○南国市議会議員政治倫理条例

平成23年6月27日

条例第15号

(目的)

第1条 この条例は,南国市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する基本となる事項を定めることにより,議員の政治倫理のより一層の向上及び市民に信頼される市議会づくりの推進を図るとともに,市民も市政に対する正しい認識と自覚を持ち,市政の健全な発展に寄与することを目的とする。

(議員及び市民の責務)

第2条 議員は,市民全体の代表者として,市政に携わる機能と責務を深く自覚し,市民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し,地方自治の本旨に従って,その使命の達成に努めなければならない。

2 市民は,主権者として自らも市政を担い,公共の利益を実現する自覚を持ち,議員に対し,その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み,その職務に関して不正等の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め,その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市民からの議員の地位による影響力を不正に行使させるような働きかけに応じないこと。

(4) (市の出資法人等(市が資本金その他これに準ずるものを出資している法人をいう。)を含む。以下同じ。)が行う許可,認可,契約締結等に関し,特定の企業,団体等のために有利な取り計らいをしないこと。

(5) 市職員の公正な職務執行を妨げ,又はその権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(6) 市職員の採用,昇格又は異動に関して推薦又は紹介をしないこと。

(7) 市から活動又は運営に対する補助又は助成を受けている団体等(自治会を除く。)の長に就任しないこと。

(8) 政治活動に関して企業,団体等から政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。議員の後援団体に対する寄附についても,同様とする。

2 前項第7号の規定は,新たに議員となった者がその当選の際在任している団体等の長の残任期間においては,適用しない。

3 議員は,政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは,自ら真摯な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに,その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(請負契約に関する遵守事項)

第4条 議員は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し,自らが役員と同程度の執行力又は責任を有すると認められる法人等に対し,市が発注する工事,製造等の請負に係る契約の締結の自粛を求めるよう努めるものとする。

(審査請求)

第5条 議員は,他の議員が第3条第1項の規定に違反する疑いがあると思料するときは,南国市議会議長(以下「議長」という。)に対し,審査を請求することができる。

2 前項の規定による請求は,その理由を明らかにし,議員2人以上が連署する書面により行わなければならない。

(審査会への審査要請)

第6条 議長は,前条第1項の規定による審査の請求があったときは,速やかに南国市議会議員政治倫理審査会に審査を要請しなければならない。

(南国市議会議員政治倫理審査会の設置)

第7条 政治倫理の確立を図り,前条の規定による審査の要請に応じて調査審議するため南国市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は,審査の要請のあった事項について,その適否及び政治倫理基準に違反すると認められるかどうかを調査審議する。

(審査会の委員)

第8条 審査会の委員は,10人以内とする。

2 審査会の委員は,議長が議員のうちから指名する。

3 審査会の委員の任期は,審査会が付託された事案の審査の結果を議長に報告した時までとする。ただし,審査会の委員が議員の職を失ったときは,その任期を終了するものとする。

4 審査会の委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,また同様とする。

5 審査会の委員は,公正かつ適切にその職務を遂行しなければならない。

(審査会の調査権限)

第9条 審査会は,必要があると認めるときは,審査の対象となる議員(以下「審査対象議員」という。)その他適当と認める者を会議に出席させて説明を求め,若しくは意見を聴き,又は資料の提出を求めることができる。

2 審査会は,必要があると認めるときは,審査対象議員に対し,資産等に関する書類(以下「資産報告書等」という。)の提出を求めることができる。

3 資産報告書等に記載する事項は,議長が別に定める。

(議員の協力義務)

第10条 審査対象議員は,審査会からの求めがあったときは,審査会の会議に出席して説明をし,若しくは意見を述べ,又は審査に必要な資料若しくは資産報告書等を提出しなければならない。

(釈明の機会の保障)

第11条 審査会は,審査対象議員から審査会において釈明したい旨を求められたときは,その機会を保障しなければならない。

(虚偽報告等の公表等)

第12条 審査会は,審査対象議員が資産報告書等の提出を拒んだとき,若しくは虚偽の報告をしたとき,又は調査に協力しなかったときは,その旨を公表するとともに,第15条に準じた措置を講ずることができる。

(審査結果の報告等)

第13条 審査会は,第6条の規定により審査の要請があったときは,当該要請のあった日から起算して60日以内に審査の結果を書面により議長に報告しなければならない。ただし,天災その他審査をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは,この限りでない。

2 議長は,前項の報告を受けたときは,その結果を審査を請求した議員及び審査対象議員に通知するとともに,公表しなければならない。

(調査審議手続等の非公開)

第14条 審査会の行う会議又は調査審議の手続は,公開しない。ただし,出席委員の過半数の同意があるときは,この限りでない。

(政治倫理基準違反に対する措置)

第15条 審査会は,審査対象議員に政治倫理基準に違反すると認められる事実があるときは,議長に対し,辞職の勧告その他審査会が必要と認める措置を講ずるよう求めることができる。

(審査結果の尊重)

第16条 審査対象議員は,第13条第2項の規定による通知において,自らの行為が政治倫理基準に違反している旨の指摘がなされたときは,これを尊重し,政治倫理の確保のために必要な措置を講じなければならない。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は,議長が別に定める。

この条例は,公布の日から施行する。

南国市議会議員政治倫理条例

平成23年6月27日 条例第15号

(平成23年6月27日施行)