で食の自立をテーマに開発しています学習プログラムをつくっております。これは、小学校1年生から5年生には発達段階に応じた認知形成やスキル形成などの基礎づくりを行い、6年生ではその力量を基盤として、学校給食を素材にしたお弁当づくりの力を身につけるという内容の学習プログラムでございます。来年度は、このでき上がったプログラムを全小学校にも配布し、指定校も構えまして、なお一層の食教育に取り組んでいただこうというふうに考えております。また、年明けまして2月14日の食育フォーラムは、お弁当づくりをテーマとする予定で準備を進めているところでございます。このように小学校時代より系統的に食への関心、意欲、態度を育てることで、中学生になったら自分でお弁当をつくるという実践力を持った生徒が育成されることを期待するものでございます。
 また、私にとりましては、初めての3月議会、6月議会、9月議会におきまして、御答弁をさせていただく中でお話し申し上げてまいりましたが、今回、改めて私の中学校給食に対する考えを述べさせていただき、皆様方に御理解をいただきたいと思います。
 中学生の年代は第2次成長期に入ります。身長、体重等、体格体力の成長には目をみはるものがあります。同時に、精神面では思春期特有の心の揺れや、成長の過程で見られる反抗的な言動も出てまいりますし、家庭での会話も少なくなってくる時期に、保護者の愛情がいっぱい詰まったお弁当は、おなかがいっぱいになることはもちろんですが、それ以上にありがとう、おいしかったよ、お子さんの心が保護者の温かい愛情で満たされることが、保護者と子供との心のきずなを紡ぐという大きな効果がお弁当にあると確信しております。これによってはぐくまれる親子の愛情の深まりと信頼関係の構築は、子供の落ちつきと意欲を引き出し、学校教育活動においても生徒と教職員との信頼、家庭と学校との信頼につながり、生活面での落ちつき、安定が自分から進んで何事にもチャレンジする意欲を喚起し、生徒会活動への積極的な参加や学力面の向上、部活動の充実となり、生き生きと活動する子供たちと教職員と一緒に本当に充実したものになるとの実体験がございます。愛情いっぱいのお弁当が子供たちの意欲をはぐくむ源となり、学校教育活動の礎であったとの強い思いがございます。
 保護者にとりましては、お弁当づくりは大変な面もあろうと思いますが、お子さんの心と体の健やかな成長のために、子供さんに合ったお弁当をつくっていただくということで中学校はまいりたいと考えていますので、御理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) 答弁は要りませんが、1点だけ。
 1問目で紹介した高知県教育振興基本計画検討委員会での議事録で注目すべきことがありましたので、お話したいと思います。
 それは、県外から来られたその委員会の委員長に、高知県の教育風土をどのように感じているかの質問に、その委員長はこのように答えています。都会でない地方の県で進学校が私学ということに驚いた、このことは高知県の小・中・高の学力や生活の問題も全部そこに根があると思うと話されています。鋭いと思うと同時に、シンプルな解決策が見つかりました。それは、私学に公立校が追いつき追い越せば、すべての問題が解決します。私は、山口県山陽小野田市の学力向上の取り組みと、きょうは時間の関係でお伝えできませんでしたが、給食で中学校を変えた長野県上田市の取り組みをまねれば、南国市の4つの中学校を短期間でよくすることができると思います。
 以上で終わりです。