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一般質問 令和4年度 »  令和4年 第426回市議会定例会(開催日:2022/06/10) »

一般質問1日目(中山研心)

質問者:中山研心

答弁者:市長、副市長、関係課長


○議長(浜田和子) 13番中山研心議員。
      〔13番 中山研心議員自席〕
○13番(中山研心) 立憲民主党の中山研心でございます。第426回定例会に当たり、一般質問を行わせていただきます。
 先月25日、高知市の知人を介して市民の方から私に相談がありました。会話がストレスなので、LINEで相談を受けました。市営住宅の入居に関する相談です。八百長で入れてくれとか、入居選考に口を利いてくれとかといった類いの話ではありません。自分は性同一性障害で、パートナーと同居しているが、南国市は市営住宅への入居受付をしてくれるだろうかという相談です。
 県内では、高知市と土佐清水市はパートナーシップ登録をすれば申込み可能となっているが、南国市ではパートナーシップ登録制度の導入について前向きに検討中ではあるものの、まだ制度導入には至っていない。制度がない以上、現場では対応できないと思うが、制度導入を加速化させる意味で申込みをする意義はあると思う。本人の意思が優先されるべきで強制するつもりはないが、可能ならくじけずに申請していただけたらと思うと答えました。
 今住んでいるアパートが取壊しとなるため、10月までの立ち退きを迫られており、切迫した状態でした。申込み自体は、別の要件を適用することで受付となりました。家主代理人弁護士から送られてきた立ち退き通告書を後日、住宅課に見せて、入居選考に可能であれば配慮してくれるようお願いしなさいとアドバイスもしました。
 令和2年12月議会で、早期のパートナーシップ登録制度創設を求める神崎議員の質問に対して、生涯学習課長は、県が掲げる11の人権課題の一つであり、多様な性の在り方への理解を深めることは重要だと認識している。南国市人権教育研究協議会や南国市男女共同参画推進委員会等で議論してもらうほか、関係団体との意見交換を行っていきたいとお答えになっています。その後、どのような議論が行われたのかについてお伺いします。
 また、パートナーシップ制度については、教育委員会事務局ではなくて市長部局で実施することが適切と思うので、庁内での体制についての検討も必要とお答えになりました。パートナーシップ制度創設に当たり、どこの部署がイニシアチブを取って制度設計を行っていくことになったのかについて副市長にお答えいただきたいと思います。
 市長は、市として性的指向、性自認に関する人権課題に取り組む姿勢を示すものとして、高知市のにじいろのまち宣言のような宣言は有意義であると考えている。パートナーシップ制度は、法的な拘束力はないが、市営住宅への入居に際して同居家族として認めるといったようなことを事例として聞き及んでいるとお答えになっています。
 市長にお伺いします。
 市長は、御自身の政治姿勢として、パートナーシップ制度をいつ頃創設しようとお考えになっているかについてお答えください。
 市長は、パートナーシップ制度の具体例として市営住宅への入居を挙げられましたが、それ以外にパートナーシップ制度の創設によってどのようなことが可能であるとお考えかお聞かせください。
 南国市が市として、性的指向、性自認に関する本人の選択を尊重し、差別や特別視せず、制度の中の障壁をできるだけ取り除いていくというメッセージを発することは、スマイリーハート人権講座で取り上げたり、人権習慣にロビーに標語を飾ったりするよりもはるかに効果的だと思うのですが、御所見をお聞かせください。
 次に、公立中学校の制服について質問させていただきます。
 令和2年12月議会で、教育次長は、市内小中学校では、性的指向、性自認、いわゆるLGBTに関する学習を教育課程に位置づけ、発達段階に応じた学習に取り組んでいる。周りの友達も大人もしっかりと受け止めることができる環境づくりこそが必要であり、学校教育が果たす役割がいかに重要かとの認識を強くした。一人一人に正しい人権感覚が身につくように今後も取り組んでいきたいとお答えになりました。
 一昔前は、女の子の制服といえばセーラー服と相場が決まっていましたが、最近はセーラー服の制服は減り、ブレザーが制服の学校でマジョリティーとなりました。
 全国的には、ボトムスがスラックスという学校も増えてきました。女子制服としてのスラックス制服は、1990年代頃から、冬場の寒さ対策や自転車通学時にいいという理由で数校の中学校、高校で導入されたのが始まりと言われています。近年は、多様性やLGBTの観点から全国の学校で採用する動きが拡大しています。しかし、高知県内で女子制服にスラックススタイルを取り入れている学校は見たことがありません。女の子はスカートをはくべきだと思っている人がいるとすれば、男女に関係なく反フェミニストのレッテルを貼られる可能性が高いですし、少なくともそれがミソジニーであることは間違いありません。
 教育長にお伺いします。
 自分の性に違和感を覚えている思春期の子供にとって、スカートをはくことを強要されることは耐え難い苦痛だとは思いませんか。正しい人権感覚に照らして一刻も早く解決すべき人権侵害だとは考えませんか。教育委員会事務局にスカートで勤務している職員は何名いますか。スラックスの職員に対して、公務員にはドレスコードはありませんので、お願いベースであったとしてもスカートをはいてくるよう指示することができますか。口に出した途端にセクハラ、パワハラと言われることは必至です。大人に対しては強制してはならないことを子供に対してはルールだからと強制することが許されると考える理由は何ですか。
 制服の見直しができない理由は親の経済的負担以外に大きなものがありますか。ドラスチックに変えろと言っているわけではありません。選択制にすれば買換えの時期に合わせて検討できますし、新入生は入学のときに選べばいいだけです。制服のスカートに憧れていたという子供もいることでしょう。スカートをなくす必要はありません。大事なのは、本人の選択が尊重されること、何より強制され、苦痛を感じる子供を一人でもつくらないことだと思います。教育長の御所見をお聞かせください。
 女子制服としてのスラックス制服は、多様性やLGBTの観点からだけではなく、生物学的性別と意識が一致した人にとっても意味があります。冬場の寒さ対策や自転車通学時にいいという理由ばかりではなく、長い階段やエスカレーターにおいて盗撮などの迷惑行為に遭う被害者のほとんどがスカート制服の女子学生であることを考えれば、新たな性被害者を生み出さないという点で意味のあることだと思います。
 今では少なくなりましたが、セーラー服は、その名前のとおり水平の制服として19世紀のイギリスでデザインされました。特徴的な大きな襟は、強風のときに襟を立てて命令、伝達を聞き取りやすくするためのもので、胸元が大きく開いているのは海に落ちたときに簡単に脱げるように脱がせやすくするためです。日本に初めて学校制服としてセーラー服が導入されたのは、1920年、京都府の平安女学院であるとされています。女子の制服に脱がせやすいデザインを採用したのは、控え目に言ってくずだと思います。
 女子制服としてスラックス制服を選択制で取り入れることは全ての子供たちにとってベターなことであると思いますが、教育長の御所見をお聞かせください。
○議長(浜田和子) 答弁を求めます。市長。
      〔平山耕三市長登壇〕
○市長(平山耕三) 中山研心議員の質問にお答えします。
 まず、パートナーシップ制度をいつ頃創設しようと考えているのかという御質問でございますが、その創設時期につきましては今年の11月を目途に創設すべく準備を進めておるところでございます。
 続きまして、具体例ということでございますが、パートナーシップ登録制度の導入により可能となることは、もう既に市営住宅の入居ということは挙げらしていただいたところでございますが、今後、各業務の洗い出し、検討を加えなければいけないところでございますけど、市役所におきましては亡くなったパートナーの方の個人情報の開示請求や母子健康手帳の申請、また保育所等の利用の入所申請や要介護認定などの介護保険制度の各種申請、そういったことも考えられるのではないかと思っております。また、市職員が対象にはなりますが、結婚休暇を認めるということも考えているところであります。その実施は、ほかの事業者への啓発にもなると考えております。
 また、病院等で認めていただく例としましては、パートナーの入院手続や手術の同意、また面会など、そういったことも可能になるというようにも思うところでございます。以上でございます。
○議長(浜田和子) 総務課長。
      〔中島 章参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長登壇〕
○参事兼総務課長兼選挙管理委員会事務局長(中島 章) パートナーシップ登録制度に関する議論について御説明します。
 この3月議会で神崎議員の御質問にお答えしましたとおり、昨年秋から3度、関係団体と協議を重ね、意見交換をいたしております。また、この3月に開催しました南国市人権を尊重するまちづくり審議会において、パートナーシップ登録制度の案につきまして御説明申し上げ、委員からの御意見をいただいているところでございます。
 メッセージの発信の効果につきましては、市長が令和2年12月議会で神崎議員の御質問に対し、市として性的指向、性自認に関する人権問題に取り組む姿勢を示すものとして、高知市のにじいろのまち宣言のような宣言は有意義であると申し上げております。中山議員のおっしゃる、市として、性的指向、性自認に関し、本人を尊重し、差別や特別視せず取り組んでいくというメッセージの発信につきましても効果的であると思います。また、スマイリーハート人権講座で取り上げたり、人権週間に標語を掲示したりすることも効果的であると考えております。以上でございます。
○議長(浜田和子) 村田副市長。
      〔村田 功副市長登壇〕
○副市長(村田 功) パートナーシップ登録制度に当たり、どの部署がイニシアチブを取って制度設計を行うかにつきましては、今年度から人権施策等の業務について所管課を生涯学習課から市長部局の総務課に移しました。パートナーシップ登録制度の制度設計を行う部署は総務課となります。
○議長(浜田和子) 教育長。
      〔竹内信人教育長登壇〕
○教育長(竹内信人) 中山議員の中学校の女子制服としてスラックスを選択制で取り入れることについての御質問にお答えをいたします。
 自分の性に違和感を覚えている思春期の子供にとって、スカートをはくことが決められていることは人権課題の解決という観点で取り組まなくてはならない課題と考えておりますし、御質問の中にありました、教育委員会事務局の職員でスカートをはいている職員はほとんどおりませんし、当然スカートを強要することもできません。生徒の制服につきましてはこれまでの慣例で女子はスカートとされていましたが、これまで慣例として行われてきた、取り扱われてきたことに対しましても人権意識を持って取り組まなくてはならないというふうに感じております。
 現在、南国市内の中学校では制服の見直しに着手しております。香南中学校が新たな学校づくりの一環としてこの取組を進めております。残る学校も、実態に合わせて生徒会等で取り組んでいくことになります。
 6月10日金曜日の高知新聞で、中学校特派員だよりの記事に香南中学校の3年生が投稿をしておりました。制服を通してジェンダーレスやジェンダーフリーを人権課題として捉え、子供たちは今学んでいこうとしております。この新聞記事にもありますように、学ぶべきは私たち大人社会であることを子供たちに教えられました。
 私、15年前でしょうか、嶺北地域に新しい学校を造るために赴任していったことがあるんですが、そのときには女子のスラックス制服を採用した経緯もあります。しかし、そのときにはジェンダーレスという考え方は少なかったように思います。改めて、ジェンダーフリーやジェンダーレスの観点で制服について考えていかねばならないというふうに思っております。
 子供たちは、今SDGsについて学習を進めております。教育という側面からいきましたらESDと言うのでしょうか。SDGsの17の目標の5番目でありますジェンダー平等を実現しようの学習に、ジェンダーレス制服について学習することによりまして社会的性差、文化的性差をなくして、男女関係なく自分の好みを言えたり、性別のせいでやりたいことを諦めないで済む世界を目指すための学習を進めていただきたいというふうに願っております。以上です。
○議長(浜田和子) 中山研心議員。
○13番(中山研心) 市長からは、パートナーシップ登録制度について、11月をめどに創設するべく準備を進めていくとの回答をいただきました。大変前向きな、しかも具体的に時期を明示して創設するとの回答をいただいたことをうれしく思います。
 以前の市長答弁で、高知市のにじいろのまち宣言のような宣言は有意義であると回答されていますが、南国市として独自の宣言をされるおつもりがあるかどうかお答えください。
 国においても、性的指向または性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律の創設が検討されていますが、センシティブな課題であることは変わりなく、必要であればパブリックコメントを実施するなど、十分な手順を踏んで実施されるようお願いします。
 とはいえ、この10年でLGBTに対する認識は大きく変わりました。以前は、私の支持者の中にも性的少数者を矯正すべき不自然なものと考える人もいました。しかし、意識は大きく変わり、むしろ性的少数者を白眼視する昭和の価値観をアップデートできない人のほうこそOTAできないポンコツの気の毒な人と評価されるようになりました。一部のカルト集団からの反対はあるかもしれませんが、ぶれることなく創設していただけたらと思います。
 副市長からは、パートナーシップ登録制度の制度設計を行う部署は総務課となるとの回答をいただきましたが、この質問をあえて副市長にしましたのは、パートナーシップ登録制度の創設に当たっては副市長を本部長にとは言わないまでも、具体の制度設計を行うのは総務課であるが、自分が先頭に立って進行、管理していくとの回答を期待してのものでした。再度、村田副市長の決意をお聞かせください。
 教育長からは、単に制服の問題にとどまらず、子供たちに社会的性差、文化的性差をなくして、男女関係なく自分の好みを言えたり、性別のせいでやりたいことを諦めないで済む世界を目指すための学習をしてもらいたいとあるべき未来の形まで示していただきました。大変ありがたい答弁をいただいたと思いますし、同じ未来を展望していると感じます。あるべき未来を共に迎えられる教育を実現するためにできることがありましたらお声がけください。ありがとうございました。
 以上で第2問を終わります。
○議長(浜田和子) 市長。
○市長(平山耕三) 先ほど独自の宣言をするかどうかということで御質問いただいたところでございますが、9月議会の時期に宣言をさしていただきたいと思っております。以上でございます。
○議長(浜田和子) 村田副市長。
○副市長(村田 功) 中山議員から、私が先頭に立って進めていくようにという御指示がございました。当然、副市長として前向きというか、全力で進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(浜田和子) 中山研心議員。
○13番(中山研心) 村田副市長、よろしくお願いいたします。
 市長にお伺いします。
 いち早い公立中学校女子スラックス制服の導入をはじめ、南国市は多様性に寛容で、人権政策が充実しているとアピールすることは、この町で子育てしたい、南国市で住みたいと思ってくださる人を増やす魅力につながると思うのですが、御所見をお聞かせください。
 これで私の質問を終わります。
○議長(浜田和子) 答弁を求めます。市長。
○市長(平山耕三) もちろん、学校教育においてもジェンダーレスな、人権を尊重した政策を進めるということを発信することによりまして、南国市が注目されるということにつながるというようにも思っております。そういった施策を積極的に推進しているということを南国市として発信していきたいと思います。以上でございます。
          ―――――――――――*―――――――――――
○議長(浜田和子) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(浜田和子) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 明15日の議事日程は、一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて延会いたします。
 御苦労さまでした。
      午後2時44分 延会