○南国市職員の懲戒処分の基準に関する規則
平成26年10月10日
規則第20号
(趣旨)
第1条 この規則は,任命権者が地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条に規定する懲戒処分(以下「懲戒処分」という。)を厳正かつ公正に行うため,代表的な事例についての標準的な処分の量定に関する基準を定めるものとする。
(懲戒処分の基準)
第2条 任命権者は,懲戒処分の種類及び程度を決定するに当たり,次に掲げる事項を総合的に考慮し,別表に規定する懲戒処分の標準例(以下「標準例」という。)を参考にして,適正に判断するものとする。この場合において,標準例に記載のない非違行為については,標準例に掲げる事例のうち類似のものを参考に判断するものとする。
(1) 非違行為の動機,態様及び結果
(2) 故意又は過失の度合い
(3) 非違行為を行った職員の職責及び職責と非違行為との関係
(4) 他の職員及び社会に与える影響
(5) 過去における非違行為の有無
(6) 日常の勤務態度及び非違行為後の対応
(懲戒処分の加重又は軽減)
第3条 懲戒処分については,次に掲げる事項を勘案して,処分の程度を加重し,又は軽減することができるものとする。
(1) 事故の発生原因及び発生状況
(2) 南国市又は他人に与えた損害の程度
(3) 刑事処分の有無及び量刑
(4) 公安委員会の行政処分の有無及びその程度
(5) 違反又は事故を起こした者の違反又は事故の前歴
(6) 事故を起こした者及び相手方の過失の程度
(7) 公務中又は公務外の違反又は事故
(8) 隠ぺいの事実の有無
(9) 前各号に掲げるもののほか考慮すべき特別の事情
(懲戒に至らない指導上の措置)
第4条 職員の非違行為に対してその責任を確認させ,将来を戒めるための行為で懲戒処分に当たらない場合は,次の措置を行うものとする。
(1) 訓告 任命権者が文書により行う注意
(2) 厳重注意 任命権者が文書又は口頭により行う注意
(3) 口頭注意 任命権者又は所属長が口頭により行う注意
(内部通報及び告発等関係)
第5条 内部通報及び告発等については,次のとおり取扱うものとする。
(1) 非違行為の事実を内部通報した職員は,通報したことにより,いかなる不利益も受けないものとする。
(2) 非違行為の事実を発覚前に自ら申し出た職員に対しては,懲戒処分の量定を軽減できるものとする。
(3) 職員が行った非違行為のうち,刑事事件に係る事案については,刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)に定めるところにより告発又は告訴を行う。
附則
この規則は,公布の日から施行する。
附則(令和3年規則第4号)
この規則は,公布の日から施行する。
別表(第2条関係)
懲戒処分の標準例
非違行為の種類 | 免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||
一般服務関係 | 欠勤 | 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||
正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||
正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||
遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | ○ | ||||
休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合 | ○ | ○ | |||
勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り,公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||
職場内秩序を乱す行為 | 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | |||
他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | ||||
虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合 | ○ | ○ | |||
違法な職員団体活動 | 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業,怠業その他の争議行為をなし,又は市の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした場合 | ○ | ○ | |||
地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て,又はその遂行を共謀し,そそのかし,若しくはあおった場合 | ○ | ○ | ||||
秘密漏えい | ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし,公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||
イ アにおいて,自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした場合 | ○ | |||||
ウ 具体的に命令され,又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより,職務上の秘密が漏えいし,公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
政治的目的を有する文書の配布 | 政治的目的を有する文書を配布した場合 | ○ | ||||
個人情報保護義務違反 | 個人情報のデータ改ざん及び職務目的外の収集など不適切な情報処理等により個人の権利利益を著しく侵害した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
その職権を濫用して,専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合 | ○ | ○ | ||||
営利企業等従事 | 許可なく営利企業等に従事した場合 | ○ | ○ | |||
入札談合等に関与する行為 | 市が入札等により行う契約の締結に関し,その職務に反し,事業者その他の者に談合を唆すこと,事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により,当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合 | ○ | ○ | |||
セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動) | 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし,又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | |||
相手の意に反することを認識の上で,わいせつな言辞,性的な内容の電話又は手紙若しくは電子メールの送付,身体的接触,つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | ○ | ○ | ||||
わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより,相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患した場合 | ○ | ○ | ||||
相手の意に反することを認識の上で,わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | ○ | ○ | ||||
パワー・ハラスメント | パワー・ハラスメントを行ったことにより,相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
パワー・ハラスメントを行ったことについて指導,注意等を受けたにもかかわらず,パワー・ハラスメントを繰り返した場合 | ○ | ○ | ||||
パワー・ハラスメントを行ったことにより,相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患させた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
不適正な業務執行 | 事務処理に適正さを欠き,又は職務命令に従わず,公務の運営に支障を与え,又は市民等に重大な損害を与えた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
公文書の不適正な取扱い | 公文書を偽造し,若しくは変造し,若しくは虚偽の公文書を作成し,又は公文書を毀棄した場合 | ○ | ○ | |||
決裁文書を改ざんした場合 | ○ | ○ | ||||
公文書を改ざんし,紛失し,又は誤って廃棄し,その他不適正に取り扱ったことにより,公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
公金公物等の取扱い関係 | 収賄 | 賄賂を収受した場合 | ○ | |||
横領 | 公金又は公物を横領した場合 | ○ | ||||
窃取 | 公金又は公物を窃取した場合 | ○ | ||||
詐取 | 人を欺いて公金又は公物を交付させた場合 | ○ | ||||
紛失 | 公金又は公物を紛失した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
盗難 | 重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った場合 | ○ | ○ | ○ | ||
公物損壊 | 故意に公物を損壊した場合 | ○ | ○ | ○ | ||
出火・爆発 | 過失により公物の出火・爆発を引き起こした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
諸給与の違法払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り,又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合 | ○ | ○ | |||
公金公物処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした場合 | ○ | ○ | |||
コンピュータの不適正利用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し,公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||
公務外非行関係 | 放火 | 放火をした場合 | ○ | |||
殺人 | 人を殺した場合 | ○ | ||||
傷害 | 人の身体を傷害した場合 | ○ | ○ | |||
暴力行為 | 暴力行為(人を傷害するに至らないもの。)を行った場合 | ○ | ○ | |||
器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した場合 | ○ | ○ | |||
横領 | 自己の占有する他人の物(公金及び公物を除く。)を横領した場合 | ○ | ○ | |||
遺失物,漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した場合 | ○ | ○ | ||||
窃盗・強盗 | 他人の財物を窃取した場合 | ○ | ○ | |||
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強奪した場合 | ○ | |||||
詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ,又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | ○ | ○ | |||
賭博 | 賭博をした場合 | ○ | ○ | |||
常習として賭博をした場合 | ○ | |||||
麻薬・覚せい剤等の所持等 | 麻薬・覚せい剤等を所持,使用,譲渡等をした場合 | ○ | ||||
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して,公共の場所や乗物において,公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | ○ | ○ | |||
淫行 | 18歳未満の者に対して,金品その他財産上の利益を対償として供与し,又は供与することを約束して淫行をした場合 | ○ | ○ | |||
わいせつ行為 | 公共の場所又は乗物において痴漢行為等わいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし,又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
交通事故・交通法規違反関係 | 酒酔い運転 | 酒酔い運転をした場合 | ○ | |||
酒気帯び運転 | ア 酒気帯び運転で人を死亡させ,重篤な傷害を負わせ又は傷害を負わせた場合 | ○ | ||||
イ 酒気帯び運転をした場合 | ○ | ○ | ||||
ウ イにおいて,物を損壊し,その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | |||||
飲酒運転の同乗者等 | 飲酒運転であることを知りながら同乗し,又は運転することを知りながら飲酒を勧めた場合 | ○ | ○ | |||
飲酒運転以外での交通事故等 | ア 人を死亡させ,又は重篤な傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
イ アにおいて,事故後の救護を怠る等措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||||
ウ 人に傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
エ ウにおいて,事故後の救護を怠る等措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
オ 無免許運転,著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
カ オにおいて,物を損壊し,その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
監督責任関係 | 指導監督不適正 | 部下職員が懲戒処分を受けた場合等で,管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた場合 | ○ | ○ | ||
非行の隠ぺい・黙認 | 部下職員の非違行為を知り得たにもかかわらず,その事実を隠ぺいし,又は黙認した場合 | ○ | ○ |