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検索結果 »  平成20年 第332回市議会定例会(開催日:2008/06/13) »

一般質問 1日目(前田学浩)

質問者:前田学浩

答弁者:市長、教育長、関係課長


○議長(西山八郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。2番前田学浩君。
      〔2番 前田学浩君登壇〕
○2番(前田学浩君) 通告に従いまして質問を始めます。
 第1問目は、中・長期的視野に立った市政のかじ取りについて、市長に質問いたします。
 橋詰市長が就任されましてもうすぐ半年が来ようとしております。市の職員として長きにわたって企画課長のほか助役など、市の中枢部におられ、その実績からさきの市長選挙では市民から圧倒的な支持も得られました。当然のことながら、1期で終わることなく、前浜田市長のように2期、3期と続けていただくことを多くの市民は望んでいると思います。
 さて、その中・長期的視野に立った場合の一番大きなかじ取りは、申す必要もありませんが、近隣市との合併です。これまで、市長は助役としてまとめてこられた市の総合計画、そして市長選挙でのいわゆるマニフェストにて合併についてほとんど触れられておりません。合併の問題は、市民の意向が大いに尊重されるわけですが、就任後半年を経過した今、これからの取り組みについてお考えをお聞かせください。
 高知県が2007年3月にまとめた高知県市町村合併推進構想では、南国市の合併先として香美市、香南市が挙げられており、2市の合併特例措置が終了する2015年には合併後の地域づくりがスタートすることが望ましいとされています。また、前浜田市長は昨年の6月議会の答弁にて「財政的に自立していくというためには、一定程度の人口規模が必要であると、そういうような視点から、県内を6つの基礎自治体にするという案は適当である」と高知県市町村合併審議会の問いに答えたと話されています。
 私個人は、まず合併ありきの合併論推進者ではありません。昨年12月の広報紙なんこくにも議員になった後の抱負を述べましたが、広域道州化という流れにも対応でき得る基礎自治体への再構築のために、その要素となる自治区での核づくりをしていくという政治スタンスをとっています。つまり、合併論議を通じて最小の集合体である自治区でのつながりを強化していくというきっかけづくりにしたいのです。橋詰市長に求めたいのは、流されるのではなく、早くより南国市にとってよりよい大きなかじ取りをして、後悔のない取り組みをしていただきたいと思います。合併問題は好むと好まざるとも近い将来検討しなければなりません。いずれにしましても、基礎自治体は大きな変革を求められており、独立の道を進むことになろうとも大きな変革が伴います。
 ここで、私が提案したいのは部長制の導入です。南国市においても、各分野から将来を見据えることのでき得る部長を7名ぐらい選び、南国七人の侍として有能な人的資源を最大限に生かす方法を考えるときに来ていると思います。今の仕事で手いっぱいという声も聞こえますが、成長を続ける企業は一般職員が主幹の仕事をして、主幹が係長の仕事をし、係長は課長の仕事を一定行っており、こうすれば部長の仕事を生み出せます。そもそもリストラという言葉は人員削減ではありません。リストラクチャリング、つまり組織の再構築です。再構築により、職員の中で自分が生かされているという実感が持てる組織づくりができると思います。中・長期的視野に立ち、真の意味のリストラを行い、南国市という基礎自治体を強固にする上でも、南国七人の侍、部長制導入を御検討ください。
 2015年はそれほど遠くはありません。朝の答弁でありました定住自立圏構想は、人口の増大が見込めない限りワンクッションにしかすぎないとも思われます。この6月議会でこれまで触れられていなかった合併についての御意見をお聞かせください。
 続きまして、高知県立の高等学校の入試制度につきまして、課題を質問いたします。
 現在の前期選抜試験、後期選抜試験の方式は平成18年度から実施しております。その前の数年間は自己推薦などの推薦入試という方式が採用されていました。現在、前期選抜試験が1月末に行われ、前期選抜試験の合格者発表は2月初めにあります。そして、次の後期選抜試験が実施されるのは3月10日以降、合格者発表はその後となり、中学校の卒業式とほぼ同じころになります。
 課題というのは、前期選抜試験は公立を目指す子供はほぼ100%受験するわけですが、前期で合格する子供は募集定員からいって約50%となっているため、義務教育最後の非常に大切な時期に1カ月以上も合格者と不合格者という精神的に全く逆の生徒が同じ教室にいて授業を受けてるということです。不合格者がクラスの半数まではないと思いますが、募集定員からいえば半数あってもおかしくないわけで、昨年度の少し事情を聞きますと、10名をはるかに超える不合格者がいるクラスがあったとのことです。
 質問は、まず、1、昨年度の南国市における前期試験の不合格者の割合をお聞かせください。2、入試制度の決定は高知県教育委員会事務局高等学校にあると思いますが、市教委として要望はできないものでしょうか。現在、県立高校教育問題検討委員会で協議を行っているようですが、市教委として要望、提言をお願いします。
 また、希望する学校を前期選抜に不合格になる子供は募集定員上50%もいるわけで、現在とられている中学校でのフォローをお伺いいたします。昨年度の話を聞きましたが、具体的に言いますと、西高を希望していた子供が数週間悩み、再度の不合格をおそれ、安芸高に進路変更したようなこともあったようです。
 先週金曜日に香長中学校の支部懇談会があり、3年生の担任の先生が非常にやりにくいと、私が聞く前に現状をこう伝えました。「前期発表の次の日も一緒に喜べず、普通に学活をして、合格をした子供はすうっと私に寄ってきて合格を報告してくれるが、よかったねと小声で言うだけ」。これを聞くと、本当に中学校でのクラス運営がしにくいことが容易に想像できます。これで卒業前にクラスをまとめていくことができるんでしょうか。
 入試制度を楽にせよと言っているのではありません。また、合格、不合格が出るのも仕方ありません。ただ、1カ月以上もあけるということは義務教育上健全でないと思います。市教委としてできること、取り組むこと、要望できることについて答弁をお願いします。そして、進路担当からの意見など、現状把握を早期に要求します。
 次に、中学校における給食について質問いたします。
 過去において多くの答弁がありますが、とても子育て世代に対して思いやりのある回答ではないと思い、今回取り上げさせていただきました。中学校給食について議事録を見る中で、私や子育て世代の代表として我慢ならない部分もあります。具体的にその答弁を最初にあえて言わさせていただきます。それは、平成18年12月議会初日にて西原議員に対する教育長の答弁です。そのまま読みます。
 「中学校の学校給食につきましても大変熱心な御質問をいただきました。どう答弁したらよかろうかと、私最初、昼前から随分苦しんでいるわけですけれど、本当にどう答えたらいいんでしょうか、私もこの11年間で相当多くの議員さんから御質問いただいておりますが……」、こうあります。この答弁である「昼前から随分苦しんでいるわけですけれども」という点ですが、議事録で確認すると、西原議員の質問が昼前に終わっており、当時の教育長はその質問を昼前に聞いて、昼休みに昼食をとりながら随分苦しんで考えていたということになります。これほど長い間懸案事項になっている問題に対してわずか1時間足らずで考えて答弁しようという姿勢が、全国で評価の高い小学校給食を運営していた責任者だと思うと、悲しささえ感じます。
 平成18年12月の段階は、私は長男、次男と2人中学校におり、妻が冬の寒い中、朝早く起きて弁当をつくっていたことを考えると、この答弁について感情的にもなりますが、ここは抑えて、中学校給食を考えることの必要性を説いていきたいと思います。
 まず、申したいことは、中学校給食の要望は非常に高いということです。私は選挙を通じて多くの声を聞いております。これまで多くの議員が質問してきた理由も市民の要望が高いからだと思います。前回の3月議会で浜田勉議員の質問に対して、大野教育長は保護者からの強い要望はないと答弁されましたが、それを裏づけるものはありません。
 そこで、私の要望ですが、まず一度子育て世代に対してアンケートの実施を強くお願いします。現状把握こそ大切です。市民のアンケート並びに意見を聞くことは、平成17年12月に条例化された南国市食育のまちづくり条例第7条、市は食育を推進するに当たっては広く市民から意見を聴取し、その意見を施策に反映するように努めるものとするとあります。言うまでもありませんが、将来南国市を支える子供たちへの給食は食育における中核と言っても過言ではありません。
 また、この食育推進計画のことで少し触れますが、中学校給食についての項目が見当たりません。これも、過去の市長、教育長答弁の中学校給食を見ると、食育推進計画を策定中で、その中での議論を見守るという内容もありましたが、計画ができてもう一年以上もたちます。ここで言いたいのは、これまでまともに議論すらされてないという事実です。
 そして、なぜ今の時期に検討しないといけないかということです。それは、合併問題と香長中学校の改築に絡んできます。香美市、香南市とも中学校給食を実施しており、香美市の関係者に話を聞きましたが、「いろいろ課題はあるが、要望の強い市民サービス上、中学校給食がなくなることは考えにくい」ということでした。例えば、7年後合併を見据えた場合、南国地区だけ中学校給食をなしという方策はとれますか。これは私の私案ですが、センター式をとるのは財政上難しく、例えば香南中学校へは日章小学校から配送、鳶ヶ池中学校には長岡小学校から配送、北陵中学校には岡豊、久礼田から配送という方法が少子化で小学校に余力がありますので、センター式を新たにとらなくてもできると思います。これにより、今の給食レベルを下げずに初期投資を限りなく抑えることができます。
 問題は、約600名の香長中学校です。ここで、改築が数年後に予定されていることが助け船になると考えます。中国の地震を受けて、国の耐震化に対する補助率のアップが11日に成立いたしました。これを有効活用して、給食の自校式を香長中学校に採用するのです。ことしじゅうに計画づくりを行うとされている香長中学校に、あらかじめ自校式の給食設備が入るスペースを確保していただくようお願いします。
 また、ここに給食設備ができるということは、地震の避難場所についても頼もしい設備になります。現在、地震は東南海ほぼ同時に発生するというのが多くの見方ですが、そうなれば山、海をふさがれた高知県や南国市に助けが来るというのははるか後になるということを覚悟しておかなければなりません。私の次男は現在中3ですが、2日前、隣の香美市、香南市は中学校給食があることを知ってるかと聞きますと、知らないという答えでした。小学校ではあれほど食育、食育とやっておきながら、中学校には給食がなく、食育をテーマにしたものはほとんどありません。近隣市が実施している給食がないことを知れば、南国市を誇りに思っていた彼ら、彼女らの一種の裏切りとも思えます。中学校給食は、新しい市民サービスとなりますが、子育て世代の支援を厚くしていくことが中・長期的な少子化対策にもつながっていくと考えます。
 一方、弁当を持たせてもらえない子供が多くいるとの話を中学校の校長先生から先月の支部長会で聞きました。思春期の子供がどんな思いをしているのでしょうか。こういう子供は大人になったときが心配になります。少人数のためにとも言われるかもしれませんが、私たちは負の連鎖を断ち切らなければならないということも重要な視点として持ち合わさなければなりません。南国市は、ことし2月、負の連鎖を断ち切れなかった、自分は虐待を受けていたというたった1人起こした児童虐待死事件に実に多くの職員の時間と市民からの信頼を損ねることになりました。今弁当を持たせてもらえない子供の概数がどれぐらいか把握していますか。していないならば、早期に把握をしていただくようお願いします。
 中学校給食を始めるということは、食料自給率をアップすることにもつながります。今や自給率を上げることは国家戦力の重要な柱にもなっています。また、現在の学校給食は南国市の食材を重視し、地域の農業生産、地産地消にも貢献しています。昨日の高知新聞の社説、「県農業将来像」はこう結ばれておりました。「最近では、消費者の安全・安心志向で高知野菜の需要が伸び、学校給食などによる地産地消の取り組みも広がっている。こうした追い風を取り込み、将来像を明確にしながら、希望の持てる農業の振興策を模索したい」と。これは特別な意見だと思いますか。私は至極普通だと思います。なぜ、県内一の農業先進地の南国市が農業振興を考える上でも学校給食をちゅうちょする必要があるのでしょうか。
 中学校給食において、過去の管理職の話で、生徒に弁当をつくらすとか、お母さんがつくった弁当に愛情ビタミンがあるというような話を聞いたことがありますが、現役の保護者として現実離れしているというふうにしか聞こえません。現実にリンゴの皮をむけない子供が大半であること、弁当をつくる側が共稼ぎで忙しく、弁当のおかずに中国産の冷凍食品に頼っている家庭が大半であることが、残念ながら今の現状です。それより子供には学力の対策を、保護者には子育て世代の支援としての学校給食の充実を、これが子育て世代の市民からの市政に対する強い要望だと思います。
 最後にもう一度、給食は食育における中核事業です。食育のまちづくり条例第7条に沿った形で保護者へのアンケートの実施を重ねて強く要望します。協働の社会づくりの基本は市民の意見を聞くことから始まります。3月議会の答弁でありましたが、本当に保護者の強い要望はないと思っていますか。私は、8割から9割以上の子育て世代の強い要望があると思います。市長並びに教育長の答弁をお願いします。(拍手)
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 橋詰壽人君登壇〕
○市長(橋詰壽人君) ただいま前田議員さんのほうから学校給食、その他のこれからの中・長期的な市政のかじ取りにつきましていろんな御提言も含めまして御質問いただきました。ありがとうございました。
 それでは、私の考えも含めまして御答弁差し上げたいと思います。
 まず、合併の問題でございますが、合併につきましては今日までといいますか、お隣の香美、香南市が新しく誕生するまでの県の動きなどにつきましていま一度振り返ってみたい、このように思います。
 いわゆる市町村合併につきましては、高知県市町村合併審議会が平成18年11月20日に知事に答申を提出をいたしまして、それを受けた県は平成19年3月に高知県市町村合併推進構想を策定いたしました。そして、県内6ブロックごとに知事が出席いたしまして、合併に関する説明会を開催したわけでございます。その同年に5月20日に南国市農協会館で開催されました説明会には、物部川流域ブロックの現在の香美市、香南市、南国市から市議会議員さんを初め首長、あるいは職員、大勢の市民の方が参加されまして、知事からの説明を受けたわけでございます。
 県の策定いたしました合併推進構想の要旨は、2015年までに県内の自治体を6つの自治体に再編する、6つの自治体と県とが仕事を分担し合いまして、県、市一体となって行政サービスを担うものである、そして合併しても旧市町村ごとの特色を守るために地方自治法の市町村合併特例法に法的根拠を持つ地域自治区を設けることも提起されておりました。合併の時期につきましては、地方行財政を取り巻く環境の厳しさから、できるだけ早く取り組み、周辺市町村が合併したため直ちに取り組むことが困難な南国市、須崎市、梼原町を除き、2009年末までの合併新法期限内の合併が望ましいと、このようにしておったわけでございます。本市を含む物部川流域ブロックにつきましては、当面は広域行政の拡充による連携を強化し、その後、新旧の合併特例法で合併した自治体に対する特別措置が終了する2015年をめどに合併を済ませ、一つの市としてまちづくりを始めることになっておると、こういうことでございます。
 先ほど少し前田議員さんが触れられました前浜田市長の見解、これは私が申すまでもないわけでございますが、私は当時から非常にさすが浜田市長はよく見ておるなあというように思われたわけでございまして、これもいま一度振り返ってみたいと思います。
 当時浜田市長は、「私は財政的に自立した一定程度の人口規模を持つ自治体としては、県内を6つの基礎自治体として物部川流域の3市が1市にまとまるという県の示した構想は現実的であると思っています。その理由は、本市と香美、香南市はともに物部川流域にあって、これまでごみ処理や斎場などといったようなさまざまな共同事業を行っていること、また最近では健康づくり、あるいは産業振興ビジョンといったことも共同で研究していること、さらにこの圏内には高知大学医学部、同農学部、高知工科大学、高知高専などの高等教育機関や研究機関が立地しており、これらとの連携を進めることにより、新しい産業の創設や企業誘致、地産地消に対応できる農業振興といった、高知市とは別の意味で新しい産業拠点を築ける可能性があること、さらに交通基盤や商業機能の一定の集積があることでございます」と、このように述べております。そして、この中では述べていないんですが、一定程度の人口規模を持つ自治体とは言うまでもなく、地方交付税の中でもうたわれております人口10万都市、こういうことが大きな意味を持っておるわけでございます。
 そこで、御承知のように、まだ合併して間もないお隣の香南、香美市でございます。合併には当然相手がございます。今時々香南、香美市の市長さんともお話しすることが多いわけでございますが、非常に合併のためのメリットもたくさんあるでしょうけれども、職員の数の問題であるとか、議員さんの数の問題であるとか、新しい庁舎の問題であるとか、いろいろまた課題もあるようでございます。そうした2つのお隣の市というのは合併してまだ日が浅い、合併特例債の活用でまちづくりを始めたばかりである。今すぐこの3市合併はそういうような事情もあり、なかなか困難が伴うし、まだ南国市のほうから声がけをするという時期ではないと、このように私は思っております。
 一方では、そういうことでございますけれども、一部事務組合の統合であるとか、介護保険などの広域化の問題、物部川ブロックの広域行政のあり方の研究であるとか、その積み重ねの上に立ってできるだけ早い時期の合併をするという一つの将来に向けての構想を持つべきではないかと、このようにも考えております。広域行政につきましては、本年度に入って3市と県で検討会を開催しておりまして、その結果も踏まえまして今後の合併問題に対応してまいりたい、このように考えております。
 次に、これまた大変重要な提言をいただいたわけでございますが、部長制の問題でございます。部長制イコール組織が肥大化といいますか、今の行財政改革に逆行するとは私も思っておりません。これが組織の再構築につながり、効率的な組織運営ができるということであれば、これはまたそういうことも視野に入れていきたいと思います。今引き続き、職員の総数の問題、これを既に計画、たしか私の記憶ではあと12名ぐらい減員ということに目標達成にはなっておると思うんですが、こういうことも含めまして組織の再編成を考えておりますし、来年に向けての再編、これもこれから議会が終われば検討に入るわけでございますので、そうした中でもこういう提案も考えながら再検討をさせていただきたい、時間もいただきたい、そのように思います。
 御承知のように、県内での自治体で部長制をしいておるというのは飛び抜けて規模の大きい高知市のみでございます。かつては土佐市も部長制をしいておりましたが、これも恐らく行政改革を進める中で行政組織のスリム化ということで何年か前に廃止されたと聞いております。現在、集中改革プランで定員管理の適正化を行っておりまして、職員数の削減目標を定めているプラン期間中に部長制をいきなり導入するということは大変困難な部分もあろうかと思いますけれども、せっかくの提案もいただいております。そして、前田議員さんは民間経験もおありでございますので、そうした御意見も拝聴しながらこの問題を違う角度から検討していきたい思いますので、そのときにはひとつまたよろしく細かい御提案もいただきたいと、このように考えます。
 それからもう一つ、私のほうから少し考え方を述べさせていただきたいわけでございますが、学校給食の問題でございます。これは、正直言いまして、今まで余り前市長も、私副市長としても学校給食問題に触れたこと、あるいは議会で答弁したことはないと思いますが、常々思っておりましたことの一端を述べさせていただきたいと思いますし、私は中学校給食につきましてはこういうような、先ほど西原議員さんの教育行政について答弁をいたしましたことと重複いたしますが、もう一度この考え方を確認したいといいますか、そういうことをしておきたいと思います。
 御承知のように、先ほどの答弁にもありましたように、文部科学省の指定事業でございます子どもの健康を育む総合食育推進事業ということで、これで現在取り組んでおるわけでございますが、食育の取り組みに対するこれは第一に学校間の温度差を解消すると、こういうことになっております。このためには、やはり小・中の連携ということが大変大事であるという考え方がございます。そして、この学校給食を生かした食育学習プログラムの開発、これを高知大学教育学部との連携のもとで進めておる、この学習プログラムにより、小学校段階で学校給食を素材にしたお弁当づくりの力を身につけ、このことが中学生になって自分でお弁当をつくる実践力を持った生徒の育成につながることを目標としておる、こういうようなことが一つのねらいである、これ大事なことだなあと、私はそのように考えております。
 別に前田議員さんの言葉じりを全くとらえて物を言うというような考えは毛頭ございませんけれども、先ほど少し前田議員さん触れられました、議員さんの奥さんが子供のために冬寒い中、愛情を持ってお弁当をつくられておると、こういうことは、逆に言えば、お弁当を持たせてもらった子供は非常に毎日のことでそんなに態度には出さないかもわからんですが、一方では非常に親の愛情といいますか、そういうものをひしひしと受けながら成長しとる、このようにも思います。
 ただ、一方では、じゃあお弁当の問題、それはお母さんがつくってくれるお弁当もあるわけですが、その一方では今日結構24時間の店のお弁当をそのまま持っておる子供もおるやに聞いております。ですから、部分的にとらえれば、学校給食の問題、部分的といいますか、いろんな問題をはらんでおるわけですが、一口がなかなかいかんのじゃないかと、このように思います。
 もう一つ、これは当然我々行財政改革を進めておる立場から考えますと、学校給食には初期の投資も当然要るわけでございます。これは、私どものある担当の係が少し研究した段階での経費の問題でございますが、中学校1校当たりの学校給食を始めようとしたら1校当たり初期投資が約1億円かかると、ランニングコストが6,000円、これすごく大まかな額でございますが、そういうことも視野に入れながら検討も加えていかなければならないと思っておりますので、全部即答を別に避けておるわけではございませんが、少しこれも検討させていただいて、随分長い時間をかけていろんな議員さんから御意見もいただき御提案もいただいた、この問題でございますが、私は少なくとも最後に言わせていただいたような現在は考えを持っております。御答弁にかえさせていただきます。
 以上です。
○議長(西山八郎君) 教育長。
      〔教育長 大野吉彦君登壇〕
○教育長(大野吉彦君) 前田議員さんの御質問にお答えをいたします。
 初めに、昨年度の南国市における前期試験の不合格者の割合と不合格者に対するフォロー体制、そして入試制度の見直しについてでございますが、昨年度公立学校を受験した総数の中に占める不合格者の割合は34.8%でございます。前期選抜試験の合格定員が全体の50%でございますので、その数値の比較だけであれば南国市全体としては65%近くが合格しているわけでございますので、よい結果が出ているのではないでしょうか。
 ただ、そう申しましても、実際に35%弱の生徒さんが残念な結果となっていますので、その生徒に対する学校の対応はとても重要であると考えております。学校が行っています具体的な手だては、後期選抜を受ける生徒と保護者への対応、前期選抜で合格した生徒への対応が行われています。例えば、前期選抜で結果が出なかった生徒さんに対しまして学級担任が個人面談を行い、心のケアと後期選抜に向けた学習計画をアドバイスするとともに、保護者と連絡をとり合い、家庭での様子も把握しながら生徒へのかかわりを持っています。また、合格した生徒に対しましても、個別面談を行い、学級全員が希望進路に進めますよう応援する心の気配りと学級の雰囲気づくりに努めています。
 現在の高等学校への進学率は統計課の資料によりますと平成19年3月実績で全国、高知県、南国市ともに97%の大多数の生徒が進学をしている状況の中で、各校がそれぞれ工夫をしながら希望する進路に進めるよう取り組みをしているところでございます。先ほど触れました平成19年度の結果につきましても、南国市内の中学校の努力の成果であると思います。
 しかし、常によりよい制度の構築に向けた取り組みは欠かせないものであり、市教委としましては中学校との連携を今後も継続していかなければならないと考えています。ちなみに、20年度に対する公立学校の日程をちょっと申し上げます。
 前期試験というのは1月30日金曜日と31日土曜日、2日間にわたって入試が行われます。合格発表が4日後の2月4日水曜日でございます。その1週間後には後期選抜の願書の受け付けが始まります。2月10日火曜日から2月13日金曜日までが後期選抜への願書の受け付けでございます。したがいまして、4日の合格発表を受けましてから前日の2月9日までに本人、保護者と面談をしながら後期選抜受験校を決めなくてはならないという日程になっております。しかも、その後2月17日火曜日からは早くも後期選抜受験校の志願先変更の受け付けに入ります。県下的な志願先を見ながら、17日、18日、19日の3日間のみ1回だけ志願先変更が受け付けられます。その後、2月20日金曜日から2月26日までの間に学校教員はいわゆる報告書をすべて書き上げ、高校側に提出しなくてはなりません。後期試験は3月10日火曜日と11日水曜日、2日間行われまして、合格発表は卒業式が20年度は14日の土曜日がほとんどだったと思うんですが、16日月曜日に発表されるという日程でございます。
 実は、公立学校のみでもこういう日程です。実は、この間に私立の学校、国立高知高専の試験等が入ってきておりますので、非常な過密スケジュールで行われております。その後、万が一後期選抜にも残念な結果に終わられました方は18日水曜日と19日木曜日に再募集のある学校への願書提出というふうになってまいります。その後、まだタブ性とか定時制の特例願書提出ということも含めて3月31日まで続いております。そういう意味におきまして、非常に学校としてはぱっと見たら合格発表から次の試験まで1カ月あるようでございますけども、中身につきましては公立のみならず、私学、国立等の入試も含めて非常に子供さんにとって、保護者にとって、また教員にとりましてもいろんな県下の状況を見ながら、本人の力をかんがみながら最終的には本人の希望がかなえられますように判断をし、受験を指導していくということになってまいります。
 特に、私が思いますのは、クラスで嫌な思いをさせないようにクラスをまとめていくということに関しましては、やはり3年だけではなくって小学校も含めて、私の経験からも1年、2年、3年、中学校3年間通した学校教育のあり方がこのときに出てくるんではないだろうか、そんなふうに感じます。逆に、私の経験からは、このお友達が落ちたことに対してお友達を思いやる、仲間を思いやる、一緒に最終的に自分の希望へ進めるように、そういう心配りがあればお互いの信頼関係があり、逆に友情を深め、思い出をいい方向に持っていくことができるんではないか、お互いに成長していくことができるんではないか、そんなふうに考えております。
 ただ、そう申しましても、現在県教委レベルでも県立高校教育問題検討委員会で協議が行われています。私ども市教委レベルでも高知県市町村教育委員会連合会の中で入試制度につきましては現状を出し合い、その中で県教委への提言ということも考えていかなければならないというふうに思っています。
 以上でございます。
 次に、御質問のございました中学校給食についてでございますが、先ほど市長さんのほうからも御答弁がございましたが、中学校の給食につきましては私もこの3月議会でも少し御答弁申し上げらせていただきました。市教委といたしましては、現在も具体的な計画は今のところ持っておりません。本市中学校における家庭弁当の持参率は約9割でございます。家庭弁当がほぼ中学校内、各学校に定着していると言えます。
 ただ、保護者の体調不良などさまざまな理由から家庭弁当を持参できない場合もあろうということは考えられますし、保護者にとりましてはお弁当づくりは大変な面もあろうと思います。ただ、中学生の年代は第2次成長期に入りますし、身長、体重等、体格、体力の成長にも目をみはるものがあり、同時に精神面では思春期特有の心の揺れや成長の過程で見られる反抗的な言動も出てまいりますし、家庭での会話も少なくなってくる時期に保護者の愛情がいっぱい詰まったお弁当はおなかがいっぱいになることはもちろんですが、それ以上にありがとう、おいしかったよというお子さんの心が保護者の温かい愛情で満たされることが、保護者と子供との心のきずなを紡ぐという大きな効果がお弁当にあるのではないでしょうか。
 そこで、学校給食における食育のこれからの展望は食の自立であり、本年度文部科学省の指定を受けた子どもの健康を育む総合食育推進事業に取り組み、その中で学校給食を生かした食育学習プログラムの開発を行い、小・中学校の連携による義務教育9年間で系統的に食への関心、意欲、態度を育てるとともに、中学生になって自分でお弁当をつくる実践力を持った生徒を育成することに努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 保健福祉センター所長。
      〔保健福祉センター所長 溝渕 勉君登壇〕
○保健福祉センター所長(溝渕 勉君) 前田議員さんが中学校給食の実施につきまして食育推進会議で論議したかということについて触れられましたので、お答えをいたしたいと思います。
 平成18年12月議会第322回におきまして、西原議員、浜田勉議員さんの中学校学校給食についての御質問に市長は、「市の食育推進計画を現在策定中です。その食育推進会議委員の中に学校現場等の先生方もおられるので、論議していただきたい」と、このように答弁をいたしております。
 そこで、19年1月9日の食育推進会議作業部会及び同年2月23日の食育推進会議におきまして、その学校給食の実施につきまして論議をいたしましたので、賛成、反対という形で紹介をさせていただきたいと思います。
 賛成と考えられることを紹介いたします。
 「朝食をとってこない生徒がいる、そのような現状ではこの子供たちにとって行政として手を差し伸べるべきだ」「保護者の中には、以前から実施してほしいという声はある。3食とも孤食の子供たちにとってはよい食環境になるのでは」「中学生という育ち盛りの年齢の時期に栄養のバランスのとれた食事をとることができる。このことにより、栄養の偏りなどを防ぐことができる」「給食という集団の時間を持つことも必要だ」「食材を通じて教材になるのではないかと思う」などであります。
 一方、反対と考えられることを紹介をいたします。
 昼食を給食に依存することになり――先ほど教育長、市長も申し上げましたが――親とのかかわりや触れ合いの機会が減る、これは圧倒的な意見が多かったわけですが、「自分の子供の食管理は親がすべきだ」「南国市の取り組んでいる食育の方向は中学校給食につながるか疑問である。子供はこのことをどう考えているのか」「給食は小学校までで、中学校はそれまで培ってきた知識を生かす時期ではないのか」「親を楽にするための給食ではない」「財源が大きな問題である。一度始めるといろいろな負担が生じてもやめられない」「集団給食となった場合、栄養所要量に基づき献立が立てられるため、成長期にある中学生に対しては過不足する場合が考えられる。例えば、男女差、体格差、運動量について」でございます。
 以上、食育推進会議におきまして論議した内容を御紹介いたしました。
 以上です。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) それぞれ丁寧な御答弁ありがとうございました。
 合併につきましては、アクセルを踏む時期を逃したら今度は燃料切れになるなど、アクセルを幾ら踏んでも前に進まなくなりますので、その点はどうかよろしくお願いいたします。
 高校入試につきましては、親も子供も切実な願いですので、前期試験の合格者率を上げるなど、現場の声を県教委にお伝えくださるようお願いいたします。
 さて、学校給食ですが、もう少し学校給食の重要性をお話ししたいと思います。
 まず、子供に弁当をつくらすということですが、中学生はクラブ活動を行っており、私の子供などは朝の6時半にはもう学校に出ております。それで、帰ってくるのが8時過ぎております。おふろに入って、夕御飯を食べて、勉強もしないといけませんので、物理的に弁当をつくることは不可能だと思います。それを最終的な目標にするということは、そうする場合、クラブ活動の時間を短くするという方策を逆にとらないといけなくなります。
 次に、市政報告のお話であった土佐フードビジネスクリエーター人材創出の件ですが、私は仕事で農産物のブランド化や加工品の開発をいろいろしてきましたが、給食のステージを使った1次産品の加工食品化ということこそ、単なる地域おこしでなく、産業に結びつける近道であると思います。給食に採用されるだけの品質とコストを満足させる加工品こそ、ビジネス上で成功が約束されます。具体的な公有手段戦略です。
 南国市には、孟宗竹、ハチク、マダケ、そして四方竹が収穫できます。タケノコ全般にはうまみ成分のチロシン、アスパラギン酸などのアミノ酸があり、チロシンは成長を促す作用、アスパラギン酸は疲労回復作用などがあるとされております。そのチロシンを給食で多く摂取することにより、生徒の身長が高くなるような効果が出てくる可能性があります。こういうことをデータ化し、商品展開をしていく、こういう手段の戦略が、今後のフードビジネス、また人材育成において新たな道になってくると思います。
 学校を核とした地域づくりは、地域の教育力の再生のみにとどまりません。改築と給食設備により、地震の避難場所としての高機能なセーフティードームの創造、さらに競争力のある1次産品の加工品化という産業創出の夢も見えてきます。私は、新しい香長中学校が香長平野の地域づくりの核となるような期待を持っています。
 給食につきましては、保護者の意見を聞いていただき、中学校給食の前向きな御検討をぜひお願いいたします。
 2問目の答弁は特に要りませんが、最後に、香長中学校の早期改築を一保護者としてもお願い申し上げます。
 以上で質問を終わります。