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検索結果 »  平成20年 第333回市議会定例会(開催日:2008/09/12) »

一般質問 1日目(中山研心)

質問者:中山研心

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(西山八郎君) 1番中山研心君。
      〔1番 中山研心君登壇〕
○1番(中山研心君) 民主党の中山研心でございます。第333回の定例会に当たりまして個人質問を行わせていただきます。
 まず、市長の政治姿勢についてお伺いいたします。
 先ほどの今西議員からの御質問にもありましたけれども、今月1日、福田首相が唐突に辞任する考えを表明いたしました。民意と憲法理念を踏みにじる3度の再議決を行使し、4月に導入いたしました後期高齢者医療制度につきましても高齢者いじめと世間から強い反発を受け、内閣支持率は2割程度に低迷した中での突然の辞任劇でありました。安倍元首相に引き続き、国民の審判を経ないままに首相に就任し、同じく無責任に政権を放棄した姿に、できの悪いデジャビュを見る思いがしたのは私だけではないと思います。また、厳しい地方財政の中で困難なかじ取りを余儀なくされている多くの自治体首長が、苦悩しながらもトップとして責任を果たしているのに比べて何と首相の座の軽いことか、唖然といたします。
 辞任記者会見での「あなたとは違うんです」発言は、インパクトの大きさに早くもことしの流行語大賞にノミネートされそうな勢いでありますけれども、責任放棄の許されない地方自治体の現場からこそ「あなたとは違う」と反論したい気持ちでいっぱいであります。福田首相には、重ねて言葉をかりながら、残された任期いっぱいせいぜい頑張ってくださいとエールを送りたいと思います。
 福田内閣の1年弱は小泉政権下で疲弊した地方と新たに生じた貧困問題に形だけ配慮するポーズをとりはしたものの、地方交付税総額の抑制及び社会保障費の年間2,200億円の削減方針はそのまま継承し、その中身は財政規律重視で、弱肉強食を容認する新自由主義的性格の強い内閣でありました。
 さて、橋詰市長には、次の総理にはだれが望ましいかとか、あるいは選挙目当ての大型ばらまき補正をどう思うか、そういった生臭い話ではなしに、地方の立場から、あるべき国の姿とは、また理想のリーダー像についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、地方分権についてお伺いをいたします。
 住民にとって身近な行政はできる限り地方が行うこととし、国が地方公共団体の自主性と自立性を十分に確保することを目的とする地方分権一括法が1997年7月の国会で可決成立し、2000年4月1日から施行され、この間地方分権についてはさまざまな論議がされてまいりました。地方分権という言葉そのものに中央集権へのアンチテーゼとしての意味合いが込められているために、おおむねその議論の方向性は分権イコール正義であり、疑義を差し挟む者は抵抗勢力であるかのような雰囲気が意図的につくり出されてまいりました。
 しかし、注意しておかなければならないことは、財界や政府から地方分権という言葉が出るときは、往々にして地方への負担のつけかえを機としたものであったことであります。とりわけ2001年、改革なくして成長なしをスローガンに発足した小泉内閣は、官から民へ、国から地方へを目標として掲げましたが、結果は大量の官製ワーキングプアを生み出し、格差を拡大させ、三位一体改革により、地方を立ち上がれないほどに疲弊させてしまいました。
 私自身は分権推進論者でありますけれども、分権にもいい分権と悪い分権がある、そういうふうに考えています。国の財政再建と企業負担の軽減という点で利害の一致する勢力が唱える、国は外交、防衛、金融政策に特化して、その他はすべて地方に権限移譲する、いわゆる夜警国家論にくみすることはできません。
 さきの6月議会におきまして、生活保護費の国庫補助率の削減をねらう厚労省の動きを厳しく批判しましたけれども、福祉や社会保障は全国どこに住んでいようがひとしく提供されなければならない国の責務であります。仮に国から地方にドラスチックな財源移譲がなされたにせよ、財政力に差のある地方自治体の中で身の丈に応じた福祉施策をしなさい、そう言われることには違和感を感じます。
 また、ローカルガバメントの枠組みや規模によって前提条件が異なるとはいえ、財政調整の機能は不可欠であります。中央省庁が今後権益を手放さないように必死の抵抗をすることは想像にかたくなく、形から入る分権の姿は、結果として地方への負担押しつけだけが残るいびつなものになる懸念が払拭できません。
 そこで、市長にお伺いいたします。
 地方分権とはどうあるべきか、また移譲されるべき権限、引き続き国が責任を持ってとり行うべき施策とは何だとお考えか、具体的にお示しください。
 次に、道州制についてお伺いいたします。
 道州制そのものは、古くは戦後間もなくから論議がされてきた課題でありますけれども、1989年、大前研一氏の「平成維新」出版により再び注目がされ、2001年、第27次地方制度調査会で道州制導入の検討を開始し、2002年4月、当時の小泉首相が都道府県の行政区域を広域的に再編する道州制を国家戦略本部で検討するよう指示したことで一気に国レベルでの議論が活発化いたしました。このときも道州制導入のメリットとして、地方の中央依存体質脱却で10兆円以上の国民負担増なき財政削減効果が期待できるという項目が上げられていることは見過ごしてはなりません。
 内閣府の道州制ビジョン懇談会はことし3月、総務大臣におおむね10年後、2018年までの完全移行を求める中間報告を提出いたしました。政府や財界を中心に道州制の推進の動きが目立ちますけれども、国民は冷めた目でこうした動きを見ており、むしろ各種の世論調査を見る限りにおいては、道州制に反対が多数を占めております。
 都道府県は明治期以来の長い歴史を持ち、その変更は住民生活や地域経済にも大きな影響を及ぼすものであることから、まず道州制ありきではなく、将来の政治形態の根幹について広く議論がされなければならないことは言うまでもありません。
 このような地方自治の根幹にかかわる制度設計については、地方自治の強化と民主主義の拡充の観点から国民的議論を踏まえて検討されるべき事柄であろうと考えます。ともすれば枠組みの論議やどこを中心都市とするかなど、地域エゴをむき出しにして議論を矮小化している、そういう間は絶対に導入してはならないというふうに考えております。
 そこで、市長にお伺いいたします。
 現時点での道州制論議に対する評価と今後どういった観点で論議されることを期待するかについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 基礎自治体のあり方も道州制論議とは無関係ではいられません。前日の中間報告では、基礎自治体は現在の中核市程度の人口規模30万人以上が最低でも10万人以上で、現在1,800の自治体数を700から1,000に再編する必要があると述べられています。これを高知県に当てはめたとき、高知市以外は余りに行政区域が広くなり過ぎて、逆に非効率になる懸念がありますし、きめ細かい行政サービスの提供は望むべくもありません。
 そこで、市長の考える望ましい基礎自治体の規模、今後の合併論議に対する基本的なスタンスについてお答えをください。
 一方で、私は広域行政を担う主体としての都道府県のあり方にも疑問を持っています。特に先般の後期高齢者医療制度の導入に際して、当初県を保険者として制度設計された後期高齢者医療制度が全国知事会の猛烈な反対に遭って、保険者は県単位の広域連合という形に決着したことに大きな不信を抱きました。一体県単位の広域連合とは何でしょうか。広域行政の主体として考えるなら、県そのもののはずです。しかし、知事会は建前も地方自治体の兄貴分としての矜持もかなぐり捨てて保険者となることの財政負担を忌避し、あまつさえ県調整交付金での保険財政共同安定化事業への補てんさえも拒否する声明まで出し、見事に県の存在意義を自己否定してみせました。これは道州制の論議にかかわらず、県不要論が出てくるのは当然の帰結と言えるでしょう。
 県が広域行政の主体足りえることを放棄する一方で、基礎自治体では手に余る広域の行政課題が地方格差の拡大とともに顕在化してまいりました。医療アクセスへの平準化、消費者行政、労働行政、消防防災、限界集落対策など県にイニシアチブを発揮してもらいたい課題は多くあります。ところが、市町村と本来は対等でパートナーシップ関係にあるはずの県は、その役割を十分果たしていないばかりか、旧内務省時代の遺物であるはずの上級官庁意識の腐臭を感じる場面さえあります。
 地方分権一括法の施行により、知事の指揮監督権を初めとする上級官庁的な要素が払拭され、市町村に対する優位性を失った県は、唯一予算執行を人質にした補助申請業務を通じて市町村をコントロールしようとあがいているかに見えます。広域、連絡調整、保管という3つの機能を法定されていながら、そのいずれもが県の立ち位置を明確にする説得力を持っていません。
 そこで、市長には、県に対して立場上、不要論は言えないでしょうから、県に果たしてほしい役割、優先する課題について考え方をお示しください。また、あわせて妥協の産物として生まれた市町村共同処理による広域連合に対する評価についてもお聞かせ願いたいと思います。
 次に、教育行政についてお伺いいたします。
 2006年、読売新聞社の教育に関する全国世論調査によりますと、親の経済力の差によって子供の学力格差も広がっていると感じている人が全体の75%にも上っているとのことであります。所得の格差が教育現場を左右し、子供の学力格差につながっているとの意識を多くの人が持っていることがわかりました。
 また、お茶ノ水女子大教育社会学研究室による、小学生から高校生までの約8,000人とその保護者を対象に実施した大規模調査をもとに分析すると、小学6年生の子供の算数学力の規定する要因は、1、学校外教育費支出、2、保護者の子供への学歴への期待、3、世帯所得の順だったことがわかっております。
 1995年に三重県で高校3年生を対象に行われた三重県高校生学力生活実態調査によりますと、父親の最終学歴と進学状況に密接な相関関係があったことが報告されております。多少の例外を除いて、多くの場合、親の最終学歴により家庭の所得階層が決定され、それによって子供の学力や進学状況に格差が生じ、その結果、さらに経済格差と教育格差が再生産され、階層が固定化されていく実態が見えてきます。
 教育機会に出身階層による不平等があり、学歴の違いを通じて階層の固定化が進むとすれば、教育機関は社会階層を世襲させるトンネル機関でしかありません。さらには、戦後日本の教育は機会の均等が実現されたという幻想が流布されたために、結果の不平等は本人の努力、もしくは能力が足りなかったためで仕方がない。格差を積極的に容認するよりどころとされてきました。結果的に世襲を封建制度ではなく、機会均等の保証をされた教育というロンダリングフィルターを通して正当化することによって、そういう意味において、より巧妙で悪質ですらあります。
 先日、学校教育課にお伺いしたところによると、所得格差と学力格差の相関関係について、全国学力テストの結果とリンクさせた社会学的な検証作業は行われていないとのことでありましたけれども、一般傾向として所得格差と学力格差の相関性、またシングルペアレント家庭など家庭背景にハンディキャップのある児童・生徒の教育機会についての印象を教育長にお伺いいたします。
 また、全国学力テストについては、一方で学校間の競争をあおるとの批判もありながら、建前とはいえ、その目的の第1に、国が全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童・生徒の学力・学習状況をきめ細かく把握分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとされています。
 全国学力テストは、地域や学校間に見られる学力格差の実態と大きさを検証する格好のデータを提供してくれており、格差の実態を検証し、必要な資源を必要な地域と学校に集中して投入し、支援するというダイナミックな政策を実現するチャンスであると考えますが、御所見をお聞かせください。
 イギリスやアメリカには効果のある学校、エフェクティブ・スクールという概念があります。アメリカのロナルド・エドモンズによるエフェクティブ・スクール論によると、効果のある学校とは、最低限度の学習到達度に達していない者の割合が人種や性別、階層によって異ならない学校のことだそうであります。
 効果のある学校の条件とは、1、校長の強力なリーダーシップが機能している、2、すべての生徒に必要最低限度の必要な基礎基本を習得させることに対する期待や風土がある、3、授業に秩序のある、しかも安全な雰囲気がある、4、必要に応じて教育的資源が学外から求められること、5、生徒の達成度の評価に複数の評価方法があることだそうであります。
 地域性や通塾率、家庭背景と関係なく子供の学力を高めることに成功している学校、日本にも実際にそのような公立学校が存在し、志水宏吉氏の岩波ブックレット「力のある学校とはなにか」に事例が紹介されています。
 さて、このような効果のある学校の基準に当てはめたときに、南国市の小・中学校は100点満点で何点を与えられるとお考えか、お答えください。
 エドモンズのエフェクティブ・スクール論は家庭背景のディバイドによる不利益の前に学校は無力ではないか、そういう悲観論への反論として登場いたしました。一般傾向として家庭背景と子供の学力に密接な相関性があり、公教育にも限界があることは事実だろうと思います。しかし、少なくとも教育にかかわる方には、低学力の言いわけを家庭背景に求めない、低学力を生きる力などと言いかえてごまかさない、すべての子供の可能性を伸ばし、学力を育てる学校文化を想像する姿勢と確固たる意思を持つべきと考えますけれども、教育長の御所見をお伺いいたします。
 きょうもあの子が机にいないことに心を痛めて、全国に先駆けて同和教育、人権教育に取り組み、多くの実践を積み重ねてきたその果実は、すべての子供たちの育ちを保証する普遍的な教育へと消化できるものと確信しています。今後の南国市教育の充実を心から期待して、第1問といたします。(拍手)
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 中山研心さんの質問に順次お答えをしていきたいと思いますが、大変国のあるべき姿、あるいはリーダー像の問題、非常に高いレベルという言葉は当たらないかもわかりませんが、非常に我々一市町村の首長では非常に日常考えない問題でございますので、大変低いレベルの答弁になるかもわかりませんけれども、お許しを願いたいと思います。
 まず、あるべき国の姿ということでございますが、これはやっぱり国家に対する考え方、これは当然のことながら人類あるいは歴史とともに変遷してまいるわけでございまして、それぞれの時代にその時代時代をリードしていく国家論、そういうものが存在してきたのが現実ではないかと、そのように思いますので、そのような学説的な国家論というものはいろんな学者の方が論じておりますし、私がここであえて述べる問題ではないと思いますので、ここ数年の国と地方の関係から、私は一地方自治体の首長として感じている国家、国といいますか、そういうものについて述べてまいりたいと思います。
 平成16年度から実施されました、先ほども答弁の中で少し触れましたが、三位一体改革、これは地方分権を推進するための国と地方の財源配分に関係する改革である、このように位置づけられます。私は、その理念そのものには全く異論はございませんし、むしろその方向性には賛同するものであります。
 本市におきましても、地方交付税あるいは国庫支出金の減額部分と税源移譲で、その増額分を比較してみますと、全体としては約6億円近い減額となっております。まず、ほとんどの自治体で似たような状況があるんではないかと推察されます。多くの自治体のとらえ方もこれまた、これはこの三位一体改革というものの、最初は本音では必要なことだと受けとめておったものの、いざそういう内容になってみると、これはこんな話じゃなかったのにな、あるいは少し国にいいようにされたんではないか、だまされたんではないかと、だまされるという言葉はちょっと言い過ぎであると私は今でも思っておりますが、とらえ方が甘かったなと、そういうようなことになっておるのがほとんどではないかと、このように感じております。
 ただ、私はこの現在の時期に来て、市長、おまえはまだこの期に及んで今の政府の施策というものをかばうのかと言われるかもわからんですが、私はこれも今からお答えすることも、多くの地方自治体の首長が感じておることではない、本音の部分ではないかと思っておりますのは、地方自治体の運営に関していろんな分野で甘かったな、この危機的な状態、これは危機的な状態、いろんな分野であるわけでございますが、そういう状態を乗り切るのに、この三位一体改革というのは我々の自治体の足元を見直すということでは非常に大事なことであったな、その中で民間に運営できるものは民間にお願いする、そういうような意味でも、あるいは南国市が現在実施しております人員削減、そういうものを考えた場合、いろんな分野から非常に自治体として、戦後六十数年間の歩みの中では一つの大きな節目になった。これは間違いのないことであると思います。
 ただ、私の考え、こういう考えも少し矛盾もございまして、地方財政論からいいますと、戦後間もなくできましたいわゆるシャウプ勧告に基づきます平衡交付金から始まった地方交付税、この制度というものは紛れもなく今でも脈々とこれは生きておるんじゃないかなと。なぜこういう地方交付税制度というものを根底から崩すと私は言えると思うんですが、そういうことまで立ち入ったのかなと、私はそういうような感じがします。これぐらい都市と地方の公平原理といいますか、そういうものから推しはかっていく場合に非常にうまくできておる制度であると。これに変わるものは、じゃ、何なのかと、これは三位一体改革がずっと続くとしても、とても今の状態では地方財政はなっていかなくなるわけでございますので、そういう観点から考えると、地方交付税制度自体の何が問題で、何をどうするつもりかなと、まだ到達はしていないと、こういう考え方を持っております。
 次に、リーダーの像、あるべきリーダー像というのは、これはいろいろあるわけでございます。私が簡単にお答えして申しわけないんですが、国家のリーダーという観点でございますので、やっぱり国際社会の中で日本の果たす役割というものをまず第1点どういうように考えていくのか、こういうことがきちんと整理された人でないといけないんではないかと思います。
 それから、その次にいろいろ私たちがずっと歩んできたこの国というものを見てみて思うのは、もう少し力強いリーダーシップ、こういうものが要るのではないかと。
 それから、また国際問題に戻るわけですが、そういう中ではいろんな国家間のもっとリーダー的立場をとるのであれば、調整力、こういうものも必要ではないかと、私は洞爺湖サミットにしかり、京都議定書の問題でもしかり、これからもっともっと国際化の中で環境問題なんかもそうでありますし、WTOの問題をとってみても、この経済大国と言われた日本が世界の中でもっともっとリーダーシップを発揮していかなければならない、こういうことだと思いますし、国内外でそうであると、そういう意味で、特に私たち地方自治体の側からいいますと、簡単に言いますと、満遍なく中央も地方も満遍なく光が当たる、こういう考え方でできる人、こういう人をお願いしたいなと、こういう考えでございます。
 歴史的に言えば、いろいろ勇気、決断、あるいは厳しさとかなんとかという言葉はありますけど、私はそういうような言葉は私自身が理解しておりませんので、この程度にしたい、御勘弁願いたいと思います。
 次に、市長の政治姿勢ということであります。地方分権に対する問題でございますけれども、平成7年から5年間の時限立法である地方分権推進法、これが成立いたしました。そして、平成12年の地方分権一括法の施行から地方分権改革推進法が施行された平成19年4月1日までを第1期地方分権改革、そして地方分権改革推進法から現在までを第2期の地方分権改革と呼んでおるわけでございます。
 第1期の地方分権改革では、機関委任事務制度の廃止、国と地方公共団体の関係についての新たなルールの創設、権限移譲を推進するための都道府県条例による事務処理の特例条例制度、あるいは特例市制度の創設、国庫補助負担金の整理統合などが行われたわけでございます。しかしながら一方では、地方財政秩序の再構築といいますか、地方公共団体の事務に対する法令による位置づけ、事務事業の移譲などが課題として残されておったところでございます。
 そこで、第2期地方分権改革では、7名の部外委員による地方分権改革推進委員、これを設置いたしまして、国と地方の役割分割の見直し、国と地方に対する関与の廃止、縮小、国と地方の税源配分のあり方、国と出先機関の見直しなどを調査審議しておるところでございます。
 この地方分権改革推進委員会が今年5月28日に提出いたしました第1次勧告で、都道府県から基礎自治体へのいわゆる市町村への359項目に上る権限移譲が明記されたところでございます。同委員会は今後順次勧告、第3次までだと言われておりますが、これを行い、それを受けまして、政府は平成22年3月までに新地方分権一括法を国会に提出予定であると、このように言われております。
 以上、地方分権改革のこれまでの経過を述べてまいったわけでございますが、最初から一貫して流れておるのは、地方分権改革推進委員会が今年5月に発表いたしました地方分権改革推進に当たっての基本的な考え方のサブタイトルが、地方が主役の国づくりであることからうかがえますように、地方でできるものは地方で行い、国は外交、防衛、通貨政策など本来やるべきものを行う、こういう考え方であると思います。
 このような論議が続く中で、私が一番危惧いたしますのは、教育、福祉、医療の分野を国が手離してはしないかということであります。国は憲法25条で規定されておりますように、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努める義務が課せられているわけでございます。そうしたことから、高知県市長会は地方分権のあり方につきまして生活保護、国民健康保険事業などの社会保障分野は国の責任において実施すること、また一級河川の管理などの治水、道路、学校、保育所改築などの大規模な投資的な分野は国による適正な管理整備を行うこと、財源移譲につきましては、地方譲与税の形で移譲するなどの方法を検討することを全国市長会を通じまして国に要望しておるところでございます。真に地方が主役の国づくりを実現するためにはこのことを抜きにはできないことでありまして、国はこの要望を受け入れる義務があると、このように私は思っております。
 最後に、道州制の問題でございますが、国の道州制への取り組みというのは、道州制担当大臣の下に道州制ビジョン懇談会、これが設置され、平成19年2月23日の第1回懇談会を皮切りにいたしまして、現在まで18回会議が開催されておると聞いております。この懇談会は道州制の導入により実現される地域社会、経済社会などの姿、道州制下における新しい国、地方の政府像などが検討されております。また、経済界や全国知事会、全国市長会もこの道州制につきまして独自に研究、検討を行っておるところでございます。
 どのような観点で検討されているかということでございますが、なぜ日本に道州制が必要であるか、道州の基本のイメージはどういうものであるか、道州制における国と地方の関係はどうであるか、道州制下における自治体のあり方はどうか、道州と基礎自治体の関係はどういう関係になるのか、現行の都道府県と基礎自治体の関係がどうであるかというようなことでございます。このような観点は道州制を考える上で必要不可欠な観点だと思うわけでございますが、私は道州制のメリットのみを強調するのではなく、デメリットについても正確にとらえ、国民の前に明らかにしてほしい、このように思っております。
 その道州制については、まず道州制の導入がありきということではなく、広く国民に情報を提供をしていただきたい。国民的論議を高めることがまずは重要ではないかと、このように思っております。
 次に、基礎自治体についての質問にお答えいたします。
 基礎自治体、すなわち市町村の規模についてでございますが、私は地方分権時代に安定した市民サービスの供給、これがまず第一義的に考えなければならない問題でございますので、これはやっぱりこういう点から考えますと、一定の人口規模は必要である。しかし、それが5万人なのか10万人なのか、非常に言明しにくい、考えにくい問題だと思います。それはなぜかといいますと、その市町村の置かれた状況というのがいろんな状況が違いますので、非常に難しいのではないかと私は思っております。
 本年の6月に総務省が定住自立圏構想、これを発表しておるわけでございますが、その中で中心地になるべき市を基本的な都市機能を持つ市の規模とした上で人口5万、高度な都市機能につきましては人口30万を目安と、このように上げております。
 平成の市町村合併によりまして、全国の市町村は平成11年3月31日現在、3,232自治体から、平成20年11月1日には1,785自治体になる予定でございます。このことによりまして、人口5万人以上の都市に住む人口というのは、平成11年3月31日の70.3%から平成20年、本年の11月1日には81.7%になります。私は全国のこうした状況からも、地方分権の時代にありまして、もっともっと住民に近く、生活に密着した地方政府である基礎自治体の規模は、とりあえず5万人から30万人が望ましいのではないかと、このように考えております。
 そして、市町村の合併につきましては、6月議会で前田議員さんにもお答えしましたが、再度私の考えを述べよということでございますので、本県の市町村合併につきましては、県が高知県合併推進審議会ですか、この答申を受けまして、県内を6つの基礎自治体に統合する方針で取り組んでおりますが、私は財政的に自立し、一定程度の人口規模を持つ自治体としては県内を6つの基礎自治体とするという県の案が私は妥当ではないかと、このように考えております。
 そして、物部川流域の3市が合併するという案にも今まではずっと南国市は異論を唱えてこなかった、市として、そういう立場をとっております。その理由といたしましては、本市の香美郡に誕生しました2つの市はともに物部川流域、ともに存在しておると、こういうことで、これまでもやっぱりごみ処理あるいは斎場などでいろいろと共同で事業をやってまいりました。最近になりましては健康づくり、あるいは産業振興ビジョンといった共同研究もしております。この圏域には高知大学医学部あるいは農学部、工科大学、高知高専など高等教育機関と言われる機関が立地しておりまして、これらとの連携ということも非常に大事なことであり、この中から新しい産業の創出あるいは企業誘致、こういうこともまた加えまして、地産地消、こういうものも考えていきたい。さらには、交通基盤、商業機能の一定が集積できるものであると、このようにも考えております。そうした意味で将来を見据えた合併ということは、今すぐではないですが、視野には入るものと考えております。
 私のほうからは以上、長くなりましたが、答弁にかえさせていただきます。
○議長(西山八郎君) 昼食のため休憩いたします。
 再開は午後1時であります。
      午前11時59分 休憩
      ――――◇――――
      午後1時   再開
○議長(西山八郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 中山議員に対する答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) 大変申しわけございません。中山議員さんの3つ目の質問でございます。いわゆる広域行政を担う県の役割について答弁漏れがございました。申しわけございません。
 地方自治法では、都道府県の役割というものが市町村を包括する広域の自治体として、広域にわたる市町村に関する連絡調整に関すること、あるいは規模または性質において、一般の市町村が処理することが適当でないものを処理すると規定されております。
 医療保険制度や介護保険制度は、一般の市町村が処理することが適当でなく、広域で行うものの代表であると、このように考えております。
 国保は、市町村が保険者とされておりまして、また議員さんの御指摘のように、後期高齢者制度につきましても県単位の広域連合という形になりました。現在、県主導で国保や介護の広域化が検討されておりますけれども、県が保険者になるということは全く選択肢に入っていないというのが現状の姿でございます。こうした背景には、やはり将来の市町村への権限移譲あるいは道州制の導入、こういう思いもあろうかと思います。しかし、私は、県には県自身が広域行政を担うとともに、もう少しこういう点で積極的になっていただきたい、このように感じております。
 次に、広域連合でございますが、広域連合はさまざまな広域的ニーズに柔軟にかつ効率的に対応するとともに、権限移譲の受け入れ態勢を整備する目的で、平成7年度に導入された地方公共団体であります。都道府県、市町村、特別区が設置することができるようになっております。
 一方、ごみ処理施設や消防などの事務を中心に一部事務組合が広く活用されておるところでございますが、広域連合は1つの事務を持ち寄って共同処理する一部事務組合に対しまして、多角的な事務処理を通じて広域的な行政目的を達成できること、あるいは直接国または県から権限移譲を受けることができるわけでございます。そのため個々の自治体では実施が困難であっても、広域的団体であれば実施可能な事務を直接広域連合で処理することができるわけでございます。第2次地方分権改革で、近い将来膨大な事務が法律で基礎自治体に権限移譲されることが予想される中で、今後広域連合の活用を検討していくことは大変意義のあることである、このように考えております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 中山議員さんの教育行政に関する御質問にお答えいたします。
 1点目の教育格差につきましては、全国学力・学習状況調査につきまして、中山議員さんの御指摘のとおり、児童・生徒の学力・学習状況把握、分析することにより、児童・生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上につなげることにほかなりません。現在、市教委では指導主事を中心に本調査の繊細な分析、検証作業を急いでおり、本市の全体的な傾向や課題については校長会等で示す予定であります。
 御質問の所得格差と学力格差の相関性やシングルペアレント等における教育機会についての格差等についてでございますが、現段階ではその分析結果や情報は持ち合わせておりませんが、何らかの影響があるのではないかと考えます。しかし、私たちは、その地域、その学校の課題をそれぞれ分析していくことが大切ではないかと考えております。
 既に御承知のこととは存じますが、本市教育行政の重点施策として、本年度より、みずからの力でみずからの進路を切り開くことのできる児童・生徒の育成を目指し、一歩踏み込んだ小・中連携の強化策による小中連携学力向上推進プロジェクト事業を立ち上げました。具体的には、全国学力・学習状況調査はもちろんのこと、各種のデータをもとに、各中学校ブロックがその地域ごとに成果や課題を検証分析しながら授業改善と学力向上に向けて取り組んでおります。
 個々の家庭環境による格差等についての論点も確かに大切であると思いますが、学校教育はどのような家庭環境にあろうと、ありのままの子供一人一人をしっかり受けとめ、その背景にしっかり寄り添いながら目の前のこの子をどう伸ばしていくかということに全力を注ぐべきだと考えます。家庭や地域の力なくして教育力の向上は語れませんが、学校現場において、その論点が格差というもので本質がすり変わらないように、今後も学校現場と連携を密にして取り組んでまいりたいと考えます。
 教育委員会ではこの小中連携学力向上推進プロジェクト事業を核として学力向上対策に一層努力してまいりますので、どうぞ今後とも温かい御支援をいただきますようよろしくお願いいたします。
 次に、2点目の効果のある学校についてでございますが、昨年学校教育法の改正に伴い、学校評価の位置づけが明確となりました。具体的には、1点目としまして、教職員による自己評価を行い、その結果を公表すること、2点目は、保護者などの学校の関係者による評価を行うとともに、その結果を公表するように努めること、3点目に、自己評価の結果及び学校関係者評価の結果を設置者に報告することの3点が位置づけられました。これは教育活動や学校運営の完成を目指したPDCAサイクルを確立すること、そしてその自己評価の客観性を高め、学校、家庭、地域が共通理解し、連携協力による学校づくりを進めることを目的としたもので、市教委としましては、その具体的な方向性を示しながら校長会とも協議を重ね、実施に向けて取り組んでいます。
 中山議員さんの御指摘のとおり、効果のある学校を目指すためにも、この学校評価の充実と推進は大変重要な役割を果たすものと考えており、先ほどの教育格差についての御質問の中でもお答えいたしましたが、中山議員に全く同感で、やはり公教育の本質はどんな家庭環境に置かれていようが、目の前のこの子をどう伸ばしていくかという学校の普遍的な役割をしっかり果たすことにあると考えます。そのためには、市教委としましては、この学校評価制度を通して各学校が内外の評価を真摯に受けとめながら、保護者や地域に信頼される学校づくりが継続できるように一層の支援に努めてまいりたいと考えております。
 100点満点で何点を与えられるかという御質問に対しましては、各学校を点数であらわすことは大変難しいわけでございますが、本年度から取り組みます今回の学校評価の評価基準は、目標を上回った場合、A、ほぼ目標どおりの場合、B、目標を達成できなかった場合、Cとしております。これをもとに考えましたが、点数での評価は大変難しく、苦慮いたしているところでございます。つきましては、この評価基準をもとに考え、一定の取り組みができた学校についてはBという評価になると考えます。
 本市の教育につきましては、私の信念であるこの南国市でよかった、この学校でよかった、この先生に出会えてよかったと、子供たちに心からそう思っていただける学校を目指して一生懸命取り組んでまいりますので、中山議員さん、どうか今後とも温かい御支援をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 1番中山研心君。
○1番(中山研心君) それぞれ御答弁ありがとうございました。特に市長には非常に答えにくい質問をいたしまして、まことに申しわけございません。
 その中で市長のほうから国際社会の中で果たすべき役割、理念というものと、それと強いリーダーシップが今後のリーダーについて求められるんじゃないかというふうにお答えになっております。とりわけ地方の立場からどう思うかということをお聞きしたわけで、この間の1点、なお言っておきたいのは、午前中、今西議員の質問にも答えられて、道路特定財源の歳入欠損が6,500万円の話も出ました。その一方で、三位一体改革でこれほど痛めつけられながら、今の政府のやり方に対して一定肯定的な見方をされたということについて1点反論をしておきたいというふうに思います。
 というのは、道路特定財源については5年間の時限立法で、この3月末であらかじめ失効することがわかっておった。それを漫然とこの次も延長されるだろうというもとに、考えに基づいて予算を組んでたものと、16年のいきなり何の予告もなく、多くの自治体に対して歳入欠損を生じさせた交付税額の削減と同列に扱う、あるいはまたそれについては一定容認するという立場については、ちょっと地方自治体の首長として見過ごしにできないな。そこのところについて、なお補足がありましたら、お考えをお聞きしていきたいというふうに思います。
 それから、地方分権について、教育、医療、それから福祉については一義的には国が責任を持つべきだ、そのとおりだというふうに思います。ただ、この間の分権論議の中で、特にこのお金のかかって、その割に独自の裁量権のない分野について地方へ押しつけよう、押しつけようという動きが非常に目立ちます。ここのところについては市長のほうからも憲法第25条で保障された生存権については国の責務であるという話もありました。分権の中身について、全国一律のユニバーサルで提供されなければならない行政サービスについては国が責任を持っていくんだということを、いま一度全国市長会等の場を通じて国に強く働きかけていただきたいというふうに思います。
 次に、基礎自治体のあり方について、規模については市長のほうから安定的な市民サービスの提供が図れる規模とはどういうぐらいの規模かと、そういうことがもとになって検討はされるべきだろうという話がありました。
 その後の合併論議についてお聞きしたのは、実はこの間2度市長の合併論議に対するほかの議員の方の答弁も見させていただいております。あえて再度ここで合併論議についてお尋ねをしたのは、この間の合併が香南、香美それぞれ合併をしたばかりで、その後の問題処理に当たっておる、その状況を見定めて、あるいは県が示した6つのブロックについてどういう対応をとっていくかという、趣旨としてはそういうことではなかったかと思いますが、すべて言っちゃ悪いですけども、受け身の対応で、主体的に南国市がどういう都市機能を持った、どういう南国市になりたいかという、その理念が見えてきません。
 私自身は、広さとしては、南国市はかなり広いので、十分かなと。理想を言えば、この今の広さで人口10万にしていく都市にするにはどうしたらええろうか、そういう自発的に南国市の将来像を見据えた上で合併論に対する主体的な考え方がお示しいただきたかったなというふうに思ってこの質問をさせていただきました。残念ながら、1問目の市長答弁ではそこまで踏み込んだ御回答がありませんでしたので、まずあるべき南国市像を提示して、その後合併論議にどう対応していくかということを再度お聞きをしたいと思います。
 それから、広域連合のことについて、実は私質問としては今回の後期高齢者の受け入れのためにつくられた県単位の広域連合についての評価はどうかという質問をしたつもりでおりました。ところが、一般論としての事務組合の広域連合のことについて御回答がありましたので、再度広域の行政を担う主体として県単位の広域連合って何じゃいと、これ何事かというのが実際正直な思いです。これが県がこれを受けれんやったら、県の存在意義そのものがないやろうというふうに思っておりますので、なおもう一回後期高齢者医療制度の引き受け、保険者としての広域連合に対する評価を再度お聞かせください。
 それから、教育格差のことでございます。全国学力調査の結果と学力との相関性について詳細に調べておらないということでの御回答であったかというふうに思いますけども、実はこの全国学力調査について議会たんびに参考にもならん犬山市の例を出して、もうやめやめと言われるんで、どうも腰が引けちゅうように見えるんです。何らかの課題があるだろうということはわかりながらも、実際には教育長の御答弁では、目の前にいる子供に寄り添う教育と、これは非常に大事なことではありますけれども、これは現場の学校の対応としては100点満点です。ただ、それを俯瞰して高い位置から現場の状況を見る委員会の役割としては、それではまだ不十分かなというふうに思います。
 というのは、これだけ巨額の経費をかけながらやりゆう学力テストです。これが十分に活用されて、これが提供してくれるデータと今の子供との状況をきちっと分析する中で、それこそ必要な資源を必要な学校に必要な地域にダイナミックに投入していく、これが教育委員会に求められている役割なのかな。それがうまいこと十分に活用がされてないからこそ学テについて不要論が出て、まともな答えができないということになっておるんではないかなというふうに思います。
 それから、効果のある学校の基準に当てはめたときに何点満点かという質問に対して、学校評価制度とリンクさせて、おおむね目標値を達成しておればBかなということであったかと思いますけども、学校評価制度と一定の到達に達してない子供の割合が、家庭背景やディバイドに対して異ならないと、割合が違わないということでの効果のある学校の基準というのはちょっと違うかなというふうに思います。本当に今の学校が性別や出身の地域あるいは階層やというところにイコールの育ちを保証しちゅうかなということが今問われていることなわけで、今の学校評価システムとはちょっと意味合いが違うかなというふうに思ってます。
 その上でここのところ、今後どういう視点で学校教育の中に取り組んでいかれるのか、決意があれば、なおお聞かせをいただきたい。それと、Bという評価についても、非常に言いにくいですけども、子供の命守れんかって何がBなというのが率直に言いたいことであります。むしろもっと謙虚に今の学校が持っている限界、それから教育委員会の十分でなかった点、検証する中でこれからの南国市の教育が展望できていくのかなというふうに思います。
 以上で第2問といたします。
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
○市長(橋詰壽人君) お答えいたします。
 まず、時限立法である道路特定財源の問題と地方交付税、いわゆる三位一体改革における地方交付税の関係を道路特定財源については時限立法である以上、わかっていたことではないかと。それを三位一体改革における交付税の削減、これは非常な手痛いあれを受けたにもかかわらず、褒めているんじゃないかというようなことでございました。
 私ども地方の受けとめ方としましては、確かに時限立法はその年限を限られておるという意味ではそうかもわかりませんけれども、当時の、当時のといいますか、これに時限立法に至るまでのとらえ方というのは、道路特定財源として当然再延長といいますか、再延期といいますか、そういうものはあるであろうと、多くの地方自治体が感じていたことは紛れもない事実であろうと、私はそのように考えております。
 といいますのも、当時、時限立法であり、ああいうことになるのならば、政府は別といたしまして、地方自治体で財源を充て込んだ予算をほとんど時限立法であるからということで組まない自治体はなかったと、私はそのように思っております。
 そして、三位一体改革のとらえ方でございますが、確かに地方交付税が減る、そして地方に補助金として交付される各種の助成金、こういうものも一定減る。そして、一定の税源移譲があると、このバランスがどうなるかな。幾分かやはり国の700兆円ですか、そういうものを超える国が借金行政といいますか、そういう状況に置かれておるということからすれば、かなり厳しくはなるだろうと。しかし、バランスとしてはその3つの要素をバランスよくやっていくんではないかと、そういうような思いがございましたけれども、まず交付税、そして補助金、そして肝心の税源移譲がなされたものの、それが非常に額が小さかったと。だから、その結果、6億円も、簡単に言いますと6億円、単純計算で6億円もの財源に平成15年度と比較して差が生じてしまったと。
 しかし、一方で我々地方自治体、これは皆さん議員さん御承知のように、一方でこうした一つの動きの中でいろんなことが明るみに出てきたといいますか、情報公開制度が進んだ、こういうことも一方にはあるかもわかりませんが、非常な地方自治体、割合都市型のところでえらいだろうと言われておったところが、預貯金も全然ない、基金が全くない、そして人件費は膨らみっ放しの状態、こういうことが明るみに出た。そして、ある都市では、職制で言いますと、余り高くない給料表運用がされておるはずだろう職制が、年収にして一千数百万円のものが支払われているとか、そのほかの公務員の厚遇といいますか、手厚い処遇を受けておる、こういうことも明らかになってきた。
 それはよその事情でございますけれども、我が南国市においてもこれは危ないぞという危機感を持って財政の健全化を取り組みました。1年早く取り組みました。そして、その後に集中改革プランなるものが続いてきたと、そういう意味では、南国市の緊張感、多くの職員に給与の削減という、生活給まで立ち入った協力も求めたわけでございますけれども、そういう厳しいもの、引き続いて人員の削減、そういうようなことが非常に南国市の、私、よそのことを言う立場ではございませんけれども、ひいては地方自治体の全体的な厳しい中で、一体国民がこういう厳しい状態の中で税金を払い、新しい制度、つまり介護保険、その次には後期高齢者、次々と厳しい状態が打ち出される中ででも、我々地方公務員もそうした厳しさというものを実感して、ふだんの今までの情勢に甘んじることなく足元を見詰め直してみる、こういうことにいやが応でもならざるを得なかったというのが地方改革、こういう意味での非常にいい勉強になったんではないかと、こういうように私は今でも思っております。
 そして、合併論、これは大変中山議員、厳しいというか、そのとおりでございます。御指摘をいただきました。人口5万人、修正しまして5万人ちょっとになったわけでございますが、こうした中で将来の人口10万人見越してということも一つの夢と展望を持つ姿勢であろうと、私はそのことを否定するわけではございません。
 しかし、これもまた地方改革の一つの目標になるわけでございますが、私は一昨年もずっと消防の問題、といいますのは、1県1消防という問題に取り組んでまいりました。それは1県1消防が最高のものであるかどうかということは別にいたしまして、南国市の今の消防行政の中で悩んでおることが幾つかあります。それは消防力の整備ということ、一つの例でございますが、消防力の整備ということに多額の財源が必要になります。そして、人事が硬直化すると、こういう問題もあります。職場は2つしかございません。ここと高速道路をにらんだ北部の消防と2つしかございませんけれども、人事の硬直化あるいは消防整備に多額の財政資金を要するというようなことを考えれば、やはりこの125平方キロを1消防で守っていくということよりも、広域的なことを考えなければならないんじゃないか、もっともっと消防力をということを考えた場合に、県1消防ということもあながち夢ではないだろう、夢ではといいますか、目指す方向ではないかと思っております。そういうことが1つです。
 それと、香美、香南、南国を考えた場合に、非常に私は行政としての機能も似通っております。第1次産業を中心とした典型的なといいますか、こういう地方の町村であると、町村といいますか自治体であると、こういうものがお互いに同じ状況にあるからこそ補完し合って、何も中心に大きな町がなくても、私は目指していけば、一定働く場の確保もでき、福祉も守り、そういう企業立地もし、やっていけるんではないかと。私は今まで中心となる一定の町があり、その周囲に一つのそれの衛星的な町があり、その外に村落といいますか山間地域の集落があるというような、かつて地方地方の中心都市が果たしてきた役割というものが一体今後も続いていくのかどうかということには今までどおりであっていいということはやっぱり変えるべきではないかと、変えるというのは発想を変えるべきではないかという考えを持っております。
 今まで多くの市民の方から高知市へいっそのこと合併したらという意見も多くあったことも知っております。承知しておりますけれども、我々はやっぱり南国市で合併などという言葉を使わなくても、お互いに機能し合ってやっていけるまだまだ力もあり、夢もあるんだと。
 私は先週の金曜日にいわゆる尾崎県政が打ち出しました産業振興政策ということで、産業別の地域アクションプラン、これの策定委員会第1回目が行われまして、各地域から出ました、南国市はこういうことをやっていこう、第1次産業の浮上のためにこういうことをやっていこう、香南市はこういうことをやっていく、香美市はこういうことをやっていこうというものを各会の代表の方から出し合いまして、それの3市がお互いに連携して目指す方向、これは3市で連携しよう、これは個別にやっていこうというようなことを第1点目、話し合っておりますが、こういうことこそやっぱり地域に根差した、何も合併ではなくてもやっていけるものではないかと、このように思っております。答弁にならんかもわかりませんが、そういう意味でのことでございます。
 そして、最後に広域連合のことですが、これはあっさり申し上げて、中山議員さんおっしゃるとおり、そのとおりだと私は思っております。県がいわゆるこれが県でやるべきと言ったときに全国知事会が猛反発をして、何かわからないうちに市町村広域でやるということになったわけですので、負けるとか勝つとかということではないかもわかりませんが、何か後味の悪いといいますか、ただし私はそうだとしても、やはりこのことには県と市が、県が存在し、各市町村が存在し、市町村は末端の我々一番身近な住民とのかかわりがあるという、少なくても地方自治体組織の中ではやはり協力し合って、こういう財政的に厳しい市町村、全部高知県の市町村は本当に厳しい状態であるからこそ人もお金も出し合ってやっていくということは、あながちそんなにけしからん問題であるとは私は思っておりません。県もなかなか積極的に続け、国保もやろうじゃないかということですので、私はこれは県がやるべき、市町村がやるべきというようにしなくても、ちょっと甘いかもわかりませんが、私はそういうように思っております。答弁にかえさせていただきます。
○議長(西山八郎君) 教育長。
○教育長(大野吉彦君) 中山議員さんから厳しい御指摘をいただきました。今後の教育行政に私のほうから襟を正して生かしてまいりたいと思っております。
 まず、教育格差につきましては学力テスト、巨額のお金が要っているわけでございますが、本市では各学年ごとの到達度把握検査と同じように各一人一人の児童・生徒の学力を分析し、取り組んでまいりたいと思っております。
 中山議員さん指摘のありましたように、必要な資源を必要な現場にという市教委の対応が不十分ではないかという御指摘がございました。この検査結果を踏まえまして、各校長さん方とも相談をし、話し合いをし、各学校の課題、そして地域の課題、その中での学力格差を生まないように適切に話し合って、取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、効果のある学校につきましては、現在御指摘にありました人種、性別、階層等によって異ならない、いわゆる最低限の到達度を達成してほしいということでございます。この点につきましても家庭環境、それから経済力等でいわゆる格差を生まないように、外から、学外からの力を十分に活用しながら、どのような家庭環境であろうとも、いわゆる子供の学力を保証できるように、そして御指摘いただきましたように、先般のとうとい命を失わせたことがございますので、そのことを踏まえ、子供の命を守れるように全力を挙げて学校現場と取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(西山八郎君) 中山議員の持ち時間は1時45分まででありますので、簡潔に願います。1番中山研心君。
○1番(中山研心君) どうもありがとうございました。
 市長のほうからは特に合併問題について、必ずしも合併というゴールではなくても、それぞれの特性を生かしながら競い合い、そしてともに発展していくという方策もあるんではないかということで、多分私、こういう回答をいただいたの初めてですので、また新たな観点で今後そういう推移を見守っていくことになるのかなというふうに期待をしております。
 それから、広域連合については、本当に県が本来果たすべき役割を果たしてないということでの認識は、多分現場の職員も市長も私どもも一緒だろうというふうに思います。こういうような最終的に後期高齢者医療制度の引き受け手が市町村共同による広域連合による事務処理というふうになったことについても、一番身近に市民とふだんを接しておる自治体がその責任から背を向けるわけにいかない、そこの覚悟の差ではなかったかなというふうに思っております。
 道州制の論議いかんにかかわらず、今の独自の課税権さえまともに持っていない県が、このままでは本当に不要論が巻き起こって、基礎自治体300と国との直轄というようなスキームについても、今のままでは現実味を帯びてくるのかなというふうに考えております。そのときに南国市としてきちっと生き残っていけれる、そして住民に対して夢を提示できる、そういう行政を続けていっていただきたいというふうに要望しておきたいというふうに思います。
 それから、教育長のほうから再度お答えをいただきました。すべての子供たちにきちんとした育ちを保証するということで、本当にそれは大事なことで、ぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
 ただ、なお本当に客観的なデータに基づいて必要なところへ必要な人を持っていっているんだよという、そういう証左にするためにも、きちんと状況データの分析とリーダーシップを発揮して判断をしていってもらいたい。とりわけ毎議会のように出てきます旧同和地区に対する子供会、同和対策の延長じゃないかと、ほとんど━━━━━に近いような批判に対しても、ここのところの反論できるだけの反証を数字として持っておるということが非常にこれから大事なことではないのかな。決して私は特別な地域限定の対策を求めているわけではございません。本当に必要なところへ必要なところ、人的な資源を投入しているんだ、そこの自信を持ってきちんと答弁をしていただきたいということを最後にお願いをしまして、すべての質問を終わります。
      (「議長、19番」と呼ぶ者あり)
○議長(西山八郎君) 19番福田佐和子さん。
○19番(福田佐和子君) 中山議員の質問の発言の中に子供会について言いがかりという発言があったんですけれども、これは法律に基づいて、今ない法律についてされている南国市の事業についていつも質問をしているわけで、決して言いがかりと言われる筋合いはないと思いますので、議運で諮っていただきたいと思います。
      (「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(西山八郎君) ただいま福田議員より動議が提出されました。所定の賛成者がありますので、本動議は成立いたしました。よって、後刻議会運営委員会を開いていただき、措置をしたいと思います。

          ―――――――――――*―――――――――――
      発言の取り消し
○議長(西山八郎君) この際、お諮りいたします。中山議員から先ほどの本会議における発言について、会議規則第65条の規定により、不適当な発言があったので取り消したい旨の申し出がありました。この取り消しの申し出を許可することに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西山八郎君) 御異議なしと認めます。よって、中山議員からの発言取り消し申し出を許可することに決しました。