○南国市手話言語条例

令和4年3月23日

条例第1号

手話は,音声を使わず,手指や体の動き,表情を使って,視覚的に表現する言語であり,平成18年に国際連合総会で採択された障害者の権利に関する条約や平成23年の改正後の障害者基本法(昭和45年法律第84号)においても,言語として位置付けられている。

しかしながら,長年にわたって,手話は言語として認められてこず,手話による円滑な意思疎通ができる環境の整備が進まなかったことから,ろう者は,いまだ必要な情報を得ることや十分なコミュニケーションをとることが難しい状況におかれている。

そのため,手話が言語であるという認識を広げ,ろう者とろう者以外の者が真に共生する地域社会の実現を目指し,この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は,手話が言語であるという認識に基づき,手話及びろう者に対する理解の促進並びに手話の普及(以下「手話の普及等」という。)に関する基本理念を定め,南国市の責務並びに市民及び事業者等の役割を明らかにするとともに,取組の推進を図り,もってろう者とろう者以外の者が真に共生する地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) ろう者 手話を言語として使用して日常生活又は社会生活を営む聴覚障害者をいう。

(2) 市民 南国市に居住し,勤務し,通学し,又は滞在するものをいう。

(3) 事業者等 南国市に事務所又は事業所を有する法人その他の団体をいう。

(基本理念)

第3条 手話の普及等に関する取組は,次に掲げる事項を旨として,南国市,市民及び事業者等が相互に連携し,推進するものとする。

(1) 手話は,ろう者が文化的かつ心豊かな日常生活又は社会生活を営むために大切に育んできた言語であること。

(2) ろう者は,手話による円滑な意思疎通を図る権利を有し,その権利は尊重されること。

(南国市の責務)

第4条 南国市は,基本理念にのっとり,次に掲げる施策を推進し,手話による円滑な意思疎通ができる地域社会の構築に努めるものとする。

(1) 手話の普及等に関する施策

(2) 手話通訳者の派遣等によるろう者の社会参加の機会の拡大を図るための施策

(市民の役割)

第5条 市民は,基本理念に対する理解を深め,南国市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者等の役割)

第6条 事業者等は,基本理念に対する理解を深め,南国市が推進する施策に協力するとともに,ろう者が利用しやすいサービスの提供及び働きやすい環境の整備に努めるものとする。

(施策の策定及び推進)

第7条 南国市は,障害者基本法第11条第3項の規定に基づき策定する障害者のための施策に関する基本的な計画において,第4条各号に掲げる施策について定め,これを総合的かつ計画的に推進するものとする。

(学校等における手話の普及等)

第8条 南国市は,学校等において,幼児,児童及び生徒に対する手話の普及等に努めるものとする。

(財政上の措置)

第9条 南国市は,第4条各号に掲げる施策を推進するため,必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

この条例は,公布の日から施行する。

南国市手話言語条例

令和4年3月23日 条例第1号

(令和4年3月23日施行)