○南国市消防本部火災調査規程

平成10年3月16日

消本訓令第2号

(趣旨)

第1条 この規程は,消防法(昭和23年法律第186号)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 本調査は,火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

(用語の意義)

第3条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 火災 人の意図に反して発生し,若しくは拡大し,又は放火により発生して消火の必要のある燃焼現象であって,これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(2) 建物

 「建物火災」とは,建物又はその収容物が焼損した火災をいう。

 「建物」とは,土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの,観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物に設けた事務所,店舗,興業場,倉庫その他これらに類する施設をいい,貯蔵槽その他これに類する施設を除く。

 「収容物」とは,原則として柱,壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物をいう。

(3) 林野

 「林野火災」とは,森林,原野又は牧野が焼損した火災をいう。

 「森林」とは,木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹と,これらの土地以外で木竹の集団的な生育に供される土地をいい,主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。

 「原野」とは,雑草,潅木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。

 「牧野」とは,主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。

(4) 車両

 「車両火災」とは,次に区分する自動車車両,鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災をいう。

 「自動車車両」とは,の鉄道車両以外の車両で,原動機によって運行することができる車両をいう。

 「鉄道車両」とは,鉄道事業法(昭和61年法律第92号)における旅客,貨物の運送を行うための車両又はこれに類する車両をいう。

(5) 船舶

 「船舶火災」とは,船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。

 「船舶」とは,独行機能を有する帆船,汽船及び端舟並びに独行機能を有しない住居船,倉庫船,はしけ等をいう。

(6) 航空機

 「航空機火災」とは,航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。

 「航空機」とは,人が乗って航空の用に供することができる飛行機,回転翼航空機,滑空機,飛行船等の機器をいう。

(7) その他

 「その他の火災」とは,(2)から(6)までに掲げる火災以外の火災(空地,田畑,道路,河川敷,ごみ集積場,屋外物品集積場,軌道敷,電柱類等の火災)をいう。

(8) 爆発

 「爆発」は,人の意図に反して発生し,又は拡大した爆発現象をいう。

 「爆発現象」は,化学的変化による爆発の1つの形態であり,急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し,爆鳴・火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。

(9) 発火源 出火に直接関係し,又はそれ自体から出火したものをいう。

(10) 経過 出火に関係した現象,状態又は行為をいう。

(11) 着火物 延焼拡大に至る最初の燃焼物で消火の必要が認められるもの

(調査の区分)

第4条 調査は,火災原因調査及び火災損害調査に区分する。

2 火災原因調査は,次の各号に掲げる事項を究明するために行うものとする。

(1) 出火前の状況

(2) 出火原因

(3) 延焼拡大の状況

(4) 初期消火等の状況

(5) 避難の状況

(6) 消防用設備等の状況

(7) 死傷者の状況

(8) その他必要な事項

3 火災損害調査は,次の各号に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。

(1) 焼き損害

(2) 消火損害

(3) 爆発損害

(4) 火災による死傷者

(調査責任)

第5条 消防長(署長)は,管轄区域内の火災調査の責任を有する。

2 通行中の車両,航行中の船舶の火災については火災防御した場所を管轄する署長が,航空機の火災については墜落場所,火災発生場所を管轄する署長とする。

(体制の確立)

第6条 消防長(署長)は,調査に必要な人員並びに調査用器材を整備し調査体制を確立しておかなければならない。

2 消防長(署長)は,火災の形態により調査を機動的かつ効果的に実施するため,特に必要があると認められるときは,調査本部を設置することができる。

3 前項の調査本部の組織,編成等についての必要な事項は,別に定める。

(調査の実施)

第7条 消防長(署長)は,管轄区域内に火災を覚知したときは,直ちに調査に着手しなければならない。

2 消防長(署長)は,調査員を指定して調査に従事させるものとする。

3 消防長(署長)は,必要があるときは前項の調査員以外の職員を調査に協力(従事)させるものとする。

(調査員の心得)

第8条 調査員は,火災現象,関係法令等調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに,次の事項を遵守しなければならない。

(1) 調査員は,調査員相互の連絡を図り,調査業務の進行が円滑になるように努めること。

(2) 調査員は,調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに,個人の自由・権利を不当に侵害したり,調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らしてはならない。

(3) 調査員は,関係のある場所へ立ち入るときは,原則として関係者の立ち会いを得ること。

(4) 警察機関,その他の関係機関とは密接な連絡をとり相互に協力して調査を進めること。

(調査の原則)

第9条 調査は,事実の確認を主眼とし,先入観念にとらわれることなく科学的な方法による確認と合理的な判断の上に立ち事実の立証に努めなければならない。

(火災現場の見分)

第10条 消防隊員及び調査員は,火災現場に出向いたときは,消火活動中における火煙の色,臭い,燃焼音,延焼経路,その他関係者の言動等を見聞したときは,現場指揮者に報告しなければならない。

2 調査員は,火災現場を見聞し,火災原因の判定に必要な資料の収集に努めなければならない。この場合,原則として関係者の立ち会いのもとに行う。

3 火災状況の見聞は,その内容を明確にするため,写真により記録するよう努めなければならない。

4 調査員は,実況見分,関係者に対する質問等による事実等に基づき現場の復元を行うよう努めなければならない。

(現場の保存)

第11条 消防長(署長)は,消火活動が終了したときは所要の措置を講じた上で現場を保存しなければならない。ただし,調査上その必要がないと認めたときは,この限りでない。

(死者が生じている場合の扱い)

第12条 消防長(署長)は,火災現場において死者を発見した場合は,所轄警察署長に通報するとともに,必要な措置を講じなければならない。

(質問)

第13条 調査員は,関係者に質問し,原因の判定の資料となる事実の把握に努めなければならない。

2 前項により知り得た事実のうち,原因の判定に必要と認められる内容については,質問調書にその内容を記録しなければならない。この場合,記録した内容を当該関係者に読み聞かせるなどし,記載事項に誤りがないことを確認し,質問調書に署名を求めるものとする。

(照会)

第14条 消防長(署長)は,必要があるときは関係機関に対し,火災調査関係事項照会書(様式第1号)により必要な事項の通報を求め,又は照会することができる。

(資料の収集・保管)

第15条 消防長(署長)は,調査のために必要と認めるときは,関係のある者に対し,資料の任意提出を求め,関係者は,資料提出承諾書(様式第2号)により提出するものとする。

2 特に必要である場合は,り災物件の関係者に対し,資料提出命令書(様式第3号)により資料の提出を,報告徴収書(様式第4号)により報告を命じることができる。この場合,提出を依頼した資料のうち提出者が所有権を放棄しないものについては,鑑識・鑑定処分承諾書(様式第5号)により提出者の承諾を得ておかなければならない。

3 署長は,資料の提出があった場合提出者に対し,資料保管書(様式第6号)を交付しなければならない。また,資料を保管する場合は,保管票(様式第7号)を付し,保管品台帳(様式第8号)に記録し,調査が完了するまで保管しなければならない。

4 資料提出者が,資料の返還を求めるときは,資料保管書と引き換えに,返還し,資料提出者は,資料返却確認書(様式第9号)を提出するものとする。

(鑑定)

第16条 火災原因調査に必要がある時は,関係機関に鑑識・鑑定依頼書(様式第10号)により鑑定を依頼することができる。

(調査記録)

第17条 調査員は,調査結果を火災調査報告書(様式第11号)により署長に報告しなければならない。この場合,次の書類を添付するものとする。

(1) 実況見分調書(様式第12号)

(2) 火災原因判定書(様式第13号)

(3) 質問調書(様式第14号)

(4) 出火出場時における見分調書(様式第15号)

(5) 火災現場写真及び復元図(様式第16号)

(6) 火災損害額届出書(様式第17号)

(7) 防火管理等調査書(様式第18号)

(8) 損害額査定書(様式第19号)

(9) その他火災原因の判定,損害額の認定の根拠となった資料等

(原因の判定)

第18条 火災原因の判定は,火災の実況見分,質問,その他の関係資料等を総合的に検討し,判定するものとし,物的調査,人的調査による資料により裏付けるものとする。

(即報)

第19条 署長は,火災の状況についてその概況を消防長に即報しなければならない。

(報告)

第20条 署長は,第17条に規定する火災調査書により消防長に調査を完了した旨報告しなければならない。この場合,調査結果は,別に定める書式により行わなければならない。

(火災損害調査)

第21条 火災損害調査は,り災物件を詳細に調査し,損害の把握に努めなければならない。

2 損害額の算定基準は,火災報告取扱要領(平成6年消防災第100号)に基づき算出しなければならない。

(り災証明)

第22条 り災に関係ある者からり災証明書の交付申請があった場合は,当該火災の焼損状況等の事実に基づき,り災証明書(様式第20号)を交付することができる。

(書類の保存)

第23条 調査書は,南国市文書編さん保存規程(昭和36年南国市訓令第4号)に基づき,保存するものとする。

(施行細則への委任)

第24条 この規程の運用に必要な事項は,消防長が別に定める。

この規程は,平成10年4月1日から施行する。

(平成15年消本訓令第1号)

この規程は,公布の日から施行する。

(平成16年消本訓令第1号)

この規程は,公布の日から施行する。

(平成17年消本訓令第1号)

この規程は,平成17年4月1日から施行する。

(平成19年消本訓令第2号)

この規程は,公布の日から施行する。

(平成24年消本訓令第1号)

この規程は,平成24年4月1日から施行する。

(平成25年消本訓令第1号)

この規程は,公布の日から施行する。

(平成28年消本訓令第2号)

(施行期日)

1 この訓令は,平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際,第1条の規定による改正前の南国市火災予防違反処理規程及び第2条の規定による改正前の南国市消防本部火災調査規程に規定する様式による用紙で,現に残存するものは,当分の間,所要の修正を加え,なお使用することができる。

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像画像

画像

画像

南国市消防本部火災調査規程

平成10年3月16日 消防本部訓令第2号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第12編 防/第2章
沿革情報
平成10年3月16日 消防本部訓令第2号
平成15年5月20日 消防本部訓令第1号
平成16年4月5日 消防本部訓令第1号
平成17年3月29日 消防本部訓令第1号
平成19年4月10日 消防本部訓令第2号
平成24年3月30日 消防本部訓令第1号
平成25年5月8日 消防本部訓令第1号
平成28年3月31日 消防本部訓令第2号