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一般質問 令和3年度 »  令和3年 第422回市議会定例会(開催日:2021/09/03) »

一般質問4日目(杉本理)

質問者:杉本理

答弁者:市長、関係課長


○議長(土居恒夫) 日程により一般質問を行います。
 順次質問を許します。1番杉本理議員。
      〔1番 杉本 理議員発言席〕
○1番(杉本 理) おはようございます。日本共産党の杉本理です。
 一般質問最終日ということで、執行部の皆さんはお疲れかと思います。今回は議長からの文書での要請もありましたので、できるだけ短く、質問項目を農業一本に絞っての質問にします。御答弁よろしくお願い申し上げます。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さんに心からのお見舞い、お悔やみを申し上げますとともに、各種対策に全力で取り組まれている全ての皆さんに心からの敬意を表します。本当にお疲れさまでございます。
 今議会で接種については11月までかかるという答弁でございましたし、夏のお休みについても10月まで延長した旨の答弁もありました。また、昨日の福田議員が質問しましたように、過労死ライン超えの超勤も多数おると聞いております。執行部の皆さんにおかれましては、今後も働き方、働かせ方にしっかり目を向けていただきますようお願い申し上げます。
 質問の前に、もう一点だけ触れさせてください。
 市長選、市議補選のことであります。これについては通告してありませんし、多くの同僚議員が質問しましたので、私のほうからは若干私の思いを述べるにとどめたいと思います。御容赦願います。
 まずは、平山市長、御当選おめでとうございます。
 私ども日本共産党は、7月の市長選、市議補選に向け、平山市政の継続がいいのか、それとも対抗馬を擁立したほうがいいのか悩みました。悩みながら、共産党市議団は今年の3月議会、そして6月議会の論戦に臨みました。今年度当初予算には、熟慮に熟慮を重ねた結果、反対という立場を取りました。しかし、補正予算については、専決も含めて賛成の立場を取ってまいりました。市長は、日本国憲法の遵守を明言されておりましたし、市民に対して失政があるわけではない。おおむね市民生活維持・向上のための市政を進めているのではということで、結局対立候補は立てないという結論に至りました。先日、市長より、選挙戦でお約束された公約はどれも同時並行で進めるという答弁がありましたけれども、市民にとってどれも大事な政策です。実現に向けて邁進されますようお願い申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
 今回は農業者支援ということで、1、国営圃場整備事業、2、農業共済収入保険助成事業費補助金、3、離農者を生み出さないためには、4、各種支援策の効果は、の4点について、市長、農林水産課長、農地整備課長及び生涯学習課長にお伺いしてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
 ではまず、国営緊急農地再編整備事業(国営圃場整備事業)についてお伺いいたします。
 全国的に農業者人口は減少が止まらず、個人経営、家族経営の農業経営体数が99万1,400となり、初めて100万を割りました。統計を取り始めた2011年には158万6,100あったそうですので、実に4割近く減ったことになります。安定しない価格、特に稲作に限って言えば、生産費を割り込んでしまうような米価が続いているこの現状では、当然のことだと思います。本市においても、総農家数が2010年の2,171戸から2020年には1,448戸と、10年間で約3分の1が減少しています。そして、高齢化も同時に進んでいるため今後はさらに農業者数は減少し、10年後、20年後には耕作放棄地が増大することが懸念されています。この地域の農業を守り、未来へ継承していくためには、農作業の労力軽減や担い手への農地集積、耕作放棄地の防止、農業収入の増加、後継者の確保などの取組が必要になってきています。
 その取組の一つとして、本市で取り組まれている国営圃場整備事業があります。平山市長は市長選において国営圃場整備事業を取り上げていましたけれども、市民に対してどのようなお約束をされたのか、その公約をお話しください。また、改めてこの事業にかける市長の思いをお聞かせください。
 続きまして、担当課長にお伺いいたしますが、現在の進捗状況及び今後の見通しを御説明願います。
 南国市の広報紙「広報なんこく」では、「シリーズ国営ほ場整備」と題して、今月号まで延べ24回連載されてきました。9月号が多面的機能支払交付金、8月号がスマート農業、7月号が次世代型ハウスについて、6月号が工区運営委員会とはと、圃場整備が進むとこんなこともあんなことも可能になると、市民に分かりやすく、かつコンパクトに記載されております。ここでは特に、今月号に掲載された多面的機能支払交付金について取り上げていこうと思います。
 多面的機能については、先日、今西議員が林業についての質問でも取り上げておりましたけれども、農地においても重要な機能と言えます。連載の説明文章を一部紹介しますと、農地には農産物生産のほかに雨水を一時的に貯留し、洪水や土砂崩れを防いだり、多様な生き物を育み、良好な景観を形成するといった様々な恵みがあります、とあります。つまり、農業者が稼げるか稼げないかという点だけにとどまらず、防災の面においても、またアフターコロナにおけるインバウンドということを考えても、農地の多面的機能は大事だということかと思います。
 防災面については、本当は危機管理課長にも意義を語っていただきたかったのですが、今回は時間短縮のため通告はしませんでした。広報の連載のどこかで防災としての多面を載せてもいいのではと思うぐらい、重要な機能だと思っております。今回の補正予算においても5,000万円の基金積立金が盛り込まれており、足かけ10年間で延べ5億円という貴重な市民の税金が積み上がっていくということになります。これは決して無駄金ではなく、農地の多面的機能を考えたら、農業者以外の市民にとっても大事な使われ方になると思います。ますます重要になってくる多面について、現状と今後の見通しをお聞かせください。
 次に、2番目として、農業共済収入保険助成事業費補助金についてお伺いしてまいります。この補助金についてはほかの議員も質問をしておりましたので、重複しない範囲で構いませんので御説明をお願いできればと思います。
 まずは、収入保険そのものについて、改めてどんな制度なのか、簡単で構いませんので御説明いただけたらと思います。それから、この事業ですが、県内ほかの自治体においてこのような事業に取り組んでるところがあれば、お答えお願い申し上げます。また、この補助金はコロナ禍で緊急に6月補正で組まれたものですが、来年度以降も継続する意向があるかどうかお答え願います。
 3番目として、離農者を生み出さないためには、ということで質問をさせていただきます。
 長時間労働などにより、メンタルヘルス、心の健康が保てない方は少なくありません。メンタルヘルス不調により1か月以上休んだ労働者がいる事業所の割合は約8%、1,000人以上の大企業では、実に89%に上ります。メンタルヘルスは生産性にも大きく関わり、多くの人を雇用する企業は心の健康を保つメンタルヘルス対策を極めて重要な課題と位置づけており、厚労省の調査では企業の61%が何らかの対策を実施しています。
 そうした中、7月26日付と8月9日付の日本農業新聞に気になる記事が掲載されておりました。「農家密度が低い地域に鬱のリスク、東大などの研究チーム」と題した記事でありました。記事では、人口当たりの農家数が少ない地域に住む農家ほど鬱症状の疑いのある確率が高いとしております。調査に当たった東京大学大学院医学系研究科博士課程の金森さんは、農家は気候変動などの経営リスクにさらされている、農業を続けられる環境整備も大切だと指摘されております。記事ではさらに、農業者も労働者と事情は同じだ、行政やJAには農業経営や営農活動への支援だけでなく、心の健康にも十分配慮してサポートすることが求められる、とも書かれています。まさにそのとおりだと思います。様々な思いで農業に就職、転職し、天候に左右され、肥料の多い少ないに悩み、初めて飛び込んだ地域に何とか溶け込もうと必死の思いで取り組んでいる新規就農者に寄り添うことが、今こそ求められていると思います。
 そこで、農林水産課長にお伺いいたしますが、離農者を生み出さないために、現状把握及び対策について取り組んでいることがあればお聞かせください。
 4番目として、各種支援策の効果についてお伺いしてまいります。
 コロナ禍の中、本市においても様々な市民応援の施策が出され、農業分野においても各種支援策が打ち出されてきました。議会ではAitosaへの支援を含んだ予算を議決し、さらに私自身も、学生、農業者支援を兼ねた支援策をと訴えてまいりました。
 そこで、農林水産課長にお伺いいたしますが、先ほどの収入保険以外の支援策について、進捗やその効果などを御説明をお願い申し上げます。
 以上をもちまして1問目とさせていただきます。それぞれ御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(土居恒夫) 答弁を求めます。市長。
      〔平山耕三市長登壇〕
○市長(平山耕三) 杉本議員の御質問にお答えいたしたいと思います。
 まずは、私の選挙におきまして公約に上げておりました国営圃場整備について、その内容ということでございました。本市にとりましては、農業は基幹産業でありまして、将来にわたって維持、発展させていくことが大変重要でございます。しかしながら、高齢化等による農業者の減少や耕作放棄地の増加等による農業生産力の低下が大きな課題となっているところでございます。そのような現状を打開すべく、平成25年度より国営圃場整備事業に取り組み始め、関係者の皆様の大変な御尽力によりまして、何とか事業をスタートすることができたところでございます。
 このたびの市長選では、私は昨年11月に事業計画が確定いたしました大型農地再編事業であります国営圃場整備、こちらが現実的に進むことになったこと、そしてこれまで多くの関係者の皆様に御協力いただきここまで来れたこと、またこの事業に期待する多くの皆様方の御期待に応えるべく、まずは先行いたします下島、久枝、そして能間での工事を着実に進め、この事業を軌道に乗せること、そしてこの国営圃場整備事業を契機に次世代ハウス、またロボット、ICTを活用したスマート農業も視野に、南国市の農業を全国に発信できるような稼げる農業を目指し、取り組んでいく決意を述べさせていただいたところでございます。
 また、改めてこの事業にかける思いということでございます。何よりも非常に多くの地域の皆様方の同意をいただき、また多くの関係者の皆様の御協力をいただいてこの事業がスタートできたということを大変重く受け止めております。この事業に対する皆様方の期待を、何としても実現してまいりたいと考えております。この事業は、総事業費210億円、受益面積は526ヘクタール、事業期間は令和11年度までという一大事業であります。最も早い工区で令和4年度の工事着工の予定でありますが、地域の皆様方に喜んでいただける圃場を完成させ、事業期間後半に向けた事業推進のよい流れをこの任期中につくってまいりたいと考えております。そのためにも、整備後の圃場での営農だけでなく、南国市全体の営農をどのように考えていくのかをJAを含む関係機関で構成いたします南国市営農改善会を中心に検討を進め、地域の農家の皆様方が今後も営農を続けていけるように取組を進めてまいります。
 広い平野部や温暖な気候、そして交通の要衝というポテンシャルの高い本市での国営圃場整備事業は様々な可能性を秘めており、前述いたしましたように、次世代ハウスやスマート農業をはじめ、魅力ある農業が展開できるものと確信しております。本市の優良な農地を次の世代に引き継いでいくためにも、地域の皆様方と一緒に関係機関・団体が一体となった事業の成功に向けた取組を全力で進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(土居恒夫) 農地整備課長。
      〔田所卓也農地整備課長登壇〕
○農地整備課長(田所卓也) 杉本議員の御質問にお答えします。
 まず、圃場整備事業の進捗状況と今後の見通しということでありますが、現在市内15工区のうち下島、久枝、能間、浜改田西部の4工区で令和4年度工事着工を目指して準備を進めてまいりましたが、浜改田西部工区につきましては、整備する用水方式の決定に時間を要したため、令和5年度の工事着工を目指すスケジュールとなりました。久枝、下島工区は、面積が比較的小さいことから換地が順調に進めば令和4年度内で工事が完了する予定でありますが、能間、浜改田西部工区につきましては、面積が広いため工事は2か年以上かかる見通しとなっております。最も早い久枝、下島工区での事業完了予定年度は、工事完了後、測量と登記、清算を行いますので、令和6年度となる予定であります。
 先ほど申し上げました工区では、これから地権者や担い手となる耕作者の皆様方の意向を踏まえた換地計画原案の作成を土地改良区の役員の皆様と進めてまいりますが、換地という専門性の高い作業となりますので、高知県土地改良事業団体連合会や高知県の御指導をいただきながら慎重に進めてまいりたいと考えております。
 また、能間工区におきましては、企業誘致により次世代ハウス団地を建設する計画でありますので、企業誘致の公募に向けた準備も進めてまいりたいと考えております。その他の工区におきましても、工区の状況に合わせまして、現在各種測量や調査等を実施しております。国、高知県等の関係機関、また土地改良区の皆様方と事業が円滑に進むように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、広報紙に掲載しております多面的機能に関しての御質問にお答えします。
 まず、広報紙への圃場整備事業関連の記事の連載は令和元年6月号から掲載させていただいておりますが、今後も市民の皆様方が理解できるよう、できる限り分かりやすく事業の内容等を掲載してまいりますので御覧いただきたいと思います。
 御質問の多面的機能支払交付金でありますが、この交付金は農地や農道水路などの地域資源を守るために組織された地元組織の活動に対する交付金で、各組織が活動を行う農用地面積に応じて組織に対して支払われております。現在30組織が田役での泥上げや草刈り、また植栽や農道水路の小修繕などの活動に係る経費に充てておりますが、広報紙にも掲載しておりましたように、農業・農村が有する多面的機能を発揮し、今後の農道水路等を維持管理していくためにも、未組織の地域では組織化を進めていただきたいと考えております。本市の中を流れている水路は、農業用だけでなく家庭排水や道路排水など、様々な水が流れております。地域ぐるみで維持管理し、地域を守っていくということが大切であると思っております。
 一方で、他市町村におきましても、高齢化等により組織で中心的な役割を担う方々が不在となって活動中止となってしまうケースも見受けられますので、活動を継続していくためのよい事例等があれば情報提供を行ってまいりたいと考えております。以上です。
○議長(土居恒夫) 生涯学習課長。
      〔中村俊一生涯学習課長登壇〕
○生涯学習課長(中村俊一) 国営圃場整備事業の進捗状況の中で、埋蔵文化財発掘調査について申し述べさせていただきます。
 国営圃場整備事業における埋蔵文化財発掘調査につきましては、まず各事業地で試掘調査を行い、本調査の必要性の有無を確認いたしますが、南国市には埋蔵文化財包蔵地が多く、本調査の必要な地区が幾つも存在しております。
 本市では、平成28年度1名の発掘調査員でしたが、29年度から毎年調査員を採用してまいりました。その間に退職者もありました関係で、令和3年4月現在の調査員数は4名となっております。この4名で民間開発への対応業務や篠原土地区画整理事業地の本調査も並行して行っているところでございまして、圃場整備事業へ十分な調査体制が組めておりません。
 こうしたことから高知県にも協力のお願いをし、その結果、令和3年度から高知県埋蔵文化財センターに調査の一部を委託し、2班体制を能間地区に投入いただいておるところでございます。今年度当初予算ベースの金額で、圃場整備関連調査予算が6,326万8,000円、特定財源として国からの委託金が6,206万9,000円でございますが、高知県埋蔵文化財センターへの再委託金が5,783万8,000円となっておるところでございます。以上です。
○議長(土居恒夫) 農林水産課長。
      〔古田修章農林水産課長登壇〕
○農林水産課長(古田修章) 杉本議員の御質問にお答えいたします。
 まず、6月補正で予算化をいたしました収入保険の保険料の助成を行う補助金につきましては、収入保険加入推進支援事業として補助金交付要綱を制定し、農業共済組合と協議を行いながら実施に向けて進めているところでございます。
 収入保険は、農業の様々なリスクに対する経営の安定を図る観点から、平成31年から国の制度として実施をされているもので、制度としましては保険期間の販売収入が過去5年間の平均収入の9割を下回ったときに下回った額の9割を上限として補償を受けることができるというもので、同様のセーフティーネットに農業共済や野菜価格安定制度などがございますが、農産物の需要や価格の低下、自然災害などによる収入の減少までしっかり補償できる制度はほかにございませんので、収入保険の掛け捨ての保険料部分に対して支援を行うことで加入を推進し、大きな補償によって地域の農業者の経営の安定と地域農業の維持を図りたいと考えております。
 そして、ほかの自治体の動向といたしましては、近隣では香南市、香美市が実施予定とのことでございますが、高知県全体では現在本市も含めて7市町村がこの支援に取り組んでいるとのことでございます。
 また、収入保険は1月から12月までが保険期間で、申込みは前年の10月から12月の期間に行いますので、令和4年分の加入申込みについては農業共済組合が農業者から申請の委任を受け、12月以降に取りまとめて市に申請をするという形となります。現在、市の広報9月号と市のホームページ上でこの支援事業について掲載をいたしまして、周知を図っております。
 また、この支援の継続についての御質問でございますが、様々なリスクに対応する農業経営安定のためのセーフティーネットは、収入保険をはじめとしまして、先ほど申し上げた農業共済、野菜価格安定制度などがございますが、基本的にはそれぞれ同時加入ができないことになっておりますので、多くの農業者の方は生産されている品目の市場の動向などを見極められて、いずれかを選択し加入をされていると思います。そして、その中でも収入保険はほかの対策と比較して保険料が高いということが課題ではありますが、今回のような収量の低下でなく、品質の低下についてもしっかり対応できる制度でございますので、市といたしましても、より一層の加入促進への取組は重要と考えております。しかし、今年度については新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源としての支援としておりますので、交付金がなくなった後の支援につきましては、加入の状況などの効果も検証しながら検討することが必要と考えております。
 次に、離農者を生み出さないためにという御質問でございますが、一般の農業者の経営状況等につきましては、関係機関の営農指導の際や出荷状況、部会からの情報などで一定把握できる部分はあるかと思われますが、身体的、精神的なところまでの把握、対応は難しい状況でございます。しかし、新規に就農される方につきましては、県、市、JAなどの関係機関で組織している担い手育成総合支援協議会で、就農に向けた相談から始まり、栽培品目の決定から研修の期間、方法、実地研修を受ける指導農業士とのマッチング、就農を開始する圃場や融資についても情報提供を行い、きめ細やかに支援を行っております。就農後も定期的に圃場を訪問し、営農面、栽培面の指導をはじめ、関係機関、指導農業士も含めて連携してフォローに当たっております。
 また、移住就農の方など地域に身寄りのない方もおられますので、県の中央東農業振興センターの管内である香南市、香美市、南国市3市の新規就農者と関係機関、指導農業士で香南・香美・南国地区新規就農者歓迎会を開催し、新規就農者同士で気軽に相談し合えるような環境づくりについても行政の枠を超えた支援に取り組んでおります。
 このように、担い手育成総合支援協議会で関わってきた新規就農者につきましては、細やかに支援をしてきた成果と言えるのかもしれませんが、経営的にも順調な方が多く、新たな指導農業士として研修生の受入れをされるなど、高い意識を持って取り組まれております。しかし、そのような支援体制で取り組んでいる中でも離農された方は1名おられますが、農業は経営面の問題のみでなく、他の職種と比較しても地域に根づいて取り組んでいかねばならない面が多いということもありますし、その方がイメージされていた農業との食い違いがあったのか、現在は確認ができない状況ではありますが、担い手育成総合支援協議会でも相談初期の段階から、より一層状況の把握に努め、安定した就農につながっていくよう取り組んでいくこととしております。
 そして、各種支援策への御質問につきまして、農業法人Aitosa株式会社につきましては、県の事業を活用して整備中であった次世代型園芸ハウス1号棟3,708平方メートルが完成し、必要な雇用につきましても一定めどがつき、今月から養液栽培によるシシトウの生産を開始する予定でございます。また、4園芸年度よりJAのシシトウ部会に正式に入部されまして、11月ぐらいからJAの系統出荷で出荷を始める予定となっております。今後も本市における企業の農業参入のモデルとして、関係機関と連携した支援に取り組んでまいります。
 また、6月議会で杉本議員に御提案いただいた大学生を支援する地産地消のお弁当の配布につきましては、今議会におきまして南国市地産地消拡大事業として補正予算を計上しておりますが、JA高知県土長地区への委託事業としまして、四方竹やシシトウの生産が盛んとなる11月に高知大学海洋科学部、医学部にそれぞれ2回ずつの配布を実施する予定でJAと協議を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(土居恒夫) 杉本議員。
○1番(杉本 理) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 市長からは、事業の成功に向け全力で取り組んでまいりたいと、力強い答弁がありました。関係者の皆さんの御尽力により高い同意率となっておりますけれども、同意していただけてない方への配慮も含めて、行政マンとしてはもちろんのこと、政治家としての手腕もお願いできればと思います。
 圃場整備について、田所課長からも御丁寧に御答弁いただきました。ありがとうございました。この問題では、8月30日付の日本農業新聞において小針美和農林中金総合研究所主任研究員は次のように語っておられます。少し長いですが、紹介をさせていただきます。
 大規模経営が倒れれば、地域の水田農業の存続自体が危うくなる。米の需要が減る中、経営安定の観点からも転作助成の在り方を再検討すべき時期では。また、経営規模が大きくなる分、農地や水路などの維持管理の負担も増す。多面的機能支払交付金はあるが、自発的に維持管理に取り組む地域を支援するものであり、そうした動きがない地域ではどうするのかが重要な課題だ、と話されています。
 まさにそのとおりだと思います。先ほど他市町村のケースなども言及いただきましたけれども、本市においても担い手不足は深刻であり、他人事ではないと思います。
 そこで、農地整備課長に2問目としてお伺いいたしますが、本市において似たようなケースや辞まりそうな地域がありますでしょうか。また、このことに対して対策を考えられているのであればお聞かせください。
 農林水産課長から離農者を生み出さないための質問に対するお答え、ありがとうございました。現状でも生産部会や青年部、女性部など農業者同士が交流する機会があり、そこで悩みを打ち明けることもあるかと思います。また、お答えいただいたように、担い手育成総合支援協議会などが行う支援にも、ある一定成果が上がっているのかと思います。ただ、コロナ禍でもあり、以前と比べて人と人とが交流する機会が限られているのも現状かと思います。担い手協など様々なチャンネルを生かして、この問題にさらに取り組んでいただけたらと思います。
 農林水産課長からは、各種支援策についても御答弁いただきました。ありがとうございました。本来なら農家への直接支援、収入補償、価格補償やだぶついてるお米の買上げなどができればいいのですが、なかなか市町村、国などで実施するということは難しいのかと思います。今回の収入保険補助金の実施により、多くの農業者の手助けになればと思います。
 また、この補助金については、今年の長雨にも対応できる保険だとの説明もありました。長雨については、先日の市長答弁で被害に対して何らかの支援を考えていきたいと述べられておりました。収量のダウンだけではなく、今後等級のダウンなどの被害状況が確定してくると、被害額がさらに大きくなることも予想されます。必要であればちゅうちょなく補正予算の編成に取りかかるなど、機動的な対応をお願いしたいと思います。
 また、今議会に出されております補正予算案に計上されております学生さんへのお弁当配布についても御答弁いただきました。ありがとうございました。100万円を超える予算額となり、単なる学生支援にとどまらず、本市南国市のアピール、そして農業者支援にもなると思います。今後JAと協議を進めるということですが、担当者の皆さんの御尽力、よろしくお願い申し上げます。
 生涯学習課長から、国営圃場整備事業に関して遺跡発掘についての状況をお知らせいただきました。調査員が本当にこの事業がなくても大変だということは常々聞いておりますけれども、御答弁では平成29年から毎年調査員を採用してきたけれども、退職者などもあってなかなか大変だと。篠原もあるし民間開発への対応業務もあるということで、なかなか大変だと思います。今年度より高知県埋蔵文化センターに調査の一部を委託するという答弁をいただきましたけれども、今回面積も広く、円滑に実施できる体制になるのかどうかというのは不安でありますので、その辺について御説明をいただけたらと思います。
 以上、2問目を終わります。
○議長(土居恒夫) 答弁を求めます。農地整備課長。
○農地整備課長(田所卓也) 杉本議員の2問目にお答えします。
 南国市でも多面的機能組織が活動中止となった事例があるのかという御質問ですけども、多面的機能の活動組織は5年スパンで計画的に活動を継続しておりますが、その計画更新の際に役員となる人がいない、また今の役員体制では次の5年間の活動を継続していくことが困難との理由で、直近では3年前に2組織が活動継続を断念しております。この多面的機能の活動は、農業分野だけでなく地域の防災や環境保全の面でも重要な役割を担っておりますので、地域ぐるみで取り組むべきであると考えておりますが、ある組織の役員の方からは、若い世代の人をどのように巻き込んでいけばいいのだろうかというお話も伺っているところであります。組織の活動継続に関しましての御相談につきましては、早い段階でお伺いできれば何かしらの対応策も検討できるかと思いますので、組織に寄り添いつつ、繰り返しになってしまいますが、まずは組織の維持に向けたいい事例の情報収集を行ってまいりたいと考えております。以上です。
○議長(土居恒夫) 生涯学習課長。
○生涯学習課長(中村俊一) 調査員の件につきましては、御指摘のとおり、今後の調査を円滑に実施するためには、市が直接調査を行えるよう今後も調査員の確保に努める必要がございまして、令和4年度職員採用試験にても調査員の募集を行っているところでもございます。
○議長(土居恒夫) 杉本議員。
○1番(杉本 理) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 調査員の募集を行っているということで、圃場整備だけでなく、本当に逼迫してるかと思いますので、しっかり補充のほうをよろしくお願いしたいと思います。
 それから、多面的についても2組織ということで、現状についても把握をされているようでもございますけれども。南国市のどの地域においても重要な役割を果たす多面的ですので、できるだけ現状を聞いて、若い人の巻き込みをどうしたらいいのかとかお悩みも聞いてるようですけれども、どの問題でもそうですけれども、行政に相談するときというのは悩みの最初の段階で相談されるというのは少ないと思うんですよね。本当に困り果ててから相談される。税金をよう払わんとか、滞納が来てから相談するとかいうことが大体常だと思いますけれども、それは農業分野においても同じことがあるかと思いますので、できるだけ早い段階でそういったことをつかんでいただいて、対処を重ねていただけたらと思います。
 以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。御答弁どうもありがとうございました。
○議長(土居恒夫) 10分間休憩いたします。