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検索結果 »  平成19年 第328回市議会定例会(開催日:2007/12/07) »

一般質問 3日目(前田学浩)

質問者:前田学浩

答弁者:市長、関係課長


○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
      〔2番 前田学浩君登壇〕
○2番(前田学浩君) 通告に従いまして一般質問いたします。項目は、市民と心を合わせた協働の社会づくりのために問題点の共有、信頼関係の構築の方法と手順についてです。
 さて、ことしの3月に策定されました第3次南国市総合計画ですが、多くの市民から幅広く親しんでいただくために市民と築く南国協働プランとしてその愛称がつけられました。
 市民とのパートナーシップで重要なことは、問題点の共有と信頼関係の構築であると考えます。しかしながら、さきの市議会議員選挙、そして市長選挙での低投票率を見てみると、残念ながら市政への期待ということが感じることのできにくい結果となりました。このような現状の中、市民とともに協働の社会づくりを行うには長い年月とシステムづくりが必要なのではないでしょうか。
 行財政の逼迫は今すべての自治体が抱える深刻な問題であり、自治体をより効率的な経営体にしなければならないという合意は広く社会一般に存在しています。そして、昨今の環境変化に柔軟に対応するためには可能な限りの資源動員が試みられるべきであり、そのためには市民との合意形成、そして市民自身がコストを分担するということが不可欠になるということの問題点の共有はできつつあると考えます。
 他方、信頼関係の構築という面で市民と行政が信頼し合えることが協働の社会づくりに不可欠でありますが、よりよい関係づくりができているかどうかというと疑問を持たざるを得ません。協働の社会づくりの大前提となる市民からの信頼を得ることについてどういった手順で信頼関係の構築を図っていくのか、その方法と手順についての答弁を求めます。
 質問に付随した形でもう少し続けたいと思います。
 信頼を得るためにはまずみずからが動かないといけないというのは、人間関係を構築して上で第一歩だと考えます。そこで、地方自治体の職員は大半がその地域に住んでいる人たちです。具体的に言えば、職場の中だけでなく、地方分権の時代において地域社会の積極的なコーディネーターとしての役割が期待されます。市の安定は地域社会と連動しており、安定させるかどうかはそこに住まう人材としての職員によるところが多くなると思われます。これを前向きに生かすことが遠回りになるようでも地域社会の維持、さらにその発展に大きくかかわることに疑いの余地はありません。地域とのつなぎ役、その相互のコミュニケーションを円滑にするためだけに働くだけでも地域社会の衰えを防ぐことができると考えます。
 以上のことを再度言えば、職員は二足のわらじを履いていると言ってもよく、みずからもよき市民として考え、行動することの意味を行政サービスにつなげることが重要です。地域に根差す職員でなければ考えられないこと、またできないことは幾らでもあるように思います。地域再生の大きな力の芽は市職員の中にあると考えます。もちろん市議会議員が市民から寄せられた期待にこたえていくのは当然でありますが、一般質問の第1日目の今西議員への答弁で、協働の社会づくりは市政運営の柱と位置づけるとありました。そうであるならばなおさらまずコーディネーターとしての職員の育成、彼らが活躍できるような土壌づくり、さらに人事評価制度への反映など市として仕組みづくりを転換していく必要があると考えます。独自性を持ち、効率と意欲を両立させ、かつよき市民としての職員が地域再生の大きな芽になるように期待し、質問を終わります。御答弁をお願いいたします。
○議長(西山八郎君) 答弁を求めます。市長。
      〔市長 浜田 純君登壇〕
○市長(浜田 純君) 前田議員さんの御質問にお答えをいたします。
 住民との協働につきまして御意見をちょうだいをいたしました。また、具体的に2点にわたって御質問をいただきました。前田議員も指摘されておられますように、今日見られる環境の変化に対応していくために、やはり行政の力のみではなかなか住民の要望にこたえていける時代ではないし、また住民自治を一層進化させていくためにも住民みずからまちづくりに参画していくという協働のまちづくりにつきまして御賛同をいただいたと、私は考えております。
 さて、前田議員が指摘をした環境の変化ということでございます。我々新しい総合計画の基本理念に市民との協働によるまちづくりを掲げましたが、それには2つほど環境の変化を考えております。人口減少と同時進行の形で高齢化が急速に進行しているという点でございます。南国市でも現在のところ人口については住民台帳の記録で見る限り、毎月報告が上がっておりますが、微減、減少傾向でございます。平成17年に実施をいたしました国勢調査の南国市の人口から現在の住民台帳に登録されておる人口は200人ほど減少でございます。そして、高齢化率は南国市でも23%ということでございます。
 こうした人口減少とともに進展をしております高齢化の問題でございますが、労働力人口の減少に直結をいたしておりまして、経済への影響あるいは社会保障制度への影響が非常に大きいわけでございます。具体的に国や南国市にとっても税収に大きく影響があります。このような変化が1つでございます。
 もう一点の変化としてとらえましたのが、我々の社会はインターネットや携帯電話の普及による高度の情報化、それに伴いまして人間の価値観もさまざまな多様化をいたしております。そして、社会の要請に応ずる形で今地方分権が一定進行の方向に向いております。また、環境問題は一層深刻化をいたしております。さらにまた、我々は近い将来必ず起きると言われる地震災害への対応、こういうように南国市という地域社会に課題が大変複雑化してきておると思っております。
 こういうことで、やはり公共サービスの需要といいますかサービスの徹底といいますか、こうしたことが拡大が年々増大をしておりますが、それにこたえるべき地方自治体の財政力は、先ほど申し上げましたように、低下をしてきております。増大する行政需要に十分に財源が対応仕切れてない、言いかえれば行政の限界といったようなものが側面から明らかになっております。
 一方、これは先ほど坂本議員も触れられたわけでございますが、前田議員も同様の趣旨で御質問いただいたわけでございますが、南国市民が持っております潜在能力あるいは資源、こういったようなものをもっともっと発揮していただいて、自主的にこれらの課題に取り組むNPOや地域活動団体など多様な活動が展開をされてきておるというように私どもが背景を以上2点、考えたわけでございます。
 こうしたことから、最近各地で特に行政関係者を中心に、行政を研究するグループの中でもそうなんですが、新しい公共という考え方、私は、これは住民自治が一層進化を遂げるその過程の一つの認識としてこういう考え方があるのではないかと思っておりますが、国や地方自治体にこういうような考え方が広がっております。こうした新しい公共といいますのは、これまでの公共的なサービスは行政のみが担うもの、財源も人も行政のみが担うものという考え方から大きく脱却をして、転換をして地域の中で公共サービスの担い手となり得る住民、ボランティア、NPO、各種団体、企業などと行政が協働をしてともに働き、公共サービスを提供するという新しい概念が浸透をいたしております。こうした2つの時代背景を考慮に入れまして、今年の3月に今後10年間の南国市政の基本的な方向づけを行う総合計画を新しく策定をいたしたところでございます。一貫して地域住民の参画と協働を追求していこうということでございます。
 幸い南国市ではこれまでにも生涯学習や健康づくり、自治活動、環境美化、多くの行政分野で多くの事業を市民との共同作業により実施をしてまいりました。平成14年度の高知国体の取り組みは、この市民協働で成功した一番いい例ではないかと思っております。
 こうした総合計画に基づいて市政運営上の大きな柱に協働を上げたわけでございます。そこで我々が軽微な協働も含めまして具体的な協働の手法といたしましては、今西議員にも一部理念としてお答えをいたしましたが、委託とか実行委員会、協議会、共催、共同開催ですね。あるいは情報交換、情報の提供、助成をする、講演をしていくなどの具体的な方法があるのではないかと思っております。
 市民との協働でございますが、前田議員が主張されましたように、市民と行政が信頼し合えることが不可欠の条件であるということは、私も全く同様に考えます。協働を行うに当たってそれぞれの主体が自立して対等な関係で相互に相手の特性を理解し合い、目的を共有することが不可欠であると思います。このことは相互の信頼感があって初めて可能になると、このように思っております。
 そこで、前田議員の御質問の本質部分でございますが、市民との信頼関係をどのように構築をしていくかでございます。1つは、職員が仕事を進める上で住民の気持ちを十分酌み取って、住民とコミュニケーションを深めていくということだろうと思っております。もう一つは、そのことを可能とする職員の意識改革と同時に、そのように職員が考え動ける行政システムを構築することであると、このように考えております。
 もう少し身近な言葉で言いますと、住民の幸せは自治体職員の幸せであると、住民の悲しみは自治体職員の悲しみでもあるという気持ちをぜひ持って日常の仕事を進めることが市民との信頼関係をはぐくむのではないかと思っております。そのためには本市職員のたゆまない自己研さんが必要であり、職員研修あるいは先輩職員の指導、さらには御指摘いただきましたが、現在施行しております職員の人事評価制度の活用などを通じてそのことを追求していくべきではないかと考えております。また、行政が市民への説明責任を果たし、公正性と透明性を確保するということがさらに市民の信頼と共感を得る基礎であるということは言うまでもないと思っております。
 実は、このような視点に立ちまして、昨年平成18年2月に策定をいたしました集中改革プランでございますが、これは何も経費削減ばかりを目指しておるわけでは決してございません。市民に優しい開かれた市政運営の推進、スリムで効率的な市政運営の推進、健全な財政運営の推進、職員の意識改革と能力開発の推進、市民との協働による諸施策の推進の5つの柱を設定し、平成21年度までに実現を目指す目標を具体的に設定をいたしておるところでございます。先ほど言いましたように、市民に優しい開かれた市政運営の推進など、この集中改革プランに掲げた目標を一つ一つ着実に実行実現していくことが、南国市民との信頼関係を確立する近道であると私も考えておるところでございます。
 次に、積極的に御提言をいただきました。職員は地域社会の積極的なコーディネーターであるべきとの御意見に私は全面的に賛同をいたします。最近住民自治を支援する制度といたしまして、全国的に地域担当職員を配置する自治体がふえてきております。県内でも幾つかの自治体で導入をしております。
 私が言っております地域担当職員制度といいますのは、市町村が住民自治の確立や住民ニーズを把握するために、中学校区、小学校区、自治会、町内会単位で地域を区切って、その区切った地域を職員が通常の職務とは別に地域の担当者として行政の立場から地域にかかわる制度のことを指しておるわけでございます。これは職員の労働条件との関係もあります。つまり仕事がふえるわけでございますので、これらはなおもう少し調整をする必要があろうかと思っておりますが、現在はそのような地域の担当者をつくっていこうということでございます。
 地域担当職員はこうしてその担当となった地域と行政をつなぐパイプ役として地域の現状を把握すること、地域から行政への要望を伝達する、あるいは行政から地域への市の施策や事業の積極的な説明責任を果たす、地域の自治組織の運営及び活動への支援といったようなものを行うと、他の導入自治体の例を見るまでもなく、このように理解をされております。
 私は、この制度につきましては今西議員さんの質問でお答えをいたしましたが、現在協働の仕組みづくりを市内の地域ごとで進めるために、まず地域の課題が山積している北部の中山間地域で、この夏から地域のことをじっくり考える座談会に取り組んでおるわけでございます。加えまして、北部山間地域のみではなく、実はこうした南国市の取り組みにつきましては県もこれからの県行政を考える意味で、やはり地域の自治機能を衰退させてはならないと、地域活動が積極的に行われることが県政上も大変大事であるということでございます。
 余分なことかもわかりませんが、多分こういうことに着目をしておりますのは、広域合併へ向けまして住民の不安を解消するんだと、住民の自治組織がしっかりしておれば、行政区域が広がっても別段心配はないということがあろうかと思いますが、それはそれとして県の方も積極的に取り組むということで、北部中山間地域ではなく、市内全域でぜひやれということで、とりあえずモデルとして前田議員の地元稲生地区を加えまして、こうした地域のことをじっくり考える座談会に取り組んでおります。
 この座談会は地域の課題、問題点を地域と行政、社会福祉協議会などの関係者が、前田議員が言われますように、まずは共有することで市民との協働を進める第一歩であると位置づけ、引き続き開催をしております。年度内にすべての座談会を終え、ここで出された問題点や課題を絞り込み、できればその課題を解決へ向けた仕組みづくりまでも含めて総括を年度内にいたしたいと思っております。この座談会の総括を進める中で、先ほど申し上げました地域担当職員制度というものにつきましても、その導入について検討をしていきたいと考えておるところでございます。大変答弁が長くなりましたが、前田議員の御質問にお答えをいたします。
 以上でございます。
○議長(西山八郎君) 2番前田学浩君。
○2番(前田学浩君) 市長より大変御丁寧な御答弁をいただきました。新しいポストの創設の御検討などのお話もあり、2問目を用意しておりましたが、不要となりました。
 ただ1点、小・中・高の子供を持つ親世代の代表としてお願い申し上げます。
 公教育の再生は地域の教育力再生なしにはできません。それは教育の基礎となる忍耐力や思いやり、そして愛郷心など地域の教育力が支えているからです。協働の社会づくりという息の長い取り組みとなりますが、地域が活性化され、さらに地域の教育力の再生が同時に行えるように期待して全質問を終わります。ありがとうございました。