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検索結果 »  平成19年 第326回市議会定例会(開催日:2007/09/07) »

一般質問 2日目(野村新作)

質問者:野村新作

答弁者:市長、関係課長


○議長(高橋 学君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番野村新作君。
      〔3番 野村新作君登壇〕
○3番(野村新作君) 午後の第1番ということで質問をさせていただきます。今西議員さんも質問をされましたが、私は被害地区ということでまた別の角度から。
 それでは、質問させていただきます。
 近年、地球環境問題や生活環境の保護に対する意識がますます高まり、環境を汚染させる可能性のある有害物質の排出規制が厳しくなってきております。環境基準法で定められた水質汚濁にかかわる環境基準では、人の健康に関する項目としてカドミウム、シアン、鉛、六価クロム、砒素、総水銀、アルキル水銀、PCBほか15項目あり、六価クロムについては0.05ミリグラム・パー・リットル以下となっております。六価クロムは高濃度排水としてメッキ工場排水、皮なめし工場排水に、また中低濃度排水としては生コン工場、コンクリート2次製品工場、さらにはダム工事現場やトンネル工事現場等、セメントを使用する現場から出る排水等、比較的身近なところにも含まれております。
 特殊な例では、工場跡地等に含まれていたり、そこから地下水に侵入したりする場合もあります。水質汚濁防止法で規制されている六価クロムの排出基準は0.5ミリグラム・パー・リットル以下ですが、環境基準や飲料水基準等と同じ厳しい上乗せ基準が日本最大の湖である琵琶湖を擁する滋賀県では全域に、また水道水源となっている内陸湖周辺や一級河川の流域に当たる多くの地域において、県条例によって適用されております。その理由は、六価クロムが国際がん研究機関及びアメリカ環境保護庁によって、かつて重大な社会問題となったアスベストと並んで2大発がん性物質としてリストアップされているとおり、大変危険なものとされております。
 六価クロムをもう少し詳しく調べてみると、六価クロムとは何かといえば、金属クロム自身は無害であり、食器などのメッキは大抵クロムメッキが使われています。しかし、酸化されて三価や六価のイオンとなると毒性を持つようになる。自然界で存在するクロムはほとんどが三価で、毒性はそれほど高くない。六価クロムは人工的に精製されるこの六価クロムが皮膚につくと皮膚炎や腫瘍の原因になるだけでなく、発がん性の疑いもあるとされる。六価クロムは気化しやすいため、消化器官や肺、皮膚からたやすく吸収される。また、ほかの資料では接触すると皮膚炎、潰瘍を起こす。特徴的な上気道炎の症状としてクロム酸工場の労働者に鼻中隔せん孔、これは鼻の骨に穴があくことでございますが、が多発したことが知られており、体内に入ると肝臓障害、貧血、肺がんなどになるそうでございます。
 こういう物質が地下水に流れ込んだ今回の事故、地下水は温度変化が少なく、一般に水質も良好であるため重要な水資源として広く活用されているが、流速が極めて緩慢であり、希釈も期待できないなどの特性を持つため、一たん汚染されるとその回復は非常に困難とされております。ややこしい物質が地下水に流れ込んだものであります。地域住民の不安ははかり知れないものがあります。また、怒り心頭の方もおります。あそこの会社と思いよった。またあそこか。
 話はさかのぼりますが、昭和63年10月31日、篠原地区と会社、南国市が交わした防止協定書には、基本理念として会社は会社の事業活動により発生する工場排水による公害についてはすべて会社の敷地内で処理し、外部へは出さないという基本理念に立脚し、あらゆる公害防止のため誠意を持って対処するものとする。また、篠原地区と会社の信頼関係を損なうような行為は厳に慎み、この協定を履行するものとする。公害防止対策として会社は公害に関する関係法令を遵守し、会社の事業活動による公害により地域の生活環境を悪化させ、地域住民の日常生活等に悪影響を与えることのないよう、万全の対策を講じなければならないとあります。
 被害発生時の措置及び賠償の責任について、会社の事業活動に起因して地元住民に対し井戸水並びに農用地の汚染等、万一被害が生じたときは会社は直ちに篠原地区、南国市、被害者と話し合いをし、円満に解決するものとする。この際、会社は賠償の責務はもちろん、必要に応じ操業を中止するとともに対策を講じ、被害の再発防止に努めなければならない。なお、万一事故並びに被害が生じたときは、会社は直ちに市に報告するとともに、水道布設等、賠償問題について篠原地区、会社、市で協議するものとする。
 施設改善と事業拡張については、会社は工場排水の水質向上及び下水道放流を踏まえた排水量削減のため老朽化したメッキ関連施設を旧メッキ工場施設へ新築移転する。また、会社は新築移転排水処理施設改善後も下水道放流開始までは事業規模については現状維持とし、やむを得ず事業量等の変更をしなければならないときには、篠原地区と協議するものとする。
 補足書には、井戸水の検査については年1回15カ所実施するが、検査項目及び場所等については篠原地区、会社、市で協議し実施するとあるが、昭和63年協定書が交わされて市はどのように対応してきたかをお伺いいたします。
 平成9年4月より都道府県知事が汚染原因者に対し、汚染された地下水の浄化を命令することができることとなっておるが、県との仲立ちをする市の方針としては、このようなことをどのように思われているか。ある住民は、環境課に電話を入れたら重点監視地区外ということで有料ですということで電話を切られた。検査料を払うつもりで電話をしたが、変な対応がとられたとの不信感を抱いたという方がおります。早急に汚染土壌の取り除きを図らなければならないが、会社側からどのような計画が報告されているか、お伺いいたします。
 今回検出されたすべての地点の六価クロム値が検出されなくなるまで密に検査を行い、長期間検出されなくなり完全に安全とされる時点までは検査は続けるべきと思うが、このことについてもお伺いいたします。また、不安のある家庭の水質検査については、会社負担にて検査をすべきと思われるが、この点についてもお伺いいたします。
 地震対策の必要性が重視されるが、現在のままでは不安視されており、設備改善に向けどのような指導をなさるかお伺いをいたします。
 今後、篠原地区よりさまざまな要望が出されると思われるが、市は住民側の立場に立ってしっかりとした仲介を会社とすべきと思われるが、この点についてもお伺いいたしまして1問目の質問を終わらせていただきます。
○議長(高橋 学君) 答弁を求めます。環境課長。
      〔環境課長 井口善喜君登壇〕
○環境課長(井口善喜君) 野村議員さんの御質問、地下水汚染についてお答えを申し上げます。
 質問は6点であったと思いますので、順次お答えをいたします。
 まず、環境問題が取りざたされている昨今、今回の地下水汚染問題につきましては、市といたしましても大変苦慮しているところでございます。平成19年7月12日、県から報告以来、地域住民の混乱を防ぐべく市として全力で対応してまいりました。しかしながら、情報不足もあり、一部の方に不信感を与えたことも事実で反省をしているところでございます。
 さて、1点目の昭和63年協定を交わしてどのように市は対応してきたのかについてお答えをいたします。
 63年協定とは、昭和63年10月31日締結の工場移転に係る公害防止協定のことでありまして、移転新築により排水処理施設の充実、工場排水は大幅に改善されるものの、放流については公共下水道の供用開始までの間、これは公共下水道には平成4年9月4日に接続をしておりますが、この間、河川に放流するため多くの世帯が生活水を井戸水に頼っている篠原地区におきましては、放流水質の監視目的として15カ所の井戸水の水質検査などを年1回実施することを約束しています。検査につきましては、昭和63年度を初回として平成7年度まで実施、市といたしましては各年度の検査報告書の内容確認による水質監視に努めてまいったところでございます。
 2点目の汚水地下水の浄化命令についてお答えをいたします。
 水質汚濁防止法の一部を改正する法律が平成9年4月1日から施行されています。法13条の2、改善命令とさらには法30条には罰則があります。今回の法改正のポイントとして、知事は人の健康を守るため汚染原因者に対して汚染された地下水の浄化措置を講ずるべきことを命ずることができる制度を導入し、汚染された地下水の浄化を推進するとあります。
 汚染原因者の精工メッキは、社内調査で土壌汚染が確認された六価クロムを高濃度で含有するメッキ液槽の使用停止及び除去や地下水の汚染状況の把握あるいは対策を講じるためのボーリング調査用井戸の設置など、汚染源の改善に向け早期から取り組んでいることから、県としては法的措置よりもまず汚染源の改善対策が優先と考え、引き続き改善指導を行うとのことでありました。市としても同様でございます。
 3点目の汚染土壌除去計画についてお答えをいたします。
 高知精工メッキが応用地質株式会社を計画立案、監督者として作業が進められています。今年9月から現在判明している地下ピットを除去、壁面部の土壌調査とともに1メートル程度の汚染土壌除去を行うとあります。ピット下部、ピット直近西側、工場敷地西に2カ所の計4カ所で20メートル程度のボーリング調査を行う。あわせて既存の井戸を含め、六価クロムを監視しながら汚染範囲の特定を図るとあります。これらの調査結果をもとに対策を検討、次年度春までに対策を完了する予定となっております。
 4点目の水質調査の継続についてお答えをいたします。
 汚染源の供給停止後、下流500メートルまでは濃度は減少傾向にあります。それよりも下流は濃度が上昇傾向が見られ、最近では全体的に濃度は減少傾向でありますが、これは降雨による地下水位上昇に伴い高濃度部位が下流1,000メートル地点へ移動していったものと考えられます。下流1,200メートルから1,300メートルへの汚染拡大傾向は、現時点では認められていませんが、濃度上昇周辺井戸の再調査など、今後の監視強化は必要であります。
 県検査機関には既に長期的な検査を要望してございます。数件の水質検査を会社負担で行っていますが、今後におきましても必要と思われます。住民の関心と不安が強い水質検査は問題解決の基本であり、飲用水として安全宣言が出せるまで調整しながら検査依頼には継続対応を考えております。
 5点目の設備改善に向け地震対策はについてお答えいたします。
 新たな設備計画につきましてはまだ示されておりませんが、近い将来、必ず起こることが予想されております地震対策につきましても、考慮した設備更新をお願いしたいと考えております。
 6点目の地域要望に対する市の立場についてでございますが、地下水を日常生活で常用されている地区住民の安全・安心を最優先に対処する所存でございますので、野村議員さんにおかれましては、行政との調整役の立場に立たれまして御指導のほどよろしくお願い申し上げまして答弁とさせていただきます。
○議長(高橋 学君) 3番野村新作君。
○3番(野村新作君) 非常に御親切な答弁をありがとうございました。
 事故発生以来、篠原の自治会並びに住民はてんやわんやでございまして、緊急の役員会を開くというたら夜文書を配る状態でございます。また、環境課長さんにおかれましては、うるさいおんちゃんに1時間もどつかれて、仕事柄とはいえ大変じゃと思いますけんど、また今後ともよろしくお願いいたします。
 それから、10日に市長、環境課長それから地元自治会の役員で会社に対する要望書をお渡しいたしました。地元住民の御意見、総意でかなりきつい文面もございますが、中には会社とは共存共栄を図っていこうという考え方もございますので、その点をまた会社も社運をかけて対処するという誠意のある返事をいただいておりますので、このことを十分に市としてもお知りの上で今後の対策をお願いをしまして質問を終わらせていただきます。