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検索結果 »  平成20年 第333回市議会定例会(開催日:2008/09/12) »

一般質問 3日目(前田学浩)

質問者:前田学浩

答弁者:市長、教育長、関係課長


一般質問
○議長(西山八郎君) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。2番前田学浩君。
      〔2番 前田学浩君登壇〕
○2番(前田学浩君) おはようございます。
 通告に従いまして質問をいたします。
 まず、農政、フードマイレージから考えた中学校給食です。
 6月議会でも取り上げましたが、今回は農政から中学校給食の必要性を論じ、執行部の前向きな答弁を期待し、質問いたします。
 まず、食料自給率の向上は、今や緊急の国策であるということは、前回の質問、答弁の際、市長とも共通の認識をしておると質問の前提を述べておきます。
 緊急の国策であるとする内容ですが、現在39%の自給率を当初2015年までに45%とする目標をさらに書きかえ、一気に50%に持っていくように現福田首相より担当大臣に指示が出ています。6月議会でも申し上げましたが、農業先進地である南国市が、隣の香美、香南市が重要な子育て世代の支援、さらに現在では、食育の重要な柱として実施している中学校給食をちゅうちょする必要はないと重ねて進言いたします。
 さて、今回取り上げるフードマイレージですが、地産地消の浸透から既に多くの方が御存じで、今さらと言われると思われますが、少しだけお話ししたいと思います。
 フードマイレージは、食糧の輸送距離という意味で、重量掛ける距離であわらす指標の一つです。食品の生産地と消費地が近ければ、フードマイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくると大きくなります。1994年にイギリスの消費者運動家ティム・ラング氏が提唱し、フードマイルとも呼ばれているようです。日本では農林水産省農林水産政策研究所によって2001年に初めて導入されています。近年、徳島生協では、売り場にてフードマイレージの表示を行っているようです。基本的には、食料品は地産地消が望ましいという考え方に基づいており、生産地と消費地が遠くなると、輸送にかかわるエネルギーがより多く必要になり、地球環境に大きな負担をかけることになります。
 他方、フードマイレージが示すのは、食糧問題の一側面であり、食糧の生産から消費にかかわる総合的なエネルギー量とは、イコールではありません。例えば、収穫期ではない、あるいは消費地に栽培適地が少ない農産物のフードマイレージを短縮するためにハウス栽培を行うと、適地で露地栽培したものを輸送するよりも、総合的な必要エネルギー量が大きくなってしまう場合があります。このためフードマイレージが提唱される際には、同時に適地適作を踏まえた地産地消が推奨されるべきです。
 さて、現在の南国市の農業は、施設園芸で栽培したものを都会の消費地に送るという方策がとられておりますが、化石燃料である重油を使って作物をつくり、軽油で輸送するという石油の使用とフードマイレージから見て、極めて反エコ的なものになっています。
 ここで理解していただきたいのは、私はこれまで蓄積された栽培技術と輸送流通システムを否定するわけではありません。これからも南国市においてハウスでの施設園芸は、農政の中心になることは疑う余地はありません。
 しかしながら、原油の価格の上昇と農業を取り巻く多くの資材経費は上昇を続けており、後進国の需要逼迫から今後とも安くなることは考えにくい状況です。
 また、農家の高齢化もどんどん進んでいます。そこで考えられるのが、中学校給食という新たな需要の掘り起こしです。初期投資の予算が必要となりますが、6月議会でも申し上げましたように、小学校の既存の施設活用ができます。中段で述べた作物の適地適作も、海から山まで広い南国市だからこそできる可能性も持っています。中山間の農業振興からいえば、今需要の掘り起こしという行動を起こさなければ、数年後は高い確率で放棄地だらけになってしまうおそれがあります。地産地消とフードマイレージの視点により、給食の食材をできるだけ計画的に供給することにより、南国市の農業に安心・安全、そして安定という付加価値がついてきます。給食という需要予測が確実につくことからの安定です。
 自給率の話に戻りますが、自給率を上げる方法で実現性の高いものは、米の消費量を上げることだと言われています。自給率を5%上げるためには、熱量換算で1日1人当たり約130キロカロリーを国産食糧でとる計算になり、小さ目のおにぎり1個に相当し、2個多く食べれば自給率50%は達成できる計算になります。その目標に沿って南国市でできることを行おうとすれば、米が主食であるという認識を習慣として意識づけることです。それが中学校給食です。別の言い方をしますと、中学校給食により米が主食であるという認識を習慣として常に意識づけできれば、食料自給率は確実に上がるということです。農水省がことし5月7日に示した21世紀新農政2008の中に、米を中心とする食生活の実施に向けた取り組みとして、米の消費量の減少や畜産物、油脂類の消費量の増加等により栄養バランスが崩れるとともに、食料自給率の低下にもつながっていることを踏まえ、食育の一環として、御飯食に関する正しい知識の普及を図り、米を中心とする食生活の実践を図る、伝統的な日本文化である和食の食べ方を身につける機会を増加させるための米飯学校給食の一層の普及、定着に取り組むとあります。
 また、食と農のつながりの進化に向けた取り組みとして、学校給食や企業の食堂等における地場農林水産物の活用の推進を図るとともに、年間を通じた品ぞろえの充実、効率的な出荷体制の構築、異業種との連携等を通じた経営の高度化等により、地産地消の取り組みを一層推進するとあります。6月議会でも述べましたが、給食に対応できる食材、加工品の開発ができれば、必ずやビジネスとしても成功できます。そして、その暁に、南国市の農業に安心・安全・安定、そして活性化も図られるのです。市長並びに農林課長にお聞きします。
 国策としての食料自給率の向上並びに緊急的な農政の見直しが求められています。新しい農政の方向性、需要の掘り起こし、そして適地適作による中山間地の耕作放棄地の解消の観点から中学校給食への前向きなお考えをお聞かせください。
 2点目は、県立高等学校の入試制度、学区制です。
 先月8月18日、県立高等学校の入試制度の改善点などを協議してきた県の教育長の諮問機関である県立高等教育問題検討委員会の報告書がまとまりました。南国市民、保護者にとって影響が予想される内容は、学区制の見直しの項目で、検討委員会は、撤廃することが望ましいとの最終報告をしました。ただし、学区制の撤廃により、高知市の高校に志願者がふえ、受験動向に影響が出るなどを考慮し、段階的に進める方法も考えられるとの方向性を出しています。
 撤廃のメリットとして、居住地域による高校選択の制限がなくなり、進学先が拡大する、目的意識を持って進学する中学生がふえるなどが上げられており、撤廃の意向というものは理解できるものです。
 しかしながら、現実問題として、検討委員のメンバーでもある高知市教育委員会次長は、高知市の生徒が学区外への高校に通学せざるを得なくなるなら、学区制撤廃に賛成はできないと重ねて発言しています。
 そこでお尋ねします。
 南国市教育委員会そして中学校の校長を長くやられた教育長は、この学区制撤廃についてどうお考えですか。
 そして、具体的にお伺いいたします。
 高知市内の小津高校の最近3年間の志願者数、そのうち南国市からの前期選抜時の志願者数、そして後期も含めた合格者数を教えてください。
 次に、その3年間の小津高への学区外からの志願者数の人数をかんがみ、これまでボーダーラインで合格できていたと見られる生徒が、合格が困難になると予想される人数をおおよそで結構ですので、数字でお示しください。
 また、この小津高校は募集人数が1クラス分減るということも予定されておりますので、この分も試算に考慮してください。
 最後に、今回報告書の中に、前期試験の募集割合をふやすことも答申されております。6月議会でも申し上げましたが、3年生最後の学期がまとまりのある、本当に有意義で平穏な学校生活ができますように、保護者の一人といたしましても、この点重ねて強く要望しておきます。
 3点目です。
 教育改善の計画の取り組みをPDCAサイクルで、そしてPDCA教育の実現を期待し質問いたします。
 私は、2005年よりPDCA教育とPTCA組織が公教育の信頼を取り戻せることのできる手段として活動を起こしています。PDCA教育により文武両道・文武一道を目指した新しい教育のあり方が実現できるとさえも思っています。
 しかしながら、教育の現場は、PDCA教育を教える可能性のある教職員自身が、PDCAサイクルそのものを理解して実践の場に移しているとは思えず、本議会において、PDCAサイクルの理解、浸透が教育の現場でなぜ進まないのか、社会的なニーズを踏まえながら質問をいたします。
 まず、本年7月1日に閣議決定された国の教育振興基本計画の中で、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策、基本的な考えの中で、教育に関する施策を横断的にとらえ直し、その総合的な推進を図る。その際、各施策を通じPDCAサイクルを重視し、より効率的な教育の実現を目指すとあります。
 次に、高知県教育委員会がことし5月にまとめ、配布している「運動部活動の実践に向けて」というパンフレットのポイント2の中で、組織として機能する部活動を目指して、各部活動においてもPDCAサイクルを活用した学校全体での取り組みが大切になるとして、PDCAサイクルを生かした取り組み例を挙げ、1ページを使って説明をされています。
 さらに、ことし7月に県教委がまとめた学力向上の緊急プランですが、その到達目標として、基礎学力の定着と学力の向上を図るため、授業改善を初めとする校内の組織的なPDCAサイクルを確立し、学力の定着状況を全国水準にさせるとあります。これら国、県の重要で緊急度の高い政策の中にきちっとPDCAサイクルの利活用が明文化されています。
 まず最初に、教育長にお聞きします。
 前回の全国学力テストが終わった後、教育成果の強化を踏まえ、PDCAサイクルの確立の視点に立った教育改善を実施に移しましたか。
 次に、5月の県教委のパンフレットの配布を受けて、市内の中学校で運動部活動の改善に向けてPDCAサイクルを活用するように指導し、何か実施している例はありますか。
 さらに、7月の県の緊急プランを受けて、南国市内の小・中学校で組織的なPDCAサイクルが確立できるような目標と物差しを持って計画を立てられましたか。
 学校での組織的なPDCAサイクルの確立の前に、全国学力テストに反対している人々が、PDCAサイクルは労働者の管理方法であるから、教育の現場に導入すると成果主義に陥ると言っており、PDCAサイクルの手法すら多くの教職員に広がっていかない現状があるように感じます。そう思うのは、私がことし2月に県の小・中学校PTA連合会から依頼を受けて広報紙づくりの講師を行った際、魅力ある広報紙づくりのためにPDCAサイクルの一つの手法である特性要因図を用いたワークショップをさせてもらいましたが、約70名の参加の中、先生も20人くらいいたと思いますが、特性要因図を全くわかっていないと感じました。
 重ねて言いますが、PDCAサイクルを教育の分野に取り入れるPDCA教育は、文武両道・文武一道の極めて有効な手段であると考えています。私は早く学校現場で使える教職員がふえ、それを子供たちへの教育の手段として活用していただきたいと強く思っています。ですから、本議会2年目の全国学力テストの公表後よいチャンスだと思い質問をしています。
 続いて、なぜ高知県に必要なのか、教育の現場をよく知っている専門家の意見を紹介しながら進めていきます。
 ことし3月2日のRKCラジオ「高知大学ラジオ講座」で、高知大学教育学部刈谷三郎教授の「高知の子供の健康とスポーツ」で語られた内容を話します。
 なお、刈谷教授は、私が香長中学校在籍時の陸上部の顧問であり、ことし4月からは高知大学附属中学校の校長先生をされています。その番組の中で、高知県の子供と全国の子供の比較などを行っており、体格・体力・運動能力と進むに従って、その差が広がっているという報告をされています。そして、その原因は非常にショックですが、学力の問題と無関係ではないと話されておりました。専門は体育科教育学で、現在附属中の校長先生をやっておられる方の言葉ですので、非常に重く感じます。
 もう一つ、興味深い考察を紹介してくれています。それは、国体の競技力、つまり国体の成績に関するものです。2002年に開催されたとき、高知県は10位でしたが、次の年31位、その次38位、わずか3年目で次の年は最下位になったということです。
 さらに、これもまた重い言葉ですが、国体の成績と民力はほぼ一致しており、民力の高い県が国体の成績も高いということだそうです。
 さらに、詳しくは、比較的県の民力が似通っている島根、鳥取、愛媛、香川、徳島、富山と比べて論じられており、国体の成績は、就業者数との関係がはっきりしておるとも言われています。この考察はさきの学力テストでも成績に教育の所得格差が認められるということにもつながっていると思います。刈谷教授の提言として、国体成績の下降をとめるには、少年の部の活躍が大切であり、少年のスポーツの振興に取り組んでいく必要があると結ばれておりました。
 それでは、民力が低く、就業者数の少ない高知県がどういうふうに取り組んでいけばよいか、南国市出身で国際的にも活躍している方の話を次に紹介します。
 御実家が南国市の東工業の南にある、前スタンフォード大学の体操監督の浜田貞雄さんは、昨年11月高知県で行われた第26回四国高等学校体育連盟研究大会で次のように話されています。人生は夢を持ち、その夢を実現することによって最大限に有意義な人生を楽しむことができる。指導者は子供たちに夢を持たせ、その夢を実現できるように指導しなければならない。成功の法則としては、第1、実現可能な具体的な目標を設定し、第2、最善の方法を見つけ出し、第3、つらくても計画したことはすべて実行し、第4、成功か失敗かの結果を冷静に受けとめ、第5、実現可能な目標だったのか、正しい作戦だったのか、すべてにベストを尽くし、そして実行したかを反省、分析し、次の新たな目標を定めるとしています。これです。これが浜田さんの言う黄金の法則であり、まさしくPDCA教育です。PDCA教育が文武両道・文武一道に活用できることは、南国市出身の浜田さんはアメリカの名門スタンフォード大学で実証してくれておるのです。
 ここで、私がことしの2月に高知県PTA連合会で講師として行ったときの特性要因図の説明を一つの例を使って紹介したいと思います。お渡ししている図をごらんください。
 これは、私の子供が低学年のときに縄跳びをいかに上手に飛ぶかを考えたときにつくったものです。縄跳びを上手に飛ぶためには、ここにある「縄」、「手・腕」、「足・ひざ」、「体力」と4つの大きな要因がありますが、真の原因を見詰めていくためにさまざまな原因をこのように出していくのです。時間の都合上結果からいいますと、「足・ひざ」の要因の中に着地点の位置がばらばらであるということが真の原因でした。これを直すことにより縄跳びが100回、200回と跳べるようになったということです。この特性要因図は、多くの原因、真の原因を導き出すために、「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返す習慣づけとして、その訓練に非常に有効です。この「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返し、レベルアップしていくということは、今社会で求められています。
 なお、この特性要因図を使った改善方法は、最先端の半導体工場でも実際の業務改善に使っているのです。
 今や屈指の教育学者となった斎藤孝さんは、今年の著書「学び力」の中で、こういう時代だからこそ、もう一度学校で本来学ぶべきものをはっきり示す必要がある。学校で学ぶべきものを一言で言うと、それは上達のプロセスだといっています。物事に上達する普遍的な論理、これこそを学べばよく、上達のプロセスがそれくらい大事なものであると断言しています。私は上達のプロセスこそ、PDCAサイクルの教育だと思っています。最初は全くできもしなかったことを学んでできるようになっていく、その過程を論理的に把握して、自分のわざとしても使えるように変えていく、それが学校で学ぶべきことです。
 また、勉強がその後の生活とつながっていくものであるということの意識づけが極めて大切です。勉強をすることがほかの生活の分野と地続きになっていかなければ、人はなぜ学ぶのかという根拠はなかなか見つけられないのではないでしょうか。PDCA教育これが身につけば、社会に出ても自分であらゆる物事に関しても上達していくことができる人間になる、学校の目的はきっとそういう上達のプロセスを学ぶところにあると思います。
 さて、学業の出口とも言える就職を考えた場合、企業が学生を採用するときに面接の手法として、コンピテンシー面接というものをするようになりました。このコンピテンシー面接とは、会社が欲している学生について、高い業績を出す社員の行動特性には共通点があり、その行動特性を大学の間に身についている人かどうかを見きわめるものです。その特性を身につけている学生が、自己意識の拡大ができ、そのことが会社の業績向上につながっていくとされています。高い業績を出す学生を見出すための習慣条件とは、1、自分が立てた目標にチャレンジしていること、その目標はちょっと難しいこと、その目標達成の手順を自分で考えたこと、その目標と手順は自分の欲求、価値観に合っていること、目標を完成させたときによって、自分の学習になったこと、最後に、その目標達成は自己満足だけでなく、他者からも評価されたこと、これがコンピテンシー面接のチェックポイントであり、これらコンピタンスの向上、そして習慣づけに最適なものがPDCA教育です。
 最後に、実際の小学校の校長先生で、PDCAサイクルを学校経営に実施している方の意見を紹介します。
 この校長先生とは、最近メールのやりとりをさせていただいており、今回の質問にも大きな激励をいただきました。その宇都宮市峰小学校の小堀校長先生は、なぜ教育という分野だけが、具体的経営目標値や達成感を実感としてできる数値目標を掲げないのかと強く疑問を持っているようです。具体的な数値目標を掲げないとPDCAサイクルは全く回りません。したがって、目標や目的の達成感すらわからず、努力した結果、よくなったのか、悪くなったのか、適切な表現ではないかもしれませんが、職員の動物的感で評価する以外は方法はないことになります。
 本来教育とは、人材育成というとうとい崇高な仕事であり、情熱と人間愛を傾ければ傾けるほど効果を実感できる達成感いっぱいの仕事で、楽しい仕事のはずです。目標値がないのでこの達成感を味わう権利すらみずから捨てていると思わざるを得ないのです。学校を経営せよ、すなわち学校をマネジメントせよと文部科学省や教育委員会から当然言われています。校長は人材育成のためのビジョンやあるべき児童像、あるべき教職員像を提示し、そのための方策、手だてを決め、うまくいっているかどうかの物差しと目標値を定義し、外部評価や内部評価を取り入れ、PDCAの改善サイクルを回すマネジメントをせよと言われているのです。
 しかし、不思議なことにPDCAサイクルの実施マニュアルを出している教育委員会も、PDCAサイクルを回していないことにだれひとり気づいていないことがこの問題の深刻さを端的にあらわしていると思います。
 少し長くなりました。最後に、教育長への質問内容を再度確認させていただきます。
 前回の全国学力テストが終わった後、教育成果の評価を踏まえPDCAサイクルの確立の視点に立った教育改善を実施に移しましたか。
 なお、去年の6月議会で当時の西森教育長は、有沢議員の答弁の中で、6月に到着いたします調査結果をもとに、各学校がプラン・ドゥー・チェック・アクション、言ってみたら、結果を見て検証して、次の行動に結びついていくというサイクルをしっかり確立をすることを大事にしてまいりたいと存じますと答えています。その大切な引き継ぎはされましたか。
 次に、ことし5月に配布された県教委のパンフレットを見て、市内の中学校で運動部活動の実施に向けPDCAサイクルを活用するように指導し、何か実施していることはありますか。
 そして、7月の県教委の緊急プランを受けて、南国市内の小・中学校で組織的なPDCAサイクルは確立できるような目標と物差しを持って計画を立てられましたか。
 全国学力テストの結果が変わっていないのは、PDCAサイクルが全く回ってないからではないですか。
 教育県である長野では、一昨年総合教育センターの「カリキュラム・マネジメントにかかわる基礎的研究」というプロジェクトの中で、学校がその教育目標に向かっていくためには、その構成員である教職員がPDCAサイクルを通して、みずからの教育活動を向上させていく必要性を学んだとされています。
 小さな成功体験を積み重ねるPDCA教育は、子供たちが最も好きな授業、科目である体育をきっかけとして文武両道・文武一道の極めて有効な手段であると思っております。子供たちにその魅力的な方法を伝え、教えるためにPDCA教育の前提となるPDCAサイクルの積極的な取り組みを期待し、教育長の答弁を求めます。
 以上で1問目を終わります。(拍手)
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) おはようございます。
 一般質問3日目でございますが、きょうも議員さんの御質問に誠心誠意答弁してまいりたい、このように思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 冒頭、私のほうからは、世界の食料自給率このお話に関しては、世界の食料事情という問題、これは切っても切れない状況にある、そのように考えております。
 まず、食糧の問題につきましては、急速な食糧不足が世界的に広がっておる、こういうことでございまして、それに従いまして、食糧価格が記録的に高騰しておる、これまでの穀物価格の高騰は、天候に関係しておりました。
 しかし、現在のこの高騰というものは、幾つかの要因が積み重なって生じている、こういうことではないかと考えております。
 まず、需要に生産が追いつかない状況にある。特に世界では、かんがい用水用の水が不足いたしまして、深刻な問題となっております。
 一方、人口は毎年世界で7,000万人程度ふえ続けております。また、バイオ燃料への需要もふえ続けております。穀物の生産性を向上させる農業技術も停滞という状況から減速の状況に入っておる、こういう状況にあります。
 また、さらに原油の価格高騰が、食糧生産と輸送のコストを引き上げる。それがさらにバイオ燃料生産を加速する事態となっておる。これらに加えまして、地球温暖化による気候変動が問題となり、農産物への深刻な影響を及ぼしておる、このように認識をしております。このような状況を考えたとき、世界のそれぞれの国が食糧や環境について早急に考える対策を練っていく必要がある、このように考えます。日本の食料自給率は、先進国では最低のやっと40%に届くか届かないか、このように報道されております。現在の日本農業は、中小規模農家だけではなく、大規模農家も飼料や燃料これらの輸入に大変苦しめられておる、私はこれをなるだけ輸入を抑えながら自給率を高めていく方向に抜本的に変える必要があるのではないか、このように考えます。国策としての自給率向上はもっともなこと、あるいは当然なことで、農地の健全な管理により水や環境も守れる、このように考えております。前田議員さんからの提言のように、小学校や中学校において、日本は米が主食であるという認識を習慣として意識づけると同時に、世界の農業や食糧について、多面的な考えができるような取り組みが必要である、そのように考えます。幸いおくればせながらといいますか、国も米の消費拡大や米中心の食体系に戻す、こういう施策を強めておりますので、関係者と力を合わせて取り組む必要があるんじゃないかとこのように考えております。
 先ほど前田議員さんからは、フードマイレージこのお話をいただきました。そしてこれと中学校給食、そして食料自給率、この三者が非常に緊密な関係にある、こういう確かな理論というものを拝聴いたしました。私も大変勉強になりましたし、全くそのとおりであると思っております。そして、教育と中学校給食のことにつきましては、これは教育委員会の今後の見解といいますか、そういうものにゆだねるということにしたいと思いますけれども、ただ私のほうからお話し申し上げたいのは、その重要性、必要性、こういうことは非常にわかるわけでございますが、私は幾つかの質問にもお答えしましたように、財政の健全性の保持、そして将来を見通した財政、そういう観点からもひとつこういう新たな中学校給食の問題をとらえていかなければならない、そのように考えております。
 まず1つは、この前にもたしかお示しといいますか、御答弁申し上げたかもわかりませんが、大体試算の段階でございますけれども、人件費を除きまして、学校で給食棟を整備するということになれば、概算でも1億円程度の事業費がかかるということでございます。そして、それには何人かの人が携わらなければならない、そういうことでございます。そして、皆様の議員さんのお手元へもお回しいたしましたが、平成18年度の決算で見る経常収支比率というのは、95%少し上回った状況にあります。
 また、これも私のほうから御答弁申し上げましたが、公債費比率をどんどんどんどん下げていかなければならない、この見通しもほぼ、ほぼですが、立っております。しかし、それには計画的な事業を実施していって、初めてそれは達成できるわけでございます。といいますのは、公債費比率が下がるということは、経常収支比率も下がるということでございます。ですから、そうした観点から見ますと、当然人を、人的なものを確保する。そしたらこれもまた恐らく、本当に大ざっぱな話でございますが、中学校4校ともなれば、まず1億円近いものが、これは経常経費でございますのでかかるんではないかとそのようにも思います。そういうことでございますので、私は慎重になっておると、こういうことではないんですが、やっぱり計画性を持って段階的に物事を一つ一つ前に進めていかなければならない、そのように考えます。ちなみに調査いたしますと、高知県下の118校の中学校で69校、パーセントにして6割近いものが何らかの形で、形態はいろいろある、3つぐらいあると言われておりますが、何らかの形で中学校給食を実施しております。ですから、かなりのパーセンテージでやっておるわけでございます。ただ南国市の小学校のように、これは単独方式と呼んでおるらしいんですが、そこに学校に給食棟を持ち、そこで全部をやるという方法は、全部の69校のうち5校であるようでございます。経費的には恐らくこの方式が一番経費がかかると、経費面で見ればかかるということになろうかと思います。この学校給食の問題につきましては、私たちよりもずっとハイレベルな前田議員さんからの理論的な御説明もございました。全くそのとおりだと思っております。逆に私のほうから感謝も申し上げたいと思います。そして、これが一日も明るい見通しがつくように財政面からも努力をしてまいりたい、本日の答弁はこの程度にとどめていきたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(西山八郎君) 農林課長。
      〔農林課長 西川 潔君登壇〕
○農林課長(西川 潔君) 前田議員さんの質問にお答えいたします。
 市長も申し上げましたが、私も農業や食糧への子供たちのかかわりというのは非常に大切だというふうに思っております。米を中心とした日本食の優位性や現在の日本の食糧の生産状況、生産現場の農村がどうなっているのか。また、経済が世界規模で動いている中で、南国市のこのような農村地域がどう継続させていけるのかというようなことでございます。
 中学校給食の実施について私が申し上げる立場ではありませんけれども、仮に小学校の米飯給食に続き中学校での給食開始っていうことになりましたら、確実に給食用の米の消費は増加をいたします。実施するに当たっては、現在給食米に供給しております南国市の中山間地で生産される米では、当然不足をいたしますことから、農業面でも南国市を生かし、また子供たちに、より食糧や環境について理解されるような新たなコンセプトづくりをして実施していくっていうことが大切なことだというふうに考えております。
 中山間の農地管理につきましては、学校給食米の生産や中山間地域の直接支払推進事業などにより必死の保全を図っています。しかし、高齢化や生産性の低さなどもありまして、多くの課題を抱えており、少しでも農地を保全をし地域を守るために、集落、農業関係者が一丸となって取り組んでおります。
 前田議員さんからの提案で、食と農のつながりの深化、これ深く化けるというような深化でございますが、向けた取り組みといたしまして、小学校のほか市内の企業、施設、レストランなどへの取り組みも進めていますが、より地産地消の推進と農業振興を図ることで、前田さんのおっしゃる深化させていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 前田議員さんの御質問にお答えいたします。
 その前に、南国市の教育行政に対しましての熱い思いを受けとめらせていただきまして、御示唆をいただきましてありがとうございました。前田議員さんおっしゃられましたが、私も教育は信頼、愛が原点であるということで、現場にいるときには、情熱と人間愛で子供たちが達成感、充実感を味わえるように取り組んでまいりました。そういう意味で教育長になりまして7カ月でございますが、今後も真摯に情熱と人間性を持って取り組んでまいりたいと思います。
 まず、1点目の県立高等学校の入試制度についてでございます。
 県立学校の入試制度に伴う学区制の見直しの論議には、大変注目しているところですが、本市の中学生にとりましては、現在の学区制は高知学区、東部学区に属しておりまして、選択肢が広いという特徴があり、本市の中学生のみに視点を当てて考えた場合には、現在の学区制の維持が望ましいと考えています。今後学区制が撤廃されるとなれば、高知学区への志願者がふえることが予想されます。そうなりますと、本市の中学生にとりましては、競争倍率が上がるわけですので、これまで以上に進路指導を充実させ、慎重に進路先を決定する必要が出てまいります。
 御質問の過去3年間の小津高校への志願者数でございますが、前後期合わせまして、平成18年度は412名、19年度が495名、20年度が465名でございます。本市の中学生につきましては、前期選抜、後期選抜を合わせまして、3年間平均で志願者数が約30名、合格者数が約22名となっています。今後仮に学区制の撤廃となれば、これまで学区外扱いであった志願者数や学区外のために志願を控えていた生徒数が増加すると予想されます。
 しかし、それによってどれぐらいの増になるかのシミュレーションはできませんが、一般的に考えまして、志願者数増となれば、本市の中学生の合格者数が減ることが予想されます。
 また、募集定員減の影響についてですが、県下の生徒数が減少している状況がありますので、これにつきましても、現段階では予想を立てるのは困難であり、今後情報収集に努めるとともに、中学校との連携を図っていきたいと思います。
 学区制の撤廃につきましては、本市の子供たちを考えた場合、賛成の意向は示せませんが、本県全体の子供たちの将来的な教育環境を視野に入れれば、転換期に来ているのではないかとも考えますけれども、もう一つ忘れてならないのは、地域の学校としての存続がなくなるということも心配されるということも考えていかなければならないというふうに私は思っております。いずれにしましても、本市の中学生が希望する進路へ進めるよう、再三申し上げらせていただいておるんですが、義務教育9カ年が終了したとき、気力、体力、学力を身につけて卒業していけるように、子供の望む進路に向かって進んでいけますようにしっかりと各学校での取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 続きまして、教育改善計画への取り組みについての御質問にお答えいたします。
 学力の後、実行に移したのかというお話でございますが、前教育長さんから直接というわけではございませんが、事務局を通じてPDCAにつきましては、当然引き継ぎをいただいておりますし、今取り組んでいるところでございます。前田議員さん御指摘の計画を立て、実行し、評価に基づいた改善を行うPDCAサイクルは、教育活動においても必要な手法であると思います。これまでの各学校の状況を見てみますと、各学校では年間計画、これは教育計画と申すんですが、もとに学習面や部活動面での教育活動を計画的に行っています。この年間計画の作成に当たりましては、前年度の反省をもとに作成しているわけですので、いわゆるPDCAサイクルに近いものであると考えます。ただし、現時点におきましては、文部科学省や県から示されたPDCA、前田議員さんが言われました理想的なPDCAサイクルへの推進に対しましては、十分でない点もございますが、今後さらに力を入れてPDCAサイクルの推進に関する通知や指針を生かして取り組んでまいりたいと考えています。
 そういった中で、ただ一つ私が言えますのは、学習面で本年度より開始した本市独自の小中連携学力向上推進プロジェクト事業で、子供たちの学習状況を分析し、小学校で重点的に取り組むこと、中学校で補充、強化することを小・中で協議をし、PDCAサイクルによる事業への取り組み、事業改革に取り組むことにしています。
 さらに、学校評価におきまして、学校教育法の改正に伴い、その位置づけが明確になりました。学校では中期、単年度の目標を設定し、目標の達成状況や達成に向けた取り組みの状況を把握整理して自己評価、外部評価を行い、評価結果に示された改善方策に基づき、教育活動等の改善を図り、次の実践につなげていくことになります。このように徐々にではありますが、PDCAサイクルによる教育活動が、本年から開始した小中連携学力向上推進プロジェクト事業によって小・中連携のもとに行われておりますので、前田議員さん初め関係者の方々からの御助言もいただき、成果につなげていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) それぞれ御答弁をありがとうございました。
 中学校給食はニーズの非常に高い要望事項ですので、香美市、香南市の状況なども勉強されるなど、前向きな御検討を早急にお願いしたいと思います。
 高校の入試制度につきましては、早ければ今の2年生から始まると言われております。生徒、保護者を混乱さすことなく、また多くの意見を聞かれ、市教委としての提言を県教委にしてほしいと思います。
 2問目の1つ目の質問です。
 教育改善の計画の一環としてお聞きします。
 昨日の記者会見で、尾崎知事は、学力テストについて、市町村別の公表が望ましいと発言されておりますが、この点について、地方行政が主役となるとお話しされていました橋詰市長の教育振興上どうすべきかを判断していただき、お考えをお聞かせください。
 なお、教育長には同じ質問を3問目にいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(西山八郎君) 市長。
○市長(橋詰壽人君) 実は私もあの記事を読んで、これは非常に県下の各市町村のとらえ方っていうのはいろいろあるんだろうなというように感じました。
 しかし、私自身は、やはりまず南国市だったら南国市の子供たちの全国、全県下の中での位置といいますか、どういうレベルにあるかということを知るということは、それぞれの教育現場において今後の教育方針といいますか、そういうものに大変役立つのではないかと、こういう観点で考えております。そういうことでございまして、それはやはり今後どのレベルまで公表するかということについては、非常に微妙なこともあるかもわかりませんが、原則は、やはりそういうことは親たちも、お父さんやお母さんたちもこれに実態を知ってかかわっていくという観点では、大変重要ではないかとそのように考えます。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) 3問目になりました。
 私は17年前にUターンしてきました。帰ってきて初めてわかったのですが、高知で働いている人の多くは、それはできん、無理とか、やる前からいうのでした。仕事の多くはできないことをできることにしていくことだと思っていた私にとって、驚きでもありました。
 また、こういうこともありました。七、八年くらい前に旧香我美町で誘致されてきた企業の高知所長の話です。前田君、私はアフリカに来たかと思うた。遅刻、早退は当たり前、毎日酒臭いし、この前は車の納車祝いだからといって早退させてくれと言うてきた。ひょっとしたらこういうことが教育の格差につながっているのではないでしょうか。
 さて、教育長に学テ公表の件でお伺いいたします。
 尾崎知事は公表のメリットとして、住民など子供たちの基礎学力、生活状況を客観的に見れることとして、住民の問題意識も高まるとして結果の公表を望んでいます。市長答弁も踏まえて市教委としてのお考えをお聞かせください。
○議長(西山八郎君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) けさは尾崎知事のコメントも載っておりましたし、もう一つは大阪府の教育委員さん御退任になられた2名の方のコメントも載っておりました。これは見方、考え方によって随分違ってくるんですが、ただ公表することによって、いわゆる位置づけをあらわし、意欲につながっていかない面が出てくるということもございますし、競争をあおる、数字だけを追わえるということが出てくる懸念がございます。したがいまして、私の今の思いでは、それぞれの通知をいただいてあるわけでございますので、公開するんではなくって、その資料を学校現場で、子供たちのために教育のために生かしていきたい、そんなふうに考えています。例えば、今までが20点だった子供さんが30点、40点になるように、一人一人子供さんには課題が違うわけでございますので、それを全体の点数としてやるんではなくって、一人一人の実情を学校現場、教員が一番知ってるわけでございますので、一人一人のお子さんが自信を持って次へ行ける、できてよかった、そういう気持ちを味わえる緻密な教育を積み上げていきたい、これが私の基本的な考えでございます。大阪府の教育委員さんの前――元って書いてましたでしたか、毎日新聞の大阪本社の代表であった方が、教育には特効薬がない、そのように書かれていました。実は私も同じなんです。だから市長にお願いをして、9年間を見通した到達度把握で1年ごとの子供一人一人の到達が見れるようにお願いをしますということをお願いしました。したがいまして、今公表して云々よりか、時間はかかりますけども、南国市のこの置かれた子供たちが、一人一人が本当に自分で目標を持って達成感、充実感を味わえるような教育に私は地道に取り組んでいきたい、そんなふうに考えておりますので、御理解をお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。