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検索結果 »  令和3年 第420回市議会定例会(開催日:2021/03/05) »

一般質問3日目(野村新作)

質問者:野村新作

答弁者:市長、関係課長


○議長(土居恒夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 引き続き一般質問を行います。17番野村新作議員。
      〔17番 野村新作議員発言席〕
○17番(野村新作) 17番、なんこく市政会の野村でございます。
 南国市の森林行政と請願について質問させていただきます。また、通告にございませんが、昨日の岩沼の10周年の追悼式の感想を市長に求めたいと思います。
 森林は、林産物の生産、国土の保全、水源の涵養、自然生活環境の保全等、多面的な機能の発揮を通じて、地域住民の生活と深く結びついています。さらに、地球温暖化を防止するためのCO2の吸収・貯蔵の機能等、森林の重要性は地球規模で考えなければなりません。この貴重な森林資源の南国市の現状を見ると、戦後営々と続けられてきた造林の推進により人工林面積は3.751ヘクタールで、人工林率は62%となっており、県下でも有数の人工林地帯を形成しています。
 そこで伺います。
 一般的にあまりなじみがありませんが、南国市が所有する市有林、資料によると面積は156ヘクタール、総面積比率2.6%は、場所、樹種、手入れはどのように行っているか、本年度7,339万9,000円予算計上されているが、どのように予算執行するか、お伺いをいたします。
 これらの森林に対する適切な間伐、保育等による森林整備が重要な課題ですが、林業の採算性の悪化などにより林業生産活動が全般的に停滞し、間伐、保育等が適正に実施されず、水源涵養機能や国土保全機能が十分発揮できない森林が存在するようになっています。このような状況から、今後の森林施業は間伐、保育等の森林整備を積極的に実施するとともに、経済性重視の単層林のみの施業を見直し、長伐期施業、複層林施業、生態学的に地域に適した多様な樹種を導入する施業を実施し、水源の涵養や自然環境に配慮した森林整備を進めなければなりません。そのため適正な森林管理の基盤となる路網整備を、森林に及ぼす影響を最小限に抑えながら推進する一方、森林組合や林業事業体の育成・強化、施業の共同化の促進、環境保全の積極的な啓蒙を通じて、森林所有者に対し、環境に配慮した経営への意識向上を図らなければなりません。森林の有する公益的機能は、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や水源の涵養等、国民に広く恩恵を与えるものであり、適切な森林の整備等を進めていくことは、我が国の国土や住民の生命を守ることにつながる一方で、所有者や境界が分からない森林の増加、担い手不足等が大きな課題となっております。
 このような現状のもと、平成30年に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室ガス排出削減目標の達成や、災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する点から、国の森林環境税が創立されました。森林環境税は、国内に住所を有する個人に対して課税される国税で、令和6年度から市町村において個人住民税均等割と合わせて1人年額1,000円が課税され、その税収は私有林、人工林面積、林業就業者数及び人口を用いた客観的な譲与基準により、全額が森林環境譲与税として都道府県、市町村へ譲与されます。森林環境譲与税は、都道府県、市町村がそれぞれの地域の実情に応じて森林整備及びその促進に関する事業を幅広く弾力的に実施するための財源として活用され、市町村への譲与は令和元年度から行われております。森林環境譲与税は、与・野党全員の賛同を得て成立されております。
 平成21年6月4日、長期優良住宅の普及の促進に関する法律が施行された。この法律は、住宅を長く大切に使うことで、住宅の解体などによる廃棄物を少なくし、環境への負荷を減らし、私たちの住宅に対する負担を軽くするとともに、より豊かで、より優しい暮らしへ向きを変えていくことを目的としています。そして、いいものを造って、きちんと手入れして、長く大切に使う住宅のストック型社会という、これからの住宅社会の在り方を方向づける長期優良住宅認定制度が制定されました。今まで日本の住宅は30年、アメリカは55年、イギリスは77年と比べ、とても短うございます。日本は高度成長期、とにかく住むところを構えようとして、住宅をいっぱい造りました。当時は資材も足らなかって、質のよくない住宅がいっぱいできました。それが時代の流れとともに、少子・高齢化や地球環境、廃棄物処理らのいろんな社会問題が起こってきて、量から質の向上をしなくてはならなくなって、造っては壊す住宅から、いいものを造って、手入れして長く大切に使う、よい住宅を蓄えていこうという方向へ日本は変わってきました。
 南国市には、貸家長屋建て580戸をはじめ、アパート・マンション型共同住宅が総数5,830戸、これは平成30年国勢調査の資料にあります。入居者は、皆がマイホームを持つことを人生の最大の目標としているのではないでしょうか。しかし、土地込みとなると、すぐには手が出ません。子育てもあります。ここに興味の湧く資料があります。香美市木材住宅支援事業(香美Ing Wood House Support Project)、平成27年度から実施されており、香美市内に市産材を使って建てる木材住宅を対象に最高180万円の補助金が出る事業、これにプラスこうち木の住まいづくり助成事業100万円、計280万円、これは魅力ではないでしょうか。平成27年度から令和元年度の5か年で事業計画を行い、第1期として実施されました。第2期として、事業を継続し、令和2年〜6年度の5か年事業で実施されております。申請者は、香美市内80件、香美市外35件。担当の職員さんに人口増につながっているかとお伺いしますと、補助金があるから香美市への移住を決めたという話はありません。しかし、本事業の目的である香美市産材の利用拡大という面においては、平成30年度に実施した補助金利用者へのアンケートにより、本補助金がなければ市産材の利用はしなかったという回答を多数お寄せいただいており、効果があるものと思われます、そういう回答をいただきました。いわゆる木材の地産地消ではないでしょうか。
 続きまして、請願についてお伺いいたします。
 平成28年度以降、請願が11件出されており、採択・願意妥当6件、継続1件、不採択・願意認め難し1件、出したものの取り下げたものもあります。請願とは、国民に認められた憲法上の権利の一つであり、憲法第16条は「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人もかかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と規定する。ここで言う請願は、上記の事項に関し、国民が国または地方公共団体の機関に対し希望を述べることを言い、請願法においては、この法律に適合する請願は官公署においてこれを受理し、誠実に処理しなければならないとする。未成年者、成年後見人も構わない。法人、外国人にも認められている。請願制度は、歴史的に見ると、封建君主が持っていた絶対的権力によって侵害され、制約されていた人民の権利を救済する制度として作られ、今日に至っております。議会の開会中、閉会中を問わず、所定の要件を備えて提出されると、議長はこれを受理しなければならない。請願の採択とは、議会が請願内容に賛成であるという意思表示であるが、その請願の実現について、法律上は何らの保証規定がありません。しかし、採択された以上、議会はその実現について最善の努力をすべき、政治的、道義的に責任を負うことになるものであります。
 平成31年第406回議会に上程され、3月19日に採択された明見保育所駐車場ホールの増築についての請願、要旨は、土地の拡充、ホールの増設を望む、子供たちの安全のため、園舎に隣接した駐車場を作ってくださいと1,724名の署名があります。最近、住民の政治に対する関心の高まりに伴って議会に対する請願も多くなり、また内容も複雑となっています。請願の妥当性と実現の可能性とされている請願の審査に当たって、執行機関の意見を尊重するあまり、議会の自主性を失ってはなりません。請願の審査は議会の権限であり、執行機関の意見はあくまでも参考にすぎないものであるから、これに拘束されることなく、議会が自主的に判断し、結論を出すべきであります。
 採択の通知を受けると、直ちに問題が解決し実現するものと誤解することがあり、結果的には相当期間経過しても実現せず、かえって議会の責任を追及されて、不信を買うことにもなります。議会の責任は、請願を採択したことによって終了するものではなく、住民の要望に応えて、その実現を図ることにある。したがって、年2回程度は採択した請願の処理状況と結果を求めて検討し、必要な措置を講じて、最後まで請願者に対して責任を取るべきものであるとあります。今回の質問に関連します。答弁をよろしくお願いします。
○議長(土居恒夫) 答弁を求めます。市長。
      〔平山耕三市長登壇〕
○市長(平山耕三) 野村議員さんの昨日の追悼式についての感想ということでございまして、それに答弁させていただきます。
 昨日3月11日、岩沼市の追悼式へ行ってまいりました。まず、3月11日で10年たつということでございまして、この区切りの日に各地でイベント、行事が開催されたようでございます。それで、空港へまず降り立ったときに、空港で東日本大震災のパネルの展示、また3・11絆とかたどったソーラーの灯籠の設置というものがされておりました。また、被災された方から提供いただいたということでございますが、グランドピアノが空港に設置されておりまして、その屋根の部分にはユンボで傷がついたであろうひっかき傷が残っておりました。そういうピアノを空港に設置して、そちらへ来られた方が自由に弾けるような展示がなされておりました。そういった取組、これから東日本大震災を忘れることなく、風化させることなく、後世へ引き継ぐという役割を担っているのだなと思いました。また、式典は200人を超す参加者で厳粛に行われたところでございまして、2時46分、黙祷をささげ、その後献花を行いました。
 追悼式へ参加する前に、災害の集団移転の団地であります玉浦西の町へ少し寄っていただいたところでございまして、玉浦西の町もすっかり植栽が伸びて、町自体がもう岩沼市に溶け込んだような、集団移転の団地であるということが感じられないような、そういった雰囲気でございました。また、海岸にはもちろん千年希望の丘があるわけでございまして、その内側に、内陸部にはかさ上げ道路もあり、すっかり災害対策もなされた後で、少し落ち着いたかなと、災害があったことが忘れられてしまいそうな、そういった自然な環境になっておりました。
 そういったことを見たときに、やはり人は徐々に記憶というものは薄れていって、災害時の本当につらい思いっていうことも、やはり少しずつ薄れていくものであるというようにも思ったところでございまして、そういった災害の悲惨さ、つらさ、そういったものを、今後岩沼市との交流も続ける中でそのたび思い返し、忘れることがないようにしていく。そして、今後南国市で、また高知県で、大きな南海トラフという災害に立ち向かっていかねばならないところでございまして、それへの教訓として、いつまでも生かしていく必要があるのではないかと思った次第でございます。
 今後も岩沼市と連携を深めながら、情報を共有しながら、南海トラフ地震に対して力強く対応をしていかねばならないと思った次第でございます。今後とも引き続き南海トラフ地震対策を力強く進めてまいりますので、どうぞこれからもよろしくお願い申し上げ、私の答弁とさせていただきます。
○議長(土居恒夫) 農林水産課長。
      〔古田修章農林水産課長登壇〕
○農林水産課長(古田修章) 野村議員さんの御質問にお答えいたします。
 まず、本市の市有林についての御質問でございますが、市が所有している山林の中で、農林水産課で担当している市有林につきましては、中ノ川の中ノ川山と黒森山、黒滝の影山、桑ノ川の屋根松山、才谷市有林、天行寺市有林の6つでございまして、これら市有林の間伐等の施業を担当しております。
 御質問の樹種につきましては、それぞれ杉、ヒノキを植栽しておりますけれども、尾根筋にはヒノキ、谷筋には杉など、林地の地形、土壌に合わせた植栽をしております。手入れとしての保育管理につきましては、植栽後に下刈り、除間伐、切捨て間伐等を、補助金等を活用しながら、それぞれの市有林で適切に実施をしてきたところでございます。
 また、令和3年度当初予算に計上しております市有林保育事業につきましては、中ノ川、黒森山と桑ノ川、屋根松山で実施をするものでございますが、まず中ノ川、黒森山につきましては、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響への支援ということで、香美森林組合への雇用維持、人材育成を目的に実施をいたしました、中ノ川、黒森山の搬出間伐を令和3年度にも継続して、残りの21ヘクタールについて実施をするものでございます。事業費といたしましては、3,302万円となっております。
 また、桑ノ川の屋根松山につきましては、平成29年の台風被害による風倒木の整理0.25ヘクタールを実施するに当たりまして、風倒木除去後の再造林、また市有林の搬出間伐13.35ヘクタールについても実施をするというものでございます。事業費といたしましては、4,037万8,000円となっております。どちらも補助事業の活用と搬出間伐の木材売上代金等によって、市としての負担が発生しない形で実施をする予定としております。
 そして、本市の新たな森林管理制度に取り組むに当たっての森林環境譲与税の使途といたしましては、当面は森林経営管理法に基づく意向調査の費用、そして意向調査の結果に基づいて必要となった森林の境界明確化の費用として進めていきたいと考えておりますが、令和3年度につきましては、先ほど申し上げた中ノ川、黒森山市有林の搬出間伐によって、市有林産の木材を森林の整備また木材利用の啓発に活用できる、またとないチャンスでございますので、中央地域交流センターで幅広い市民の方々が使用するための什器といたしまして、市有林産の木材で製作した木製のテーブル、椅子等を森林環境譲与税を活用して購入をする予定としております。残った額につきましては、意向調査の結果として市が委託を受けた森林の計画的な整備を行っていく費用として、基金に積み立ててまいります。
 最後に、木造住宅を建築する際の助成についてということでございますが、香美市でもその事業に年間15件、高知県の事業でも年間300件ほどの申請があるということですので、木材の利用を啓発し、木材利用の需要を高めるためには効果的な施策ではないかなと考えます。県内で実施されている市町村は、いずれも林業が主要な産業となっているところがほとんどでございまして、本市とは状況も異なりますけれども、財源となる交付金等の有無も含めて検討させていただきたいと思います。以上です。
○議長(土居恒夫) 子育て支援課長。
      〔溝渕浩芳子育て支援課長登壇〕
○子育て支援課長(溝渕浩芳) 野村議員の請願についての御質問にお答えいたします。
 御質問にありましたように、明見保育所駐車場、ホールの増築についての請願でございますが、平成31年3月議会において願意妥当として採択されております。
 明見保育所は、昭和62年に建設された保育施設であり、当時の保育ニーズからだとは思いますが、保育室が3室と遊戯室といった構造になっており、昭和62年10月の園児は33名でございました。その後、明見保育所におきましても1歳児保育を開始したことや、保育ニーズの高まりから、令和3年3月では58名の園児を受け入れておりますが、受入れ園児数の増加による保育室の不足や、園児の送迎時の駐車場の問題などが課題となっております。
 駐車場、ホールの増築を行うには、現在の敷地の周辺の用地を購入する必要がございますので、現在周辺の農地の地権者の方々の下にお伺いし、用地を購入させていただけないか、御協力をお願いしているところでございます。地権者の方々には一定御理解をいただいておりますが、購入まで至っていない状況でございます。
 園児がよりよい保育環境で保育所での時間を過ごすためには、ホールの増築や駐車場の整備は不可欠であるとの認識は変わっておりません。今後も引き続き関係者の皆様方に御理解、御協力をいただけるよう、努めてまいりたいと考えております。
○議長(土居恒夫) 野村議員。
○17番(野村新作) 御答弁ありがとうございました。
 南国市が市有林を持っちゅうということは、市民があまり知らんがやないろうかと思います。実際に現地へ行って、見てまいりました。木材も大事でございますが、健康増進のために森林浴、それと渓流が物すごくきれいでしたね。仁淀ブルーがあるけど、南国ブルーというても構んじゃないろうかと、そういう感じがいたしました。それで、杉の木を真下で見ると真っすぐ伸びていて、青空へぐっと伸びていて、正確そのもので、私の性格とよう似ちゅうがよ、真っすぐで、真面目で。物すごく迫力は感じましたね。そういうところを歩いて、坂もあまりありませんけど、結構健康増進に役立つんじゃないろうかと思います。それと、これから先は南国市産材のいろいろ、図書館とか、西部の保育所とか、予定されておりますが、ふんだんに使ったらいいんじゃないろうかと、そういうふうに考えております。
 私たちがまだ小さいときでしたか、昭和30年前後でございますが、分収林というのがはやりまして、岩原のほうへ皆行っていたと思います。山を借りて、植えて、間伐をして、売れるときは山の持ち主が30%、あとの70%が分収林の所有者と。前は米よりかは山じゃというて、山へ山へ行ったときがございました。その方たちももうこの世にはおりませんが、今あまり聞きません、分収林のことは。その2代目もかなり年取ったけんど、どうなっちゅうろうかと思いますが、こういう時代もございました。先祖に、ひじいさん、ひいじいさんに植林に熱心な人がおった、そういう先祖を持った人たちが、今その恩恵にあずかりゆうと。非常にスパンが長い仕事でございまして、100年はかかるろうということでございます。今、それで材木の値段もあんまりいい値段じゃないようでございますが、材木だけじゃなくて、やっぱし地球環境のためにやっていかなければならないと、こう感じております。
 それとあと、明見保育所のことでございますが、いろいろ努力はなさってくれております。ありがたいことでございますが、ヤマサキ農園のように何十年もたたんうちに、ぜひとも実現をしてもらいたいと思います。
 それから、岩沼の10年の追悼式でございますが、平成23年か、秋の選挙で私が11月に議長にならさいてもらいまして、その年の3・11で震災が起きました。それで、1周年の追悼式には橋詰前市長と消防団長と3人でお邪魔しまして、そのときに遺族の代表の40歳ぐらいのお父さんでございましたが、子供が津波にさらわれたであろうという所へ行って、毎日ぼけっとして過ごすのが日課と、何ともむごいことでございますが。あれから10年たちまして、恐らく昨日の追悼式へも出席しちょったんじゃないろうかと思いますけど、名前も何も知りませんけど、忘れることなく防災に力を入れて、また追悼もやっていかなければなりません。長い、もう一生消えることのないような心の傷を負うちゅうということで、御冥福をお祈りいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。